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債務危機で日本政府が切れる唯一の「カード」
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/825.html
投稿者 tea 日時 2011 年 2 月 02 日 12:59:15: 1W1IXELjjF6i2
 

経済が伸びず社会保障が膨張する状況では、増税だけでは、もう借金返済どころか
プライマリーバランスの持続的な黒字化も無理だろう

とりあえず増税もせず、財政バラマキと日銀引き受けで、(ハイパー)インフレ一直線。
そして日本はリセット(途上国に逆戻り)で良いんじゃない?って考え方もある
東海大震災や北朝鮮暴発などがきっかけで、一気に円資産が売られれば、社会混乱で輸入や生産は停止し、国民資産は消滅、社会保障が崩壊、食糧やエネルギー入手もできずに、餓死凍死等で経済弱者が2千万くらい消えれば、その後、資産のない若者にとっては再出発の時代になる

実際は、その前に、必ず歳出大削減と大増税(資産・所得・消費税率の急上昇)になるだろうから、結局
政権が変わりながら、中途半端に増税と歳出削減とバラマキを繰り返しながら、日本は当分、衰退していきそうだ

こうした予感を多くの人々がもっていることが、デフレ不況の維持に役立っているが、
戦乱や震災で状況が変化すると、結構、意識はくるっと変わったりするから、先のことはわからないか


大前研一の「産業突然死」時代の人生論 債務危機で日本政府が切れる唯一の「カード」
2011年1月25日
 前回の当コラムで は、日本の財政状況がいかに危機的なものであるかについて述べ、各国が「日本のようにだけはなりたくない」と考えていると書いた。税収、それを上回る歳 出、公債発行の状況などについて具体的な数字で見ていくと、改めてその深刻さに気づいた方も多かったのではないだろうか。
 では、いよいよ日本の財政が抜き差しならぬ状況まで来たら、どのような手が打てるのだろうか。今回はこの問題について考えてみたい。

「現代フランス最高の知性」ジャック・アタリ氏との対談
 先日、私はフランスの経済学者ジャック・アタリ氏と「国家債務」をテーマにして雑誌「プレジデント」の依頼で対談した。アタリ氏は新たに『国家債務危機』(作品社)という本(菅直人首相も購入したとニュースで報じられたから、ご記憶の方も多いかもしれない)を出版し、そのプロモーションのために来日していたのである。
 実は私がアタリ氏と話をするのはこれが2度目だ。前回お会いしたのは随分と昔のことで、申し訳ないことに、私は何を話したのか、どういうことについて議論したのかはあらかた忘れてしまっていた。しかし彼は私のことを覚えていてくれ、対談は終始なごやかに進んだ。
 アタリ氏は故ミッテラン仏大統領の側近中の側近として知られ、1981年から91年まで大統領補佐官を務め、「現代フランス最高の知性」とも謳われる人物である。彼の考えに賛成できる内容も多く、特に私が1999年に上梓した拙著『新・資本論』(東洋経済新報社)の中で書いた、ユーロとドルの葛藤に端を発して世界の金融が不安定になることや、日本の債務はもはや解決不可能な域にまで達しており、このままではデフォルト(債務不履行)やハイパーインフレが避けられないことなどについては完全な意見の一致を見た。

過剰な公的債務の解決策は8つしかない
 さて、そのアタリ氏は「国家債務がソブリンリスク(政府債務の信認危機)になるのは物理的現象である」とし、「過剰な公的債務に対する解決策は今 も昔も8つしかない」と言う。すなわち、増税、歳出削減、経済成長、低金利、インフレ、戦争、外資導入、そしてデフォルトである。そして、「これら8つの 戦略は、時と場合に応じてすべて利用されてきたし、これからも利用されるだろう」とも述べている。
 では、これら8つの戦略のうち日本政府が取り得るものは何だろうか。
 一番いいのはもちろん「経済成長」である。企業も人も大いに儲けてもらって、税金をたくさん納めていただきましょうというわけだ。しかし少子高齢 化が進む日本にあって、これを実現できるマジックはあるのだろうか。外資導入による経済成長策に関しては本稿でも何回か述べたし、近著『お金の流れが変わった!』(PHP新書)の最終章で詳述しているのでここでは繰り返さない。
 もう一つの策である「増税」に関してはなかなか微妙なところだ。菅首相は改造内閣で与謝野馨氏を経済財政相に起用し税制と社会保障の一体改革を進 め、これに「政治生命をかける!」と発言している。しかし彼は環太平洋経済連携協定(TPP)を「平成の開国」と位置づけ、これにも政治生命をかけると 言っているので、いくつの生命を何にかけようとしているのか、私には判断できない。谷垣自民党との共通点が消費税であることから、単に通常国会を乗り切る 「政局」的判断からの発言かもしれない。本当に増税の意思があるのかないのか、少なくとも私には分からない。
日本人は世界一、増税が嫌いな国民であり、政府が増税をにおわすたびに大きな反発が起こってきた。特に消費税ともなると、首相はクビを覚悟で臨まな ければならない。竹下内閣が消費税を導入したときも、また橋本内閣が税率を3%から5%に引き上げたときも、いずれも総辞職に追い込まれている。

民主党は歳出削減のタイミングを完全に失した
 「歳出削減」については、民主党は完全にタイミングを失したと私は見ている。本来ならば民主党は、政権を奪取した直後に財政状況を精査して「自民党はひどい。米びつを開けてみたら空っぽだった」と国民にアピールし、歳出削減への支持を取り付けるべきだった。
 英国ではデイビッド・キャメロン氏が首相に就任するや、前政権への批判を強めて4年間で歳出を10兆円、公務員だけで50万人(うち警察官が25%)を削減する猛烈なリストラ計画を打ち出した。
 政権を取ってから1年半も経って、2度も緩みきった予算を通してからでは、民主党がいくら前政権を責めたところで国民の支持は得られない。「お前たちのバラマキ政策のせいじゃないか」と言われて終わりである。
 タイミングという点では「外資導入」も難しい。20年前のバブル期ならいざ知らず、現在の疲弊しきった日本にいったいどれだけの外資が来てくれる というのか。「低金利」についても、日本は事実上のゼロ金利状態であるから、これ以上は手の打ちようもない。「戦争」については論外というべきだろう。

現実的な選択肢は「インフレ」だけ
 最後の「デフォルト」は、政府としては何としても避けたい事態だろうから、これも現実的な選択肢にはならない。もちろん今のような緊張に欠ける予算を通していけば結果としてデフォルトは十分あり得るが、政策としてそこを狙うわけにはいかない。
 2001年にデフォルトしたアルゼンチンは、政府が2009年になって突然、デフォルトした国債を当時の額面100に対して30の割合で新しい国 債と交換すると発表した。これはアルゼンチン政府が投資家の資産の7割を掠(かす)め取ったも同然だ。もし日本政府で「公債は3割しかお返ししません」と 言ったとすれば、いくら日本人がおとなしい国民だといっても、さすがに暴動が起きるだろう。
 となると、現実的な選択肢は「インフレ」だけ、ということになる。現にアタリ氏自身も「(公的債務に対して)採用される戦略は常にインフレであ る」と述べている。お金をたくさん刷って、あるいは日銀が吸収している資金を市場に供給して貨幣価値を下げ、借金をチャラにしてしまいしょう、というわけ だ。かつて竹中平蔵氏が主張していた「インフレターゲット論」はまさにこれで、いってみれば一番簡単な方法である。
 これは氏の師匠であるポール・クルーグマンの日本に対するアドバイスでも常に出てくる案である。「ターゲット(目標)」というと計画的で聞こえは いいが、デフレの長引いている日本でこれを無理に起こすと「ターゲット」で止まらない可能性が大である。止まらなければ、ハイパーインフレに一直線という ことになる。
8つしか手段のないことを認識することが大切
 実際、財務省はインフレ政策にシフトしている。それに加えて、デノミと新通貨も検討の対象だった。通貨の切り下げ、新紙幣発行の混乱に乗じて、額面の2割くらいをさらってしまえ、ということである。
 ところが、新紙幣発行については数年前に噂こそあったものの、ATM製造会社からこの情報が漏れて大騒ぎとなり、政府が新通貨を旧通貨と取り替え るときに2割くらいパクるという悪巧みは流れてしまった。デノミは鳩山由紀夫氏が首相時代に導入を検討したという報道もあったが、藤井裕久財務大臣(当 時)が辞任したためにこちらも頓挫している。
 日本の財政危機についてはメディアで毎日のように報道されている。そのため、我々国民はイソップ寓話の「狼少年」に惑わされた村人よろしく、この手のニュースに対して鈍感になりがちだ。それはもちろん褒められたことではない。
 大切なのは、国家債務に対して政府が取り得る手段は前述の8つしかないこと、そして日本では実質的にインフレ政策しかないことをきちんと認識することだ。
ハイパーインフレで「悲惨」を極める
 もし日本が本格的なインフレ政策に踏み込めば、債務の巨額さからしてハイパーインフレになる可能性が高い。そうなれば政府の借金も大幅に目減りす るが、国民の金融資産もガタ減りとなる。銀行は危ないと見ていた人のタンス預金も二束三文となる。国の借金はチャラにはなるだろうが、同時に我々の仕事も 生活も何もかもがすさまじい濁流の中に放り込まれることになる。
 過去15年くらいの間にハイパーインフレになったトルコ、ブラジル、ロシア、スロバニアなどを見てきた経験から言えば、「悲惨」という言葉以外は思い浮かばない。
 金融資産の大半を国債に転換してしまっている日本国民は国債のデフォルトでも資産の大半を失うことになる。つまり、ハイパーインフレでもデフォル トでも日本の誇る個人金融資産は国家に召し上げられることになる。増税が嫌いで、せっせと貯蓄してきた国民も、その時、増税で国家の借金を着実に返してお いた方が良かった、と悟ることになる。
国会論議には、私たちの財産がかかっている
 政治家のばらまきの財源は国民の負担以外にない。この単純な方程式を理解すれば、抜本的な歳出削減と増税で国家債務の大幅な圧縮をしなければ、この国は数年待たずして「(戦争以外の)以上すべて」が起こるのである。
 自民党も民主党も地雷原に雷管を埋め込んだ、という点においては同罪だ。マスコミや識者といわれている人々も「国家債務がソブリンリスクになる」という「物理現象」に警鐘を鳴らさずに放置してきた責任は重い。国会で政局をもてあそぶ余裕など、もとよりない。
 菅首相が本屋で買ったといわれるジャック・アタリ氏の『国家債務危機』を読んだとして、その彼の理解力が試される修羅場の国会がいよいよ始まった。私たちの持つ不動産以外のすべての財産がかかっている、という緊張感を持って注視しようではないか。

BBT総合研究所, http://www.bbt757.com/bbtri/
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100921/245943/  

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コメント
 
01. taked4700 2011年2月02日 13:43:56: 9XFNe/BiX575U : E5p3AOO9mg
日本の直面しているリスクは財政破綻ともう一つある。それは、原発と地震の関係だ。今、新燃岳の空震で強化ガラスが割れたとか言われているが、東海地震の震源域の真上にある浜岡原発は、空震を起こしたと同じ衝撃波、つまり、縦波(地震のP波、粗密波)によって破壊されてしまう可能性が高い。P波については、全く地震対策がされていない。つまり、耐震性そのものがないのだ。既に東海地震は150年以上起こっていず、明日、来週、来月、来年起こっても不思議ではないとされている。

更に、新燃岳の噴火は300年ぶりのもの、つまり、享保の噴火の再来だとされ、ちょうどそのころ、東海、東南海、南海地震が起こっているのだ。今回の新燃岳の噴火が東海地震の予兆である可能性は強い。


02. 2011年2月02日 13:49:17: ls7xylU2dU
ジャック・アタリ氏 これですね

http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/shincyouryu/post_1144.html

フランスの経済学者にして、思想家として知られるジャック・アタリ氏。30年前、ミッテラン大統領の特別補佐官に、わずか38歳の若さで就任。現在は、サルコジ政権の諮問委員会で、財政再建の戦略を練っています。フランスのみならず、ヨーロッパを代表する知性とも称されるアタリ氏に、いま日本がどうすべきかを聞きました。


03. 健奘 2011年2月02日 14:11:24: xbDm84QDmOFmc : rTHGzOht4A

> 「現代フランス最高の知性」とも謳われる人物である。

フランス人のしたたかさ、フランス人のすれた気質、には、学ぶことが多いと思います。そして、フランス人が作り上げる感性豊かな作品などなど。

しかし、知性と言うのは、けっこう間違うのです。時代的な限界があるので、大いに間違うのです。

デカルトは、当時、ヨーロッパでは、最大級の知性の持ち主でした。後に、大きな間違いというか限界が分かりました。

パスカルもしかり。パスカルによる神の存在証明は、皆さんもご存知のとおりでしょう。

日本の今は、過去の理論を捨て、新しい考え方をことを、求めているのだと思います。時代が求めているのだと。

   −−−

現代奴隷制といえる仕組みを作っている現実 −− ロボットを代表する機械群は、悪い例えですが、奴隷達です。仕事の過半は、他の人たちが遊ぶことを支援することです。

日常の生活に必要な物やサービスは、ほとんど奴隷達が作ってくれる時代、その生産物を、遊ぶという仕事を作ることで配分している現実。

日本は、それらを世界の最先端でやっていますから、原油が地下から出る国々と同じく、国債発行などを減らし、単に通貨を発行し、失業者と貧困層の人々に、遊ぶという仕事を作るのが妥当だと考えます。

極端に言えば、通貨の拠り所は、奴隷制にあります。

上記の議論を開始するだけ、つまり、今までとは異なる地平にたつことを認識するだけで、経済社会は大きく変わると思っています。


04. 2011年2月02日 15:19:12: nJF6kGWndY
>ロボットを代表する機械群は、悪い例えですが、奴隷達です。仕事の過半は、他の人たちが遊ぶことを支援することです。
>日本は、それらを世界の最先端でやっていますから、原油が地下から出る国々と同じく、国債発行などを減らし、単に通貨を発行し、失業者と貧困層の人々に、遊ぶという仕事を作るのが妥当

問題は、供給者(ロボットを作ったり整備したりする人々、海外の食糧・エネルギー等資源生産者・・)が、石油資源等の裏付けのない日本円(政府紙幣?)を、今後も素直に受け取ってくれるかどうかだな

普通に考えれば、国内に付加価値のある産業がなく、消費する人々ばかりになるなら、その国の通貨価値はどんどん下落し(交易条件の悪化)、際限ない価格上昇(ハイパーインフレ)になりそうだ

つまり単なる個人レベルの遊びから、海外に通用する付加価値を生み出せるようにならないと破綻することになるから、
アタリ氏が言うように文化やブランドに過度に依存するのも、(成功すれば美味しいが)1億を超える大国が採る戦略としては、かなりリスキーではある


05. 2011年2月02日 16:52:57: ibwFfuuFfU
このままではデフォルト(債務不履行)やハイパーインフレが避けられないことなどについては完全な意見の一致を見た。
-----------------------------------
何百兆の債権国でIMFにも兆単位で金貸してる国が破綻するの。へえーえ。
馬鹿は良いから足に鉄アレイを結びつけて、東京湾にいって寒中水泳しましょうね。世の中のために。

06. 2011年2月02日 17:47:22: 7ipjNVyyI6
備 蓄 に つ い て
http://ueno.cool.ne.jp/tka/genjitu.htm#bitiku

いま日本は、まさに前門の虎後門の狼
あらゆる発行券が価値を失なってしまうだろうし、日本各地にある原発。
例えば、静岡県御前崎市にある浜岡原発が地震で破壊された場合、放射能の風がこうして首都圏まで流れてくる!シュミレーション。
http://www.stop-hamaoka.com/simulation.html

http://www.stop-hamaoka.com/

http://www.stop-hamaoka.com/kaisetsu-2.html


07. 2011年2月02日 18:02:43: 7ipjNVyyI6
放射能の風はこうして首都圏まで流れてくる!
http://www.stop-hamaoka.com/image/simulation.gif

08. 2011年2月02日 18:26:21: nJF6kGWndY
>何百兆の債権国でIMFにも兆単位で金貸してる国が破綻するの

YES
経済がわかっている人間から見たら、当然の話だ


09. 2011年2月02日 21:00:20: buKTZzMp2Y
何度かコメントしたがこの大前研一というオッサンのいうことはまともに取り合わないほうがいい。いたるところに今まで自分が言ってきたことと整合せず矛盾が見られる。基本的には市場が常に正しい、あとは世の中 金が全て、自身の自慢話。

本がハードカバーで立派に装丁されているが中身は空っぽ。


10. 健奘 2011年2月02日 21:48:02: xbDm84QDmOFmc : 5bQpjXAVhU

04 さん

経済規模という尺度でみると、海外から資源を調達する割合は、1割に満たないのですが。


11. 2011年2月02日 22:00:43: nJF6kGWndY
>経済規模という尺度でみると、海外から資源を調達する割合は、1割に満たないのですが。

だから問題は、今の生産力や輸出競争力を維持できるかどうかということになるわけだ


12. 健奘 2011年2月02日 23:22:01: xbDm84QDmOFmc : 5bQpjXAVhU
11 さん

ええ、今の生産力や輸出競争力の維持向上は、大切です。反対はしていないのですね。(私自身、零細企業ながら、いわゆる新興国に支店を設けています。)

一方、今の生産力向上や輸出競争に参加しない人々は、過半です。経済の低迷というのは、過半の参加しない人の仕事が減っていることで、ここを何とかする必要があるのだと思っています。

そして、良いか悪いかは別として、現実は、国債発行の主な目的は、参加していない人たちに仕事を作るためでしょう。

そこで、一番の問題は、作る仕事が、現実に合っていないこと、つまり、互いに遊びを支援する方向を向いていないこと、その方向に人を成長させることになっていないことですね。

次の問題は、国債発行は、資本が継続的に大きくなる時代には合っていたのですが、資本が継続的に大きくはならない時代には、合わないことです。

互いに遊びを支援するのが過半の経済では、人の成長に重点があり、その人が成長することでお金をひきつけるのですが、資本があるからさらにお金をひきつけるという度合いは減るからです。資本は二次的な役割となっているというか、重要さが減ってしまうからです。

簡単な例は、大相撲でしょうか。

あるいは、コミックマーケットでは、ご存じのように、自動車ショウより、はるかに人を集めるようになっていますが、人を集める力は、資本ではなく、趣味で結びつく人ですね。

また、日常品は余っていますから、日常品の生産のためのさらなる資本蓄積は、非常に難しいわけです。


13. 2011年2月03日 01:18:09: Pj82T22SRI
>今の生産力向上や輸出競争に参加しない人々は、過半です。経済の低迷というのは、過半の参加しない人の仕事が減っていることで、ここを何とかする必要がある
>国債発行の主な目的は、参加していない人たちに仕事を作るため
>国債発行は、資本が継続的に大きくなる時代には合っていたのですが、資本が継続的に大きくはならない時代には、合わない
>また、日常品は余っていますから、日常品の生産のためのさらなる資本蓄積は、非常に難しい

経済の低迷(GDP減少、失業増)と、政府支出(特に将来GDPの半分にも達する社会保障コスト=需要)の増大という2つの問題がある。

前者だけが問題なら、
新しいビジネスの創造(文化、遊び・・)や日常品を含む既存生産力の向上などのための成長戦略(規制緩和、税制改革、重点財政投資等・・)と、
失業対策強化などの安全網整備で対応すればいい。

しかし将来的には、政府支出増大が一番の問題になってくるということだ。

一番理想的で単純な解決策は、
失業者には社会保障サービス(医療・介護・年金保険)の労働者になってもらい、
社会保障自体は民営化して、受益者が100%負担すること。

その場合、
受益者=>消費者だから医療・介護・年金保険ビジネスが大きくなるほど
GDPに貢献し税金も増えるので、まさに成長産業になる。

しかし、現実はそうはならず、
政府の信用で資金を調達(国債発行)して受益者に供給しなければ
産業として成立しない、巨大な補助金産業であるのが現実だ。

一番の問題は、その必要補助金が、国民の所得の2/3にまで膨張し
それ以外の産業への投資(資金、労働、資源)を減らし、
企業の活力を奪うことで、人々の生活水準を押し下げていくことにある。

増税や保険で調達しようが、国債発行で調達しようが、政府紙幣で調達しようが、
実体経済に及ぼす本質的な影響は同じだ。


14. polluxd8 2011年2月03日 05:06:54: Gi/twJ8/hXLTI : Rgw3iHqtwY
米国債を全部売って、中国債を買えばどれくらい好転するか具体的な数字が
出ませんかね。

15. 2011年2月03日 11:35:11: NRvAM7Ti0k
ほんとにいい加減にしろって感じだね、
日本の日本の経済人は大前が大嫌いだよ、
所謂貧乏神だよ。

16. 2011年2月03日 12:02:52: 4QIIsM4Kjo
辛坊・藤巻・大前と並べて、何も感じないのか。郵貯が完全民営化して、外資の手に渡らない限り、95パーセントを日銀と国内金融機関が保有している日本国債を売り崩すことは、どんなヘッジファンドでも今の所できない。市場の常識だろう。このような情報を流すことで、誰が利益を受けるか、よく考えてみることだ。一度、自分の金で相場をやってみろ。

17. 2011年2月03日 14:52:07: Pj82T22SRI
>郵貯が完全民営化して、外資の手に渡らない限り、95パーセントを日銀と国内金融機関が保有している日本国債を売り崩すことは、どんなヘッジファンドでも今の所できない。

預金者はバカばかりではないよ。

別に郵貯が外資経営になって日本国債を売却し価格が下がり始めたとしても、
預金者が安くなった(金利が上がった)日本国債が得だと思うなら、解約して買うだろうから関係ない。

逆に言えば、国債保有者は、日本国債の保有が高すぎる(将来的に危険だ)と思えば、リスクを減らすために持分を減らしていくだけのこと。

外資も内資も関係ないし、実際、邦銀は既に売り始めている。


18. 2011年2月03日 15:12:38: g7YopECwj6
大前研一の言うことを真に受けてはならない。
真実とプロパガンダを上手く取り混ぜてそれらしいことを言っている。
本気で言っているならお目でたい奴だし、アメリカあたりの誰かに操られてやっているなら売国奴。
この人の本は、自分の見識をテストする意味で読むと面白いよ。どこが真実モードで、どこからが売国モードなのかを見つけてみよう!

19. 2011年2月03日 15:52:37: 5OBgVoxZmo
国内金融機関は、財務省の厳重な管理下にあって、自由に国債を売買できる立場にいない。銀行でも保険でも、国内金融機関が自由に国債を売買できると、まさか勘違いしているわけじゃないだろう。事実上、長期金利は財務省の管理下にあることぐらい知っているはずだ。いくら市場でショートしても、気配値しかつかないはずだ。

20. 2011年2月03日 16:56:53: kzLxGL9cJE
何百兆もの対外債権を保有しているから、日本は大丈夫なの?

その対外債権て、単なる拘束資金じゃないの
いやむしろ、それらの資金は返って来ないんじゃないの?
強引に踏み倒されるのが、そのうち分かるんじゃないの?


21. 2011年2月03日 17:04:27: NRvAM7Ti0k
20さん

その通り、
日本が抱えている債権は危険極まりない、
中国のように油田や鉱山を買った方が安全だと思います。


22. 2011年2月03日 17:52:51: Pj82T22SRI
>国内金融機関は、財務省の厳重な管理下にあって、自由に国債を売買できる立場にいない
>長期金利は財務省の管理下にある

これは自民党と大蔵省が鉄壁で、護送船団で金融機関が守られていた(縛られていた)時代の話だな
もうそれでは銀行は生き延びられないのだ

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4014
三菱東京UFJ銀行のチーフエコノミスト、内田和人氏は、邦銀が資産分散圧力に直面する可能性について、菅直人首相率いる現政権に説明したという。

 日本国債の国内需要の強さ(日本国債の95%が国内で保有されている)に対する懸念は、菅首相が財政に対して不安を募らせている理由の1つだと、内田氏は考えている。

 銀行の自己資本比率を定めたBIS規制(バーゼルII)では、邦銀のように金利リスクへのエクスポージャーが大きい銀行に対してはいわゆる「アウトライヤー基準」が適用されると、内田氏は指摘する。この基準により、邦銀各行の国債保有額はいずれ制限されることになる。

 日本国債の利回りが2ポイント上昇あるいは低下するというストレスが加わった金利変動シナリオにおいて、銀行が被る損失は、中核的自己資本(Tier1)と補完的自己資本(Tier2)の20%を超えてはならない。
 利回りで2ポイントというのはかなり大きな変動だが、ひとたび市場心理が翻れば十分に可能性のある数字だ。内田氏によると、邦銀各行は現在のところ、基準となる20%を大きく下回る水準にあるという(三菱東京UFJ銀行はこの値を公開していないが、みずほフィナンシャルグループは2009年3月時点で8.5%だった)。

 だが、各行の国債保有が現在のペースで増加するなら、数年後には基準を上回るかもしれないと内田氏は見ている。

 各行の国債購入意欲を抑える可能性のある要素は、ほかにもある。今のところ、三菱東京UFJ銀行の幹部は、国債購入は「公的な使命」の一部だと述べている。国債購入により、銀行は家計部門の余剰資金を財政難の政府へと循環させているからだ。

 銀行にとっても、国債市場を安定させておくことにはメリットがある。銀行が国債の保有量を急激に減らせば、長期金利は上昇し、銀行自身や顧客、さらには経済全体が損害を受けるだろう。しかし、貸し出し需要が再び拡大を始めた場合、世界のライバルに負けたくないのなら、邦銀も貸し出し需要に対応しなければならなくなる。銀行が競争力を保つためには、国債購入から民間部門への融資に切り替える柔軟性が必要とされる。 


23. 2011年2月03日 17:59:19: 5cdX9mZIII
ジャックアタリが最高の知性というところからすでに間違っています。
日本の国家財務方式はフランスと相当違うはず。ひとつだけいえるのは、フランスも日本のように、予算の組み方がトロンプルイユ、つまり庶民を巧く騙すようなものに変わりつつあるということ。

湾岸戦争利益の国家間分配の不公平から、イラク戦争に果敢に反対した古いヨーロッパの知性こそ、蘇られてほしいものです。


24. 2011年2月03日 18:31:14: NRvAM7Ti0k
>BIS規制(バーゼルII)では、邦銀のように金利リスクへのエクスポージャーが大きい銀行に対してはいわゆる「アウトライヤー基準」が適用される

つまり政治マター、
金融マフィアに手も足も出ないってことじゃない。

日本も中国や北朝鮮のように核武装が必要かもね?
欧米ルールじゃ日本は勝てない、
オリンピック柔道と同じ。


25. 2011年2月03日 18:53:04: Pj82T22SRI
>金融マフィアに手も足も出ないってことじゃない。

BISの強化は、バブルREETやギリシャ国債みたいなリスキーなものを民間銀行が買い過ぎて
破綻した尻拭いを税金でが行うことに、国民が怒ったからできたルールだから

日本国民が、どうしても買いたければ、銀行から預金を卸して、
日本国債をどんどん買えばいいだけの話だな



26. 2011年2月03日 19:10:11: npJdLEROs2
>>となると、現実的な選択肢は「インフレ」だけ、ということになる。現にアタリ氏自身も「(公的債務に対して)採用される戦略は常にインフレであ る」と述べている。お金をたくさん刷って、あるいは日銀が吸収している資金を市場に供給して貨幣価値を下げ、借金をチャラにしてしまいしょう、というわけ だ。かつて竹中平蔵氏が主張していた「インフレターゲット論」はまさにこれで、いってみれば一番簡単な方法である。
 これは氏の師匠であるポール・クルーグマンの日本に対するアドバイスでも常に出てくる案である。「ターゲット(目標)」というと計画的で聞こえは いいが、デフレの長引いている日本でこれを無理に起こすと「ターゲット」で止まらない可能性が大である。止まらなければ、ハイパーインフレに一直線という ことになる。

インフレ傾向に歯止めが掛からないなら日銀が金引っ込めりゃ済む問題だろ。高橋洋一などもハイパーインフレになるには国民一人当たり20億円くらい支給すれば起こるとどこかの著書に書いていた。歯止めが掛からない事態になる理由いくつか挙げなければ単なる狼少年だろ。本人の頭の中では論理が流れるように結論までたどり着くのだろうけど、この一説読む限り飛んじゃっていてわからない。
大前のような本来頭の良いはずの人間が一般素人から見ておかしいと思われるのにはいくつか理由がある。
1確信犯で本人が立てた仮説を何とか死守したい
2ズバリどこかの団体から金をもらっている
31と2の複合。

大前という言論人の著書,暇があったら読んでみること薦める。


27. 2011年2月03日 20:32:02: gHw003gTDQ
狼老人は浅井隆一人でいいよ。

28. 健奘 2011年2月04日 00:16:56: xbDm84QDmOFmc : 5bQpjXAVhU
13 さん

> 経済の低迷(GDP減少、失業増)と、政府支出(特に将来GDPの半分にも達する
> 社会保障コスト=需要)の増大という2つの問題がある。

問題の設定の仕方も、古い感じなのですが、そういう感覚的なことを言ってもよくないので、問題としましょう。

2つの問題は、切り離せないのですが、切り離せるとして、後者については、北欧モデルが大いに参考になるという考えがあります。一方、数百万人の経済社会だからできるのではないかという見方がありますが、本当にそうでしょうか?彼らは、何が市場経済に向き、何が向かないか不断に試行していますよ。そういう努力をしているのですがね。

さて、2つの問題を切り離すのではなく、同じ根を持つと考えるのは、少子とGDP減少が同期していること、少子が政府支出の対GDP比を増大させること、などからです。

そこで、人々の(そして政府の)意識を、遊びを促進する方向にすれば、GDPは大きくなります。若い人の向きに合っているからです。すると、間違いなく、少子は止まります。資金的なきっかけは、政府が単に通貨を発行して、その分で、仕事を作れば(実際には、作ることを委託すれば)良いのです。きっかけをつくることが、意識転換のはじまりになると考えています。

もちろん、13さんが言われるように、健康産業の育成という意識も重要と思います。健康産業も、"おもしろおかしく"、が土台と思います。

"しかめっつら"してやるんでなく、"楽しく"が肝心でしょう。

日常品は、ロボットが作ってくれますから、そういう意味では、ロボットという奴隷制を敷いているのですね。あるいは、次のようにも言えます。ロボットに代表される現代システムには、情報が蓄積されていて、情報が蓄積されるほど、投入するエネルギーが小さくても、以前と同等量を生産できるのです。それが、大事なポイントです。(情報の蓄積は、地下に原油があるのと経済的には等価です。)

また、ロボット開発者は、好きでやっています。それこそ、寝食を忘れるくらい、それが重要です。

菅内閣のメンバーには、"しかめっつら"顔が多いのですが、これが、経済社会をダメにしそうです。


29. 2011年2月04日 10:54:01: NRvAM7Ti0k
>BISの強化は、バブルREETやギリシャ国債みたいなリスキーなものを民間銀行が買い過ぎて
破綻した尻拭いを税金でが行うことに、国民が怒ったからできたルールだから

嘘八百、
歴史すら知らない、
全ては日本封じ込めのため。

向こうの人間と付き合っているうちに官僚たちの頭は腐ってしまったよ。


30. 2011年2月04日 15:17:24: Pj82T22SRI
>>28
>菅内閣のメンバーには、"しかめっつら"顔が多いのですが、これが、経済社会をダメにしそうです。

日本人は、どうも楽しんでやっている人より
苦しんでやっている人を評価する傾向もある

人間はどうせいつかは死ぬのだから、ハイパーインフレになろうが
デフレが続こうが、たいしたことはないのだが

自分が努力しない人間は、常に不安に苛まれ
無力感に苦しむことになる
他人の目を意識し過ぎたり、被害妄想の人間も多い
不満を外部のせいにして妄想に囚われる
外部に悪いやつがいると思うなら、調べて戦えばいいのだが、それもしない
本人が不幸になるだけなのだが、まあ仕方がないのだろう


31. 2011年2月04日 17:45:42: nJF6kGWndY
>BISの強化は、バブルREETやギリシャ国債みたいなリスキーなものを民間銀行が買い過ぎて破綻した尻拭いを税金でが行うことに、国民が怒ったからできたルール

BIII対策の資本増強で日本の国際金融株は大分下げ、リスク融資も凍り
日本国債のバカ買いにも歯止めがかかりそうだが
欧米の長期的な貸し渋りリスクも大きそうだ

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101208/254088/
大前研一の「産業突然死」時代の人生論
バーゼルIIIの適用で「失われた20年」の再来か
2010年12月9日
 国際的な金融機関には「バーゼルII」というルールが適用されている。これは国際的に業務を展開する銀行が万が一の事態を想定し、一定の自己資本を確保 しておくための規制である。現在、このバーゼルIIの規制内容をさらに強化した新自己資本比率規制「バーゼルIII」が議論されている。今回はこの話題を 取り上げたい。
バーゼルIIIの趣旨が正しいことは間違いない。だが…
 ロイターが9月13日に報じた今回の合意は、次の通りである。
*コアTier1相当の最低所要自己資本比率は3倍以上の7%に*国際的銀行規制に関する数十年ぶりの大幅変更*銀行業界の反対押し切り、カウンターシクリカル(景気連動抑制的)な資本バッファーが導入される*規制全面適用までには長期の経過措置期間を設定
 いずれも1990年代以降の不安定な金融市場を考えれば妥当なルール変更と思われるが、銀行の現状から見れば大きな影響が出ることは避けられない。
 イギリスのバークレイズ・キャピタルがまとめた調査によると、バーゼルIIIが適用された場合、アメリカの上位35行で合計1500億ドル(約12兆 5000億円)もの資本不足に陥ることが明らかになった。この資本不足を賄うとすれば、とても大きな負担になる。はたして米国の金融機関には、それに耐え られる体力がどれだけ残っているだろうか。
信用不安がアメリカから他国へ飛び火する可能性も
 私自身はバーゼルIIIの方向性は正しいものであると理解している。日本ではバブル崩壊以降、米国で言えばリーマンショックで明らかになったように、政 府は国内の銀行が破綻しそうになると多額のお金を投入してこれを助ける。救済の原資は国民の税金である。私企業の経営失敗のツケを国民が払うのは道義的に おかしいわけで、そうした事態に陥るのを避けるためにもバーゼルIIIの早期適用が求められる。
 だがその一方で、私は次のようにも思う。バーゼルIIIは、扱いや適用のタイミング一つで世界経済に甚大な影響を及ぼしかねない、と。
 バーゼルIIIの適用によって、米国の上位35行が約12兆5000億円もの資本不足に陥るというが、この不足額の90%は6大銀行に集中する。そうす ると信用不安などの問題がアメリカから他国に飛び火し、世界経済全体に大きな影響を与える可能性が高くなる。万一、銀行が自行のサバイバルを優先した場 合、当然資金の貸し出しは大幅に減ることになる。自己資本規律が2倍になるということは単純に言えば、貸し出し可能額が半分になるということで、銀行自身 の生き残りのために経済の潤滑油としての銀行の貸し出し機能に支障が出ることになる。
 バーゼルIIIの適用時期は当初、「2011年から」ということになっていた。それが現在では「2013年から段階的に導入し、2019年1月から全面 的に適用」とトーンダウンしている。2〜8年も先送りされたのは、やはり「本当に2011年から適用すれば世界を揺るがしかねない」という懸念があるため だろう。
銀行はいざというときに資本を取り崩すことができる
 では、バーゼルIIがバーゼルIIIになることで、銀行にとってはどれだけの負担増になるのか。主な項目について下の表にまとめた。

 まず目に付くのは自己資本比率の引き上げである。Tier1(中核的自己資本)比率が4%から6%へ、コアTier1(狭義中核的自己資本)が2%から 4.5%へと、それぞれ引き上げられる。中核的自己資本とは普通株や内部留保などのことだ。これらは(リスク承知の資本家を除いては)返済不要のものであ るから、銀行が破綻危機に陥っても預金者に迷惑をかけることがない。すべての資金を一般の預金者に頼っていれば、破綻しかけたときに穴埋めもできないが、 中核的自己資本を十分に持っておけば安心というわけだ。
 さらに2.5%の資本保全バッファーも導入される。これは規制値を割り込んだときに、配当や自社株買い、報酬などによる資本の社外流出が制限されること だ。そのうえ、景気連動抑制的な資本バッファーも導入される。これは「将来的な貸し倒れの引き金につながる信用状況が起こっている」と当局が認識したとき に、銀行にバッファーを積み増しさせるものだ。しかもこの積み増しは強制できる。
 バーゼルIIの規制下では機械的に8%の最低所要自己資本比率を担保していればよかったが、バーゼルIIIではそうはいかなくなる。これによって銀行は、いざというときに新規増資をせずに、資本を取り崩すことで乗り切ることができるようになるわけだ。
日本の銀行にとっても厳しいものになる
 銀行が安定することは歓迎すべきことではあるが、変動可能な目標値が銀行を悩ませている。銀行自身は「これだけの自己資本を持っていれば大丈夫」と判断 していても、当局が「いやいや、この経済状況ではもっと多く自己資本を持っていないと駄目だ」と判断すれば、自己資本を高めなければならないからだ。
 もはや銀行も「○×%の資本を確保しているから安心だ」とは言えなくなる時代が到来しつつある。
 もう一つ日本の銀行にとって厳しいのは、中核的自己資本比率に劣後債や優先株を含められなくなることだ。従来はそれらの一定割合も自己資本比率に含めて よかったのだが、普通株のように、純粋に返済不要な資産だけしか認められない。日本の銀行も劣後債などを混ぜて自己資本比率を高めてきたが、それらができ なくなるのだ。先に紹介した調査結果はアメリカの銀行が対象だったが、バーゼルIIIの適用は日本の銀行にとっても非常に厳しいものになる。
 もちろん他の国々でも厳しいことに変わりはない。特に、国家の予算規模より大きな預金額を保有する銀行があるスイスや、いざとなったときに銀行を支える 経済規模がないリヒテンシュタインのような小国などはなおさら厳しい。規制の事情も変わってくるからだ。こうした問題に対処するためにスイスは自国の銀行 に関しては、8%ではなく10数%という高い自己資本比率を独自に設けることを発表している。
一国の銀行破綻が世界に与える脅威は大きくなっている
 アイスランドやアイルランドで見たように国と銀行の規模のバランスが合っていないと、国すなわち納税者が銀行を救うことは難しく、その分だけ強い自主規制が必要になる。
 大国であってもイギリスのように巨大銀行を複数抱えているところでも同じ問題が発生すると考えられている。今回もアイルランドの危機でイギリスが欧州連 合(EU)とは別枠で独自に1兆円くらいの救済策を即座に申し出たのは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)やロイズ・バンクがアイルラン ドへの貸し出しのトップ2行であることが判明したからだ。アイルランドがデフォルト(債務不履行)になれば、自国の主要銀行がただちに影響を受けることを 勘案したからである。
 予算をぎりぎりまで切りつめているデイビッド・キャメロン首相が議会でこの辺の説明をしたときにほとんど異論が出なかったのも、同国議員たちがその事情 を良く知っているからであろう。つまり別の言い方をすれば、一国の銀行破綻が世界に与える脅威はそれだけ大きくなっており、国民も、議会も、そうした理解 のもとで瞬時に判断を迫られるケースが増えているのである。
4000兆円のホームレスマネーにどう向き合うべきか
 ところで、このバーゼルIIIは本当に適用されるのだろうか。あるいは予定通りに進むのだろうか。私は「しばらくは様子見するだろう」と考えている。な ぜなら、現状でバーゼルIIIを適用するとなると、銀行の負担、およびそれがもたらす経済への影響があまりにも大きくなるからだ。
 アメリカの銀行は、新しく積み上げなくてはいけない資本が多すぎて、相当なダメージを受けるだろう。コアTier1の比率を高めるために、資本市場で普 通株を調達したら他のところにお金が回らなくなる。するとどうなるか。当然、貸し渋りが起きる。例えばゼネラル・モーターズ(GM)が再び破綻しそうに なったとしたら、もはや銀行は資金を貸し出すことはできなくなるだろう。
 アメリカの銀行が貸し渋りを始めたら、バブル崩壊後の日本の「失われた20年」が再来することになる。当時の日本の銀行は、自分たちが生き残るために国 民へのお金の貸し出しを平気で渋った。金利を0.1%しか払わないのに貸出金利は高止まりしていた。さらに高利貸しみたいな消費者金融を買収してそちらに 傾斜していった。国民の税金で破綻を免れたという恩があるにもかかわらず、国民や企業のことを考えることはなかった。それと同じ状況がアメリカの銀行でも 起こっており、「日本の轍(てつ)」を見事に踏んでいる。
 新自己資本比率規制「バーゼルIII」の適用は、銀行の生存力を強化し、世界経済を健全化するために必要ではあるが、世界中を徘徊(はいかい)する 4000兆円以上のホームレスマネーを相手にしている現状では、危機が起これば津波となる。その場合には自己資本比率などという考え方そのものが健全性の 担保にはならないことをバーゼルにある国際決済銀行(BIS)もそろそろ理解すべき時に来ている。
■コラム中の図表は作成元であるBBT総合研究所(BBT総研)の許諾を得て掲載しております■図表、文章等の無断転載を禁じます■コラム中の図表及び記載されている各種データは、BBT総研が信頼できると判断した各種情報源から入手したものですが、BBT総研がそれらのデータの正確性、完全性を保証するものではありません■コラム中に掲載された見解、予測等は資料作成時点の判断であり、今後予告なしに変更されることがあります■【図表・データに関する問合せ】 BBT総合研究所, http://www.bbt757.com/bbtri/


32. 2011年2月04日 18:13:04: nJF6kGWndY
バーゼル銀行監督委員会
http://www.fsa.go.jp/inter/bis/bis_menu.html

Messages from the academic literature on risk measurement for the trading book
BCBS Working Papers No 19
January 2011

This report summarises the findings of an ad hoc group of the Basel Committee's Research Task Force based on its review of the academic literature relevant to the regulatory framework for the trading book. This project was carried out in the first half of 2010 acting upon a request from the Basel Committee's Trading Book Group. It builds on and extends previous work by the Research Task Force on the interaction of market and credit risk. The literature review was complemented by feedback from academic experts at a workshop hosted by the Deutsche Bundesbank in April 2010 and reflects the state of the literature at this point in time.


Executive summary
This report summarises the findings of an ad hoc working group that reviewed the academic literature relevant to the regulatory framework for the trading book. This project was carried out in the first half of 2010 acting upon a request from the Trading Book Group to the Research Task Force of the Basel Committee on Banking Supervision. This report reflects the views of the individual contributing authors and should not be construed as representing specific recommendations or guidance by the Basel Committee for national supervisors or financial institutions.
The report builds on and extends previous work by the Research Task Force on the interaction of market and credit risk (see Basel Committee on Banking Supervision (2009a)). The literature review was complemented by feedback from academic experts at a workshop hosted by the Deutsche Bundesbank in April 2010, and reflects the state of the literature at this point in time. Please note that the term “value-at-risk” (VaR) should be interpreted henceforth in a broad sense as encompassing other common risk metrics, with the exception of Section 3 in which risk metrics are compared directly.
The main findings of the group are summarised below in the order of the Sections of the report.
1. Selected lessons on VaR implementation
There is no unique solution to the problem of the appropriate time horizon for risk measurement. The horizon depends on characteristics of the asset portfolio (such as, market liquidity) and the economic purpose of measuring its risk; for example, setting capital or setting loss limits for individual trading desks.
Scaling of short-horizon VaR to a longer time horizon with the commonly used square-root-of-time scaling rule has been found to be an inaccurate approximation in many studies. This rule ignores future changes in portfolio composition. At present, there is no widely accepted approach for aggregating VaR measures based on different horizons.
Time-varying volatility is a feature of many financial time series and can have important ramifications for VaR measurement. Time-varying volatility can give rise to issues regarding the potential pro-cyclical effects of VaR-based capital measures. The effects of time-varying volatility on the accuracy of simple VaR measures diminish as the time horizon lengthens. In contrast, volatility generated by stochastic jumps will diminish the accuracy of long-horizon VaR measures unless the VaR measures properly account for the jump features of the data. Distinguishing between time-varying volatility and volatility changes that owe to stochastic jump process realisations can be important for VaR measurement.
Backtests that focus on the number of VaR violations have low power when the number of VaR exceptions is small. The power of backtests can be improved modestly through the use of conditional backtests or other techniques that consider multiple dimensions of the data like the timing of violations or the magnitude of the VaR exceptions. No consensus has yet emerged on the relative benefits of using actual or hypothetical results (ie P&L) to conduct backtesting exercises.
2. Incorporating liquidity
The literature distinguishes, first, between exogenous and endogenous liquidity; and, second, between normal (or average) liquidity risk and extreme (or stress) liquidity risk.

Exogenous liquidity refers to market-specific, average transaction costs and can be captured by a “liquidity-adjusted VaR” approach.
Endogenous liquidity refers to the price impact of the liquidation of specific positions. Endogenous liquidity depends on trade size and is relevant for orders that are large enough to move market prices; that is, it is the elasticity of prices to volumes. Endogenous liquidity may be easily observed in situations of extreme liquidity risk, characterised by the collective liquidation of positions or, more generally, when all market participants react in the same way. Portfolios, however, may be subject to significant endogenous liquidity costs under all market conditions, depending on their size or on the positions of other market participants.
According to actual accounting standards, endogenous liquidity costs are not taken into account in the valuation of the trading books. A first step to incorporate this risk in a VaR measure would be to take it into account in the valuation method.
Although this last topic has attained considerable popularity in the recent literature, the practical implications for risk management have yet to be developed.
In practice, the time it takes to liquidate a position varies, depending on its transaction costs, the size of the position in the market, the trade execution strategy, and market conditions. Some studies suggest that, for some portfolios, this aspect of liquidity risk could also be addressed by extending the VaR risk measurement horizon.
3. Risk measures
VaR has become a standard risk measure in finance. Notwithstanding its widespread use, it has been criticised in the literature for lacking subadditivity, a property that implies that compartmentalised (say, desk-wise) risk measurement based on VaR is not necessarily conservative. The problem is relevant in practice and not only relevant for very high confidence levels of VaR.
The most prominent alternative to VaR is expected shortfall, which is subadditive. It is slowly gaining popularity among financial risk managers. Despite criticism focused on the complexity, computational burden, and backtesting issues associated with expected shortfall, the recent literature suggests that many issues have been resolved or have been identified as less severe than originally expected, including improvements in backtesting methodologies. At present, some financial institutions have come to more fully rely on expected shortfall metrics.
Spectral risk measures are a promising generalisation of expected shortfall. They have certain advantages over expected shortfall, including favourable smoothness properties and the possibility of adapting the risk measure directly to the risk aversion of investors. From a technical perspective, spectral risk measures require little additional effort if the underlying risk model is simulations-based.
4. Stress testing practices for market risk
Stress testing is often implemented as an ad hoc exercise without any estimate of the probability associated with the stress scenarios and often using modelling approaches that differ from an institution’s VaR risk measurement framework. More recent research advocates the integration of stress testing into the risk modelling framework. This would overcome drawbacks of reconciling stand-alone stress test results with standard VaR model output.
Progress has also been achieved in theoretical research on the selection of stress scenarios. In one approach, for example, the “optimal” scenario is defined by the maximum loss event in a certain region of plausibility of the risk factor distribution.
The regulatory “stressed VaR” approach has not been analyzed in the academic literature. From a theoretical perspective it is an imperfect solution and its purpose is to reflect that current market conditions may not lead to an accurate assessment of the risk in a more stressful environment. Certain methods that could be meaningful in this context can be identified in the earlier literature on stress testing. Employing fat-tailed distributions for the risk factors and replacing the standard correlation matrix with a stressed one are two examples.
5. Unified versus compartmentalised risk measurement
Much of the risk measurement literature has focused on compartmentalised measures of risk such as interest rate, market, credit, or operational risks. In recent years, attention has shifted towards integrated or unified approaches for risk measurement that consider all risk categories jointly. From a theoretical perspective, an integrated approach is needed to capture potential compounding effects that are ignored in compartmentalised risk measurement approaches. Those approaches can underestimate risk if an asset portfolio cannot be cleanly divided into sub-portfolios along risk categories.
Empirical studies suggest that the magnitude of diversification benefits – that is, the amount by which aggregate risk is below the sum of individual risks – depends upon the level at which risks are measured. At higher levels of aggregation (eg at the holding company level), the benefits are more often detected; however, at a lower (eg the portfolio) level, risk compounding can become predominant.
The artificial distinction between a “trading book” and a “banking book” refers to positions, but these positions need not be exposed to different sets of risk. If the risks associated with these books are distinct, even if they are not independent, then adding the VaR measures of these books will be conservative. If the risks associated with the two books are not distinct, (eg if the separation is due only to accounting rules), then adding compartmentalised VaR risk measures is guaranteed to be conservative only if all risks relevant to each book are accounted for. If not, the sum of compartmentalised risk measures may understate the risk of the combined portfolio risk.
Irrespective of the separation of assets into “books”, it is always questionable to calculate different risks for the same portfolio in a compartmentalised fashion and to hope that adding up the compartmentalised measures will be a conservative estimate of the true risk. In general, it will not be. This insight is particularly important for “backfitting packages”, such as the incremental risk charge.
6. Risk management and value-at-risk in a systemic context
A number of studies are critical of VaR-based capital requirements because of their pro-cyclical nature. VaR-based capital rules require lower (higher) capital in the upswing (downturn) of the economy because volatilities of market prices of assets tend to vary over the business cycle. The procyclical nature of VaR-based capital requirements may induce cyclical lending behaviour by banks and exacerbate the business cycle. Another criticism of VaR-based capital rules is that, under these rules, banks may face incentives to bias their models towards minimising regulatory capital charges and VaR models do not take endogeneity into account. When all banks follow a VaR-based capital rule, financial institutions may be incentivised to act uniformly in booms and busts. This tendency may create endogenous instabilities in asset markets that are typically not included when individual banks measure the risks of their trading books.
While procyclicality is often mentioned as a policy concern in the academic literature, the literature generally does not offer convincing solutions to how these concerns could be addressed in the regulatory framework, given that regulation should keep minimum capital requirements risk-sensitive in the cross-section.



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