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[東京 6日 ロイター] 日経平均株価が7カ月半ぶりの高値に上昇しているものの、株式市場関係者は慎重な見方を緩めていない。
1月は強い米経済指標や米企業の好業績を背景にドル買い戻し・株高が見込まれるが、米企業決算が終われば買い手掛かりが乏しくなるほか2月以降は欧州の財政懸念の再燃による波乱、また期末を控え日本株の持ち合い解消売りの本格化で株が買われにくくなるためだ。
6日午前の東京株式市場で、日経平均株価が1万0500円を回復した。昨年5月14日以来、約7カ月半ぶりの高値水準。12月ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数の増加が予想の約3倍となったことで米景気回復期待が強まり、米株高、ドル高/円安を背景に東京市場では主力輸出株を中心に買いが先行している。
邦銀系の株式トレーダーによると、前日同様に国内外のアセットマネジメント系による新規資金が日本株に流入して相場を押し上げた。アセットマネジメント系が複数の個別株に50億円規模の買いを入れたほか、ヘッジファンドも200億円―300億円規模で主力株買いを進めたと観測される。前場の取引で12月限SQ(特別清算指数)算出値1万0420円74銭から上に並んでいたストップロスを巻き込んで1万0500円を上抜けた。ただ「海外年金マネーは米国株に向かっており、日本株にはなかなか入ってこない」と同トレーダーは指摘する。
日興コーディアル証券・国際市場分析部部長の河田剛氏は、日本株上昇の要因として、米経済指標が強かったことを受けドルの買い戻しにつながったことが大きいと指摘する。ただ「年明けにたまたま強い米経済指標が示され、株高・ドル高に振れたことから日経平均が節目を超えただけで、(相場自体に)強さは感じられない」と慎重な見方を示す。また、売買代金も年明けに1兆円を超えた程度で薄商いに変わりはないとの見方だ。さらに1月―4月のレンジは上値は1万1000円だが下値は9500円で、どちらかといえば下値不安の方が強いという。
株式市場関係者が慎重な見方を緩めないのは、2月以降に欧州の財政懸念の再燃、米決算の出尽くし、国内勢による持ち合い解消売りの本格化の動きを警戒するためだ。欧州問題ではスイス国立銀行(中央銀行)が流動性供給オペの適格担保からアイルランド国債を除外。一方、スペインを訪問した中国の李克強副首相は、サパテロ首相などスペイン政府首脳との会談でユーロ圏のソブリン債危機への対応でスペインを支援するため、同国の国債を引き続き購入する方針を示したが、スペイン以外のユーロ圏諸国の債券を買い増すかは明らかにしておらず、不安は解消されていない。
日経225オプションのストライク価格9500円や9000円のプット1月限が売られているという。国内証券の株式トレーダーは「プットを売って上値のコールを買う動きはなっていない。そうした動きがみられるようになれば(上昇は)本物だ」とし、足元は「下値不安がやや遠のいた程度」と指摘する。年度末に向け株式市場では「3月時点のドル/円の水準が関心の的」と邦銀系トレーダーは話している。国内企業の業績上方修正が見込めれば買い手掛かりとなるためだ。
(ロイター日本語ニュース 吉池 威記者;編集 石田仁志)
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