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ムバラク大統領の資産凍結
2011/02/13 (日) 22:45
私は、ムバラク大統領辞任の報道があった後にすぐ、スイスの銀行がムバラク氏の資産を凍結したというニュースを聞いて、あれっと思った訳です。随分と手回しが早いな、と。
やっぱりアメリカの意向が働いているのではないか、と。仮に、スイスの銀行が資産を凍結にするにしても、そんなことをわざわざ公表するのか、と。
いずれにしても、そんなことを聞いても、ムバラク大統領が持っている資産の額など想像もしなかった訳なのですが‥ 何とその額は、家族の分を含めて約700億ドル、日本円に直して5兆8100億 もあるのだ、とか。
まあ、それが分かっただけでも、ムバラク氏は早く辞めるべきだった、ということが分かる訳です。何故、豊かとはいえないエジプトの大統領が、そんな大金を手にすることができるのか、と。
それにしても、アメリカという国も‥という気持ちを禁じ得ません。
そんなにエジプトの大統領は蓄財していたというのに、そのエジプトに対して米国は毎年15億ドルもの援助をしていたというのですから。そして、その大部分は軍事援助だった訳です。15億ドルといえば、1千数百億円ということですが、その援助を全て蓄財に回しても、5兆円に達するためには何十年もかかるわけです。それにも拘わらずムバラク氏は、それだけの蓄財が可能であった、と。
一方、米国は、財政赤字を減らし財政健全化を実現するために、軍事予算も削っているわけです。しかし‥、或いはだからこそ、日本に対しては、思いやり予算は決して減らすなよ!と。
で、聞くところによれば、日本政府は、米軍のための思いより予算を5年間は削らないことを言明しているのだとか。
そして、その思いやり予算の額は約1900億円で、それが5年間毎年支出されることになるわけですが、そうして日本が思いやり予算を付けてあげるから、米国はエジプトに援助を行うことができたとも言える訳であり‥、そして、その結果、エジプトの大統領は多額の蓄財が可能になって、それもあってエジプトの国民が大統領の退陣を要求したとも言える訳なのです。
だとしたら、日本の気前の良さが、エジプトの民主化を後押ししたということになるのでしょうか?
そんなアホな!
いつも言うように、日本はアメリカとは良好な関係を保つべきですが、だからといっていつまでも思いやり予算を付けてあげる必要はないのではないでしょうか。
ロシアに厳しく言うのであれば、米国にも、もう少し言いたいことを言うべきではないのではないでしょうか?
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食料品価格高騰への対応に温度差
2011/02/13 (日) 15:53
中東、北アフリカの政情不安の一因は、食料価格の高騰にありそうだ。ゼーリック世界銀行総裁は、G20首脳に対し、食料問題に優先的に取り組むよう要請した。価格の上昇や変動の激しさが貧困層を苦しめ、発展途上国でインフレを引き起こしているのがその理由。また「食料を含む商品価格が全般的に上昇する傾向にある」との認識も示した。
価格上昇を招いている原因は一つではなく、燃料価格の高騰、バイオ燃料利用の増加による需要増、食料生産地の悪天候、量的緩和によりダブついた資金の先物市場への流入等、複数の要素が絡み合っている。国連食糧農業機関(FAO)が毎月発表する食料価格インデックスも、1月は7ヶ月連続の上昇となる3.4%の上昇で、08年7月に記録した最高値を更新した。前回ピーク時には、途上国で8700万人が飢餓または栄養失調状態にあったが、 FAOの推計によれば現在は9000万人に達しており、今後さらに増加が予想される。今年、G20の議長を務めるサルコジ仏大統領は、食料価格変動へ優先的に取り組む事を表明しているが、実効性のある解決策が求められる。緊急課題である食料価格高騰への対応策が求められるが、農業生産性の向上など中長期的な取り組みも重要になりそうだ。
しかし、食料価格高騰への対応には、先進国と途上国で温度差がある。所得の75 %といった高い割合を食料品購入に費やしている途上国にとっては切実な問題だが、先進国にはまだ余裕がある。物価指数でも途上国では33%から50%を食料品が占めるのに対し、先進国の指数に占める割合はずっと小さい。バーナンキFRB議長は、米国内のインフレ率が、むしろ低すぎるとの認識に立っているため政策を変更する気配はない。そもそもFRBが、価格上昇が問題となっているエネルギーや食料品を除外したコアCPIを重視している点に注意が必要だ。これでは、危険なインフレのリスクが高まっても対応に遅れが出る可能性が高い。過剰流動性が価格高騰に果たす役割に議論はあるが、先物市場がある商品が、そうでない商品より価格が上昇しているのも事実である。コアCPI重視で、その事実から目を背けているとの批判も的外れとは言えない。
食料品価格への関心の低さに加え、米国のQE2による資金の流入が価格高騰の犯人だとの指摘もある。バーナンキ議長は「まったく公正さを欠く批判で、新興国は、為替の切り上げなど超過需要に自らで対処できる政策手段を保有している」と反論した上で、「価格の上昇は、新興国での富の集積を反映したもので、インフレ対策に失敗している国もある」との認識を示した。反論ではあるが、QE2の影響自体は否定していないように読み取れる発言。その上で、影響を防ぐのは新興国の責任だと突き放しているようにも聞こえる。さらに「FRBの金融政策は、米国経済を安定させることを目的としており、米国内には過熱の兆しは見られない」とまで踏み込んだ。
需給面でも心配なニュースが続く。世界最大の小麦生産国である中国生産地帯における干ばつで、6月に予定される収穫期に壊滅的な影響がでる可能性があるとの警告をFAOが発した。昨年のロシアの干ばつ、豪の洪水に続く大生産地での悪天候は、食料品価格の上昇をさらに加速しそうだ、エジプト騒乱の原因とも指摘される小麦価格の上昇は、他地域での不安定化を誘発する恐れもある。価格高騰は、各国の裁量で止められるとの認識は捨てる必要がありそうだ。(了)
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