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CNNやテレグラフ震災記事は「インチキ」 海外メディア監視サイトが「告発」
http://www.j-cast.com/2011/03/27091410.html?p=all
2011/3/27 17:24 :J-CAST
東北関東大震災のニュースを発信する海外メディア。福島第1原子力発電所の事故では、政府当局や東京電力の対応に鋭く切り込むなど高い評価を得ている報道もある。だが中には、読者の恐怖心をあおるような内容も見られるようだ。
インターネットでは、各種メディアの報道内容を監視するサイトが立ち上がった。米CNNやCBS、英テレグラフといった大手テレビ局や新聞もやり玉にあがっている。
日本の食品に交じって放射性物質米国に入ってくる
ネット利用者がメディアを監視して投稿 「ジャーナリスト恥辱の壁」という英語のウェブサイトがある。横浜在住で、映画事業に携わるアンドリュー・ウールナー氏が中心となって立ち上げた。東北関東大震災以降、怪しげな情報源をもとに記事を発信したり、事実とは異なる報道をしたりするメディアをネット利用者から「告発」してもらい、「恥辱の壁」のサイトで暴露していこうというものだ。
サイトには、記者の名前から媒体名、記事の見出し、ウェブのURLがリスト化され、ずらりと並んでいる。報道内容の「違法性」を11段階で独自に評価。レベル1では「意図的でないものの粗悪な情報に基づいた記事」という程度だが、数字が大きくなると「事実を検証せずうわさを事実のように伝えている」「読者の恐怖心をあおって記事を読ませる」となり、最悪のレベル11は「悪魔」とレッテルを張っている。
ユーザーからは多くの記事、メディアが報告されている。米CNNは、多くの映像が対象となった。例えば2011年3月20日の映像を見ると、女性キャスターが「放射性物質が、日本から輸入される食品に交じって米国に入ってくる恐れがあります」とやや上ずった声で伝えた後、空気中の放射性物質が日本から風に乗って米国本土にまで拡散するのではないか、と気象予報士にと尋ねた。予報士が「米国にはまず影響ありません」と返答するやいなや女性キャスターは、「この間も同じこと言ったじゃない」「大丈夫というのは、日本政府が言っていることでしょ」と、少々感情的に予報士に食ってかかった。さらに、カリフォルニア州が津波の影響で「非常事態宣言」を出したことを、福島第1の事故の関連による宣言だと勘違いして、予報士がいくら「影響はない」と言っても「だったらどうして、非常事態宣言なんか出されたのか」と納得しない。
女性キャスターの姿勢について「恥辱の壁」サイトに投稿された評価では、「ほとんど何の根拠もないまま、ウソ丸出しでセンセーショナルに伝えている」「インチキな情報を唯一の証拠として、福島から放射性物質が米国西海岸に届いたと言っている。ヒドい話だ」と手厳しく、11段階中で「ヒステリックな偏向報道」を示す「10」を付けられた。
また米CBSニュースはウェブ版で3月22日、「日本の医療システム、健康被害に対する準備が不足」との見出しで記事を配信。震災で被災した地域で薬や医療設備が不足しているとの内容を、あたかも日本の医療全体に問題があるような印象を与えていると、「恥辱の壁」サイトでは指摘している。
「放射線の拡散で東京はパニック」
欧州のメディアにも批判は少なくない。英デイリー・テレグラフ紙電子版は3月15日付の記事で、「放射線の拡散で東京はパニック」と報じた。記事が配信されたのは、福島第1の2号機で爆発が起き、原子炉格納容器下部にある圧力抑制室の破損が報告された時期だ。記事中には「東京在住者の中には既に住まいを離れ、とどまった人も屋内退避指示を想定して食料の買い占めに走った」とある。だが「東京脱出者」の例で挙げたのは来日しながらコンサートが中止となったチェコ交響楽団のメンバーや、ドイツ大使館が日本在住者に退避を促したというもので、在京日本人のコメントはゼロ。「恥辱の壁」サイトではこの記事を、「事実を誇張した記事。東京でパニックなど起きていない」として、11段階中「8」の評価を下した。
独誌「シュピーゲル」は3月13日付の記事で、震災から2日たった東京で深刻なモノ不足に陥っていると指摘。記者が都内の自転車販売店を取材したところ、自転車が売り切れていたという。それを見て「人々は都内がパニック状態に陥り、延々と交通渋滞になるのを恐れている」と結論づけた。渋滞でも自転車なら都内を脱出できる、という意味だろうか。だがある読者は「恥辱の壁」でこの見方を否定。「自転車が売れたのは東京を脱出するためじゃない。電車が動かなくなったときに有用だからだ」としたうえで「ありきたりの事実を見つけてきて誇張した記事を書いている」と批判した。
各メディアの記事を批評しているのは「短期的に日本に派遣されたジャーナリストではなく、日本を拠点にしている人々」(「恥辱の壁」サイトより)で、日本の事情に通じているだけに指摘も鋭い。日本の一部報道機関についても「センセーショナル」などとの投稿があり、当面はメディアウォッチを続けるようだ。
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