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経済の死角
2010年12月27日(月)
テリー伊藤の都政PR番組『TokYo.Boy』でセコイ横領疑惑
石原都知事肝いりの東京MXテレビ番組で、都税がプロデューサーの生活費に化けていた
放送翌週の土曜午後11時半~午前0時に再放送もされている。説教臭くない番組作りがウケている
〔PHOTO〕共同通信社
〔PHOTO〕共同通信社
東京都のローカルテレビ局「東京メトロポリタンテレビジョン(以下MX)」で、毎週日曜日の午後9時~9時半に放送されている『TokYo.Boy』という番組がある。今年で11年目を迎えた長寿番組で、松村邦洋が東京マラソンを走ったり、レッド吉田が羽田空港を案内したりするユルめな内容ながら、産みの親はあの石原慎太郎都知事(78)。
彼が初めて都知事に当選した時、親交のあったテリー伊藤(60)に「テリーさん、番組作ってくれないかな」と打診し、知事肝いりで始まった番組である。同番組のHPには、石原都知事とテリーの顔写真がデカデカと掲載されている。東京都生活文化局広報広聴部広報課が言う。
「(『TokYo.Boy』は)都政に関する情報を都民に分かりやすく伝えるため、都政PRの一環として制作しています。番組の制作は東京MXテレビに委託しており、制作費は都税で賄っています」
都はMXに番組制作を発注しているが、実際の制作は孫請けの番組制作会社「ロコモーション」(以下ロ社)が担当。そのロ社の社長がテリーという仕組みだ。産みの親である彼と石原氏が二人で番組に出演することもある。
12月12日放送回は、お笑い芸人がナゾを解きながら伊豆大島に隠された賞金を探すという内容だった
本誌が都に情報公開請求して得た資料によれば、MXが都に請求した同番組5本分の「テレビ放送料」(『電波料』を含む)は3445万円。
1本あたり約690万円になる計算だ。ちなみに1時間の特別番組の場合、請求金額は1592万円だった。キー局プロデューサーはこの数字に首を傾げる。
「民放キー局のゴールデン枠の予算でも2000万円を切りかねない御時世に、ローカル局の単なるPR番組が1500万円もかけているとは、何とも豪勢な話です。失礼ながらオンエアを観る限り、そんなにカネがかかっているとは思えませんが・・・」
今回横領疑惑が浮上したプロデューサー。何度も取材を申し込んだが、回答は得られなかった
〔PHOTO〕香川貴宏
〔PHOTO〕香川貴宏
さらにこの『TokYo.Boy』の制作に絡んで、使途の不透明な経費があるという疑惑が浮上している。それはロ社のプロデューサーにまつわるものだ。告発するのはMXの関係者、A氏。
「番組制作費は都議会の承認を経て支払われる税金です。私企業であるMXを通っているとはいえ、元々都民の税金だったものが不透明な使われ方をするのは、許されないと思います」
本誌はA氏から入手した、このプロデューサーが経費として使ったというロ社名義の領収書を元に、買い物をした店に確認取材を行った。
例えば、米国に本社を置く会員制大型スーパー「コストコ」の領収書。この時、購入されたのはトイレットペーパー2338円、釜揚げしらす670円、食器用洗剤698円、ふきん1578円、柔軟剤1448円、生理用品1298円・・・などで、しめて2万7520円。
ロコモーション名義の領収書の裏には「サンプル 衣装代 Tシャツ ワンピース」の文字が。実際には虫除け、靴下、ひげそり、白だしなどを買っていた | 実際に明治屋で購入されていたのは、生ハムやきゅうり、マッシュルーム、甘のり、根ミツバなど、裏書きされた菓子折りとは程遠いものばかりだった |
領収書の裏にはプロデューサーの筆跡で、「サンプル衣装代、Tシャツ、ワンピース」と書かれていたが、内訳は衣装ではなく、食品、日用品がほとんど。
裏に「ロケ菓子折 2ヶ」と書かれた5782円の領収書は「明治屋」の都内某店のもの。実際の購入品はパン菓子315円、甘のり399円、ルッコラ380円、銀ダラ西京漬け630円×2などで、これも申告された裏書きと一致しない。
他にも『三越』でブランド婦人服を3点(計3万9900円)買い、裏に「ロケ衣装 ジャージ サッカーシューズ」と書かれた領収書が。某アウトレット内にある『リーガルシューバー』では、婦人用サンダルを2つとメンズのスニーカーを買って領収書をもらい、「サンプル用 衣装代 帽子、くつ他」と裏書きしていた。フットマッサージャー(4万9800円)の領収書もあった。
A氏の指摘どおりテレビ番組制作のための経費としては不自然な点が多いため、事実関係を確かめるべくロ社に取材を申し込んだが、「社内調査中」「担当者不在」と繰り返すのみ。それならとMXに尋ねると「事実だとすれば遺憾だが、現時点ではロコモーションの担当者と事実関係を確認中であるため、この件についてはコメントできない」という答えが返ってきた。
発注元の東京都生活文化局広報広聴部広報課は、「東京メトロポリタンテレビジョンとは番組の制作、放送業務について契約を結んでおりますが、ロコモーションの件については関知していない」と答えた。三者とも責任をたらい回し。都民の大切な税金の使われ方を誰もキチンとチェックしていないのだ。そんななか、ロ社社長のテリー伊藤は次のように回答した。
「食品はスタッフの夜食を作るために買うことがあるし、洋服は潜入取材に使ったりする。女優さんのために生理用品を買うこともあります。ただ、都民の皆さんの誤解を招くようなことがあってはならないので、そこはきちんと指導したいと思います」
スタッフの夜食が"しらす"や"ルッコラ"とはにわかには信じ難いし、都政PR番組での潜入取材も考えづらいが、そういうこともテレビ業界ではあるのかもしれない。とはいえ、本当に私物を購入していたとすれば、立派な犯罪行為である。日本大学名誉教授の板倉宏氏が言う。
「金額にもよりますが、刑法上の『業務上横領』にあたり、10年以下の懲役刑に問われる可能性があります。制作費が都民の税金から出ているので、倫理的にも悪質だと思われます」
民間より高い制作費を税金でポンと払う東京都。それを受け取りながら使い道を精査しないMX。その放漫体質が今回のような疑惑の温床になっているのではないだろうか。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1775
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