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マネーは世界中に流れるので、かって日本が供給した数百兆円のマネーは、欧米でバブルを引き起こし、ほとんど日本の景気上昇には貢献せず、結局、バブル崩壊の損失を一番蒙ったのは日本だった。
今回もFRBが供給した過剰な緩和マネーは、トータルで数百兆円に達しそうだが、やはり国内の雇用を増大させる効果はほとんどなく、大部分が、中国など海外新興国の景気を過熱させ、不動産や金、食料、エネルギーのバブルを引き起こし、海外の政治的に未熟な諸国の治安を揺るがしている。
結局、中国のバブル崩壊で、日本が一番、また大きな損害を蒙る可能性がある。
残念ながら、非効率な財政政策と同じく、過剰な金融政策も、世界経済がグローバルにリンクしている状況では、副作用が大きすぎて、有害であることが、今回も証明されることになるだろう。
結局、長期的に有効なのは、まともな経済政策(規制緩和による、長期的に必要なものへの効果的な財政投資、安全網の確立、バランスのとれた適切な税制による課税・・)ということであり、
中銀による巨額の緩和は、あくまでもカンフル剤として、緊急時の資金供給リスクに役立つだけである。
sankei.jp.msn.com/economy/news/110130
お札でデフレ退治する法 米に倣い政府・日銀は連携せよ 編集委員・田村秀男
2011.1.30 13:36
日銀券を沢山刷れば株価は上がるが、デフレが続く
おカネの量を大量に増やすと物価が上がるというのが経済学の定説である。歴史的にも、政府や中央銀行がお札をじゃんじゃん刷ったために悪性インフレに見舞われた国は敗戦直後の日本や1980年代から90年代にかけてのブラジル、90年代前半のロシアなど、枚挙にいとまがない。
2008年9月の「リーマン・ショック」後はちょっと様子が違う。米国連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長はただちにドルの大量発行に踏み切り、値打ちがなくなりかけた住宅ローン担保証券や米長期国債を買い取って現在までにFRB資産を2・7倍まで膨らませた。それでも米消費者物価は2年間で4・2%上昇にとどまっている。1930年代の米国や90年代以降の日本のようなデフレ病に罹患(りかん)しないことに成功しているのだ。
株高で消費者心理↑
からくりはこうだ。ドルの洪水が金融資産の代表格である株式の価格を引き上げる。新たに刷り出された資金百数十兆円の一部がFRBの意を汲(く)んだウォール街の証券大手を通じて株式市場に投入され、米平均株価はリーマン・ショック後の底値に比べて1・7倍以上になった。株価の上昇で、米国の家計は実に日本円換算で300兆円、日本の国内総生産(GDP)の6割相当ほど富を回復した。米国では全世帯の5割以上が株式を保有しており、株高は消費者心理をよくする。米国のGDPの約7割を占める個人消費が上向けばしめたものだ。
難しい経済理論など必要ない。米国ではお札を刷れば景気がよくなる。そんな現実を米国の政治家も中央銀行幹部も熟知している。
日本は慢性デフレ病
日本はどうか。日銀は2001年春からゼロ金利の資金を大量発行する量的緩和政策を5年間実施した。低迷していた株価は底を打ち、上昇に転じた。しかし、緩和政策打ち切り1年後の07年央に株価は余熱が冷めて急落し始め、翌年のリーマン・ショックに追い打ちをかけられた。ともあれ、中央銀行発行のお札が株価を左右する前例をつくり、FRBが参考にした。なのに日銀は金融政策を株価に関連付けるのを忌み嫌う。
物価はどうか。グラフから推察する限り、日本の消費者物価動向は、日銀の資産残高の増減とはほぼ無関係のようだ。米国ではデフレを防ぐ効果はあったが、日本では物価がなだらかに下落し続けるデフレ基調でほぼ一貫している。
なぜ、日本では物価に対するお札の量的効果が不発になるのか。原因は90年代の初めのバブル崩壊後に始まる慢性デフレ病である。消費者も企業もおカネを使う気が失(う)せた。現預金主体の個人の金融資産残高は超低金利に喘(あえ)いでおり、「リーマン」で約100兆円減ったまま横ばいだ。おまけに家計の可処分所得は減り続けている。消費者は財布のヒモを締める。企業は設備投資せず余裕資金を銀行口座に置いたままだ。株価回復の足取りも重い。つまり、日本の場合、米国のようなお札−株価−消費−脱デフレという経済モデルは脆弱(ぜいじゃく)で、途切れてしまう。
経済のパイを大きく
日本ではお札を刷っても無駄なのか。日銀はそう判断し、リーマン後も日銀資産を積み増すのに慎重だが、ちょっと待て。
米国はFRBが月間平均約10兆円相当も米国債購入を続けている。このドル資金は株価を押し上げると同時に、米財政赤字の約6割を支える。オバマ大統領は先の一般教書演説で、個人消費の底打ちを踏み台にして所得税減税や新成長分野への財政資金投入で景気の本格的な反転攻勢に乗り出すと宣言した。米国では政府と中央銀行が一体となってデフレ圧力を退け、経済再生を果たそうとしている。日本の菅直人政権と日銀にはそんな連携意識に欠けている。
菅首相は今、副総理時代に言い出した「脱デフレ」を口にすらしなくなった。「成長戦略」も官僚の作文まかせだ。代わりに与謝野馨経済財政担当相を引き込んで「消費税増税」実現に邁進(まいしん)している。家計が細る中で増税すれば消費はさらに縮む。若者は就職できない。年金負担は無理だ。社会が閉塞(へいそく)する。税収が減る半面、失業関連など社会保障費は膨らむ。
少子高齢化が進む中、年金制度設計を改めるのは当然だが、国家経済のパイを大きくできなければ何も始まらない。まずは米国に倣って日銀にお札を刷らせ、その資金で脱デフレのための景気対策と成長促進策に打って出るのが、政治主導というものだ。
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