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「2年でデフレ克服を 一層の金融緩和が必要、成長戦略を3分野に集中」
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/548.html
投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 05 日 09:26:21: 1W1IXELjjF6i2
 

詳細
http://www.jcer.or.jp/policy/pdf/pe(iwata20110104).pdf

転載
http://www.jcer.or.jp/policy/p.e20110104.html
2011年1月4日発表、政策提言研究会

 2008年9月の世界金融危機以降、内閣総理大臣の相次ぐ交代や新たな与党・民主党政権の迷走など、日本の政治は混迷を極めている。経済もアジアの新興国とのグローバル競争にさらされ、実感なき景気回復にとどまっており、デフレ状況が続いている。この閉塞状況を打破しないと財政の再建も安定した子育て・老後生活を実現する社会保障も不可能だ。
 2011年の年頭にあたり、日本経済研究センターは日本経済新聞社と協力し、政策提言研究会(主査、岩田一政理事長)を設置、早急にデフレを克服し、日本を再び成長軌道へ導く一助となるよう政策提言をまとめた。当センターは2011年に今回の提言内容を柱とした分析を深く掘り下げていく計画だ。報告の詳細はこちら ※1月4日付日本経済新聞朝刊(1面・特集面)に掲載されました。
《提言ポイント》
@デフレ脱却を最優先、2012年度までに克服の道筋を
Aまず金融政策、成長戦略は優先順位付け資源を集中
B環境制約を商機に、環境税は抜本的税制改革の柱
Cアジアの成長取り込む「開国」、国内規制改革も促す
D高齢化社会の安定、若者・女性の潜在力活用を

図表 対策なしには解消しない需給ギャップとデフレ(日経センター見通し)  

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コメント
 
01. 健奘 2011年1月05日 10:26:35: xbDm84QDmOFmc : rYd4I1Qido
いままでのような考え方では、成長は難しいと考えています。なぜなら、

おおよその人々は、忙しい毎日を送っています。それでも、
1)1日24時間のうち、すでにやっていることをうまくやって、どれだけかの時間をつくり、新しい産業が提供する物あるいはサービスのために使ってもらう、
2)何かをすでに行っていますが、同時並行で、新しく提供する物(あるいは機能)を楽しんでもらう、
あるいは、
3)今時間をかけていることを短時間で行えるようにする物あるいはサービスを購入してもらい、浮かせた時間を他の物やサービスに使ってもらう
ことはできるでしょうか。

ウォークマンは、画期的な発明でした。何かをしながら、特に歩きながら、音楽を楽しんでもらえたからです。これからも、すでに何かをしているのですが、同時に別のこともしてもらうような物やサービスは考えだされるでしょう。しかし、同時に行えるといっても、あまり多くはないと思われます。同時に複数のことをやってもらうと、人の注意力を散漫にする可能性が高くなるからです。

おそらく、今は時間をかけているのですが、それを短時間でおこなえるようにしない限り、忙しい中、新しい物を追加して楽しんでもらうのは難しいと思われます。

家事にかける時間、移動にかける時間、教育にかける時間、それらを短くして、時間を浮かし、その時間を使って、新しい産業が提供する物やサービスを利用してもらうのです。家事ロボット、介護ロボット、超高速飛行機、あるいは大学2年間で学ぶことを1年で学べるようにする方法を開拓する、などです。

現時点の技術レベルでは、これらを実現するのは難しいです。かなり将来のことになりそうです。

仕事をする時間を短くするのはどうでしょうか?仕事の効率を上げることで、仕事のための時間を減らし、かつ、給料が少しでも増えれば、新しい物やサービスを利用できるようになります。

実際には、いままでのやり方は、仕事の効率が上がれば、仕事に携わる人数を減らすようになっています。一人の仕事の時間は減らず、仕事に携わる人数を減らしてきたのが現実で、仕事の総時間が減ります。そして、総給料も減るようになっています。これでは、人々が新たなサービスを購入するお金はありません。

食事にかける時間、睡眠にかける時間はどうでしょう?人間を、いわば改良(?)して、短い時間で食事をとり、短い時間で睡眠をとるようにすれば、空いた時間を、作ることができるでしょう。恋人同士が使う時間を短くしても、同じだけの効果を得るように、人を改造できるでしょうか?

そもそも、こうした人間の改良(?)、改造には、疑問符がつくでしょう。人類が火星で暮らすようになれば、大いにやろうとなるかもしれませんが。

以上のように、いままでのやり方では、中長期的に、新しい産業を継続的に興し、新しい需要を作り出すのは、難しくなっています。

   −−−

そうであれば、様々な"道"を作り上げてきた日本の根っこを、主な考え方の一つにできないでしょうか?

いわゆるピューリタン的な資本主義とは、違う考え方ですね。


02. 2011年1月05日 11:14:15: PPAJr6WqwQ
この提言でデフレ脱却は出きない。

>@デフレ脱却を最優先、2012年度までに克服の道筋を
>Aまず金融政策、成長戦略は優先順位付け資源を集中
>B環境制約を商機に、環境税は抜本的税制改革の柱
>Cアジアの成長取り込む「開国」、国内規制改革も促す
>D高齢化社会の安定、若者・女性の潜在力活用を

@とDは単にスローガンにすぎない。願望を述べただけの言霊の世界。
Aデフレは需要不足が原因、減税か政府支出を増やすかの財政政策が必要。金融政策ではデフレは脱却できない。
B環境を脅しに使って結局増税するだけで、デフレ対策である需要を減少させることになる。
C医療制度、福祉制度や教育制度の違う明らかに劣った国と競争すれば、医療制度や教育制度もまた水準が落ちる。医療や福祉や教育といった内需産業が打撃を受けてデフレ脱却できない。

この提言の反対をすれば、デフレは脱却できる。


03. 2011年1月05日 16:03:07: FAnNgx1WFw
デフレ対策だって?
冗談じゃない, もう 待った無しのインフレが始まる。

[原油価格は“危険ゾーン”へ] 2011年1月 5日 14:09 / CLUB G-1
 http://eagle-hit.com/

 原油価格は世界経済にとって“危険ゾーン”IEAエコノミスト

 英フィナンシャル・タイムズ紙によると、
 国際エネルギー機関(IEA)の主任エコノミスト、Fatih Birol氏は、
 原油価格は世界の景気回復を脅かす“危険ゾーン”まで上昇していると警告した。
 同氏は「原油価格は世界経済にとって危険な領域に入りつつある。
 原油の輸入価格は景気回復に対する脅威となっている。
 これは、原油消費国と産油国への警鐘だ」と述べた。

 フィナンシャル・タイムズ紙はIEAの分析を引用し、
 経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の原油輸入コストが
 過去1年間に 2億〜7億9,000万ドル増加したと伝えた。
 IEAによると、これはOECD域内総生産(GDP)の約0.5%に相当する金額となる。
 【ロイター 11:18】

 昨夜は、原油、金など商品市場全般が下落したが、
 年末に上昇した分、年初に利益確定売りが出たようだ。
 だが、ファンダメンタル的にも需給関係も、背景的には変わっておらず、
 まだまだ上昇局面にあると言ってよいだろう。
 記事にあるように、原油価格が“危険ゾーン”というのは、実体経済に影響を及ぼすからであって、
 特に今冬は北半球で異常な寒波に見舞われており、需要が増大している。

 再三指摘してきたように、原油、銅などの資源エネルギー、穀物などの食糧の
 需給関係が逼迫することで、インフレが加速していく兆候が現れている。
 2007年〜2008年にかけて起きた商品高騰と異なるのは、
 金融危機以降、特に先進国の実体経済は回復しておらず、
 脆弱な経済状況下にあるということだ。
 これが世界経済を失墜させる元凶となりかねないのである。
 一方で、基軸通貨ドルの価値が凋落していくことも同時に現しているのであ


04. 2011年1月05日 16:33:26: FAnNgx1WFw
私も現在, 玄米(こしひかり)60kgを備蓄していますが, 何れ150kgは必要と考えています。
下記は 小出さんの昨日の記事。

[すでにインフレは始まっている] 2011年01月04日 22:53 / CLUB G-1
 http://eagle-hit.com/

再三指摘しているようにインフレ懸念が増大している。
現在の市況について、本日の産経ニュースがまとめていたので、お伝えしよう。
企業も悲鳴をあげているようである。

-------------------------------------------------------------------

資源・穀物高騰で2008年危機再来 川上インフレ・川下デフレが企業挟撃
原油や銅などの資源、小麦や大豆などの穀物が高騰し、
2008年の原材料高の再来が懸念されている。
中国など新興国の旺盛な需要に加え、
米国の大規模金融緩和で膨らんだ投機マネーが商品市場に流れ込んでいるためだ。
一方、国内消費は冷え込んだままで、製品への価格転嫁による値上げは困難な状況だ。
“川上”のインフレと“川下”のデフレの挟撃が、企業を直撃する。

[1] EVは銅の塊

 年明け3日の商品市況は軒並み上昇した。
 ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は指標となる米国産標準油種(WTI)が
 一時 1バレル=92・58ドルまで上昇し
 2008年10月上旬以来約2年3カ月ぶりの高値を付けた。
 同取引所の金先物相場も前年末比1.50ドル高の1オンス=1422.90ドルで取引を終え、
 終値としての最高値を更新した。
 
 丸紅経済研究所の柴田明夫代表は「今年は新興国の堅調な実需に加え、
 米国の金融緩和によるカネ余りで、軒並み最高値をにらむ展開になる」と予想する。
 エコカーやデジタル家電などのハイテク製品の配線に大量に使われ、
 国内産業に特に大きな影響を及ぼしているのが銅の高騰だ。
 
 ロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は
 昨年12月31日に 1トン=9,665ドルの史上最高値を更新。
 「鉱山開発の遅れもあり、1万ドル突破が視野に入ってきた」
  (住友商事総合研究所の鈴木直美シニアエコノミスト)。

 この5年で銅需要が倍増し、世界需要の約4割を占める中国では、
 高速鉄道や送電線網のインフラ整備がめじろ押しで、電線に使われる銅の相場を押し上げている。

 本格普及が期待される電気自動車は、
 モーターを中心に従来のガソリン車の3〜5倍の銅が使用されている。
 自動車用電装部品を手がける住友電工は
 「銅に代わる材料を探さなければならない恐れがある」と危機感を強める。

[2] 製品価格は値崩れ
 
 「自助努力である程度はカバーしたが、(原料高騰を)十分に吸収できていない」。
 JFEスチールの矢島勉副社長は、主要顧客の自動車メーカーに対し、
 今年1〜3月期の鋼材価格値上げへの理解を求める。
 中国の粗鋼生産の回復を受け、資源メジャーとの鉄鉱石価格交渉が
 2010年10〜12月期に比べ8%の値上げで決着。
 その分の転嫁を目指すが、自動車業界が反発し交渉は難航している。

 原油高を受け、化学製品の原料であるナフサ(粗製ガソリン)も高騰。
 化学メーカー各社は、プラスチック原料の出荷価格を一斉に値上げする構えだ。
 だが、主要顧客の電機メーカーは、
 「3月のエコポイント終了後に、薄型テレビの大幅な値崩れは必至で、値上げに耐えられない」
 と悲鳴を上げ、抵抗している。

 天然ゴムの価格も2年前の約2倍に値上がりしている。
 タイヤメーカー各社は3月にゴム使用量の多いトラック・バス用を値上げするが、
 乗用車向けには、踏み切れないでいる。

[3] 全国行脚へ

 穀物相場の値上がりも激しい。
 年明け3日のシカゴ商品取引所の小麦先物相場は、
 前年末に発生したオーストラリアの洪水の影響もあり、
 1ブッシェル(約27キロ)=8.055ドルと、終値としては約2年5カ月ぶりの高値を付けた。

 大豆やトウモロコシも軒並み、2008年の水準に高騰しており、丸紅の柴田氏は
 「(当時のように)生産国の輸出禁止が相次いだ食料危機が再燃しかねない」と警戒する。
 砂糖、綿花、コーヒー豆などの農産物も軒並み前年比4〜5割高で推移。
 3月1日から出荷価格の平均15%値上げを決めたキーコーヒーの担当者は
 「このご時世、『仕方がない』と受け入れてくれるところはない。
 全国3万軒の喫茶店など取引先を一軒一軒回り、理解を得ていくしかない」と頭を抱えている。

【産経ニュース 21:13】-----------------------------------------------------------

もはや全方位から物価上昇の洪水を押し寄せようとしている。
インフレとデフレの狭間で企業は利益を圧迫され、倒れていく可能性が高まっている。
無論、消費者である私たちの家計にも打撃を与える。
とりわけ穀物などの国際価格高騰は、食糧自給率の低い日本の食卓を直撃する。
何度も言うようにデフレ+インフレ=スタグフレーションが家計を破壊し、
命、健康させ奪いかねない状況へと追い込んでいくのである。

今からでも食糧確保を急いだ方がよいであろう。


05. 健奘 2011年1月05日 17:01:20: xbDm84QDmOFmc : rTHGzOht4A

危機の可能性があるのは、インフレではなく、バブルでしょう。

> 原油、銅などの資源エネルギー、穀物などの食糧の
> 需給関係が逼迫することで、インフレが加速していく兆候が現れている。
> 2007年〜2008年にかけて起きた商品高騰と異なるのは、
> 金融危機以降、特に先進国の実体経済は回復しておらず、
> 脆弱な経済状況下にあるということだ。

供給不足は、実体経済が求める需要によるものでなく、投機筋が求める仮想の需要ですね。従って、バブルの危機があります。

だからこそ、国債に依存せず、増大するかもしれない失業者のために仕事を作る政策の選択肢を、早く充実させる必要があると考えています。バブルを作りたい人たちには作ってもらっても良いような、政策を揃えることですね。

"省エネ"も非常に大切ですが、さらに、"研ぎ澄ます感性"に今以上にお金が回るような気持ちの切り替えが、社会として重要だと思うわけです。"安い、早い"は、"面白くない"から流行しないという気持ちですね。

茶道具が、"田一枚"の価値だと、皆があこがれ、楽しむような方向、やり方です。同じような料理でも、プレゼンテーションの仕方で、5倍も価値があると思える方向です。

そして、捨ててしまう食料が、3割4割あるのですから、あわてないことではないでしょうか。


06. 2011年1月05日 22:03:44: AP0bX8u7y2
現状の日本のデフレは真正デフレであるから、いかなる処方箋も通用しないだろう。

さも成長戦略があるようなことを前提に議論しているが大いなる欺瞞である。

ところで、資源価格高騰というのは、もともと実需があるからであって、投機価格が行きすぎることがあっても、世界景気が良いことの証左であり、日本経済にとってプラス。
しかし、それが現在の日本のデフレを本質的に解消するとまではいかない。

日本がまきこまれずに、日本以外で戦争があることが一番のデフレ解消になる。

そこで、アメリカが考えていることがわかる。

まあ、現実的に中国の活力をうまく利用することが、、これ以上日本経済が沈みこまないための最低条件である。
まして、中国との経済環境を悪化させるようだと経済はますます沈み込み、成長戦略どころではなかろう。


07. 2011年1月05日 23:49:47: BtKOjVbYVQ
そういった構造デフレ論は何度も言うけど国債の中央銀行買い切りで打ち出の小づちで金が生み出せますよって言ってるようなもん。
昨年はずいぶんとデフレと国債、金融政策についての洗脳情報が出回ったが
(デフレは人口減少で起こる…中国がデフレの原因…国債は国民の借金…金融政策はデフレに効果がない…etc)
それに対する本来の知識の説明も少しずつながらなされてきた。
これからもわずかにでもいいから財務省や日銀に騙される人が減るといいね。

08. 2011年1月06日 21:54:23: cqRnZH2CUM
日経ビジネス オンライントップ>政治・社会>時事深層
2011年、民主党はこう変われ
日本浮揚へのマニフェスト改革

* 2011年1月4日 火曜日
* 細田 孝宏,蛯谷 敏,小瀧 麻理子

民主党  マニフェスト  菅直人政権  日本経済再生  日本  政策 

日本経済再生に向け、菅直人政権が優先すべき政策は何か。民間エコノミスト、経済学者、政治学者らにアンケートを実施した。2011年のカギは「消費増税」「TPPへの参加推進」「人口減への対応」だ。

 2011年、日本にとって待ったなしの政策は何か――。

 政権交代から1年3カ月が過ぎた。民主党が掲げてきたマニフェスト(政権公約)には、その実現性に疑問符がつけられたままだ。2010年12月3日に閉会した臨時国会では、政府提出法案の成立率が37.8%と過去10年で最低を記録。依然として政策の実行能力に不安がぬぐえない。

 もはや民主党がマニフェスト通りに政策を実施できると思う人は皆無だろう。新年を迎えるに当たり、「日経ビジネス」では、民間エコノミスト、経済学者、政治学者などの識者10人に「民主党政権の政策」についてアンケートを実施した。

消費増税、10人中9人が賛成

 2011年、日本の重点政策と考えられているのは次の3つだった。「消費増税」「TPP(環太平洋経済連携協定)への参加推進」「人口減への対応」だ。

 消費増税は、2010年7月の参院選の最中、菅直人首相が突如としてぶち上げ、その唐突さも一因となって参院過半数割れという大惨敗につながった。

 菅首相はその後、消費税問題にすっかり口をつぐんだが、GDP(国内総生産)の2倍に迫る水準まで積み上がった政府債務の現実を踏まえると、もはや猶予はない。財務省の試算では、高齢化の進行によって社会保障関連費用は今後も毎年1兆円規模で膨らむ。アンケートでは回答者10人中9人までが「(増税を)実施すべき」と答えている。

 当面は自民党も提案したように、税率を5%引き上げて10%にする案が軸になるが、個人消費を冷やし景気に悪影響を与える可能性もある。龍谷大学の竹中正治教授は「毎年度1%ずつ引き上げて、5年後に消費税10%にする方法も考えられる」と提唱する。

 ただし、10%まで税率を上げれば財政問題が解決するとは限らない。「菅首相が掲げる『強い社会保障』を実現しようとするなら、消費税率は20%でも足りないだろう」と、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは指摘する。消費増税と社会保障充実の具体策を示したうえで、支持を得られるよう有権者を説得できるか。政権の力量が問われる。

 その消費増税に影響を与えそうなのが、共通番号制の導入議論だ。国民全員に個別番号を割り当て、所得や税、社会保障情報を一元管理する制度。所得を捕捉しやすくすることで課税漏れを防ぎ、同時に社会保障のサービスを利用する際の手続きも簡素化できる。

 消費増税は低所得者層の負担が重くなる「逆進性」を克服するため、低所得者に現金給付するといった逆進性の緩和策が同時に議論の俎上に載る可能性がある。こうした現金給付は所得を正確に把握できる共通番号制の導入が前提となる。

 制度の導入には民主党政権も前向きな姿勢を見せているが、一方でプライバシー保護の観点から異論を挟む向きもある。実際に自民党政権時代には何度も導入に失敗した。ただ、今のところ「(導入議論に対して)これだけメディアが反対しないのは初めてのこと」(双日総合研究所の吉崎達彦・取締役副所長)との期待が出ている。

TPP、日本は蚊帳の外

 消費増税と並んで重視されたのが「TPPへの参加推進」だ。アジア・太平洋地域の自由貿易圏構築に向けた動きで、参加には工業製品や農産物などの関税撤廃が原則とされる。日本では自動車など輸出産業には追い風となるため、経済界が参加を求める一方、安価な農産物が海外から押し寄せるとの懸念から農業団体などが反対している。

 このTPPについて、菅首相は「平成の開国」として積極姿勢を示していた。にもかかわらず、農家などからの反対論を前に、2010年11月に横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議では、明確な参加表明ができずに終わった。

 現在、参加予定の国々が枠組み作りを進めているが、参加表明を見送った日本は蚊帳の外に置かれたままだ。自由貿易圏構築に出遅れることに対して、アンケートでも強い危機感がうかがえる。消費増税同様、10人中9人が「(TPPに)参加すべき」と答えた。

 「参加しなければ、米国や欧州とFTA(自由貿易協定)を締結するなどした韓国との競争でも不利になる。円高で厳しい環境に置かれているのに、さらに差をつけられる」と、日本総合研究所の湯元健治理事は懸念する。

 TPPへの参加について、政府は2011年6月までに結論を出す方針で、行方を左右するのが国内農業の保護策だ。既にコメ農家への戸別所得補償を実施しているが、対象がさらに拡大すれば財政の重荷となる可能性がある。

 人口減という中期的な課題に対して手を打つべきだという声も出ている。

 「子供、観光客、移民という日本に滞在する人口の増加が見込めるような政策が必要。高齢化社会の本格化に備え、移民による看護人材が欠かせなくなるが、現在は要件が厳しすぎる」。みずほ証券の上野氏はこう訴える。

 少子化対策に効果があるとの期待で導入した子ども手当については、「将来世代の利益に配慮した点で重要。効果的な制度にして活用すべき」(東京工業大学大学院の谷口尚子准教授)と評価する声もあるが、財源の手当てを巡る迷走は止まっていない。

 混迷が続く理由は、政策によっては何のためにやるのか、目的がはっきりしないものが目立つからだ。本アンケートでもそうした指摘があった。子ども手当はその一例だろう。

不明確な政策目標がブレ生む

 「少子化対策ならフランスのように2人目以降の子供に手厚く支給するような制度設計をすべき。景気対策なら、(その財源として)扶養控除や配偶者控除などの廃止が議論されるのはおかしい。格差是正が狙いならなぜ支給対象者の所得制限をしないのか」(日本総研の湯元理事)。アンケートでも子ども手当については修正や撤回を求める回答が多い。

 同じ疑問は高速道路無料化にも当てはまる。「環境への配慮ということで環境税も含めた様々な対策を打ち出す一方で、二酸化炭素の排出を増やす高速道路無料化をやっている」。第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは首をかしげる。

 政策目標がはっきりしていないと何が起きるか。軸足が定まっていないからブレる。前原誠司・前国土交通相が事業中止を明言した八ツ場ダムは、菅政権の馬淵澄夫・国交相が中止方針を撤回した。

 もっとも、菅首相は自らの目指すべき方向は示している。「強い経済、強い財政、強い社会保障」あるいは「第3の道」とアピールしていたのは記憶に新しい。

 欠けているのは優先順位づけだ。「何をやりたいかよりも、やりやすいものからとりあえずやっている。結果、重要政策にはほとんど手がつけられていない」。JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストはこんな印象を持っている。
もう1つの「ねじれ」表面化へ

 財源が限られる中、政策の優先順位づけに必要なのは首相のリーダーシップだ。その点、2011年はさらに厳しい現実が待ち構えている。政権の実行力の足を引っ張っている「ねじれ国会」に加え、もう1つのねじれが予想されているからだ。

 「2011年度の予算関連法を審議する過程で、『農業保護派対TPP推進派』という民主党内のねじれが表面化するだろう」。バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストはこう予想する。

 TPPを巡る混乱は民主党の内実を明らかにした。都市部を基盤に勢力を伸ばしてきたはずの民主党が、農村部を中核基盤とする自民党と本質的に同じ構造だったことを露呈し、賛否を巡って党内が真っ二つに割れた。いわば「第2自民党」化したのだ。

 TPPへの参加を前提に、政府は2011年6月に農業強化策の基本方針をまとめることになっている。だが、こうした党内事情を考えると、議論の先行きは不透明だと言わざるを得ない。そうした閉塞感を打破するために、政界再編を求める声もある。「TPPを軸に自民党の推進派と組むべきだ」。龍谷大学の竹中教授はこう主張する。

 民主・自民の大連立構想については「国民が政権を選べなくなる」(東京工大の谷口准教授)との見方もあるが、このまま無為に時が流れれば、日本の地位は低下するばかりだ。
(写真左端:大槻純一)
(写真左から4番目:朝日新聞社、右端:的野弘路)
このコラムについて
時事深層

日経ビジネス “ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

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09. 2011年1月06日 22:02:50: cqRnZH2CUM
>インフレ懸念が増大

コストプッシュインフレでは意味がない
重要なのは、デマンドプルで、国内の財やサービスの価格が上がることだ
そうでなければ、国内企業の利益が上がらず総賃金も増やせない

>@とDは単にスローガンにすぎない。願望を述べただけの言霊の世界。

ちゃんと詳細を読めw


10. 2011年1月07日 11:54:55: 5OSV8Up776
09が言ってるように、実際に需要が増えないとね。

日本の場合、金融政策単独では景気調整機能はない。
大企業は貯蓄をふやし、銀行の金庫は過剰貯蓄でじゃぶじゃぶ。
市中に金はあるのだ。
そこに中央銀行から市中銀行に金をおとしても更に金がだぶつき、国債が買われるだけ。
まぁ国債が買われて良いんだけどさ。

大企業を資金不足に追い込まないと金が借りられることはないよ。


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