http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/617.html
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ものしり博士)
君はエコノミック・ヒットマンという言葉を知っているかい。
学生)
エコノミスト、コンサルタントとして途上国に不必要に巨大なプロジェクトを推進することを正当化し、国際機関や途上国からの資金を米国企業に還流させると共に、途上国を永久に債務漬けにして米国の世界戦略に従わざるを得ない状況を作り出す人々のことですね。ジョン・パーキンスという人物が命の危険を顧みず、「エコノミック・ヒットマン」という本を書いたことから世に知られるようになったものですね。
ものしり博士)
そうだ。コンサルタントというと聞こえはいいが、何のことはない。民間の顔をしたCIAエージェント・米国軍産複合体の手先ということになる。発展途上国だけでなく、自由化した共産主義国にも入り込んで、「民営化」の名の下に国家資産の私物化を推し進めたんだ。
エコノミック・ヒットマンは、アメリカ人ばかりじゃない。日本でも小泉政権下の竹中元金融担当大臣は、長銀破綻の際、リップルウッドへ8兆円を差し出し、郵政民営化では2004年4月から2005年5月にかけての一年間に郵政民営化関連法を策定する過程で、17回にわたって米国関係者と協議を重ねたことが国会で問題となった。
郵政米英化を阻止するための郵政改革法案は、鳩山・小沢の辞任=菅・仙谷体制の成立で頓挫したが、アメリカの次の目標として、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が浮上してきたようだ。
5年間で米国の輸出倍増を目指すオバマ大統領が、国内の反対論を押し切って、計画2年目の2011年、自由貿易交渉を加速させ、議長国として11月にハワイで開催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに、環太平洋連携協定(TPP)の枠組み妥結を目指すほか、10年12月の米韓自由貿易協定(FTA)の見直し合意を受けた議会批准手続きも急ぐ方針を撃ち出した途端、菅総理は年頭会見でTPP参加に意欲を示し、財界、マスコミ、識者が一斉に「バスに乗り遅れるな」とTPP参加を主張し始めた。
世銀グループコンサルタント、JETROや各種学会の委員などを歴任した石原昇氏は、「開国で成長する韓国」の中で、産業が空洞化する日本を尻目に成長する韓国を引き合いに出し、難航する米韓のFTAが発効すれば関税が下がり、APEC加盟国の中でTPPに参加しないのは日本と中国だけになりかねない、遅れた農業の犠牲となって、日本企業は高率の関税・法人税で破滅しかねないと危機を煽っている。
しかし、はっきりいって乗り遅れるも何もTPPなんて現時点で加盟してるのはたった4カ国(チリ・NZ・シンガポール・ブルネイ)。
交渉参加予定あわせても(日本を含む)10カ国しかならない。しかも仮に日米が加入の場合GDPの9割は日米2カ国だけで占めることになるから実質日米EPAと同じこと。
何故かグローバリゼーション・開国なんて威勢のいい言葉が独り歩きして本質を語るメディアやエコノミストがほとんどいないのが現状だ。米国内にも反対論があり、韓国がTPPに参加するかも流動的だ。
「韓国」を例に出しながら、「日本はで遅れている」「急がないと、乗り遅れる」という感情的な主張がなされ、液晶パネルや携帯電話などの分野で、日本が「韓国」に引き離されていることも引き合いに出される。
だが競争相手あるいは手本とされる「韓国」では、新自由主義の競争社会のもとで搾取・収奪が吹き荒れ、国民は疲弊しているんだ。
「韓国」は、アメリカの投機資本などによって1997年のアジア金融危機のもとで、通貨ウォンの暴落という外国為替危機に陥った。「韓国」政府は、IMF(国際通貨基金)の金融支援を受け、金融・経済政策はその実質的な指揮下に置かれ、新自由主義の構造改革が吹き荒れた。
このもとで財閥の再編・淘汰が進み、株式投資の完全自由化の下で金融部門も製造業もみなアメリカをはじめとする外資による株保有が過半数を超えた。30財閥は16に再編され、「韓国」の大手銀行7行(2005年末、シェア82.3%)は、一行をのぞいて外資の支配下に置かれ、サムスン電子やポスコ(旧浦項総合製鉄)など「韓国」を代表する企業も外資が株式保有の過半数を占める状態となったんだ。
「韓国」企業の躍進がいわれるが、それはIMFやアメリカなどの外資の直接的な指揮の下、日本を上回る規制改革・構造改革をやり、「韓国」の労働者切り捨てへが行われたんだ。年功序列型賃金は解体され、あらゆる部門で非正規職が急速に膨れ上がり、銀行、サービス業など、どこでも各種の派遣や外注が広がっている。現在は非正規職の割合は、日本の33%を大きく上まわる55%に及び、実際の失業率は約13%で、失業者数は330万人に達すると推計されている。
学生)
労働者のリストラによる好景気ですか。アメリカや日本の小泉時代の市場原理主義と全く同じ構図ですね。
ものしり博士)
一方、農業破壊も進んでいる。「韓国」の食料自給率は常にに日本より20ポイントほど高かった。ところが1990年以降、急降下し、2007年には日本の40%にたいし、「韓国」が44%となっている。新自由主義のグローバル化、FTAの推進によって、海外から農産物輸入が拡大しているからである。
もっとも大きな打撃をうけているのが、コメ生産である。日本と同様に世界貿易機関(WTO)の下での市場開放推進で、主食であるコメ輸入を強いられ、大きな打撃を受けている。国内産のコメが余り、備蓄が増え、米価は低迷し、20年前と変わらない。政府が、「競争力強化」などといいながら、コメ生産を減らそうと低米価を政策的に実施しているからなんだ。
食料は、中国がらみで話題になっているレアアースどころじゃなく、国民の生命に直結する問題だ。アメリカもEUも農業保護政策を実施しており、日本だけが、自由化し、外資・大企業に農業を解放せよという主張は余りにも戦略的視点がなさ過ぎる。
財政投融資の非効率を批判して小泉・竹中コンビで郵政民営化を実施したが、これはアメリカからの日本に対する命令書である「年次改革要望書」に前々から記載されていたことが明らかになっているが、農業についても「農業に関連する慣行:有機農産物輸入、安全な食品添加物、収穫前・収穫後農薬の検査制度に関して CODEX基準に準拠する。最大残留農薬基準に関して、できる限り貿易を制限することがない効果的な輸入措置を取る」(2008年版)と要求している。戦後の「学校給食」で、洋食化した日本は、一貫してアメリカ農産物の重要な市場だったんだ。
学生)
アメリカの言いなりじゃないですか?国民の健康や食料安全保障よりもアメリカや一部の輸出産業の利益が優先なんて政治家もマスコミも正に売国奴ですね。
企業が外資に支配され、国民の過半数が非正規雇用で、食料も外国に支配され、自殺世界一の韓国が、マスコミや一部アメリカ寄りの識者が主張する「理想郷」なんかじゃないのは明白ですね。
ものしり博士)
自分の頭で考えず、マスコミの言う事を鵜呑みにする日本人には地獄が待ち受けている。
一刻も早く日本次は覚醒しなければならない。
※長文、ご容赦ください。正確に理解するためにはしたの参考リンクもご一読ください。
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<参考リンク>
◆ エコノミック・ヒットマンが語る恐るべき真実
http://www.youtube.com/watch?v=-sS71C6oa8A&feature=related
◆ ジョン・パーキンスの「エコノミック・ヒットマンの告白〜途上国を食いものにしたアメリカ」
http://blogs.yahoo.co.jp/cintanovita/51097370.html
◆ 【売国奴小泉・竹中マンセーな奴等】郵政改革法案「日本経済はがけっぷちに」 元郵政公社総裁が批判(産経)
http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/237.html
◆ 郵政民営化の闇 小泉・竹中・西川問題 備忘録
http://etc8.blog83.fc2.com/?tag=%CD%B9%C0%AF%CC%B1%B1%C4%B2%BD%A4%CE%B0%C7
◆大手新聞TPP社説 そろいもそろって無知蒙昧の恥さらし 米国も逃げ出す日本参加にラッパ吹く
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/opinion/japan-fta-fever3.htm
◆米、自由貿易交渉を加速へ=TPP、FTA、課題山積 2011年01月02日
【ワシントン時事】5年間で米国の輸出倍増を目指すオバマ大統領は、計画2年目の2011年、自由貿易交渉を加速させる方針だ。米国を議長国として11月にハワイで開催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに、環太平洋連携協定(TPP)の枠組み妥結を目指すほか、10年12月の米韓自由貿易協定(FTA)の見直し合意を受けた議会批准手続きも急ぐ。
オバマ大統領が09年11月、初訪日時の演説で「21世紀にふさわしい高い水準の地域協定を目指す」と述べ、全ての関税撤廃などを目標とするTPPへの交渉参加を表明。米国を加えた拡大交渉は10年中に4回の会合を重ねた。各国は11年1月中に市場アクセス交渉の枠組みについての提案を交換、2月のチリ会合から激しい議論が予想される関税交渉を本格化させる見通しだ。
一方で、米韓FTAをめぐっては、議会での批准手続きが課題となる。10年12月の政府間合意で、米自動車業界が労使ともに強く反対していた韓国製乗用車に対する関税撤廃の時期を先延ばしするなど、自動車分野で韓国の譲歩を引き出したことを評価する声は多い。しかし、米国産牛肉の輸入制限問題では進展がみられず、議会では賛否両方の声が交錯しており予断を許さない状況だ。
先の中間選挙で貿易自由化に原則として前向きな共和党が圧勝し、議会では支持を得やすい環境が整ってきたが、上院の過半数を握るのは貿易自由化に比較的慎重な民主党だ。さらに議会に修正なしで通商協定の早期一括承認を求めることができる大統領通商促進権限(TPA)が07年7月に失効したままであることから、大統領はTPPや世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)を進める上で、議会と難しい調整を迫られることになる。(了)
[時事通信社]
◆【首相年頭会見詳報】(7)TPP参加の是非「6月をめどに判断する」(産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110104/plc1101041207021-n1.htm
◆TPPって、韓国も中国も入らないんですよね? そんなに拙速に決めないと本当に...
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1250299487
…はっきりいって乗り遅れるもくそもTPPなんて現時点で加盟してるのはたった4カ国。(チリ・NZ・シンガポール・ブルネイ)
交渉参加予定あわせても(日本を含む)10カ国しかならない。しかも仮に日米が加入の場合GDPの9割は日米2カ国だけで占めることになるから実質日米EPAと同じこと。
なぜかグローバリゼーション・開国なんて威勢のいい言葉が独り歩きして本質を語るメディアやエコノミストがほとんどいないのが現状。
(デフレのさらなる助長・低賃金労働者の流入・国内産業空洞化の危険性・金融ビッグバンの再来・日本ブランド農産物の海外生産・外資によるメディアおよび通信統制 などの弊害を語る人間は一人もいない)…
◆TPP推進のねらい 「韓国」にみる実態 非正規ふえ農業破壊
http://ww5.tiki.ne.jp/~people-hs/data/5534-21.html
◆ 開国で成長する韓国(日経ビジネス)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101214/217537/
◆ “仮想敵国”は韓国 TPPで一気追撃促す産業界(産経系列のIza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/454411/
◆ 【EUもアメリカも保護貿易だ!?】農業再生本部はや失速? 首相肝いり組織、閣内も不一致
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/0d961042351f7dbcc0e8d0cc3c90487f
◆ アメリカ様「ジャップは郵政民営化を進めて農業保護政策やめろ」(2ch)
http://www.logsoku.com/thread/hato.2ch.net/news/1288213546/
◆ 年次改革要望書(WIKIPEDIA)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E6%AC%A1%E6%94%B9%E9%9D%A9%E8%A6%81%E6%9C%9B%E6%9B%B8
…米国側からの要望が施策として実現した例としては、建築基準法の改正や法科大学院の設置の実現、独占禁止法の強化と運用の厳密化、労働者派遣法改正、郵政民営化といったものが挙げられる。米国政府からの要望で実現していない項目としては、再販制度・特殊指定の廃止・ホワイトカラーエグゼンプションが挙げられるが、年次要望改革書では引き続き取り上げられている…
…郵政民営化は郵便貯金や簡易保険などの国民の財産を外資に売り渡す行為であるとし、また三角合併解禁については時価総額が大きい外資が日本大手企業を買収して傘下に置き易くすることを容易化する行為として、外資への売国的行為とする意見がある。
年次改革要望書で言及されている医療改革は、外資系保険を利することが目的となる一方で医療報酬減額や患者の医療費負担増大が医療崩壊に繋がっていると指摘する意見がある。
1999年の労働者派遣法改正により日雇い派遣が原則解禁となったが、労働環境の不安定化という社会問題を生み出している…
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