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毎日新聞 1月4日(火)11時15分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110104-00000003-maip-int
【ヨハネスブルク高尾具成】昨年11月末に行われた大統領選決選投票の結果を巡る西アフリカ・コートジボワールの政情不安が、世界的なチョコレートの価格高騰につながりかねないと懸念され始めている。同国はチョコレートの原料となるカカオ豆の世界最大の生産地。政情不安が早期に収拾する見通しはついておらず、生産農家や輸出業者への悪影響は免れない状況となっており、カカオ豆の国際価格は上昇を始めている。
同国からの報道によると、政情不安を受けた検問の増加などで輸送コストが上がり、最大都市アビジャンでカカオ豆関連業者の多くが一時閉店に追い込まれた。アビジャンなどでは政情不安に起因する大規模な衝突事件が起きており、すでに200人近くが死亡。輸出港での積み出しも滞っているという。
同国のカカオ豆生産量は世界全体の4割弱。10月から3月が収穫期だが、大統領選第1回投票(10月31日)後の昨年11月の総輸出量は前年比16%減の約10万2000トンだった。12月の輸出量も落ち込みが予想されている。今回の政情不安がカカオ農家の作業に悪影響を及ぼした場合、数年後のカカオ生産が大打撃を受ける可能性もあるという。カカオ輸出は同国の年間総輸出額の約2割を占めており、同国経済への影響も不安視されている。
主に西アフリカ産のカカオ豆価格を決めるロンドン市場では、大統領選決選投票後の約1カ月ですでに10%以上もカカオ豆の価格が上昇した。政情混乱が続けば、さらに価格が上がる可能性が高いとみられている。既に一部のメーカーは、チョコの大きさを小さくするなどの対応策を取り始めているという。
同国は02〜03年の内戦の結果、ワタラ元首相を支持する反政府組織「新勢力」(NF)が支配する北部とバグボ大統領側の南部に分断された。大統領選決選投票では、選管がワタラ氏当選を発表。国際社会もワタラ氏を支持したが、バグボ大統領は退陣を拒否。先月4日に双方が就任宣誓を行う事態となっている。
地域機構である西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、バグボ氏がワタラ氏への「権限移譲に応じなければ武力介入も辞さない」という方針を表明している。ベナンなど3カ国の大統領が3日、ECOWASの特使としてコートジボワールを訪れてバグボ氏と面談。退陣すれば安全な出国や資産保全を保証するなどと提案したが、バグボ氏はこれを拒否した。
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