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(回答先: ミネラルウォーターの国内増産はもう限界、再び迫る“水不足”危機 (週刊東洋経済2011年5月28日号) 投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 8 月 13 日 04:19:37)
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/b2dc6f031d0232f1b8eb262b564e6165/
“飲料自販機”設置競争の熾烈、転機に立つドル箱事業
自動販売機による清涼飲料水(以下それぞれ、自販機、飲料)の販売金額は2兆1497億円(2008年推計)。日本全国の高速道路料金収入約2兆3000億円にほぼ匹敵する巨大市場である。飲料の販売チャネルは、スーパー、コンビニ、酒店などでの手売りと、自販機に二分できる。飲料総研の調査によると、飲料の約35%(数量ベース)が自販機で販売されている。
飲料メーカーにとって、自販機は最も大切な販売チャネルだ。理由は二つある。手売りより高い価格で販売できることから、高い粗利益率を享受できること。もう一つは、手売りと違って商品販売の主導権を取れることだ。コンビニでは、3カ月程度で死に筋と判断された新商品は棚から消える。だが、自販機ではメーカーが気長に新商品を育てることが可能だ。缶コーヒーなど自販機から生まれたヒット商品も多い。
(図:上記URL先 参照 投稿者)
収益源の自販機販売がかつてない落ち込み
コカ・コーラグループ2位のボトラーであるコカ・コーラ セントラル ジャパンの高橋顕三社長は、「コカ・コーラのボトラーにとって、自販機チャネルは最大の収益源だった」と語る。
コカ・コーラグループの自販機台数は98万台。業界首位である。コカ・コーラグループ全体では飲料の約47%(金額ベース)が自販機で販売されるという。コカ・コーラグループが自販機台数で首位に立ったのは、北海道から沖縄まで12社あるボトラーが全国くまなく自販機を設置したからだ。ボトラーの親会社は総合商社、有力メーカー、地場酒造会社などである。その信用力で自販機の設備投資資金を調達してきた。
だが、飲料の自販機販売は09年になって不況の影響を受け、かつて経験したことのない落ち込みを見せている。特に事務所、工場など職域に設置されている自販機販売の落ち込みが大きい。コカ・コーラ セントラルは神奈川から愛知県までの6県を販売エリアにしているが、自動車関連の職域を例にとると、減産の影響を受けて1〜3月の自販機販売は前年比30%も減少した。その後減産緩和で戻ってはいるが、まだ15%減のレベルという。
このほか、消費者の節約志向の影響も強く受けている。緑茶系飲料を例にとると、スーパーでは2リットルPETボトル入りが178円で買える。PB商品だと138円という安さだ。ところが自販機だと500ミリリットルPETボトル入りは150円の定価販売である。コカ・コーラ セントラルの高橋社長は、「消費者が価格差に敏感となり、自販機で買うことを控え始めている」と低迷の原因を指摘する。
ある有力ボトラーは4000人の消費者の飲料購入行動をモニターしている。最近の調査では、約1000人の消費者がスーパーで購入した2リットル入り飲料を魔法瓶に詰め替えて職域などに持参していたことがわかった。飲みたいときにすぐ買える利便性を盾に、高い販売価格で販売できたのが自販機だった。しかしこの不況下、消費者が手売りとの価格差を受け入れなくなっている。
自販機を無償で貸与 低稼働自販機も急増
国内最大のボトラー、コカ・コーラウエストの場合、自販機での販売数量は30%ほどだが、粗利益では70%前後を占めているという。自販機販売の落ち込みの結果、12社あるコカ・コーラボトラーのうち、09年12月期上期決算で営業黒字を確保したのは、1〜2社ではないかとみられている。ボトラーからは、「このまま事態を放置すれば、減価償却費などの固定費のかかる自販機チャネルは収益柱の地位を降りて、“鉄の十字架”になりかねない」と危惧する声が出ている。そうした危機感から、コカ・コーラ セントラルの高橋社長は「業界が手売り向けの過度の販売競争を是正して店頭価格を戻すことが、自販機販売回復の特効薬になる」と強調する。
ここで、飲料自販機販売のビジネスモデルを簡単にスケッチしてみよう。飲料メーカーが購入する幅1・3メートルほどの標準的な自販機の価格は40万円ほど。これにICカードなど電子式決済端末を入れると15万〜20万円高くなる。さらに真空断熱やヒートポンプを取り入れた最新型自販機は80万円になる。
自販機ビジネスで重要な役割を果たしているのが、自販機の設置や保守、商品の補充や入れ替えなどを担当するオペレーターである。
コカ・コーラグループは自社でオペレーター業務を行っているが、業界2位のサントリーになると、オペレーター業務を外部に委託する割合が高まる。JT系のジャパンビバレッジのようにオペレーター専業で、年商1620億円という大きな売り上げを上げる企業もある。
飲料メーカーは、オペレーターを経由して土地オーナーに無償で自販機を貸与する。かつては有償で貸与していたが、1980年代からビール会社の飲料事業拡大に伴い、自販機設置競争が強まり、各社とも無償で貸与するようになった。
下図が標準的な自販機販売の収益イメージ(取り分)だ。土地オーナーの取り分は相対取引のために千差万別だが、一般に売り上げの約20%といわれる。オペレーターの取り分もほぼ20%である。土地オーナーが負担する経費は月3000〜5000円前後の電気料金である。大型商業施設、公共施設、病院、職域、繁華街の路面など販売金額が多い自販機もあるが、月3万〜4万円程度しか販売できない自販機も少なくない。その場合、飲料メーカー、オペレーターが取り分を削って土地オーナーに渡すこともある。
http://www.toyokeizai.net/money/markett/detail/AC/3b7cbd9b1de48eb181e2cc7ff0ce0a89/
「六甲の水」手放すハウス食品はモミ合う - 10/04/09 | 11:43
六甲の水売却のハウス食品<2810>は6円安の1347円の後、2円高の1355円と買われ、前場引けは前日と同じ1353円とモミ合い。「六甲のおいしい水」として製造販売のミネラルウォーター事業の製造工場・採水地及び商法権などをアサヒ飲料へ53億円で売却する。5月31日付となる。同社は早くからミネラルウォーターに着目して手掛け、日本での天然水のパイオニア。ミネラルウォーターの売り上げは09年3月期で121億9900万円。年々、競争は激しく価格も下落傾向。同社は「健康食品・ダイレクト事業」、「海外事業」へ経営資源を集中していくためにミネラルウォーターからの撤退を決めた。ただ、「六甲のおいしい水」ブランドの継承を条件に譲渡先を選んだ。
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/ecd4123e96c8763e8148dd43df0af3d3/
コカ・コーラの苦悩、稼ぎ頭「自販機」が不振
- 09/08/26 | 09:00
各地のコカ・コーラボトラーが軒並み業績悪化に見舞われている。
西日本エリアを商圏とする日本最大のボトラー、コカ・コーラウエストは2009年度上期(1〜6月)が約13億円の営業赤字。下期の拡販や人件費削減などで挽回を図るが、通期でも営業利益は65億円と、前期比で4割も落ちる見通しだ。
神奈川県から愛知県まで6県をカバーする国内2位ボトラーのコカ・コーラ セントラルジャパンも同上期は営業赤字。同社が営業赤字になるのは01年の上場以来初めて。他飲料メーカーに比べても、その苦戦ぶりが目立っている。
自販機で稼げず
業績不振に陥った最大の要因は自販機部門の減少にある。国内は清涼飲料の自販機が約220万台あり、全ボトラー合計は約98万台と断トツ。業界2位のサントリーの約2倍の台数を保有する。今やスーパーの安売りで90円前後で売られている500ミリリットルのPETボトル飲料が自販機だと150円。販販価格が高い自販機部門はボトラーにとって最大の収益源だった。
コカ・コーラウエストの場合、自販機での販売数量は全体の3割だが、粗利益の約7割を自販機部門で稼ぎ出す。しかし不況による減産や人減らしで、工場や事務所など職域に設置された自販機での販売が急減。同社の自販機部門の売り上げは上期で7・1%減少したが、5月の職域(工場など)における売り上げは22・5%も落ち込んだ。
ボトラーの苦境は自販機部門の苦戦だけではない。量販店向けに数量を伸ばしているが、「価格の安いPBの飲料商品と競合している。量販店からの値下げ要求もきつい」(ボトラー首脳)。
あるボトラーの調査では、スーパー向けの主力商材である2リットルPETボトルの店頭価格が、ここ2年余りで170円から150円に下がったという。また、缶コーヒーの「ジョージア」や「爽健美茶」など、基幹商品の訴求力低下も影響している。ほかにも業界内では、これまで各ボトラーの製造工場への設備投資が不十分だったため、老朽化や生産性低下を指摘する声もある。
そして、価格競争が激しくなる中、最大の製造原価である「原液代」も悩みの種だ。これは日本コカ・コーラから購入するもので、その代金が米国のコカ・コーラ本社の利益に貢献している。
一部のボトラーでは競争力向上を図ろうと工場の新鋭化のためにコンサルタントを導入し、準備に動き出した。このボトラー首脳は、「設備投資の原資を捻出するためにも、原液代を見直してほしいが……」と漏らす。だが、自販機不振の打開策を見いだすのは容易ではなさそうだ。
(図:上記URL先 参照 投稿者)
東京郊外の路面に自販機2台(サントリー、ダイドードリンコ)を設置するある土地オーナーの場合、月の収入は電気料金控除後2台で1万2000円という。立地がよくないとはいえ、やや少ない印象だが、この土地オーナーは、「1坪あれば2〜3台の自販機を置ける。この地代と考えれば満足できる」と語る。
さらにこのオーナーは、業界の設置競争の激しさをこう証言する。
「サントリーのオペレーターが、置かしてくださいと頼みに来た。ウチの立地ではあまり売れないよ。最初は断ったが、そのオペレーターの熱意に負けた。担当者は1円でも利益が出れば置きますという。たとえ利益が出なくても、サントリーの広告塔にもなるから、と」
また、ある飲料メーカーの担当者は、「1日500ミリリットルPET飲料が10本売れれば置く」と言う。自販機設置のバーはかなり低いようだ。
自販機販売の不振が続く中、より人が多く集まる好立地を求めて、自販機設置競争は激化する。そこでは置いてもらうために多額の“ショバ代”を払うケースも増えている。
最近ある大手飲料メーカーが、名古屋市役所内に自販機2台を3年間置くために、最初に3000万円の“ショバ代”を払ったことが話題になった。ライバル関係にある飲料メーカーの首脳は、「立地のよさで1台当たり販売平均の4倍に当たる年間1000ケースを販売できたとしても、投資の回収はできないだろう」と推測する。ちなみに1ケースとは缶コーヒーで30個、350ミリリットルPET飲料で24個に相当する量だ。
このほか大型SCなどでも熾烈な自販機設置競争が行われている。
その自販機1台当たりの販売金額が、飲料メーカーの設置競争もあり年々低下している。各社とも年間販売数量が200ケース以下の効率の低い自販機を多く抱えている。ある業界首脳は、「まさにチキンレース。だが、脱落はできない」と語る。各社とも、「低効率の自販機は撤収して、効率の高い立地にシフトする」と口をそろえるが、自販機台数の純減を公言する企業はない。
サントリー・キリンの経営統合を歓迎する理由
こうした厳しい事業環境下、飲料自販機部門の再編が始まっている。すでに07年にアサヒ飲料とカルピスの自販機部門が統合されて、商品構成やオペレーションでシナジー効果を追求している。
現在、台風の目になっているが、サントリーとキリンの経営統合の動きだ。酒・ビールのほか、飲料を統合する方向で動いている。飲料でサントリーとキリンが統合されると、市場占有率で約29・4%となり、コカ・コーラグループと同じになる(08年数量ベース、飲料総研推定)。自販機の台数も65万台とコカ・コーラグループに近づく。飲料部門の経営統合のスキームは固まっていないが、ブランド、商品はそれぞれ現状を維持しながら、背後のオペレーションや購買では両社が一体となり、コストを下げる方向とみられる。強力なライバルの出現である。
だが意外にも、飲料メーカーの多くが、サントリーとキリンの経営統合を業界にとってプラスに働くものと見ている。業界3位のダイドードリンコの高松富博社長は、「両社の統合により、業界の過当競争が緩和される。特に手売りの価格が安定する。その結果として、自販機販売にもよい影響を与える」と予測する。
(図:上記URL先 参照 : 日本における”ペプシ”はサントリーと理解すべき 投稿者)
もう一つの理由は、どの業界首脳も口に出さないが、サントリーとキリンの自販機台数が1+1=2にはならないことが、これまでの例からわかっていることだ。両社の自販機が並んで設置されている場合、かなりの数の自販機が撤退を余儀なくされる。そのすき間に自社の自販機を入れられるという読みがある。
一方で、サッポロホールディングスが従来から販売提携関係にあるポッカコーポレーションに出資を決めたり、伊藤園が大塚製薬グループの自販機運営会社に出資を決めるなど、中堅同士でまとまる動きがある。伊藤園はスーパー、コンビニなど手売りで伸びてきたが、自販機拡大にも積極的に取り組んでおり、もう一つの台風の目になりそうだ。
今後はダイドードリンコが業界再編にどうかかわっていくかも注目される。同社は飲料生産は全量を外部のパッカーと呼ばれる製造業者に委託し、自販機オペレーションに特化している。その機動的な経営やオペレーターとしての能力に、業界の評価は高い。オーナー経営で独自路線を貫くダイドードリンコだが、環境がさらに厳しくなれば、どこかのグループと提携したり、経営統合する可能性がないとはいえない。
(投稿者:日本における自動販売機事業は、日本人の国民性とともに”外国”なら成り立たぬ日本社会の美徳と云うように語られてもきたが、その実の歴史は戦後の”GHQ”下の流れで発展してきた。ゲーム産業にも同様の歴史的経緯がある。)
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/95ea4e55c10b6f04e95602dc4982ae06/
- 09/09/15 | 12:15
米国型資本主義のある帰結、本社利益極大化の陰でコカ・コーラボトラーが迎える危機
「米国の文化を代表する飲み物」と呼ばれるコカ・コーラ。日本コカ・コーラのホームページによれば、国連加盟国数を上回る世界200カ国で飲まれている。1日に世界で50億本の清涼飲料水が飲まれている。そのうち16億本がコカ・コーラの製品という。2007年12月期のコカ・コーラ(米国本社)の売上高は280億ドル(当時の為替レートで約3兆1000億円)である。
コカ・コーラといえば、黒い炭酸飲料をイメージするが、最近の日本では缶コーヒーや茶系飲料が好まれている。世界では500ブランド、2800種類以上の製品が作られているという。
世界に浸透した「米国の文化」
コカ・コーラは世界の生活に浸透している。反米を国是とするイランだが、食事の際にコーラは欠かせない。ただ、イランではコカ・コーラは「米帝国主義を象徴し、シオニストを支持している」という、根拠があるのかないのかわからない理由で忌避されている。許されているのはイラン産のコーラである。イラン産コーラを飲んだことがある。微妙な味の違いはあるが、ほぼコカ・コーラと同じだった。
コカ・コーラは19世紀の米国で生まれた。神秘の伝説に包まれた原液に糖分と炭酸水を加えた飲料である。米国ジョージア州アトランタに本社があるコカ・コーラは驚くべきことに原液の特許を取得していない。特許を取得することで、原液の成分が公開されることを恐れている、と関係者は指摘する。
だから、イランではコカ・コーラのコピー商品は作り放題である。
筆者はある香料メーカーで食品や飲料の香りや味を決めるのは香料だと教わったことがある。糖分や炭酸を加えただけの水に、果実の香料を加えていくと、香り、味がどんどん変わることを体験した。オレンジ、レモン、メロンと、味は香料で変わる。炭酸飲料は香料などの原液と糖分、水分、炭酸から構成されているが、香料メーカーでの体験から炭酸飲料の利益率の高さが想像できた。
原液代で日本市場の利益が環流
「米国の文化を代表する飲み物」であるコカ・コーラが日本に進出したのが1957年。今では日本最大の飲料グループに成長した。コカ・コーラのビジネスモデルは「飲料の製造販売フランチャイズチェーン」(業界首脳)である。世界で最も成功した飲料の製造販売フランチャイズである。仕組みはこうだ。
日本コカ・コーラ(米国本社の100%出資企業)が日本におけるFCチェーンの本部である。日本コカ・コーラはフランチャイズに加盟するボトラー(実際に飲料を生産・販売する企業)に原液を供給、利益を上げ、米国本社に還流させるほか、日本市場での製品開発やマーケティングを担当する。
コカ・コーラにとって日本市場は重要な存在だ。ある業界関係者は、「米国のコカ・コーラ本社にとって日本での売上比率は全体の10%だが、利益の20%は日本が占めているのではないか」と語る。
日本コカ・コーラは自社の売上高や利益はもちろん、日本市場でのボトラーの売上高合計の概算も公表していないので、この推測が当たっているかどうかはわからない。ただ、日本の飲料業界の関係者は口をそろえて、「コカ・コーラにとって日本市場の利益は大きい」と語る。
ところが、FCチェーンに加盟しているボトラーの業績が09年になって急速に落ち込んでいる。日本には北海道から沖縄まで12社のボトラーがある。この中で最大のボトラーが西日本を担当するコカ・コーラウエストだ。ところが、コカ・コーラウエストの09年12月上期は13億円の営業赤字となり、通期の営業利益は65億円と前期比40%減となる。
神奈川県から愛知県まで6県を担当する第2位のボトラー、コカ・コーラ セントラルジャパンは01年の上場以来初めて赤字になった。このほか北海道コカ・コーラや四国コカ・コーラも赤字になった。
ボトラーが減益や赤字になった最大の理由は収益源の自動販売機が不況により職域(事務所、工場など)中心に落ち込んだからだ。日本には220万台の飲料(清涼飲料限定)自販機があるが、このうち98万台をコカ・コーラ系列が占めている。
このほか量販店・食品スーパー向け価格が他社やPB商品との競争で低下していることも大きな影響を与えている。ボトラーにとって最大の収益商品は実はコカ・コーラではなく、缶コーヒー・ジョージアや爽健美茶など日本市場の特性に合った商品である。こうした基幹商品が、「発売から年月を経たことや他社の同類製品の攻勢に遭って、消費者への訴求力が低下している」(ボトラー首脳)ことも影響している。
現在、コカ・コーラグループは缶コーヒーの新製品投入や(カロリー)ゼロのコーラなどの拡販や量販店・食品向けスーパー向け販売価格の是正に乗り出している。自動車、電機など輸出企業の減産緩和によって職域での自動販売機の落ち込みにも歯止めがかかりそうだ。今後、各ボトラーとも最悪期は脱しよう。
米国の関心は日本より中国?
ただ、ボトラーにとって構造的な課題が残っている。それは、「米国本社が長年、日本市場で過大な利益を吸い上げてきたので、製品開発、広告宣伝、生産・物流など各部門での投資不足が感じられるようになっている」(業界関係者)ことだ。
「K4」と業界内で呼ばれる関東地区の4ボトラーは、自社工場のほか共同で飲料工場を持っているが、飲料工場の立地の悪さ、規模の小ささ、老朽化が社内でも認識されるようになり、海外からコンサルタントを招いて、飲料工場の新鋭化を図る構想を持っている。だが、悩みは投資の原資だ。ある業界関係者は、「新たに土地を購入して、規模の大きな新鋭の無菌充填ラインを新設すると1ライン100億円から2000億円は必要だろう」と語る。
あるボトラー首脳は、「現在の厳しい環境でボトラーが利益を上げながら設備投資を行うためには、ボトラーにとって最大の製造原価である原液代を見直す必要がある」と漏らす。ただ、「投資を極小化して利益を極大化」するのが米国企業の経営だ。特にコカ・コーラはその傾向が強い。人口動態から考えて、今後、日本市場の成長は期待できない。日本市場の投資はほどほどにして利益を吸い上げ、成長市場である中国やアジアに投資するほうが合理的な選択だ。だが、そのとき日本の各ボトラーは再編を余儀なくされる。
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