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米 地方の衰退は日本の未来? 産業が消滅し、経済が衰退すれば、地方自治も崩壊する
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/736.html
投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 22 日 16:04:55: 1W1IXELjjF6i2
 

http://ryuzaburo.seesaa.net/category/6574224-1.html
2011年01月16日
NJ州ニューアーク市警官削減で自動車盗難6割増?


ニュージャージ州ニューアーク市では、財政難で警察署への予算が削減さえ多くの警官が解雇された。その2010年、自動車盗難(CarJack)が前年比で60%も増加したそうだ。

このニュースをみて、「カリフォルニアで2番目に危険な都市へようこそ!」の看板をだしたストックトン市を思い出します。

財政危機で、低所得者層の社会福祉が削減され、治安維持へのコストも出せない。
確実に治安を悪くするんでしょうね。

2011年01月14日
NJ州知事「破綻」発言で州債販売を延期

ニュージャージー州のクリスティー知事は、パラマス市での集会で医療保険費は州を「破綻させるだろう」と発言。その発言の20分後に同州の教育関連債の販売額を当初予定の半分にした。

ニュージャージ州の医療保険費は43億ドルで、今後4年間で40%上昇するとクリスティー知事は指摘している。

Source: CrainsNyewyork.com

州知事が「破綻」という言葉を使ってしまったのは失言でしょう。
S&P 地方債ファンド(MUB)

人の発言は気をつけないと市場に影響力を与えてしまいます。(今日は債券市場にとっては悪い日でした)


先日の記事でも紹介したように、クリスティー知事は州財政危機をはっきりと指摘する。なのでとても分かりやすい。


先生:「政府は私のやっている仕事と能力に十分な給与を払っていない」

クリスティー知事 「あなたの待遇が気に入らないのなら、先生を辞めてほかの仕事に突きなさい」

州の増税と公務員の待遇削減。これが続くが、いつまで持つのでしょうか?


2011年01月12日
元下院議長「州政府の破産法が必要」


共和党の次期大統領有力候補とされるギングリッジ元下院議長は、州政府が連邦救済ではなく公務員待遇削減できるようにする破綻法案を議会に働きかけているようだ。

ギングリッジ氏が考える州政府破産法は、増税を禁止するというもの特徴で、公務員にとっては厳しい内容となっています。

* カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイ州などの財政難の州政府は、連邦救済ではなく公務員労働組合へのベネフィット削減交渉を実施する
* もし州政府が労働組合と公務員待遇削減交渉が成立しなかった場合、州政府に破産する権利を与えることで、待遇削減を破産裁判所に決めてもらうことができる。
* また、「増税」を禁止することで、破産裁判官が州民に増税を負わすことができないようにする。

Source: Pensions & Investment


カリフォルニア州でもイリノイ州での公務員年金基金はすでに破綻しており、州政府の財政問題は公務員待遇問題ともいえます。

州政府は、公務員の給与・待遇へと矛先が向けられていますが、公務員労働組合の反発は必至です。

ミシガン州のハムトラクト市のように、市職員労働組合との話し合いを行っていたようですが交渉がうまくいかず、公務員待遇交渉を裁判所に委ねるケースに似ています。

ただ、州財政再建で「裁判所に増税させない」、「公務員待遇をカット」という考え方は、いかにも共和党らしい。

イリノイ州は所得税66%の増税を決めたらしいが、公務員の年金・ベネフィットまで政治的な話し合いで解決できるとは思えない。

いずれ、州政府は破産裁判所にお世話になる可能性は高い。


2011年01月09日
カリフォルニア州チャウチラ市地方債が債務不履行で破綻
20110108_Chowchilla.png

農業と刑務所で知られるカリフォルニア州チャウチラ市は、地方債(Municipal Revenue Bond:地方特定財源債)の1月支払いを履行できず破綻した。

チャウチラ市は2009年から45%の公務員を削減し財政難に対応してきたが、住宅価格の急落、失業率は18%で行政は苦しめられていた。

チャウチワ市の今年の税収は410万ドルが見込まれるが、歳出は520万ドルと100万ドルの財政赤字となっていた。

Source: LA Times

約半分の公務員を削減、市議会員の給与を凍結、スイミングプールの閉鎖、さらに市の資産を売却などの財政削減で対応してきたらしいが、それでも財源がなく破綻してしまった。

今後も地方債はさらに破綻し、地方が廃れていくのでしょう。


2011年01月05日
NY州職員の1年間の給与凍結?
2011NYdontloveU.png

ニューヨーク州クオモ新知事は、緊急財政計画の一部として州職員の1年間給与凍結を模索するそうだ。

州政府関係者によると、「確かに、給与凍結は多くの州職員にとって困難なことになるが、州が生き残るためには必要なことだ」と話しているようだ。

もちろん給与凍結は州職員の労働組合との交渉になる。 19万人の州職員の労働契約が切れる3月31日までに、労働組合は厳しい交渉を迫られることになりそうだ。

州職員の1年間の給与凍結を労働組合に提案した新知事の実行力には驚いた。

ただ、たとえ給与凍結したとしても財政削減効果は2億ドルから4億ドル。これは、ニューヨーク州の財政赤字(90億ドル)にたったの4%しか貢献しない。

Source: NY Times

州政府 VS 州職員(労働組合)という構図は、今後カリフォルニアなど他州でも普通に出てくる話でしょう。


2010年12月31日
2011年は地方債破綻の年?
州財政赤字見通しと連邦支援資金(Recovery Act funds)
20101231州財政赤字見込み.gif
Source: WSJ

イリノイ、カリフォルニア、ミシガン州など最悪の財政難に苦しんでいる州政府は、2012年には窮地に追い込まれる状況だ。

州政府の財政赤字(グラフ:赤)は、2011年までに1600億ドル、2012年6月までに1400億ドルと減少する見通しとなっています。しかし、連邦政府による景気刺激策の支援金は、今年の590億ドルから、来年には60億ドルと減額される。

つまり。。。


州政府が穴埋めしなければならない財政収支
2011年6月:1010億ドル
2012年6月:1340億ドル

つまり、連邦の景気刺激の支援金が途絶える来年には、州財政不足額はさらに330億ドル増えるということになる。


ニュージャージー州のクリスティー知事は、60 Munitesで州財政難についてこう語っている。

「今回の財政難は、今までとは違う状況だ。何が以前と違うのかというと、人々が政治的に予算カットをしてはいけない領域まで手をつけなければならない状況に追い込まれていることだ」

義務教育や公務員年金やベネフィットを削減できないと言われていたが、もう選択肢は残されていないということだ。

ほとんどの州政府は景気のよいときに借金を返済するのではなく、逆に借金を増やしまくった。それが、今回の大不景気で急激に税収が減っり、あわてて予算カットで対応するが財政均衡の見通しは全く立たない。

2010年08月28日 借金で成り立っていたアメリカ経済は崩壊する

対GDP比で350%を超える現在のアメリカの総債務(Total Credit)は、世界大恐慌時代より遥かに超える水準まで債務を増やした。

この大きな流れみると、ほんの少しだけ借金が減りましたが、今後のこの債務の水準を維持できるのかがポイントになります。

仮に現在の債務水準(信用)が2000年レベルまで減少(信用収縮)すれば、アメリカから14兆ドル相当信用が消えることになります。

消費者ローン、住宅ローン、商業不動産ローンの破綻、そして、地方債権、金融機関の破綻、さらには国が破綻するという事態となってしまいます。

この事態がありえないのであれば、現在の債務水準(信用)を維持し続けること果たしてそれは可能なのでしょうか?

カリフォルニア州は問題先送りをしてきましたが遂に現実に直面しています。イリノイ州は50億ドルが未払いで州議員はオフィスを締め出される事態。そしてニュージャージー州クリスティー知事は、「完全に維持できない」とお手上げ状態だ。

もうすでに債務問題の先送りは限界にきています。


金融アナリストのWhitney氏は、「2011年は地方債破綻の年となる」、50から100の地方債がデフォルトになるだろうと予測しています。

2011年は恐ろしい信用収縮の始まりの年になるかもしれません。


http://d.hatena.ne.jp/masayang/20090614/1245033004
カリフォルニア財政危機に関するわかりやすい説明
* 1. なんでこんな状況になったの?
o 過去の好況時に税収が増えても、それらを全額歳出にあててきたから。
o 州予算は単年度で均衡を保つ必要があるので、不況で税収が減ると大変なことに。
* 2. 州はたっぷり税金取ってるんじゃないの?
o カリフォルニアは所得税への依存度が高く、所得税歳入が減るとやばいのです。
* 3. で、予算はどこに消えているの?
o 教育・医療・刑務所・低所得者支援。
o 一番でかいのは教育。
o 医療は減りつつある。
* 4. 景気後退でなんでこんな影響を受けるの?
o カリフォルニアは個人への所得税、特に高所得者への依存が大きい。
o 年収50万ドル以上の人達が、州所得税の40%を占めていた。
o この層のうち、株や不動産で潤っていた人達は、収入が急減した。
o したがってカリフォルニア州に入る税金も減った。
* 5. カリフォルニアはお金を使いすぎているの?
o 住民の所得総額と歳出との比率で見ると、全米50州中12位。
o その比率は近年下がりつつある。
* 6. 州職員が多すぎるのがいけないんじゃないの?
o ターミネーター知事になってから州職員が過去最高に増えたのは事実だけど、それは州刑務所を強化したから。
o 絶対的な職員数では全米一位。
o 給与水準は全米二位。(一位はニュージャージー)
o 住民あたりの州職員数でみると、全米下から3番目。
* 7. こうすればいいんでないの?
o 議員の給料を半分にしては?
+ 900万ドルしか節約できません。かすりもしない。
o 酒とタバコの税金を増やしてみては?
+ 30億ドルしか歳入は増えません。足らないのは250億ドル。
o 州職員を2割クビにしたら?
+ 20億ドルしか節約できません。足らないのは250億ドル。
o 公立学校の教員達の給与を下げてみては?
+ 公立学校の教員達は、各地域の校区と独自に契約しているので、州があれこれ言えるわけではないのです。
o 不法移民やその子供達に対する各種サービスを止めてみたら?
+ 50億ドル節約可能ですが、やはり足りません。

→ちなみに、公立学校の先生達も決して厚遇されているわけではない...


http://www.us-lighthouse.com/specialla/e-10756.html
カリフォルニア州の財源である
税収にまつわるデータ

カリフォルニア州は他州に比べて、消費税・所得税共に高水準である。連邦税、州税の総額も全米で第1位。人口が全米で最も多いだけに当然ではあるが、州民の税金は、政府へ十分貢献している。

2007年度カリフォルニア州の税収総額
●連邦税総額:3,140億ドル
※ 全米1位。アメリカ全体2兆2740億ドルの13.8%(全体の1/8)で、2位のニューヨーク州の1.4倍
●州税総額:1147億ドル
※全米1位。アメリカ全体7498億ドルの15%で、ニューヨーク州の2倍

各州における税率の比較
●消費税(州税のみ)
1位:カリフォルニア(8.25%)
2位: テネシー、インディアナ、ミシシッピ、オハイオ、ニュージャージー、ロードアイランド(7%)
3位:ワシントン、ミネソタ、ネバダ(6.5%)

●消費税(市・郡税を含めた最高基準)
1位:イリノイ(11.5%)
2位:アリゾナ(10.6%)
3位:カリフォルニア(10.25%)

●州所得税率
1位:ハワイ(11%)
2位:カリフォルニア(9.3%) (4万4814ドル以上の所得がある場合)
※所得税のない州:アラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコタ、テキサス、ワシントン、ワイオミング(ニューハンプシャーとテネシーは配当・利息収入に限り課税)

●連邦税や市税と合わせた税率
1位:ニューヨーク市(45.50%)
2位:カリフォルニア州内(約45.3%)
3位:バーモント州内(約44.5%)
※最低水準は、シアトル、ヒューストン、ダラス、マイアミ(35%)  

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コメント
 
01. 2011年1月22日 22:50:36: ZAepcFZXyY
  消費税を100%にしてはどうか。

02. 2011年1月27日 15:39:59: cqRnZH2CUM
【津山恵子のアメリカ最新事情】終わっていなかったマフィア活動―闇経済の規模2兆ドル

* 2011年 1月 26日 17:12 JST 

 まだ、ニューヨークに存在していることは知っていた。しかし、これほどに健在とは思わなかった。

 米連邦捜査局(FBI)など捜査当局は今月20日、 ニューヨーク、ニュージャージーなどの3州で組織犯罪者を一斉摘発し、殺人、恐喝、脅迫などの容疑で100人を超えるマフィア組織のメンバーやその関係者を逮捕した。FRIの一日の摘発としては、史上最大規模だ。

 ニューヨークに来たばかりの数年前、銃殺されたマフィア一家のボス、ポール・カステラーノの死体が歩道に転がっている1985年当時の写真を新聞で見て、ショックを受けたことがある。その現場は、職場の真ん前にあった予約がなかなか入らない人気ステーキレストラン「スパークス」の前だった。

 この写真は、今回のニュースでも新聞に掲載された。マフィアは、ニューヨークに深く関係していて、身近なところに出入りしており、自営業など多くのみかじめ場所を、市民が気がつかないような広範囲な業種で持っているのだろうと人々に認識させた写真だ。

 しかし、一般的には1980年に抗争があり、その後に捜査当局がキャンペーンを展開して摘発を行った結果、1986年、ニューヨーク・マフィアの5大ファミリーのボス3人に対し、相次いで有罪判決が下り、マフィアの活動は下火になったとされていた。また、2001年の米同時多発テロ以降、捜査当局がマフィアよりもテロリストに捜査能力を振り向けなければならなかったという事情もある。

 ところが、今回会見したエリック・ホルダー司法長官は「ラ・コーサ・ノストラ(イタリア語で『我らのもの』を意味し、米マフィアを指す)は、米国で最も危険な犯罪組織の一つだ」と、現在形で語った。大規模な摘発だったこともあるが、司法長官が会見するのも異例のケースだ。これが、マフィア「健在」を大きく印象づけた。

 さらに驚いたのは、マフィア100人が摘発されてから数日後に発売されたハイテク・科学の月刊誌「ワイアード」2月号が、「The Underworld Exposed(暴かれた闇の世界)」という特集を組んだことだ。月刊誌だから、特集の取材を始めたのは、マフィア摘発のニュースが出るよりも数カ月前に違いないが、世界の犯罪組織の活動が、変化しても顕在化していることを嗅ぎ付けていたというわけだ。

 ワイアードによると、米マフィアやメキシコ、ロシア、イタリア、イスラエル、中国、日本などの犯罪組織が稼ぎだす資金規模は2兆ドルに及ぶという。収入源は、銃器、コカインやヘロイン、金、人身の取引、臓器販売、マネーロンダリング、野生動物の売買など。かつてと異なり、インターネットや携帯電話を利用して、人のネットワークにたよらずに簡単にビジネスができるようになったことで、姿を変えて発達している。

 それにしても、なぜこの時期に摘発を行ったのか。

 ニューヨーク・ポスト紙によると、今回の摘発のきっかけは、マフィアの元メンバー(rat=ネズミと呼ばれる)による情報提供。ネズミが属していたマフィア一家に対する報復が始まるのは必至という。

 2009年秋には、ニュージャージー州の市長4人が逮捕される広域汚職が摘発される事件があった。イスラエルやスイス銀行にまたがる国際的なマネーロンダリングだったが、この時もマフィアの存在が指摘された。

 テロリストに対する警戒が続くなかで、マフィアなど組織犯罪が水面下で活発化していたのだろう。今回の摘発がもっと大きな事件捜査の端緒という気がしてならない。

*****************

津山恵子(つやま・けいこ) フリージャーナリスト

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東京生まれ。共同通信社経済部記者として、通信、ハイテク、メディア業界を中心に取材。2003年、ビジネスニュース特派員として、ニューヨーク勤務。 06年、ニューヨークを拠点にフリーランスに転向。08年米大統領選挙で、オバマ大統領候補を予備選挙から大統領就任まで取材し、AERAに執筆した。米 国の経済、政治について「AERA」「週刊ダイヤモンド」「文芸春秋」などに執筆。著書に「カナダ・デジタル不思議大国の秘密」(現代書館、カナダ首相出 版賞審査員特別賞受賞

http://jp.wsj.com/US/Politics/node_176297/?nid=NLM20110127
*
衰退ささやかれるNYマフィア、再び台頭の兆し
2011年 1月 21日
*
【津山恵子のアメリカ最新事情】事実確認よりも報道が先走った銃乱射事件
2011年 1月 19日
*
【津山恵子のアメリカ最新事情】日本メーカーはライバルを知るべき―米家電見本市を見て
2011年 1月 12日
*
【津山恵子のアメリカ最新事情】オフライン時間重視に、ネットは選別の時代
2011年 1月 5日
*
WSJ日本版コラム一覧
2011年 1月 26日


03. 2011年1月27日 16:30:16: cqRnZH2CUM
日経ビジネス オンライントップ>投資・金融>Money Globe- from NY(安井 明彦)
米国ベビー・ブーマー世代の憂鬱
消え失せる「退職してのんびり老後」という夢

* 2011年1月27日 木曜日
* 安井 明彦

米国  ベビーブーマー  年金  ハッピー・リタイアメント 

 2011年はベビー・ブーマー世代が本格的に退職時期を迎える節目の年だと言われる。1946〜64年生まれのベビー・ブーマー世代の先頭が、ついに 65歳に到達するからだ。米国では公的年金の満額支給資格を得られる年齢が長らく65歳に設定されてきた。このため「65歳」は、退職時期を象徴する年として意識されている。

 そのベビー・ブーマー世代。いよいよ退職時期を迎えるというこの時期に、どうやら憂鬱な気分にとりつかれているようだ。

 ピュー・リサーチセンターの分析によれば、ベビー・ブーマーは米国で最も「陰気な世代」だという。2010年12月の調査では、ベビー・ブーマー世代の 80%が「米国の進んでいる方向に満足していない」と答えている。1945年以前に生まれた年上の世代だけでなく、1965〜79年生まれのX世代や 1980年以降に生まれたミレニアム世代と比べても、ベビー・ブーマー世代の不満は強い。

 また、同センターが2010年5月に実施した調査では、ベビー・ブーマー世代の21%が「自分の親の世代よりも生活水準が低くなった」と回答している。ベビー・ブーマー以外の世代では、同じような認識を示した割合は14%とやや少ない。

 ベビー・ブーマー世代の憂鬱な感情も理解できる。退職を目前に控えた時期に、経済金融危機に直撃されたからだ。退職後の生活のために蓄えてきた資産は、株価の下落などによって大幅な目減りを経験した。円熟期を迎えたはずの仕事でも、雇用環境は厳しかった。

 危機の影響を尋ねたピュー・リサーチセンターの世論調査では、「投資に伴う損失を経験した」という回答が最も多かったのが、ベビー・ブーマーの先頭世代を含む50〜64歳の年齢層。「消費を切り詰めた」という回答が最も多かったのも、やはりこの世代だった。

24%が「退職予定を延期」

 ベビー・ブーマー世代にとって幸いなことに、退職資産の目減りによる衝撃は、一段落しつつあるようだ。株式市場が調子を取り戻してきたからだ。

 経済金融危機とベビー・ブーマー世代との関係で大きな話題になったのは、401(k)プラン(確定拠出型の企業年金)などの退職資産の目減りによって「退職時期を延期しなければらならなくなった」という現象だった各種の調査で判断する限り、2009年から2010年にかけてこうした動きが強まっている様子は伺えない。

 EBRI(企業福祉研究所)が2010年に行なった調査では、「退職年齢を延期した」とする割合が24%となり、2009年の25%とほぼ同じ水準だった。2008年の14%よりはかなり高いが、少なくとも上昇基調はとまっている。

 また、ピュー・リサーチセンターが50〜61歳を対象に2010年に行なった調査では、60%が「退職年齢の延期を考えなければならないかもしれない」と答えている。こちらも2009年の63%とほぼ同じ水準である。

 退職時期を遅らせる傾向が収まってきたきた背景には、株式市場の復調がありそうだ。EBRIの調査によれば、2009年末時点における401(k)プランの平均資産価値は、2008年末の実績から約3割増加している。2007年末の実績からはまだ1割ほど低いが、2010年の株式市場も終値は年初を上回っており、株式で運用された退職資産の復調は続いていると考えられる。

働きたいのに仕事がない、だから退職という内情

 もっとも、ベビー・ブーマー世代の退職については、雇用環境との関係も見逃せない。相対的に教育水準が低い傾向があり、労働市場で相対的に弱い立場にあるベビー・ブーマー世代にとって、経済金融危機が残した傷は深刻である。

 経済金融危機と退職時期の判断との間には、2つの相反する関係がある。前述のように、もっぱら大きな話題となったのは、「退職資産の目減りによる退職時期の先送り」である。しかし実際には、「雇用環境の悪化に伴う不本意な早期退職」という逆方向の現象も生じている。失業した高齢者が再就職に失敗し、退職に追い込まれるという展開だ。

 労働市場の悪化は年齢を問わない。失業率は年齢の高い層でも上昇している。2007年6月に3.0%だった45〜54歳の失業率は、2010年8月には8.2%にまで上昇している。55歳以上の場合、失業率は同じ期間に3.1%から7.3%へと上昇している。

 高齢の労働者が職を失った場合、再就職の道は険しい。米国では若年層の雇用難がよく指摘される。確かに45歳以上の失業率は24歳以下の失業率よりも低い。しかし、これは職場の在籍期間の長さが高齢者に有利に働いているからに過ぎず、今回の危機に特別な現象ではない。

 むしろ平均失業期間や失業者に占める長期失業者の割合は、55歳以上の年齢層の方が若年層よりも高い。アーバン研究所のリチャード・ジョンソン氏らによれば、50〜61歳の男性が失業から再就職に漕ぎ着けられる確率は、25〜34歳の失業者よりも4割近く低いという。

 再就職できない高齢の失業者は、退職して公的年金で生計を立てる道を選ばざるを得なくなりかねない。ウェズリー大学のコートニー・コイル氏らの研究によれば、失業率が5ポイント上昇した場合、62〜69歳の労働者が退職する割合は1.8ポイント上昇するという。

 実際に米国では、退職時期を早めている高齢者の存在を示唆する数字がある。公的年金の受け取りを新たに申請した米国人の数は、2008年から2009年にかけて23%増加している。人口動態だけでは説明できない急増ぶりだ。好むと好まざるにかかわらず、退職を急いだ米国人の存在がうかがえる。

「学歴の差」が明暗を分ける冷酷な現実

 経済金融危機と退職の関係は、学歴などの雇用市場での「強さ」で変わってくる。

 衝撃が大きいのは学歴の低い層である。失業の憂き目に遭う可能性が高いからだ。2012年12月の高卒の失業率は9.8%であり、大卒以上の失業率4.8%を大きく上回る。失業率の上昇に伴って退職年齢が早まるのも、高卒の労働者に集中して見られる現象だという。

 低学歴のベビー・ブーマー世代にとって、早めの退職を強いられることは、退職後の生活水準にも深刻な影響を与えかねない。前述のコイル氏らの試算によれば、62歳で失業した場合、退職後の収入は平均6.1%低下する傾向がある。理由として考えられるのが、満額支給開始年齢に達しないうちに公的年金を受け取り始めたために、月々の年金支給額が減額されたことだ。特に低学歴との重なりが大きい低所得層では、公的年金以外の収入源が少ないために、62歳での失業は31%もの収入減につながるという。

 比較すると、高学歴層への影響は軽微だと考えられる。失業の可能性は相対的に低く、もっぱら考慮しなければならないのは保有資産の価格変動である。高学歴層は富裕層と重なり合う部分が大きく、総じて多くの資産を保有しているからだ。

消失するハッピー・リタイアメント

 既に述べたように、株価は復調傾向にある。加えて、富裕層には多様な収入手段があり、たとえ保有資産が目減りしたとしても退職後の生活水準に与える影響は比較的小さい。前述のコイル氏らの試算によれば、株価が50%低下した場合でも、富裕層の退職後の収入は3.3%しか減少しない。

 たとえ保有資産の大幅な目減りに見舞われたとしても、退職時期の先送りを選択できるベビー・ブーマーは、まだ恵まれているのかもしれない。それでなくても1943年以降に生まれた世代では、公的年金の満額支給開始年齢が66歳以降に引き上げられている。

 一般に流布している認識とは違い、ベビー・ブーマー世代にとって「65歳」はもはや退職年齢ではなくなり、そんな中で「働きたくても働けない」ベビー・ブーマー世代が増えている。憂鬱な世代の悩みは深そうだ。
このコラムについて
Money Globe- from NY(安井 明彦)

変わりゆく米国の姿を、ニューヨークから見た経済の現状と、ワシントンの政策・政治動向の両面をおさえながら描き出していく

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著者プロフィール

安井 明彦(やすい・あきひこ)
安井 明彦

みずほ総合研究所調査本部 ニューヨーク事務所長
1968年東京都生まれ。91年東京大学法学部卒業、富士総合研究所(当時)入社。在米日本大使館、みずほ総合研究所ニューヨーク事務所、同調査本部上席主任研究員などを経て、2007年より現職。著書に『ブッシュのアメリカ改造計画〜オーナーシップ社会の構想』(共著、日本経済新聞社)『ベーシックアメリカ経済』(共著、日経文庫)など
(写真:丸本 孝彦)


04. 2011年1月27日 20:59:24: cqRnZH2CUM
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米地方債価格急落の背景
2011/01/24 (月) 16:02

 米地方政府の財政危機は目新しい話ではないが、今年に入って、地合いが弱かった地方債市場で価格がさらに下落。その売り手として投信の存在が浮かび上がった。地方債投信から過去9週間で253億ドルが流出している。個人顧客の長期免税債消化意欲に懸念が生じている状態で、投信が売りに殺到したため、ボラティリティが高まり長期金利が上昇した。

 市場参加者は、こうした売り圧力が生じた要因として、デフォルトの不安を煽る報道を挙げている。主要メディアが最近、地方財政の悪化や地方債の信用問題を頻繁に報道しているのは事実。金融危機時に銀行損失を正しく予言し名を上げたメリディス・ウィットニーがCBSの番組で、地方債のデフォルトで巨額の損失が出るとの見通しを述べ、話題を呼んだ。

 ここ数年、地方債市場で投信は存在感を高め、2009年に690億ドル、2010年は10月迄に322億ドルの資金が新たに流入し、新規発行量の 13,2%を吸収した。1984年から2008年の間に、地方債への資金供給に投信が占める割合は3%以下だったのとは様変わり。昨年9月には、地方債市場の18.7%を投信が占めるに至った。こうした資金が、課税債であるビルドアメリカ債の発行の影響で発行量自体が減った免税債の人気を押し上げ、金利は史上最低まで低下したものの、昨秋以降、潮目が変わった。

 現在の市場は、事実より巨額損失の可能性への恐怖に反応しているようだ。また、景気の見通しに明るさが出てきたため、債券から株に資金が流れている地合いも足を引っ張る。しかし、債券の中でも地方債の売りが顕著で、特に長期債の落ち込みが激しい。トリプルA格の地方債と米国債の30 年債の利回り比率は、昨年9月末には100.3%だったが、年末には107.3%に上昇し、先週は111.6%と異常な水準まで跳ね上がった。投信からの多額の売りが、金利急上昇を先導したのは間違いない。

 投信側は、売りは解約そのものと、今後の解約要求に備える現金化の二つの要因によると分析。投信は通常、潜在的な解約要求に備えるために資産の一定割合を現金で保有しているが、資産流出時には将来を正確に予測できないので、どうしても保守的に現金を増やす傾向がある。その換金売りが、価格を下げ、さらに解約要求が増えるという悪循環に陥っているのだ。

 しかし、デフォルトは単なる恐怖だけでなく、現実化への動きも本格化。政策当局者は、州政府が退職者年金を含む膨大な債務から逃れるために、破産を宣言できるように調整しているとの報道も。州は連邦破産裁判所に保護を求める事は認められておらず、改正のための憲法上のハードルも高い。しかし、イリノイ州など深刻な財政状態にある地方政府の現状では、問題は構造的で一旦破産し再建するしか手がないとの見方も広がる。他方、州の破産を口にしただけで、地方債市場が不安定化し、資金調達金利がさらに上昇するリスクも高い。次回大統領選の共和党候補とも目されるギングリッチ元下院議長が、破産申請を可能にする立法化に昨年11月言及した以降、表立った動きは控えられている。
 
 地方債のデフォルトを本気で信ずる人はまだ少数だが、予期せぬ資金繰りの問題が引き金となるケースが多いので、注意深く見守る必要がある。一方、トリプルA格の地方債は、ネガティブ報道による売られ過ぎで、30年免税債の利回り5%以上は絶好の投資機会との見方も台頭。米地方債市場から目が離せない状況が続きそうだ。(了)


05. 2011年1月29日 16:29:19: gXpBAmJe7E
米国の州や地方政府の財政支出が、米国経済全体に与える影響は無視できるものではない。州・地方政府の支出が米国のGDPに占める割合は約10%と試算されている。もちろん、大まかには個人消費が約70%と大勢を占めるが、法人等設備投資の約10%とともに、州などの支出が一角を担っているのも事実である。
米国で住宅バブル崩壊以降、住宅投資はそのシェアを大きく後退させているが、現在の危機的な州財政においては、現在の10%を占める州・地方政府の支出はまったく期待できない。それどころか、州や地方自治体ではよち一層の人員削減の他、賃金凍結やカット、そして公共支出はできるだけ削減することが求められている。警察官、消防士、教員などどこまでクビ切りが進むのでしょう?
米国の州財政制度の特徴は、全米50州のうちバーモント州を除く全州が条例などで「財政均衡義務」を政府・州議会に課している。州財政予算策定段階などでは少なくとも財政均衡した予算を策定すること、赤字発生の場合は過去の剰余金積み立てなどを取り崩すことで対応することを求められ、赤字州債の発行が原則認められないことなど、制約は数多い。
2011年度、劣悪な環境にある46州の赤字総額は、少なくとも1600億ドルに達するとされる。カリフォルニア、イリノイ、ジョ−ジアなど大きな赤字の塊がある州が注目されがちだが、ほとんどの州ではサ−ビス停止もやむをえない状況が続いている。
格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は以上のような財政危機を見越して、米地方債の格付けが今年一段と引き下げられる可能性があるとの見方を示している。中でも、今年は地方債市場のボラティリティが高まると予想し、米経済に停滞感が強まれば、十分な準備金や流動性を持たない地方政府で、財政的な緊張が予算危機に発展する可能性があると、カリフォルニアやイリノイのことを暗示している。
何かと騒がしいギリシャ、アイルランド。だから、どうしたと言うのでしょう?カリフォルニア州を一国として見做せば、世界諸国の中でも10位以内に入る経済大国だ。それが財源枯渇に見舞われ、苦肉の策として借用書を発行して生き延びている。

06. 2011年1月29日 16:34:39: gXpBAmJe7E
(ブルームバーグ):米カリフォルニア州のブラウン次期知事は、同州の財政赤字見通しを発表し、今後1年半に281億ドル(約2兆4000億円)にまで拡大する恐れがあるとの見解を示した。また会計監査官は、資金不足を理由に2011年7月までに借用証書(IOU)の利用を迫られる可能性があるとも指摘した。この見通しには遺産税減税に伴う27億ドルの歳入減が考慮されている。同州が示している直近の財政赤字見通しは250億ドル。さしあたり8カ月以内に、23億ドルの資金不足が生じるとの見通しを示した。会計監査官は「言いたくはないが、IOU発行や税還付の繰り延べ拡大となるかもしれない」ともらした。
州政府、そして地方自治体はたいへんです。連邦政府のように、FRBから好きなだけドル紙幣を横流ししてもらうわけにはいかない。デフォルト宣告せずに生き延びようとすれば、借用書(IOU)を債務者に発行して納得してもらうだけ。その効力が認められなければ、デフォルト宣告で借金をチャラにするしか道はない。
カリフォルニア州の経済規模は、ドル換算ベ−スで世界第8番目に位置するような大国並み。自分から言わせれば、欧州のギリシャやアイルランドごときに騒いでいる場合ではないと再三言っているが、現実をよく認識していないとソブリンデフォルトの本質を見誤る。
カリフォルニアがこの先、何をエンジンとしてよみがえると言うのか?少し前にはマリファナ合法化で財政再建を試みようとしたが、まだ理性のある住民によって阻止された。
歳出削減にしても、既にやりつくした。警官、消防職員、教職員などのクビ切り、給与カット、刑務所の維持管理コスト削減のため犯罪者も釈放した。確か1年前ぐらいになるかもしれないが、カリフォルニア州の連邦判事が刑務所の過密状態を考慮して受刑者が劣悪な環境で収容されているとして、州政府に対し3万〜5万人程度を釈放するよう求める決定を出した、というようなニュ−スもありました。
もうここまでやったのだから、頑張っても持続不能だとカリフォルニア州のブラウン次期知事は決断すればいいのです。頑張れば頑張るほど負の遺産が増えていくだけなのです。それは連邦政府にも言えることです。
政府関係者は、「持続不能」とはどのような状態になったらそう定義するのかを真剣に考えておくべきです。繰り返し「頑張ります、頑張ります」とバカの一つ覚えを唱えて、最後の最後で「やっぱりダメでした」というのが一番始末に悪い。
格付け会社は米カリフォルニア州一般財源債の格付けをジャンク等級まで格下げしていないが、ここまでの状況証拠が揃えば格下げするしかあるまい。いや、格付けを非対象として、格付けを付与するに値しない自治体として宣告すべきである。格付けのBレベルは実質破綻状態にあるクラスですが、州債も借用書も格付けの対象となる代物ではないとハッキリさせておくことが、格付け機関としての責務でしょうに。

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