http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/849.html
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景気が良くなってきた時には、当然、増税してインフレを抑え、財政赤字を減らした方が良いが、
今、単に消費税増税して赤字を補填するだけなら、益々デフレを悪化させ、企業の体力を弱めるから、景気や雇用にとって悪い増税だというのは、まあ当然だ
巨額歳出削減の公約を誤魔化すためだと批判されても仕方がない
あと行政が、増税して集めた金を使い、巨大な消費者として企業と取引することで、
価格交渉力を高めれば、個人が割高な値段で買っていた財やサービスを、
より安く提供できるから、国民の実質的な可処分所得が増えることになる。
しかし行政が、これまで民間より効率的にお金を使ったという話は、あまり聞かず
公務員の天下り利権のために一般より異常に割高い価格で買う随意契約や談合、
関税で大衆に高値で買わせて、利益を掠め取るといった話ばかりだな。
マスコミ報道に問題があるのか、やはり行政には任せられないのか、どっちだ?
http://diamond.jp/articles/-/11020
【第125回】 2011年2月4日 岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
悪い増税と良い増税――政策の順番を間違えたときの恐ろしい結末
先週は、“財政再建=消費税増税”ではなく、“財政再建=増税+増収+歳出削減”が正しいことを説明しました。今週はその延長で、増税には“良い増税”と“悪い増税”の二種類があることを説明したいと思います。
“悪い増税”
菅政権のやり方を見ていると、とにかく財政赤字が大変だ、国債発行が多過ぎだ、将来の社会保障支出が大変だ、と消費税増税が不可避であることを煽っている感があります。
確かに、将来的な社会保障負担を考えると、消費税増税はどこかのタイミングで必要です。しかし、増税のタイミングを間違えたら、それは“悪い増税”となってしまいかねません。
それでは、“悪い増税”とは何でしょうか。経済成長に悪影響を及ぼしてしまい、結果として、雇用を減らすなど国民生活に支障を生じるのみならず、税収も思ったほど増えない結果となる増税のことです。
その典型例は、1997年(平成9年)の消費税増税です。ご記憶の方も多いと思いますが、当時の橋本政権は消費税率を3%から5%に引き上げまし た。その際、社会保険料負担の増額や所得税特別減税の廃止なども同時に行なわれたため、合計で9兆円程度の国民負担増となりました。
その結果はどうだったでしょうか。翌年以降、経済成長率は大幅に低下しました。そして何より、税収も大きく落ち込んでしまい、1998年から現在 に至るまで、一般会計税収が1997年水準を回復した年はありません。消費税収は増加したものの、景気の悪化に伴い所得税や法人税収が落ち込んだために、 このような事態が起きているのです。財務省のホームページで公開されている資料(下図参照)がそれを如実に物語っています。
1997年というと、すでに日本経済はデフレに陥っていた年です。それにもかかわらず、デフレは放置したままで消費税4%弱分の国民負担を増やした結果が、この長期にわたる税収の低迷ではないでしょうか。
次のページ>>政策の順番を間違えるな
もちろん、経済成長率や税収が1998年以降下がっているのは、1997年にアジア通貨危機があり、また不良債権問題の深刻化で山一証券や北海道拓殖銀行が破綻した影響が大きい、という主張もあると思います。
しかし、当時の日本の経常収支の推移をみると、アジア通貨危機の影響はほとんどなかったと思われます。また、金融機関の破綻の実体経済への影響に ついても、当然多少はあったと思われますが、それでも公的資金注入などにより最小限に抑えられていますので、やはり消費税増税の影響は大きかったと考える べきです。
これに対して、あえて“良い増税”の例を挙げるとすれば、1989年の消費税導入(=消費税率を0%から3%に増税)のときでしょうか。
このときは、日本経済はまだバブルの余韻を味わっている頃で、当然デフレにもなっていませんでした。その段階で増税を行なったので、経済成長や税収には悪影響は生じなかったからです。成長率と税収が下がり出すのは、数年後のバブル崩壊からです。
政策の順番を間違えるな
このように、“良い増税”と“悪い増税”の見本はすでに存在します。そこから容易に、政府がデフレ脱却に真剣に取り組まない中で消費税増税を優先したら、1997年の“悪い増税”繰り返しになる可能性が高いことが分かります。
次のページ>>与謝野大臣の妄言を信じてはいけない
ついでに言えば、政府のムダもまだ十分には削減できていません。その段階で消費税を増税して国民に負担増を求めるというのは、国民に対する背信行為に他ならず、その意味からも“悪い増税”になると思います。
要は、消費税増税が最後は必要であるにしても、政策の順番を間違えてはいけないのです。消費税増税の議論は進めるにしても、同時並行でデフレ脱却とムダ削減に全力を挙げて取り組み、その二つで成果を出した後に増税と国民に約束すべきです。
日本国債の格付けが下げられたことをもって、だから早く消費税増税を、と与謝野大臣は発言したようですが、このような妄言を信じてはいけません。
格付け機関の評価がいい加減であることは、構造改革を正しく進めていた小泉政権の時代にも日本国債が格下げされたことがあるという事実からも明らかです。かつ、そのいい加減な格付け機関でも、日本政府に求めているのは増税ではなく構造改革なのです。
残念ながら、民主党も自民党も消費税増税に賛成であり、大新聞のうち二つほどそれに賛成しているところがある以上、増税に向けてばく進する動きは、なかなか止まりそうにありません。
だからこそ、政治家のいい加減な発言やメディアの確信犯的な報道にだまされないよう、一人でも多くの国民が消費税増税をめぐる二つの正しい認識 (“財政再建=消費税増税”ではなく“財政再建=増税+増収+歳出削減”、増税には“良い増税”と“悪い増税”がある)を持つように心がけるべきではない でしょうか。
質問1 消費税増税について、あなたの意見はどれ?
82.2%
それより前にやるべきことがある
9.9%
反対だ
7.2%
増税すべきだ
0.6%
分からない
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