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デフレ不況が続くと見るなら、国債はお買い得だが
国民は、どう動くか?
blogs.jp.reuters.com/blog/2011/02/01/28兆円の個人マネーよ、何処へ行く
討論×闘論
2011年02月01日 3:45 pm JST
投稿者 伊藤武文
タグ: 株式市場, 経済, 金融市場, リスク, 個人マネー, 個人向け国債, 償還, 定額貯金, 投資信託, 株式, 社債
5年物個人向け国債の償還が今年からスタート、郵便定額貯金の集中満期もすでに2010年度から始まっている。償還・満期額の総額28兆円規模の莫大な個人マネーが何処に流れるか、金融マーケット関係者の注目を浴びている。個人マネーの行方を占う上で、当たり前との声も聞かれそうだが、「リスクの取り方」がキーワードになりそうだ。
2006年1月16日に発行された5年物個人向け国債(第1回)の発行条件は利率0.80%で、2011年1月15日に償還となった。第1回債の募集販売額は民間金融機関分で1兆0788億円、郵貯窓販分で497億円の計1兆1285億円。この販売額の大半が満期償還を迎えた。5年物個人向け国債の募集販売額は2006年が総額4兆2183億円、2007年が同4兆2710億円。2011年から2012年の2年間で8兆円規模の償還を迎える計算になる。
一方、2010年度からは郵便定額貯金の集中満期もスタート。2010年度、2011年度の2年間で定額貯金の満期額は約20兆円に上る見込み。5年物個人向け国債と郵便定額貯金の2年間の償還・満期額の合計は28兆円規模と莫大だ。
個人マネー28兆円は何処に行くのだろうか──。償還・満期の現象面をさらってみよう。今年1月発行分の個人向け国債の募集額は3年債が795億円、5年債が828億円、10年債が241億円の計1864億円にとどまった。前回10月分の計865億円に比べると、増加したが、前々回7月分の合計2721億円に比較すると減少している。1月と7月発行分はボーナス資金流入の影響を受け、4月・10月発行分よりも募集額が膨らむ傾向があることを勘案すると、今回の5年債の償還の影響はほとんど受けていない。個人投資家は償還資金の5年債への再投資を控えたことになる。
集中満期を迎えた郵便定額貯金はどうだろうか。2010年9月末の郵便貯金現在高は約166.8兆円で、3月末から0.8%減にとどまっている。2005年度から2007年度は半期で3%以上減少していたことから判断して、少なくとも2010年度上期では集中満期の影響は限られている。ただ、過去の集中満期時の経験則に照らすと、2010年度下期から2011年度上期にかけて、流出額が拡大する可能性がある。
「リスク許容度がカギを握るな」とある証券会社のストラテジストがぽつり──。安全志向が強い個人マネーの質を変えるには、商品性の魅力を高め、リスク資産への拒否反応をいかにして消すかということだろう。つまりは、利回り選好の強い個人マネーにいかに応えるかということになる。5年物個人向け国債の利回りは、2006年1月発行分が0.8%、同年4月発行分が1.01%だったが、今回1月発行分の利回りは0.37%と半分にも満たない。10年物定額貯金の金利(半年複利、年平均)にしても2001年の0.2%から今では0.05%まで低下している。いかに安全志向が強くても資金流失が避けれない現状だ。
5年物個人向け国債の償還金8兆円の5─7割、集中満期となる郵便定額貯金20兆円の2─4割が流出することになれば、今後2年間で8─13兆円の個人マネーが民間部門にシフトするとした試算をある証券会社の調査部は弾き出している。通常金利に上乗せしたキャンペーン金利を提示する民間預金取扱金融機関の預金に加え、高利回り・高配当を求めて、投資信託や内外社債、株式などへ流入することを想定している。多少のリスクを取りながら手元の資金を増やすという芽はすでに育ち始めているようだ。
利回り選好の強い個人マネーは、為替リスクが伴うものの、国債や社債といった海外資産で運用し、高めの分配金を毎月受け取れるミドルリスク型の投資信託に流入しているとの話をよく聞く。分散投資を念頭に置いた「ミドルリスク、ミドルリターン」を狙うのは百も承知なのだが、超低金利の長期化が避けられず、景気への不透明感が払しょくできない現状の資産運用ほど難しいものはない。
(写真/ロイター)
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8件のコメント
2011年02月03日
10:50 am JST
今回の個人国債償還、定額預金の払い戻しは「庶民の金」であって投資家や企業のものでは有りません。20年以上続く(弱い)デフレと、庶民の高齢化で「投資は危険」というトラウマができています。だから再び資金は同じ所へ流れるのが当然と思います。庶民にとって金は「減らなければいい」という、結局、まともな「デフレ感覚」なのです。
このマネーの流れは「流動性選好」で、「投機的動機はない」ということです。ですから、国債金利は引き続き低位安定します。あと20年くらいは。
たとえ相続で国が潤うことになっても膨大な赤字国債には焼け石に水でしょう。
典型的な機関投資家の生保でさえ相互会社の形態は変えず、資金の大半は長期国債依存しているのです。金融機関も「とらぬ狸・・」となってまた国債を買い続けるのでしょう。
しかし、金融機関がリスクを獲らないのは問題です。リスクを獲らないで高い給料だけ払っている。典型はみずほFGです。みずほは潰れるはずだった「旧富士銀行」が母体だからやっぱりダメなのかも。新生銀行も同じです。少しまともなのは三菱UFJでしょう。もっとまともなのは静岡銀行など優良地銀です。
トヨタなど内部留保をしこたま溜め込んだ企業こそ、設備投資や投資(投機ではない)に向かうべきで、そんな庶民の金の遣い方を云々しても始まりません。
そんな暇があったら、グローバル経済に合った投資を金融機関・企業がやるべきで、優秀な企業はちゃんと余剰資金の生きた運用を黙々としています。
- 投稿者 小さな愛犬家
2011年02月03日
12:08 am JST
政府の運営コストを下げるというマニフェストを放棄した管総理大臣とその内閣は、国家財政は危機的状況だから増税したいと公言している。危機的状況にある国の発行する債券の金利がゼロパーセントに近いのは、不思議だ。経済原則の一つ 金利とリスクのトレードオフ が働いていないと言っても良い。
逆の見方をすれば、リスクを無視した恣意的な運用資金 おそらく 年金原資などの国家的資金が日本国債の買い手であろう。
リスクを正直に考慮した資金は、今の利まわりではとても日本国債は購入できないだろう。
日本国債のほとんどが国内消化されている現況は、憂れうるべき状況であって、安心できる状況ではない。
2006年に5年物日本国債を購入した個人は、年利0.8パーセントが日本国債のリスクに見合う と考えていただろう。
2011年の今では、「ヨーロッパのような先進諸国でも国債は完全に安全でない」ことが現実の問題となっているのを 極東の日本人でも知っている。日本の国家財政の危機は進んでいるので(総理大臣のお墨付きである)、当然 現在の金利は上がっているはずである。
このように考える個人は、日本国債の償還資金を更に低い利回りで再投資はしない。
一方、銀行預金の金利と比べる人などは、或いは、日銀の金利調整機能に信を置く人などは、償還資金を国債に再投資するかもしれない。
個人国債の売り上げが伸びないのは、前者のような個人の資金が増してきたからだろう。
「帝国の崩壊はその末端から始まる」。
リスクを無視した恣意的な運用資金が枯渇した時点で、まず地方自治体の債権の利回りが上昇し、その後日本国債の利回りが上昇し始めると予想する。
どのように法律を定めても、需給にかかわる経済原則をコントロールは出来ないものだ。
追加
恣意的な運用資金が枯渇する時点の予測は難しい。
国家は意外と頑丈だからだ。
ただし、機関投資家や地方銀行が地方債を一般に売り出し始めたときには、the point of no return を超えているだろう。
- 投稿者 gorozoh
2011年02月02日
6:31 pm JST
過去20年、株だとか不動産だとかに投資した人間は、ほとんどやられた、無事生き残っている方が少数派だ。要するに投資組は自滅し、貯金組が敗者の戦略で勝った訳だ。これは、貯金組に成功体験として染み付いているから、今更リスク投資に資金が流れる事はない。
しかし、以前から言っているように現在風向きは変わりつつある。これからリスク投資は順風満帆だ。現状ほど難しい時はない?冗談だ。私の投資人生は20年ちょっとだが、これほど楽な時はない。
去年アジア・大洋州の金融資産が、欧州を抜いた事実がそれを示している。現在アジアは運が良いだけの馬鹿でさえ億万長者の時代だ。例えば去年香港の個人消費を推奨したが、六福さんは3倍以上だ、六福さんなんて子供でも知っている。今年は125関連を推奨したが、1月だけで数銘柄はもう2割上げている。
私自身バブル崩壊後厳しい月日を過ごして来たが、間違いなく現在の難易度は低い。’80年代猫も杓子も億万長者になった日本に似ている、難しいと思うのは自分の能力が低いだけだ。同じ試験問題だって難しいと思う人間と簡単だと思う人間が居る。難しいか易しいかは問題の難易度よりも個人の能力に依存する。自分の為にもっと勉強した方が良い。
- 投稿者 第九の鉄人
2011年02月02日
6:28 pm JST
偏見私見。みんな使ってくれたらいいなぁ~… 問題なのが、ここで言う個人投資家とは、年金暮らしの高齢者が多いのでは?私も近い!
若い世代に負担を強いている年金を受け取りながら、微小利殖の国債郵便貯金に群がるのは、どこかおかしい様な感じがする。
通常、デフレにおける微小利殖は、インフレ時よりましかもしれないが、20数兆円ものお金が市中流通しないのは、如何なものか?
郵貯も国債や国庫流用されているので、これらの個人投資家は国を養っていることになる。これらの人々を投資家というのかも疑問だ。
世界で言う投資家とは、信用創造力を問われる。つまり、社会的経済的にどれだけ貢献しているかとうものだ。慈善団体やNGOなどにみんな寄付をしている。そのために、いろんな利殖というのか投資活動をしている。特に欧州貴族系やアラブ系は歴史が古いし、その投資事案も多岐にわたり、欧州金融機関のノウハウも充実している。アジアではシンガポールのコンサルタントは日本の証券会社や銀行より、情勢分析や予測担保面では速さと的確性を持っている。それ以上に、権威つまり信用というものがある。
世界の投資家とは、100年、200年以上も寄付活動をしている家系の人たちをいうのであって、若者の積み立て年金で飯を食って郵貯に貯金しているやからと同じ名称は、無礼ではないだろうか。
外国の寄付意識とは投資家のステータスみたいなもの。それも歴史や金額が必要だ。
話は戻って、この20数兆円は、今後、相続税や消費税の強化によって、むしりとられるだろう。それまで、国債や郵貯にして楽しむしかない。
しかし、財政破綻までそれほど時間はないとすれば、額面を見て楽しむ時間は少ないかもしれない。
- 投稿者 田邊
2011年02月02日
5:19 pm JST
国債の償還は金融機関=機関投資家にながれて国債購入に充てられる。国債の償還は税金か借換債。借金の額は膨らめど薄く薄く60年をかけた先延ばしにして後の世代の借金に付け替えることでなんとか凌いできた。
薄く薄く延ばした借金も積み重なってくれば厚くなってくる。すでに国家予算の1/4は借金返済の原資か。
資金をグルグルまわしていれば個人はいつか死に、相続税が入るか、それを払いきれずに国庫に物納となる。どこかの時点で富裕層は相続にかかるコストを嫌って日本を出ることになるだろう。
もはや日本には「国家」という器しか残らず、民という中身は無になる。
- 投稿者 ひろさん
2011年02月02日
2:19 pm JST
同感ですね。
どんなインフレになるのかが気になっています。
もの価格は需給バランスで決まると思います。
全てのモノやサービスの価格が上昇するとは思えないのですが。
優良株?不動産?やはり今後優位性や収益性が見込めるものに限られるのではないでしょうか?
見極めるのが難しいですね。
国民が外貨ベースで日本国の資産を保有するようになる??
- 投稿者 クリントン
2011年02月02日
1:08 pm JST
国債の償還金や郵便定額預金の償還金には縁のない身分だが、今は余っ資金を持って行くところがない。証券会社で投資信託を買っても彼らの手数料稼ぎの餌食になるだけし、資産株といっても、利回りも低く、魅力なし。低利でも定期預金にしておくこになる。国債は怖くて買えない。それは、何時暴落するかわからない。米国ならば、普通の堅実な市民ならば、老後のために、米国債を買いましていくようだ。利回りも3−3%位にまわるし、利息は非課税扱いらしいので、魅力的と聞いたことがある。日本人も米国債を保有するのが、やはり、安全で有利に思える。どうだろうか?米国は斜陽といわれても、世界最強で最大の経済大国。米国が破綻するのに先立ち、日本、ユーロ諸国、中国なども破綻するだろう。独断と偏見の見方かもしれないが。
- 投稿者 大阪太郎
2011年02月01日
6:13 pm JST
「国民は金をたっぷり持っているのに国は不安」という状況になってきましたね。今年は日本だけでなく、米国のデリバテイブ償還額も巨大という話を聞いています。金の流れが心配で仕方ないのが両国政府の心情ではないでしょうか。
今や、「もう、国債は!?」という不安に陥りつつあるのではないでしょうか。郵貯の償還は郵貯にまた戻るのでしょうか。こんな金利ではなあー、「持っている人たち」のため息が聞こえてくるようです。
どうして「財産株」といわれる銘柄の株式投資へと流れないのでしょうか。20年前のバブル崩壊による株価の暴落がトラウマになってしまったのでしょうか。当時に比べ、グローバル化ということで配当はびっくりするほど良くなっているのですが。
今後危惧される「がらがらポン」があったとしても、優良株はインフレに対応して株価を上げるものだと考えるのですが。
危惧されることが起こっても、すべてが「おじゃん」にはならないのはこの20-30年の世界の事例でわかることなのですが、どうしても、恐怖心が先立ってしまうのですね。
しかし、非常に妙な状況にありますね。「持っている人たち」が積極的に少しでもリスクのある選択をすると、国が立ち行かないという状況になってしまったということです。
日本人が銀行と郵貯の金を下ろして、国の財政バランスがよく、金利の高い国の定期預金に、仮に、一割の人が走ったとしても、これは大変な危機要因となりえます。
恐ろしや怖ろしや、くわばら、くわばら。
- 投稿者 山のアナちゃん
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