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最近、中国人ないし中国資本による土地買収とりわけ森林土地の買収について危機感をあおる論評が多いが、もっと冷静に対応するべきだ。
まず、木材であるが、中国においては森林資源に乏しく、政府は懸命に保護策を強化しており、その結果、2005年においても木材消費3億㎥に対して、1億3400万㎥を輸入している。この大量輸入は東南アジアの熱帯林の乱伐にも結びついている。
一方、日本にあっては2006年8800万㎥の消費需要に対して、80%の7000万㎥が輸入されている。
また、日本の森林蓄積は1990年の29.6億㎥に対して、2000年には37.1億㎥に増加しているのである。
周知のように、日本の林業は外材に対して競争力がなく、草原も森林化しているのが実情で、森林のストックは増加し、日本で林業を営む利益は考えにくい。そして、適正に伐採されないので、現状、日本の森林は荒れ放題なのである。中国の木材輸入増加と世界的な木材価格の上昇は予測できるが、それでも日本国産材木が競争力を持つようになるとはなかなか考えられない。もし、中国資本であっても長期ビジョンのもとに林業経営してくれれば、森は手入れされて国内に美林がよみがえることになる。
次に水源を奪われるということで、問題視されているが、森林は手入れされなければ水資源涵養に寄与できない。その森林で涵養された水を抜こうとしても現実的ではない。なぜなら、水利権というものがあり、河川は公有地であるからだ。ちょろちょろ流れ出る湧水を集めて、中国に輸送することは物理的にも、経済的にも現実的ではない。
次に、ミネラルウオーターを、揚水して、中国に輸送することは、考えられるが、ミネラルウォーターは地下水脈から取水するものであり、特に環境面からの規制を順守させるようにすれば、何も問題はないだろう。
ちょうど、コカコーラが進出したり、小売業にウォルマートが進出し、保険業にアフラックが進出し、ホテル業にいろいろな外資が進出すると同じことであり、水ビジネスに中国が進出すれば、地元の活性化にも、雇用増にもつながるわけです。
観光開発についても、開発許可がおりる地域であれば、地域の活性化につながるが、人口減、既存観光地の衰退している現状では、なかなか難しいプロジェクトであり、(事実、これまで多くの企業や第3セクター等のプロジェクトが破たんした)それを中国資本がリスクをとってやってくれるならば、むしろ歓迎してもよい。
実際のところ、彼らの土地取得は、彼ら資産のリスク分散、ポートフォリオ的な部分が大きいだろうし、一方、資源バブルを予測してマネーゲームの一環としてのものもあろう。
日本の衰退と、悪性インフレによる不動産価値の上昇を見込んだものかもしれないが、その時は円安元高となり、彼らは損をして撤退することとなりそうだが????
唯一、彼らのポートフォリオ上、利益になるケースは、世界の資源価格が上昇して、かつ日本経済が復活して円高になる場合のみという気がするが、阿修羅の識者のご意見をうかがいたい。
とにかく、中国資本が、日本の森林を買うことのいわれない恐怖感が理解できません。
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