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北野一JPモルガン証券日本株ストラテジストは、今回はさらに悪い(ある意味、現実的な)シナリオを持ってきたな
このまま政治の無策が続き、
経済成長は低く、社会保障の効率向上も削減もなく、さらに良いサービスを国民に提供し、
医者や介護者にもまともな待遇と賃金を保障するとしたら、という前提の話だが
我々の稼働所得がほぼ全て社会保障負担に消費されることになることになるらしい
そんなことは勿論あり得ないので、その前に、今の米英の地方自治のように、
コスト削減で超低福祉・超高負担の段階で何とか止まり、そこで福祉受給者の
人口比が下がるまで、生活水準は低迷するのだろう
そうならないために、彼は、今後、政府が積極的な経済成長路線に転じることを煽動したいのかもしれないが、
民主であれ自民であれ既得権で固まった政治集団にはあまり期待できそうもない
それに皆で貧しく助け合い、老人を支えながら仲良く?生きていく社会というのも、
金を残して死ぬ無縁老人ばかりの社会に比べて、そんなに悪くはない
(そもそも貧しい社会では、引きこもりや無縁だと生き延びられない?)
人口が減る中で、最低限の衣食住を得るだけなら大したことはないし
途上国のように冷房は大衆は無しにし、病気にかかったら、高度医療は諦め、
余計な金や人手をかけずに死んでいけばいい
富裕層への課税を厳しくし、不当な格差や差別が無ければ、人間そんなに不満はないものだし
そのころの人々は皆、氷河期世代以降だから、皆、低成長と不況と、貧困に順応して、
あまり気にせず、それなりに幸せに暮らしているかも
ただ、流石に、一方的に搾取され貧しさを押し付けられ過ぎれば、
我慢強い草食世代も怒りで燃え上がる可能性もあるか
http://ryumurakami.jmm.co.jp/
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【Q:1150】
「高負担・高福祉」か「低負担・低福祉」か、国民は選択すべき、というような指摘
をよく見かけます。「高負担」とは、だいたいどのくらいの、またどのよう形の負担
なのでしょうか。 村上龍
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■ 北野一 :JPモルガン証券日本株ストラテジスト
社会保障制度の将来像を描くべく、「社会保障改革に関する集中検討会議」が2月
5日に発足しました。この検討会議のメンバーの中には、福田内閣で「社会保障国民
会議」の座長を務められた吉川洋・東大教授や、麻生内閣の「安心社会実現会議」の
座長であった成田豊・電通名誉相談役など、自公政権で社会保障改革に尽力された方
が多数参加しておられます。
福田元首相の肝いりで始まった社会保障国民会議の最終報告は、「年金、医療、介
護と少子化対策の充実・強化のため、2015年には消費税に換算して少なくとも3
〜4%、25年には6%分の増税が必要になる」と指摘しておりました。これを受け
継いだ麻生元首相は、「中福祉・中負担が国民のコンセンサス」とし、現在の「中福
祉・低負担」の制度を改め、将来の増税も視野に検討を進めるという考えを示しまし
た。当時、記者会見で、こうした方針を説明したのは、与謝野経済財政担当大臣でし
た。
あれから3年が経ちました。与謝野氏は、冒頭で紹介した集中検討会議の議長補佐
として、再び、社会保障改革を主導することになりました。リーマンショック後の景
気後退で中断していた議論が、景気回復とともに復活してきた格好です。
さて、問題の給付と負担のあり方ですが、机上の計算では、高福祉・高負担から低
福祉・低負担まで、「高」であれ「低」であれ、福祉と負担のバランスがとれた格好
の組み合わせを考えることができます。しかし、1)人口減少・高齢化社会において、
2)現役世代の「負担」により、高齢世代に「福祉」を提供するという制度(賦課方
式)を続けるなら、一人当たりの負担と給付がバランスすることはあり得ないでしょ
う。高負担でも高福祉を期待できるならまだしも、高負担でも低福祉がやっとなら、
社会保障制度は成立しないのではないでしょうか。
大雑把な数字で恐縮ですが、前回の回答と同じ数字をもう一度使います。2008
年度の高齢者関係給付は65.3兆円です。65歳以上人口が2822万人なので、
一人当たりの給付額は、231万円です。一方、同年の雇用者報酬は223.3兆円、
生産年齢人口が8230万人なので、一人当たりの所得は、271万円です。231
万円は、271万円の85.2%です。因みに、65.3兆円の高齢者関係給付を支
えているのは8230万人なので、一人当たりの負担は79万円です。これは、一人
当たり所得の29.1%になります。
では、将来はどうなるのでしょうか。現在の給付を維持するとしても、高齢者人口
が増える分、給付総額は増加します。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来
推計人口(平成18年12月推計)」によりますと、2055年(平成67年)の高
齢者(65歳以上人口)は、3646万人まで増えるようです。従って、一人当たり
の給付を231万円に据え置いたとしても、給付総額は84.4兆円に膨らみます。
ただ、生産年齢人口は2055年には4740万人まで減っているので、一人当たり
の負担額は、178万円(84.4兆円÷4740万人)まで増加します。賃金も横
ばいなら、これは所得の65.7%になります。ここで、超高齢化の影響で、医療費
や介護費が増えて、一人当たりの給付が約50%増の352万円になるとしましょう。
この場合、一人当たりの負担は271万円と所得と同じ金額になります。これが、高
負担の物理的限界です。
いったん議論を整理しましょう。2008年の高齢者関係給付は65.3兆円でし
た。賦課方式なので、負担も基本的には65.3兆円です。次に、一人当たりの給付
額が約50%増えて352万円になったとしましょう。2055年の高齢者関係給付
は高齢者の増加を背景に128.5兆円まで膨らみます。むろん、負担も同じく12
8.5兆円です。個々の給付や負担を合計すると、数字の辻褄はあっており、特に問
題がないように見えますが、一人当たりに置き換えると、大変な違いです。一人当た
りの給付が50%増えるケースでは、高齢者の増加と現役世代の人口減により、将来
の現役世代は、所得の全額を高齢者に差し出すことになります。
では、2055年の現役世代の負担を79万円に据え置くとしましょう。すると、
この世代が支えることができる高齢者福祉の総額は、人数が減った分、37.4兆円
にしかなりません。これで3646万人に増えた高齢者を支えると、高齢者一人当た
りの給付額は102万円に減ります。この場合は、「超低福祉・低負担」という組み
合わせにならざるを得ません。
繰り返しになりますが、人口動態の変化を勘案し、かつ一人当たりで考えるなら、
日本の社会保障には、福祉・負担の組み合わせが、「高・高」とか、「中・中」とか、
「低・低」といった格好でバランスがとれることはありません。「高・高」か「低・
低」かの選択は価値判断ですが、現在の賦課方式を続ける限り、「中福祉・低負担」
→「中福祉・高負担」→「高福祉・破綻」という変化を受け入れるか、それとも「中
福祉・低負担」→「超低福祉・低負担」という変化を受け入れてもらうのか、価値判
断ではなく、損得の話になってしまいます。
「中福祉・中負担」は、国民のコンセンサスかもしれませんが、残念ながら、それは
我々の選択肢の中にはありません。選択肢にないものを選べるかのような議論を展開
するのはミスリーディングです。賦課方式を続ける限り、我々は世代間対立を避ける
ことができないのではないでしょうか。
JPモルガン証券日本株ストラテジスト:北野一
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