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NHK職員、地方で“不倫&接待”…不祥事連発の黒い温床とは
2011.03.08 :夕刊フジ
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20110308/enn1103081558011-n1.htm
NHK金沢放送局の元委託カメラマンの若生康貴容疑者(35)による主婦の死体遺棄事件は、殺人容疑を視野に入れて捜査が進められている。ところがNHKでは、全国ニュースでの扱いは他局に比べ極めて小さい。それほど珍しくない、とでもいうのだろうか。
残念ながらNHKの不祥事は、今に始まったことではない。
酔った上の罵詈雑言は序の口で、のぞき、窃盗、わいせつ事件、暴力事件は数多い。中でも騒然となったのは、2004年に起きた番組制作費流用事件だ。刑事事件にまで波及して、当時、受信料不払い運動が拡大。海老沢勝二会長は責任をとって翌年辞任している。引き継いだ坂本元一会長もインサイダー株取引で2008年に辞任、と連鎖した。
「団体としての規模が大きいから、一定の割合で不祥事が出るのは仕方ない」(業界紙記者)という声もある。
確かにNHKは、世界最大級の放送局だ。NHK本体を中心にNHKエンタープライズ、NHKエディケーショナルなどの子会社十数社、放送衛星システムなどの関連会社、財団法人NHKサービスセンターなどの公益法人を含めると巨大な職場となる。職員数は1万582人、子会社6088人と合わせ1万6670人(09年度)、さらに元カメラマンのような委託職員を加えると2万人は優に超す。
09年度の収入は6699億円、関連会社の2971億円を含めると全体で9670億円の“1兆円産業”なのだ。
NHK関連の不祥事は今年に入って早くも6件。1月には愛媛県で車上荒らし、静岡県内の盗撮、2月には名古屋放送局職員の転売目的の窃盗、大津放送局職員の視聴率データの投稿、札幌放送局職員の無免許運転、そして金沢での若生容疑者−。
「法に触れない不祥事を含めると、もっとある。NHK職員といえば地方の名士で通る。ちやほやされ、不倫や接待まがいの話は、むしろ地方で多い。それだけ誘惑が多いわけで高いモラルが要求される職場でもある」と元NHK職員。
金沢の事件では、ひとつの問題があぶり出された。「帰属意識やモラルが本採用職員より、比較的低い委託スタッフに頼っている体質」(現役のNHK地方職員)だ。
NHKはデジタル時代の高コスト体質を見据えて、ここ数年、地方を中心に経費削減に躍起になってきた。正職員を減らし委託スタッフを増員してきた。「カメラマンの2割は委託で、ライトマン、音声はほとんど委託というケースもある」と先の地方職員。この結果、問題になっている待遇面について、さらに指摘する。
「委託スタッフの月給は25万円程度。ボーナスはなく残業は44時間以内。妻子を抱えて生活するには、かなり苦しい。鬱屈した空気が、緩んだ組織を生む温床になっている」
こうした地方の声を新会長はどう聞くのか。
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