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国家資本主義の中国の銀行は
バブル期の日本の銀行のように、政府のバックアップで
低い調達コストにより世界の銀行としての地位を築こうとしている
一般に国家資本主義は、成長フェーズでは有効だが
成熟フェーズでは内部の硬直性と非効率性のため破綻するのだが
バブルがこけたら銀行もこけた日本の二の舞になるのか
それとも、金融立国に成功するのか、注目だ
jbpress.ismedia.jp/articles/-/5404
2011.02.07(Mon) Financial Times
(2011年2月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ユーロの対ドル相場が1月中旬の1.28ドルから1.37ドル近くまで上昇してきた背景には多くの要因がある。
エジプト情勢がユーロの上昇相場を頓挫させる可能性はまだある(中東の原油の流れが途切れた場合、欧州は米国よりも大きな影響を受ける)が、欧州の見通しに関する市場心理は大幅に改善している。こうした不透明要因にもかかわらず、ドルはユーロに対して6%近く下落してきた。
アナリストらは、新たに生まれた楽観主義の要因として、ユーロ圏数カ国の国債入札の成功、欧州中央銀行(ECB)の強気の発言、リスクに関する地合いの好転を挙げている。
ユーロ圏の国債発行の3分の1近くを中国が買った?
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最近のユーロ相場上昇の背景には中国の存在がある〔AFPBB News〕
だが、もう1つ別の要因がある。中国が欧州のソブリン債を大量に、それも中国にしては極めて公然とした方法で購入していることだ。
中国人民銀行は自国通貨がドルに対して上昇するのを見ることは望まないかもしれないが、他国の通貨が上昇するのを見ることは何にも勝る喜びだ。
実際、香港の銀行幹部たちは、中国による買いがユーロ圏の最近の国債発行の3分の1近くを占めたのではないかと見ている。
このことは、ユーロを後押ししているのが、もはやECBだけではないことを意味している。中国もユーロを支えているのだ。中国が持つ2兆8500 億ドルの外貨準備を考えると、中東と北アフリカの安定を前提とした場合、ユーロの見通しについて楽観的になるだけの理由はある。
中国は複数の準備通貨が存在する世界を推進することに並々ならぬ関心を持っている。また、中国は米国の金融政策に対する不満を口にしてきた。ドルが考慮に値する唯一の通貨であれば、中国はほとんど影響力を持たない。現状では、ドルに代わる妥当な代替手段となり得る唯一の通貨がユーロだ。
中国が進んで自国通貨に準備通貨の機能を果たさせるまでには、まだしばらく時間がかかるだろう。今のところ、中国は資本規制を維持したいと考えており、資本規制が続けられる限り、人民元は準備通貨の役目を果たせない。
だが、それは、人民元が世界の中で次第に重要な役割を果たさないということではない。人民元の国際化は中国の経済的利益になる。それにより、管理されたやり方で流動性が中国から流出するようになるためだ。また、厳しい財政運営に苦しむ欧州諸国の中で友人を作る手段として、中国の政治的利益にもなる。
安くて柔軟な資本の調達源
人民元、弾力化方針で上昇 最高値更新
中国は資本コストの低さを利用して、中国製品を買う外国のバイヤーに低利融資を提供している〔AFPBB News〕
世界は、中国が恐らくは国際通貨基金(IMF)を含む多くの選択肢よりも安く、柔軟な資本の調達源となることに慣れた方がいい。
中国政府はパートナー諸国に対して人民元建てで貿易するよう熱心に働きかけており、元建て貿易を喚起するために手心を加えた取引を提供している。
例えば、中国の銀行が中国製品を買う外国のバイヤーに魅力的な融資を提供しているため、代金支払いのために助成による優遇金利の人民元建て融資を受けるバイヤーが増えていくだろう。
こうした融資は、インドのように依然として資本が不足し、資本コストが高い国々にとっては特に魅力だ。
実際、インドのリライアンス・パワーは最近、中国から100億ドル相当の電力設備を輸入する注文に関連して、中国の銀行団から120億ドルの融資実行保証を受けた。融資の一部は人民元建てで、中国側からは、リライアンスが融資期間の12年間に人民元が上昇するリスクをヘッジするのを手助けするという申し出があった。
資本規制に加えて国内総生産(GDP)の50%以上に相当する家計貯蓄があるため、中国勢は資本コストを低く抑えられる。そのおかげで中国はますます優れた国家基盤整備やその他の大型プロジェクトを手頃な金利で賄うことができ、他者のプロジェクトにも資金を出せるわけだ。
また、中国に輸出する外国企業は、代金として人民元を受け取るようになっている。資本規制が実施されている限り、こうした企業は中国に投資したり、中国の資産や企業を買収したりできない。中国から製品を買えるだけだ。
にもかかわらず、こうした輸出業者は喜んで人民元を受け取る。元が徐々に上昇していくと考えているからだ。
もちろん、国際金融フローの中で中国勢が果たす役割を誇張するのは容易だ。昨夏は、円相場と日本国債の価格が急騰した背景に中国の存在があったと広く考えられていたが、日銀の関係者は後に、中国による買いは相場変動のほんの一部しか説明しないと述べている。
米国債への依存を下げ、欧州の感謝の念を勝ち取る
それでも、いつか状況は変わる。中国は資本規制を撤廃し、世界各国は香港に続いて人民元を買う(そして、恐らく売る)ようになるだろう。
しかし現在は、中国の観点からすれば、米国債に代わる投資先が存在し、そこに投資する過程で欧州連合(EU)域内の苦境に立たされた貿易相手国の感謝の念を勝ち取れることは、天恵にほかならない。中国から流出する資金が少しずつでもユーロ圏に振り向けられたら、米国の金利に多大な影響を及ぼす可能性がある。
By Henny Sender
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