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尖閣映像流出──メディア危機の「本質」
(会員制経済情報誌『現代産業情報』12月1日号より転載)
尖閣諸島沖の中国漁船衝突の映像が、動画サイト『You Tube』に投稿された問
題は、それが国家機密にあたるか否か、投稿主の海上保安官の行為が違反か否
か、強制捜査が妥当か否か──等、
メディアは多様な論点で語っているものの、その評価軸には保安官の行為が犯
罪性を帯びている、投稿映像は日中関係や日本の国益に影響しかねないとの前
提がある。
しかし、メディアは自身の足元が見えていないようだ。
「映像はなぜ既存メディアではなく、動画サイトに流出したのか」というテー
マは、メディアにとって回避できない現状認識のはずである。
象徴的な光景が、『朝日』記者(名古屋)のツイッターだった。
記者は、自社が尖閣映像をスクープできなかったのが悔しかったらしく、「こ
の映像を自分が、というか新聞社が入手することはできなかったのかなあ」
(11月5日)と書き込み、加えて、メディアを通じた内部告発のメリットを
再三にわたってつぶやいた。
曰く「メディアの紙面を通せば付加価値がつく」「You Tube運営元のGoogleが
捜査当局にIPアドレスを開示したように、内部告発にネットを使うと足がつ
きやすい」「一方でメディアの取材源秘匿は絶対であり、捜査当局の調べに明
かすことはなく、押収されるような証拠を残さないノウハウもある」──。
しかし“世論”は異論を述べ立てた。
メディアの報道は映像情報を「編集」し、「つまんで流すだけ」と、批判意見
が朝日記者のツイッターに書き込まれた。
記者は、「流出ビデオそのものも当局の都合で編集されている」と反論したも
のの、ネットユーザーたちは「マスコミを介すとさらにバイアスがかかる」と
一蹴。
所謂「メディア不信」を象徴する意見である。
民主党の小沢一郎前幹事長は、既存マスコミではなく、動画サイト『ニコニコ
動画』のインタビューに応じ、資金問題をめぐる国会招致を拒否すると明言し、
新聞、テレビはこれを追いかけざるを得なかった。
「編集することなく全てを流してもらえる」という点を評価して、小沢氏サイ
トが『ニコ動』を選んだという評価軸は、前記の「なぜ既存メディアに尖閣映
像が流出しなかったのか」という問いに対するものと、同じ解答を示している。
「編集権」を盾に立脚してきた既存メディアが、それ故に支持を失っているの
だ。
「メディアが権力側と癒着しており、内部告発をしても、“向こう側”に流さ
れてしまうのではないかという不信感を持たれていると痛感する」(ジャーナ
リスト)
以前は、新聞で書けない情報は記者から付き合いのある雑誌メディアに伝えら
れ、そこでも書き切れないものは『噂の真相』のような独立系雑誌に流れる
“情報流通路”があった。
だが、『噂の真相』がなくなり、週刊誌ジャーナリズムが暴露性を失い、新聞
が検察報道に象徴されるような権力追随体質を強めていくのに伴い、内部告発
を考える者にとっては、既存メディアは信頼できるメディアではなくなってい
るのだ。
その象徴例が今回の尖閣映像のYouTube流出に他ならないとみるべきであろう。
投稿した保安官は当初、米CNN東京支局に映像データをSDカードに入れて
郵送したと供述。
CNNはウィルス感染を疑い、SDカードの中身を確認しないまま廃棄したと
いう。
こうやって内部告発はメディアに無視されていくという典型例ではあるが、
「仮に中身を知ったところで、本当にCNNが報道に踏み切れたかは疑問。
真贋の確認、日中関係の考慮など、ためらう要素はあまりに多すぎる」(関係
者)との指摘がある。
ネットには当然ながら危うさがつきまとう。
GoogleのIPアドレス開示はその典型例だが、そのリスクがあっても重大情報
が既存メディアに入ってこない情報流通路の地殻変動こそがメディアの危機の
本質である。
だが、メディアは民主党外交への罵詈雑言を連日並べ立てるばかりで、自らが
陥っている危機の本質を認識しているとは、とても思えないのである。
>>
(私のコメント)
この世は何で動いているのか。金、数、言葉、映像、自然などである。
最近はコンピューターによって、より多くの物を管理し、同じ方向に動か
しやすくなっている。コンピューターを制する者が世界を制するになって来て
いるのである。
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