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日本の政治報道を退屈にしたのは誰か――政治記者のみなさん、そろそろ本当の政治記事を書きませんか? (上杉隆)
http://www.asyura2.com/10/hihyo11/msg/567.html
投稿者 pochi 日時 2011 年 2 月 18 日 08:45:51: gS5.4Dk4S0rxA
 


週刊・上杉隆
【第162回】 2011年2月18日

日本の政治報道を退屈にしたのは誰か――政治記者のみなさん、そろそろ本当の政治記事を書きませんか?


 たまには「政局記事」というものを書いてみようと思う。

〈2月17日、小沢一郎元代表に近い16人の国会議員が民主党会派を離脱した。

 16人は、同党所属の比例選出の衆議院議員で、同日、衆議院に新会派「民主党政権交代に責任を持つ会」を届け出たのち記者会見を開いた。会長は渡辺浩一郎氏で、会見では「菅内閣に正当性はない」として即時退陣を強く求めている。

 これに対して、枝野幸男官房長官は、同日午前の会見で、「動き自体は当然、承知をいたしているが、詳細、どういう理屈を立てておられるのか、よく分からないところがある。また、同じ党で会派が別ということは、これはもう、常識的に考えられないことだと思っているので、党の方で然るべくキチッとした対応をしていただけるものと確信をしている」と不快感を示した。

 仮に、16人が予算関連法案などで反対に回れば、衆議院の3分の2議席による再可決が絶望的となり、菅政権は窮地に立たされることになる。

 岡田克也幹事長ほか、党執行部は、16人の会派離脱を認めず、さらなる同調者の動きを封じ込めようと躍起になっている。

 だが、小沢元代表周辺からは、さらなる同調者が現れることも示唆され、菅内閣は予算成立を前に、正念場を迎えている〉

ストレートニュースと新聞記事の大きな違い

 政治記者は大変である。朝から晩まで政治家を追いかけ、こうした記事を書かなければならないのだ。

 一見すれば、立派な記事であるかのようである。だが、そこには何ら深みはないし、膝を打つような分析もない。なにより読んでいてまったく面白くもなんともない。

 そう、こうした記事はストレートニュースと呼ばれ、通常、通信社の記者が書く記事とされている。

 世界中のメディアでは、新聞記者と通信記者の仕事は明確に区別されている。一方で、日本ではその二つが混在している。

 どういうことか? 端的に言おう。日本のメディア界には、「新聞記者」は存在しないのである。

 筆者が冒頭に書いた「政局記事」は、世界で言えば、ストレートニュースに分類されるだろう。それは、現象をそのまま「切り取る」ことで、できるだけ速く、ありのままの素材を読者に伝えることが是とされている。

 そのうちの一部は〈速報〉として扱われ、テレビや新聞などの同業者へ配信されることもある。

 世界的にみれば、速報を第一義とする仕事に特化した報道機関を「ワイヤーサービス」と称し、ロイターやAP、日本でいえば共同通信、時事通信などがそれにあたる。

新聞記事には記者の知見を総動員した内容が求められる

 一方で新聞社の仕事はそこにない。世界中で新聞記者の求められている仕事は、さらにそこから踏み込み、自らの知識、見識、経験などを総動員し、さらに取材、調査、分析、検証などを加え、一本の記事を書くことにある。

 そうなると、記者ひとりひとりが書く記事が違ってくるのが当然になる。人間はひとりひとり違うものである。よって同じ事象でも、違う価値観で物事を見るから、当然に異なる記事がたくさん生まれるのである。

 そのために新聞には欠かせないルールがある。それは、基本的にすべての記事に「バイ・ライン」(署名)が義務付けられているということだ。

 どういうことか? それはつまり、書かれている記事の内容と同時に、誰によって書かれているかということも、読者にとって重要な情報であるという認識が共有されているのだ。

 たとえば、日本の報道で「ニューヨークタイムズによると――」などという引用がよくされる。

 仮に、ニューヨークタイムズの記者がそれを知ったらきっと不思議に思うか、場合によっては抗議してくるかもしれない。

 なぜか。それは、ニューヨークタイムズという新聞が記事を書くことは一切なく(当たり前だが)、それは個人の記者によって書かれたものだからだ。

日本の政治報道を退屈にしたのは誰か?

 つまり、世界的にみた場合、新聞は、記者個人の主観や思想などが入りこむことが許され、通信社のストレートニュースのように客観性をそれほど求められていない。

 むしろ、スター記者が自らの署名のもと、ユニークな見方を提示することが少なくない。だから、新聞記事は引用するのならば、「ニューヨークタイムズのニコラス・クリストフの記事によれば」、とか「デイビッドサンガー記者(NYT)の記事によれば」という引用が正しくなる。

 もちろん、原則、署名の必要ないワイヤーサービス(通信社)ではこの限りではない。

 そう、日本に「新聞記者」がいないといったのはこのことなのだ。

 日本で、無味乾燥の退屈な「政局報道」ばかりが蔓延ることになるのは、政治記者たちがすべて「通信記者」だからだ。

 この世にはひとりとして同じ人間はいない。だから、新聞記者たちもそれぞれの価値観でもって記事を書けば、その人数分だけ異なった記事が生まれるのだ。

 その多様性こそ新聞の面白さであり、新聞記者の仕事の醍醐味なのである。

 政治記者のみなさん、そろそろ本当の政治記事を書きませんか?


http://diamond.jp/articles/-/11172
 

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コメント
 
01. 稲毛浜 2011年2月18日 11:23:45: 0ik7tVue93jR6 : kt52HLgdX6
上杉さん

素晴らしい観点の記事ですね。署名もしないで今の政局を小沢憎しの論点だけで盛り上げたい「ちょうちん記者」はネット以上に匿名性が高く、社会的には無意味な記事だと思います。
昔は魂のこもった記事を書いている記者がいたような気もしますが、現在は上の顔色を伺いながら小沢憎しの記事を書いている連中だけです。
本来は国民の生活だ第一の新聞社があってしかるべきだろう。
本当にマスゴミのやり方にはうんざりだ。

勿論菅にもうんざり。小沢系議員も気骨を見せてくれ始めているのが嬉しい。
我々が、膝を打つような記事を書ける新聞記者が出てくることを願っています。
上杉さん頑張って!!


02. 2011年2月18日 12:18:14: dipX3rmQ76
小沢命(笑)

03. 2011年2月18日 13:40:44: SG8Oxw7fk6

本当のことを書こうとしても、CIA主筆が…。

04. 2011年2月18日 19:18:40: ZmJqMt33RQ

マスゴミサラリーマン記者になれば年収1000万円は当たり前で退職まで居続ければ数億は稼げるおいしい職業だ。

たまに官房機密費というボーナスも貰えるのでサラリーマン記者としては、大変ご満悦w


05. 2011年2月18日 19:41:11: NRvAM7Ti0k
ナイス!上杉隆

02は馬鹿。


06. 2011年2月18日 21:07:05: bRVeaisTTs
記者は無意識の内にスパイに仕立てられるいる!
つまり
スパイそのもの。
みたいな記事が阿修羅にありました。

洗脳係の駒走りって事でしょう。
嘘記事ばかり書いて恥ずかしくないのでしょうか?


07. 2011年2月18日 22:29:27: j0yPRrFdlY
痴呆症の徘徊老人渡辺恒雄死刑囚をさっさと殺せばいいこと
いい手はないかなー

08. 2011年2月19日 09:00:56: 62KYWlz5VE
 
http://www.asyura2.com/0411/senkyo7/msg/142.html
 
『どこかの警察署が記者クラブを「広報さん」と呼んで話題になりましたが、
これでは上のような実態の、必要と思われる調査報道も行われないのは
当然だなと思ってしまいます。』
 
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1412927724
 

09. 2011年2月19日 22:19:02: Va3PL04Pf2
アメリカとその奴隷集団ゴミ売りグループ
わかりきってるジャン そんなこと

10. 2011年2月20日 19:36:16: I2dZG9bE4w
上杉さんは外国(英語圏か)のメディアの確立された慣例とニッ本のメディアとの違いをTVでいっていたことがある。
 ところで、去年の夏ごろかそれ以降英国economist,nytimes(USA),washingtonpostは実は偏向しているということを何を意識したか、ここのサイトに書いていたものがいた。何を根拠にまたはどういう動機でそういったのか、関心がある。
 

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