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http://www.fao.or.jp/media/press_101117.pdf
FAO(国際連合食糧農業機関)日本事務所
2010年11月 17日
LOJAPR10/32-No.181
プレスリリース
価格の上昇に伴い食料輸入代金は一兆ドルへ
国際社会は2011年には食料価格が更に上昇する可能性があることを認識しなければならない2010年11月17日、ローマ– FAOが17日発表したところによれば、2009年に比べほとんどの産品の価格が急騰したことにより、国際食料輸入代金は2010年に1兆ドルを超える可能性がある。
FAOの食料需給見通しの最新版によれば、2011年に主要食料作物の生産が顕著に増加しないかぎり、国際社会はより厳しい状況に対応しなければならないであろうという警告も発している。
世界の最も貧しい国々の食料輸入代金は、2010年に11%、低所得食料不足国においては20%増加すると予測されている。
これは、世界の食料輸入代金が食料価格が2008年に最高水準に達したピーク時以降確認されていない水準にまで上昇する可能性を意味するとFAOは述べている。
「ほとんどの産品の世界価格への圧力が弱まる兆しがなく、国際社会は2011年におこりうる更なる供給ショックに対して引き続き警戒を強めなければならない」とFAOは述べている。
一部は天候が原因
以前の予測に反して、世界の穀物生産は現在6月に予測された1.2%の増大ではなく2%の減少と予測されている。報告書によれば、天候不順による予想外の供給不足がこの方向転換の原因である。
世界の穀物在庫は急激に減少する見込みであり、食料需給見通しは在庫の補充のために生産を増大することを強く訴えている。FAOによれば、世界の穀物在庫は7%減少し、うち大麦が35%減少、トウモロコシ12%減少および小麦10%減少となっている。
報告書によれば、コメの在庫のみが6%増加すると予測されている。
消費者につけが
「世界の在庫が減少するという見込みの中で、来年の作物生産高が国際市場の安定基調のために決定的に重要である」とFAOは述べている。「主要穀物については、需要を満たし、世界の在庫を再構築するために生産が大幅に増加する必要があり、農民は作付けを増加することによって上昇する価格に対応する可能性が大きい。」
「しかし、価格の上昇により、農民が増産を図るのは穀物のみではなく大豆、砂糖、綿など他の商品に対してもまた生産意欲が向上している。」
このため、個々の作物の生産対応は制限され、市場の逼迫を緩和するのには不十分な水準にとどまってしまうかもしれない。これを背景に、消費者は食料により高い価格を支払う以外の選択肢はほぼなくなるかもしれない」とFAOは警告している。
ほとんどの農産品に過去6ヶ月間みられた価格の上昇は、特に天候不順による予期せぬ供給不足、いくつかの輸出国による政策対応、および通貨市場での変動など複合的な要因の結果である。
報告書によれば、特にトウモロコシ、大豆および小麦において、来年の生産が著しく増加しないと、国際価格は更に上昇する可能性がある。
FAOによれば他の穀物に比べより供給が潤沢であるとされるコメの価格に関しても、他の主要食料作物の価格が上昇をつづけるのであれば影響を受ける可能性がある。
砂糖30年ぶりの高価格
砂糖はここ数ヶ月における世界の食料価格上昇の重要な要因であった。FAOによれば、砂糖の価格は過去30年の最高価格を超え、高止まりで非常に不安定である。
報告書によれば、油料作物部門では、堅調な価格にもかかわらず、世界の生産の伸びは比較的緩やかにとどまっており、需要の急速な増大に追いついていない。
食肉価格も上昇したが、いままでのところ上昇は明らかに抑えられている。乳製品部門では、バターはすでに最高値となっている。国際的に取引のされるキャッサバもまた、2010年の生産が15年ぶりにはじめて減少するとの予測で、記録的な水準まで急騰した。
水産物価格の回復
水産物価格も、2008年末以降の急落の後、堅調に回復し、大幅に上昇した。これは、主として、養殖生産者たちが価格の低下に対応して在庫を減少し生産に影響を与えたことに起因する。
FAOは、開発途上国および先進国双方からの堅調な需要が水産価格を支え続けると述べている。
英文URL:http://www.fao.org/news/story/en/item/47733/icode/
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