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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu232.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中国の国営企業は、香港の割高な人民元でドルを買い、その
ドルを本土で人民元に変えて、再び香港で割高な人民元でドルを買う。
2011年1月24日
◆「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 1月24日 人民元のハードカレンシー入りは何時?
http://www.melma.com/backnumber_45206_5086379/
基軸通貨の多極化、人民元の大躍進は本当にありうるシナリオなのか
香港の人民元預金急増とオフショアの人民元起債は跳ね上がっているが
中国が現在選択しているのは通貨スワップと自国通貨決済を二国間で結ぶことで、香港、ブラジル、ロシアなどとドルを通じない取引を行い、人民元を世界に流通させている。しかし、人民元の商品市場、原油相場での決済は不可能であり、中国の対外投資はナイジェリアであれアンゴラであれ、ドルベース! 豪州の資源企業や鉱区買収も、スェーデンもボルボ買収資金も米ドルである。人民元は世界の主要市場からはまだ相手にもされていない現実がある。
とはいうものの人民元のオフショアにおけるシェアは意外に早く予測値を超えた。
香港通貨当局とHSBCの推計によると世界貿易の人民元決済は4000億人民元(6兆円)。香港の人民元預金量は3000億元(4兆5000億円)を超えているようである。(数字は英紙『エコノミスト』、2011年1月22日号)。
しかし人民元の対外貸し出しは0・5%、ものの数にも入らない。円借款や円建てボンドなどと比べても、日本円は遙かに強いことが分かる。
ドルの価値減は世界にパニックを運び、とりわけ原油価格を押し上げた。金融市況を暴騰させたのも、ドルが基軸通貨であれば、減価分をドルの上昇にもとめ、米国は輪転機を回し続けてドルを世界にばらまき、ユーロも人民元もそれに倣った。
この通貨供給量大増刷という通貨戦争に参加しなかったのは日本だけ。だから日本の通貨が世界中で唯一、独歩高となってデノミが20年も続いている。
通貨発行を増大した国々はインフレ、とりわけ中国は猛烈インフレである。
そのうえ中国には金融市場に透明性も開放性もなく、システマティック・リスクがある。投資家はそれをみているから、上海、深浅、香港の株式指数は低迷したままである。
◆香港の人民元取引を巡る熾烈な戦い 1月24日 Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5309
人民元を取引する香港のインターバンク(銀行間)市場は、誕生してまだ6カ月しか経っていないが、既に激しい戦いが繰り広げられている。
一方の陣営は、今後数カ月間、数年間で人民元の対ドル相場が急騰すると確信しているヘッジファンドやその他の外国人投機筋だ。こうした投資家はただでさえ人民元に飢えていたが、ここへ来て食欲が増している。
ヘッジファンドvs中国企業の戦い
もう一方の陣営は、香港やその他の海外統治領(オフショア)に子会社を持ち、そのため本土の資本規制を迂回できる数千社の中国企業だ。
こうした企業は規模が大きい。政府の支援を受けていることが多く、規模に見合う資金力を持っている。オフショア市場の人民元相場が本土の相場から大きく逸れた時はすぐに攻撃を仕掛ける用意ができている。
「中国勢は企業も個人も賢い商人だから、鞘取りのチャンスがあれば、うまく利用する」。北京に本拠を構える調査会社ドラゴノミクスのアーサー・クローバー氏はこう話す。
外国人投資家に開かれており、中国政府の直接支配が及ばない香港市場で繰り広げられている人民元の対ドル相場を巡る綱引きは、中国が人民元を国際通貨にしようとする取り組みを進めるに従って一層強まると見られる市場の力の威力を示している。
中国人民銀行(中央銀行)が為替レートを定める本土とは異なり、香港の人民元相場は制限なしに変動することができる。
香港の人民元相場と本土の相場はなぜ同じ?
では、中国資産を買おうとするグローバルな投資家の膨大な需要と、人民元が大幅に過小評価されているというほぼ普遍的な見方を考えると、香港の人民元対ドル相場が、事実上、本土の相場と同じなのは一体なぜなのだろうか?
1月20日、人民元は上海で1ドル=6.5860元で取引されていた。香港の人民元相場は1ドル=6.5805元で、本土の水準よりほんの0.08%高いだけだった。これは年初来最低に近いプレミアムだ。両者のギャップは昨年10月半ばに2.6%に達し、同年7月に人民元のオフショア取引が始まって以来最大を記録していた。(後略)
(私のコメント)
株式日記では、ヘッジファンドの投機マネーが香港を通じて人民元を買っている事を書いてきましたが、香港が人民元のオフショア市場となっていますが、ヘッジファンドの人民元買いは香港に集中することになる。当然香港の人民元の相場は本土の人民元の相場よりも高くなり、その利鞘を稼ぐために中国の銀行や国営企業は国内の人民元を割高な香港で売る。それを繰り返すことで中国は利鞘を稼ぐことが出来る。
それだけ人民元を買うヘッジファンドの買い圧力が強いからですが、ヘッジファンドも人民元を持っていても国外では使えないから中国国内に持ち込まれて投資される。だから中国国内ではマネーがあふれかえってインフレになる。中国の銀行や国営企業は香港で利鞘を稼ぐことが出来るから、人民元を持ち出してはドルに変え、本土ではそのドルをまた人民元に変えて香港で売る。このような回転を繰り返せば利益は莫大になる。
このような事が出来るのも、中国は為替管理をしているから香港でしか人民元を買う事ができない。だから香港市場では人民元が割高になり、中国は割高な人民元でドルを買えば確実に利鞘を稼ぐ事ができる。中国も膨大な輸入物資はドルで買わなければならないからドル買い需要が常にある。つまり中国は高い人民元で輸入して安い人民元で輸出していることになる。
為替を固定して規制すれば国内レートとオフショアのレートのづれが出来ますが、それを中国の銀行や国営企業は差額を稼いでいる。人民元を刷りまくってもヘッジファンドが買ってくれるのだから中国は儲かる。日本もそれをすれば儲かるのですが、円高に放置したまま円を刷らないから円が90年代から高くなったままなのだ。1万円札を原価19円で印刷すれば1万円として流通するのだから無から有を生ずることになる。
日本人がなぜ円が高くなっても豊かさを実感できないかというと、日銀が金融を引き締めてしまって円を供給しないからだ。円相場が高くなるということはそれだけ円が市場に不足していることを意味するのですが、日銀官僚にはその意味がわからないのだ。円が市場に不足した分が国債として国が調達していますが、日銀が国債を買い取れば円がそれだけ市場に供給されることになる。
日本における問題は、銀行がリスクに過敏になり貸し出しせずに国債ばかり買っていることであり、国が国債を発行しなければ銀行が困ることになる。もし日本が中国のように為替管理をしていて、国内では1ドル=85円なのにオフショア」では1ドル=80円だった場合、日本の銀行はオフショアでドルを買い、国内で1ドル85円で交換するだろう。それで一回転させれば5円儲かる。
いずれ中国も変動相場制に移行させる事になるのでしょうが、当面は香港との二重相場になり、人民元を固定していれば中国銀行や国営企業は回転売買でぼろ儲けができる。その代わり国内にはドルと人民元が溢れ返ってインフレになる。インフレになればコスト高になり人民元を切り上げたのと同じ結果になる。人経費も高くなり輸出品も高くなる。
香港で起きていることは、割高な人民元をいいことにドルを買って利鞘を稼いでいることであり、それだけ人民元が売られているということだ。日本も円安政策を採って円を供給すれば、銀行は円を売ってドルを買うだろう。ところが日銀は円の供給を絞って円の相場を吊り上げてきた。これでは日本の銀行や企業は円売りは出来ないから円が高くなる一方になる。
中国のやっていることは、通貨そのものを売買することで利益を上げていることであり、人民元の固定相場がカギになっている。中国は固定価格でドルを無制限に買ってくれるのだから、香港でドルを買って本土で売れば無制限に儲けることができる。しかしそれができるのは中国勢だけということだ。だからいつまでも人民元をドルに固定させておく事ができる。
中国は人民元を印刷してドルを無制限に貯め込んでいますが、アメリカもドル札を印刷して世界にばら撒いている。宮崎氏が言うように、そのような事をしていないのは日本だけで、結果的に円高デフレにしている。19円の原価で1万円の価値が創造できるのに、日銀はその価値創造を放棄しているのは馬鹿としてしか思えない。
中国やアメリカは紙幣の印刷機を回して価値創造を増やしているから、株や不動産価格は高くなりバブルが膨らんでいる。ところが日本はバブル崩壊に懲りて、バブルはいけないものだという固定観念が出来てしまった。バブルの頃は若い人は車を乗って高給をもらって就職も大手金融機関に引っ張りだこになっていた。しかし今は車も乗れず就職も出来なくなっている。一体どちらがいいのかわかりそうなものですが、財務省と日銀はデフレ不況が大好きなようだ。
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