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2011年の世界経済:これを買って生き残れ?
まあ眉に唾というところだ
http://moneyzine.jp/article/detail/190692
アイルランド国債の格下げ、中国の金融引き締め政策への転換、米国の財政赤字拡大など、この1ヶ月で世界経済の先行きはさらに不透明になってきました。
前回の記事で説明しましたが、いま世界中で政治リスクが増大しており、イベントがどこで勃発するか予想が困難になってきています。そんな状況の中、2011年は何を買えば生き残ることができるか、下記5つのリスクシナリオ別に考えました。
・ユーロ圏の崩壊
・中国バブルの崩壊
・米国インフレリスクの拡大
・北朝鮮の崩壊
・日本売り
それぞれ見ていきましょう。
リスクシナリオその1「ユーロ圏の崩壊」
ユーロ圏では、相変わらず机の下での条件闘争が行われる一方、新たな動きが出てきています。他国の負債の肩代わりを避けたいドイツ、何とか丸く収めたいECB(欧州中央銀行)、なるようにしかならないアイルランドとギリシャ、ポルトガル、スペインなど南欧諸国との間で熾烈な駆け引きが繰り広げられています。
そんな中、格付け会社の格下げを受けたアイルランドに対し、英国BOE(英中央銀行)がECBとの協定を通じて資金を融通するとの発表がありました。ドイツが動かない中、アイルランドは英国の助けを受け、ポルトガルは中国やブラジル、スペインも南米諸国と資金調達について会談を行ったと報道されています。
ユーロが最終的にどうなるかは誰にも分かりませんが。万が一分裂が起きたとき、どのようなグループに分かれていくかについては少しずつ見えてきたように思います。
ユーロ崩壊というイベントが発生した時、市場はどう反応するでしょうか?世界中の資金はまずドルと円、そして金(ゴールド)に流れると思います。ボラティリティが上がることからエマージング通貨と株は売られ、国債が買われます。
次に現在インフレ進行中の「中国バブルの崩壊」に備えた投資を考えてみましょう。(次ページへ続く)
リスクシナリオその2「中国バブルの崩壊」
狭いスプレッド2年連続
中国ではインフレが進行しています。消費者物価の上昇率が目標の上限である3%を大きくこえているため、中国政府は12月、拡張気味であった金融政策を公式に引き締めに転換しました。
12月に入り、中国の短期金利は大きく上昇、住宅開発の原資に使われていた証券化商品もどきの金融商品の発行も大きく減少しているそうです。個人的に中国は経済が急停止するような政策はとらないと考えていますが、万が一失速した時の衝撃が大きいため注意が必要です。
中国経済の減速は世界経済の減速に直結するため、影響は広範囲に及びます。まずは中国で需要の高い銅や鉄鉱石などの価格が下落し、経済が密接な関係を持つオーストラリア、日本などアジア地域の経済が減速、アジア圏の通貨は売られます。
世界中で企業の業績悪化のため株は下落し、景気減速に見舞われる国、特に日本や米国では中央銀行が更なる量的緩和に迫られます。上昇するのは、相対的に影響の小さいアジア以外の通貨、量的緩和の追い風を受ける資産の保全の効果の高い金や不動産などの実物資産、そして商品の中でも需要が景気の影響を受けにくい農作物でしょうか。
リスクシナリオその3「米国インフレリスクの拡大」
米国では、雇用の回復の遅れからデフレリスクが警戒されています。米国経済が急速に回復しインフレが意識されるという可能性は低いと考えられていますが、万が一米国経済が急速に回復し逆にインフレリスクに晒され、FRBが利上げに迫られるような環境になってしまった場合、現在誰も予想していないがため混乱は大きくなります。
米国で利上げが行われると米ドルが上昇します。それと反対にドルへの資金回帰から新興国通貨など新興国関連の資産が下落します。米国での景気回復が本格化しているとすれば、原油価格やコモディティの価格が上昇します。米国ドルが上昇するため金価格は調整を余儀なくされます。コモディティ価格の上昇、新興国投資の停滞で新興国は難しい経済運営を迫られます。
リスクシナリオ4「北朝鮮の崩壊」
11月以降、朝鮮半島情勢の緊迫度が日に日に高まっています。北朝鮮指導部が自ら体制の崩壊を選択するということは考えにくいので、北朝鮮が崩壊するとすれば、それは韓国との間に戦闘が起き、敗戦の混乱の中から生じる可能性が高いと考えます。
このシナリオは不確定要素が非常に大きく、崩壊した北朝鮮を中国が占領というシナリオや、戦闘中に東京に核ミサイルが落ちるシナリオなど、極東アジア地域に壊滅的な影響が出る可能性を孕んでいます。
どうなるかまったく分からないアジア関連の資産は売られ、米ドル、スイスフラン、金などのリスク回避的な資産が買われます。
それでは最後に「日本売り」というリスクについて考えてみます。
リスクシナリオ5「日本売り」
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ここ最近の日本の混乱には悪い意味で目を見張るものがあります。政権を倒すことだけを目的となってしまいネガティブ報道を繰り返すマスコミ、それに踊らされる平和ボケした国民、失政と足の引っ張り合いの政府と、国の機能がマヒしてしまっています。来年度の予算が成立するのか、この国の展望はあるのかなど、近い未来のことも遠い未来のことも分かりません。
国がこのように不安定な状況なので、日本国債はユーロ諸国と同様、「市場からの圧力」に晒される可能性が非常に高くなっています。国内金融機関という強力な買い手がいる日本国債を売り崩すのは容易ではありませんが、予算編成、国債の増発などに市場は神経を尖らせており、何らかのショックで金利が急騰してしまうリスクは格段に高まっています。
日本国債が売られ、政府が予算を組めなくなり、国債引き受けという形で日銀がマネタイゼーションに追い込まれた時、危ないのは銀行預金であり、資産を円の現金で抱えている会社の株式となります。円が下落し実物資産の円建てでの値段が上昇するため、円以外の外貨、または金や不動産といった保全効果の高い資産への配分が有効となります。
まとめ:2011年のポートフォリオ
今回挙げた5つのシナリオを見返してみると、3つがアジア関連、ユーロと米国が1つずつとなっています。すべて2008年の金融危機の余波と考えると、世界経済はまだまだ正常な状態からは程遠いのが理解できると思います。
2011年は何を持てばリスクを少なく過ごせるのでしょう?5つのうち4つのシナリオで有効な資産が実は2つあります。それは、「金」と「米ドル」です。アジアやユーロに何かあれば、「金」と「米ドル」は上昇します。アジアに何かあって「金」と「米ドル」は上昇します。リスクシナリオ3の時のみ金は下落しますが、ドルは上昇しますので組みあわせて持つことでヘッジが可能です。金と米ドルが同時に下落するというシナリオを描くことはなかなか難しい状況なので、その両方を持つことで資産価値を安定させることが可能になります。もちろんリスクを取ってリターンを狙いに行くことは可能ですが、その場合どれかのシナリオのどちらかのポジションにベットする必要が生じます。まずは投資の原点として、「損をしないポートフォリオ」を考えるのが大切なことだと考えています。
2010 年が過ぎていこうとしていますが、皆様の投資成績はいかがだったでしょうか?2011年は「政治リスク」に焦点が当たるため、投資家にとって2010年より困難な年になると予想しています。来年の今頃、何事もなく1年を振り返り、同じようにリスクシナリオを検討できることを希望しています。
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