http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/827.html
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他にも、軍事や警察、子育て、教育、科学技術投資、インフラや環境維持保全のための公共事業など、様々な公的サービスを維持しないといけないのだが
将来の高齢者の生活を守るためには、収入の2/3を高齢者に差し出すのも止むをえないということか
今後も経済低迷が続けば、将来の現役世代の大部分の生活は、確実に今の中国貧困層以下になりそうだな
■ 『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』
■今回の質問【Q:1149】
増税率にもよりますが、消費税増税を社会保障目的とした場合、 社会保険(医療
・雇用・介護保険など)、生活保護、社会福祉(障がい者・老人・児童・母子福祉)、
さらに税方式の年金システムなど、どの程度の改善・改革が見込めるのでしょうか。
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■ 北野一 :JPモルガン証券日本株ストラテジスト
平成20年度(2008年度)の社会保障給付費は、94.1兆円でした。このう
ち、高齢者関係給付費は65.4兆円と、社会保障費全体の69.5%を占めており
ます。ちなみに、高齢者関係給付費の内訳は、年金保険給付費48.1兆円、高齢者
医療給付費10.4兆円、老人福祉サービス給付費6.7兆円、高年齢雇用継続給付
費0.1兆円です。
2008年度の高齢者数(65歳以上人口)は、2822万人でしたので、高齢者
一人当たりの高齢者関係給付費は、231万円ということになります。基本的に、日
本の社会保障制度は賦課方式なので、この全額を現役世代が負担しているとすると、
2008年度の生産年齢人口(15歳から64歳人口)は8230万人なので、現役
一人当たりの負担は79万円になります。高齢者向け費用を現役で「割り勘」にする
と、一人79万円の請求書が回ってくるということです。
なお、この2008年の消費税収は10.0兆円でした。消費税収の高齢者関係給
付費に占める割合は15.3%です。消費税を2008年の総人口(1億2769万
人)で割ると、国民一人当たり7.8万円の消費税を支払ったことになります。
さて、今後の負担は、どうなるのでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所の
「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」によりますと、2055年(平成
67年)の高齢者(65歳以上人口)は、3646万人に増えるとのことでした。2
055年と言えば、今、就職活動で苦労されている1990年生まれの方々が65歳
になる時です。
話を簡単にするために、44年後の2055年の高齢者一人当たりの社会保障費を
現在と同じ231万円とすると、高齢者関係給付費は84.4兆円になります。ただ、
2055年の高齢者に占める75歳以上の割合は、65.5%と現在の46.8%よ
りも上昇するので、医療費を中心に、一人当たりの費用は、231万円よりも、もっ
と増えていると思われます。
でも、ここは、高齢者関係給付費を現在の水準に据え置くという前提で話を進めま
しょう。この231万円×3646万人=84.4兆円を支払うのは、2055年の
現役世代です。44年後の現役世代(生産年齢人口)は、4740万人にまで減って
います。84.4兆円を4740万人で「割り勘」にすると、一人当たり178万円
の負担ということになります。負担金額は、2008年の79万円の2.2倍になり
ます。
では、この負担金額は、我々の所得の何%程度になるのでしょうか。まず、200
8年度から見ていきましょう。2008年度の雇用者報酬(賃金)は223兆円です。
これを生産年齢人口の8230万人で割ると、一人当たり271万円になります。7
9万円という一人当たりの高齢者関係給付費は、一人当たりの雇用者報酬の29.2
%ということになります。
次に、2055年を考えてみましょう。ここで、問題になるのは、次の約40年間
に我々の所得がどの程度増えているのかです。平成18年5月に厚生労働省が作成し
た「社会保障の給付と負担の見通し」によると、2012年以降の賃金上昇率を約2
%にしておりました。仮に、このペースで賃金が増えるなら、2055年の一人当た
りの報酬は688万円になり、高齢者関係給付費が178万円に膨らんでも、所得に
対する割合は、25.9%と現在よりも低くなります。
ただ、過去10年間の雇用者報酬の上昇率は2%どころか、マイナス0.5%でし
た。一方、仮に所得が伸びるようなら、それに比例して高齢者関係給付費も増えるで
しょう。その高齢者関係給付費については、2055年になっても、一人当たりの給
付が現在の231万円と変わらないという前提にしたので、一人当たりの雇用者報酬
も、ここでは横ばいということにします。その上で、生産年齢人口一人当たりの高齢
者関係給付費178万円の同じく生産年齢人口一人当たりの雇用者報酬(271万円)
に対する割合を計算すると、65.7%になります。
2055年の現役は、稼ぎの3分の2を高齢者に差し出すことになります。ここで
は、国債の利払い費などは一切考慮しませんでした。いずれにせよ、このように増え
る負担を、消費税で支払うか、保険料として支払うかは、あまり本質的な問題ではな
いように思います。それよりも、2%で賃金が伸びる経済(普通の先進国)にするこ
とがより重要なテーマになるでしょう。それも適わず、現在の賦課方式を維持するな
ら、例えば1990年生まれの方々は、就職の際には社会から排除され、引退すると
きに、今度は見捨てられるというあり得ない苦労を背負うことになりそうです。
ところで、賃金が毎年2%で増加する普通の先進国になっても、高齢者関係給付費
を据え置くことによって、現役世代の負担感はようやく現状維持ということになりま
す。高齢世代は、相対的に貧しくなりますが、それは我慢してもらわねばならないで
しょう。最後になりましたが、我々が今、なすべきことですが、将来、政府に頼るこ
とは出来ないわけですから、今のうちに稼げるだけ稼がねばなりません。そのために
は、ガメツクなることも重要です。労働の対価をきちんと支払えと企業に要求するべ
きです。そういう努力をしないと、賃金上昇率2%は達成できないでしょう。
JPモルガン証券日本株ストラテジスト:北野一
Q.1148 配信日:2011年02月01日
消費税増税の、最大のデメリットは何なのでしょうか。
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/economy/question_answer655.html
寄稿家: 真壁昭夫 信州大学経済学部教授
消費税率引き上げのデメリットは、いくつかの点が考えられます。最も大きなデメリットは、家計部門の消費を低下させることによって、国内総生産(GDP)を下押しすることだと思います。消費税率の引き上げで、どの程度、GDPを下押しするかについては様々な試算があるようで...
寄稿家: 水牛 健太郎 日本語学校教師・評論家
消費税増税のデメリットは消費の押し下げ効果と逆進性の二つだと思います。自動的に増税分の値上げになるわけですから、消費が一時的に落ち込むのは避けようがありません。施行のタイミングは重要でしょう。そして消費に対し一律に掛けられる税であることから、貯金の余裕がなく...
寄稿家: 菊地正俊 メリルリンチ ストラテジスト
消費税引き上げの最大のデメリットは、政府の無駄削減のインセンティブが低下することでしょう。民主党は政権獲得の選挙になった2009年の衆院選のマニフェストに、国の総予算207兆円を全面的に見直すことで、17兆円の予算を捻出できると明記していました。1年目の予算...
寄稿家: 北野 一 JPモルガン証券日本株ストラテジスト
消費税増税のデメリットは、それで日本の財政危機が解決されるという誤解を与えることではないかと思います。1月28日付け日本経済新聞に「欧州の債務危機と日本の財政問題」というコラムが掲載されていました。「公的債務残高のGDP比率は既に先進国中最悪の180%に上る...
寄稿家: 山崎 元 経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員
消費税率引き上げに関して、私は短期的に反対、長期的には賛成と考えています。 日本の財政について考えると、財政均衡以前の問題として、無駄な財政支出をもっと徹底的に削減すべきことはいうまでもありません。しかし、今後の社会保障費の拡大を考えると、社会保険料か税...
寄稿家: 杉岡秋美 生命保険会社勤務
税率1%を上げれば2兆円の算段が簡単にでき、他の税手段に比べれば、国民間で公平な負担が期待できることを考えれば、取る側にとっては便利な手段です。ですから、今すぐに増税をしなければならないのなら、消費税は正しい手段だということについては異論はありません。 ...
寄稿家: 中空麻奈 BNPパリバ証券クレジット調査部長
何としても財政再建を果たさねばならない日本が、社会保障制度の枠組みを変えずに状況の改善を目指すためには、消費税増税を行うのは必要不可欠です。そのため、メリット、デメリットを考える局面に、もはやない気がします。一般的には、消費税増税により、国民の間の日常生活に...
寄稿家: 金井伸郎 外資系投信投資顧問会社 企画・営業部門勤務
消費税増税のデメリット=副作用も多くの点で、消費税の持つメリットと表裏一体であると言えます。そこで、消費税増税の副作用について、景気、所得分配、税体系に与える影響から考えてみたいと思います。 景気に与える影響としては、物価の上昇による実質可処分所得の低...
寄稿家: 津田 栄 経済評論家
消費税増税が、その実施時の経済状況によって、またその実施方法と内容によっては、どういった結果を生むか予想がつきません。ただ、今のような大きな需給ギャップが一向に解決できなくてデフレの状況にあっては、消費税増税は、需要の減退を伴い、一段とデフレを深刻化させるか...
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