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「NHK」と「世論」と「責任転嫁」と by インナーマザー(日々坦々)-「日本人はなぜ戦争へと向かったのか-メディア編」
http://www.asyura2.com/10/hihyo11/msg/607.html
投稿者 JAXVN 日時 2011 年 3 月 05 日 09:28:45: fSuEJ1ZfVg3Og
 

「「NHK」と「世論」と「責任転嫁」と

NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」を見ました。

軍部官僚、マスメディア、国民という三本足の椅子の上に座るのは「世論」という責任転嫁による快感です。

世論とは気持ち良くなる快感が生み出す責任放棄の心理です。

マスメディアは軍と国民に責任を転嫁します。
軍部官僚はマスメディアと国民に責任を転嫁します。
国民はマスメディアと軍に責任を転嫁します。

それぞれが責任を転嫁する対象を見つけて自分の行動を正当化して行く過程がよく分る番組でした。

人が過剰に狂う時は無責任になる時です。結果はどうなってもいい。今が気持ち良ければいい。すっきりと発散出来れば後はどうなってもいいという心情主義に陥る時です。いわゆる思考停止です。
思考し行動する勇気を失った時に人は無責任になるようです。責任転嫁と思考停止は同義語だと思います。

マスメディアは「国民が望んでいる。軍の要請もある」と自分に言い聞かせます。
軍部官僚は「国民のためだ。メディアが煽るせいだ」と自分を納得させます。
国民は「メディアと軍人さんがそう言っているならば真実だろう」と鵜呑みにします。

三者三様の相互転嫁、相補的な責任転嫁の舞台が「世論」という空気を作ります。みんながみんで世論のせいにして無責任になれる。虚構の「世論」に責任を被けて、世論という偶像を崇拝する。そして誰も責任を取らない。しかし結果としてみんなが痛い思いをします。
陶酔のツケは平等ではありません。弱い者ほど痛い思いを背負って終戦を迎えました。

NHKはなぜ、今このような番組を製作したのでしょうか。
今同じことが起きているからです。

NHKは偏向報道の批判を浴びています。小沢先生の関連報道は特に情報選別が顕著です。

印象操作は物語です。いくつもある事実の選び方、組み合わせ方で物語は変わります。情報の点と線の「隙間」を視聴者自身に想像させて認識を構成させます。視聴者は自分で見つけた認識だと錯覚しますから信念を持ちます。

私はこの番組の「隙間」とは何かを考えています。戦前のマスメディア、国家官僚、国民が陥った責任転嫁の罠に嵌りたくはないので、尊敬する政治家の言葉を思い出します。「せっかちに判断するな」と。至誠通天、敬天愛人の感覚で待てと。反応するのではなく考えろと自分に言い聞かせます。

この番組には感動しました。食い入るように見ました。メディアの再生、反省、組織の生き残りを賭けたNHKの勇気すら感じました。しかし妙な違和感もあるのです。

ですから今は冷めています。この熱狂と冷静の往還運動が戦前の三者にはなかったのかもしれません。そして今も同じことが反復している予感がこの違和感なのだと思います。

複数のメディア情報を比較し、自分の頭で考えるクロスチェックの習慣が大切なことは理屈では分ります。責任転嫁をする世論ではなく、思考する世論とは責任を引き受ける覚悟です。この覚悟が本当の「闘いの気構え」だと思っています。

しかし現代の情報空間は思考を混乱させる誘惑が満ちていますから、浮気っぽい私などは直ぐに直情径行になってしまいます。情報空間のせい、浮気っぽい性分のせいだと責任転嫁をしています。「それでも私は責任転嫁をしている自分を自覚しているのだ」と再び責任転嫁します。合わせ鏡のように責任転嫁の無限後退が始まります。
それでも私は分っているのだと無間地獄の深淵を突き進むと、最後は宇宙に飛び出すような感覚を体験します。「責任」という言葉が宇宙空間で自分とぴったりに重なり、爆発するような感覚です。

その時、ちらっと一瞬だけ見えるものがある。そのままあっちに行ってしまいたい気持ちと押し返される斥力を感じて我に返ります。

責任とは畏敬の念だと思います。マスメディアや官僚機構、生きている国民の彼方にある「何か」への畏怖です。

思想家の柄谷行人氏が国家と民族と資本を「ボロメオの環」の交換様式として説明したうえで、その呪縛を解くための秘められた次元X(エックス)があると言います。

マスメディアと軍部官僚と国民の関係を閉ざされた交換関係だと捉えた時に、三者が交換しているものは「責任」です。責任を解消させるためのトリックが交換という転嫁です。自分をだますトリックを「責任転嫁」と言うのだと思います。

この罠の構造に気づかせてくれたNHKは優秀な組織だと思います。そして敵の中にも味方はいると感じました。プロデューサーの意図とは別に、視聴者それぞれに発見をもたらす弁証法の構成になっている番組でした。
まったくノーマークの番組だったので、日々坦々様に教えて頂き再放送を視聴出来てよかったと思います。ありがとうございました。

三本足の椅子に座って生きていくのが人間の宿命ならば、時々は椅子から降りて天を見上げる敬天愛人を思い出したいと思います。」

http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-917.html  

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コメント
 
01. 2011年3月07日 11:13:18: AQqyLULhMc
> 快感が生み出す責任放棄の心理

これは減税日本を応援する人にも言えるのでは?
阿修羅でも自分だけ盛り上がって応援している人もいますね(主に政治板で)。


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