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アメリカでは今、失業が産んだ「ブーメラン世代」現象と呼ばれる社会現象が起きている(浅川嘉富 )
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/426.html
投稿者 Orion星人 日時 2010 年 12 月 22 日 14:51:20: ccPhv3kJVUPSc
 

http://www.y-asakawa.com/Message2010-2/10-message95.htm

【失業が産んだ社会現象】

アメリカでは今、「ブーメラン世代」現象と呼ばれる社会現象が起きている。

大学は卒業したものの就職先が見つからず、生活が出来ないため親元に戻る若者が激増してきており、彼らは、一旦親元から飛び立ったのに再びUターンして戻ってくることから、「ブーメラン世代」と呼ばれているのだ。親と同居している若者は25歳〜34歳で全体の20%に達し、30年前の2倍になっているというから、かなりの数である。

日本でも先月時点での大卒者の就職内定率は57.6%と過去最低で、就職氷河期と呼ばれた平成15年の同じ時期に比べても低く なっているが、就職浪人が溢れ出ているアメリカはそれよる遙かにひどい状況で、2007年に50%台だった就職率が、金融危機以来20%を割り込んでいるようである。

日本ではまだ、フルタイムの仕事には就けなくても、臨時雇用やパートタイマーの仕事があるので、親元に帰るという最終手段には至っていないようであるが、 アメリカで、ブーメラン現象が発生していることには、就職難だけでなく今一つの側面があるようだ。

それは、学生時代に抱えた学生ローンの返済を家賃を払う必要のない実家で行うためだというわけである。米紙ワシントン・ポストによると、卒業生が抱えた学生ローンの平均残高は2万5760ドル(約200万円)に達し、 返済には8年を要する額であるという。

この数値を見て驚くのは私だけではないはずだ。どうやら、借金で消費を謳歌(おうか)するアメリカ人の風潮が若者にも行き渡っていたようである。この大人にしてこの子ありである。その結果、25−34歳のクレジットカードの負債残高は平均4358ドル(35万円)に上るという数値が出ている。

こうした現象とはまた別に、働き盛りの男女が突然会社を首にされ、再就職が出来ないため職を求めて大都市近郊に引っ越してくる現象も起きているようである。アメリカ中西部のインディアナ州のある街で開かれた求人説明会の会場で、失業保険が切れて6ヶ月になるのに未だ就職が出来ないという女性や、1週間に75社もの会社に応募したが、どこからも返事がもらえていないと嘆く男性の姿が映されていたが、 失業者の再就職は相当厳しい状況のようである。

地方都市では臨時雇用もパートタイマーの仕事も見つからないので、夫婦で大都市周辺に引っ越し、その日の食扶持(くいぶち)をかせごうとする人々が増えてきたということのようである。これではまるで、職を求めて都市へと流れ込んでくる中国の出稼ぎ労働者のようなものである。

【10%台に向かう失業率】 

「努力すれば成功できるなんてとても思えない。もはやアメリカは夢を持てる国ではなくなってしまった!」、テレビから流れるそんな発言を聞いていると、どうやら、かっての「アメリカン・ドリーム」は完全に消え失せてしまったようである。それを裏づけるようなデーターが発表された。11月の失業率が先月より0.2%上昇し、4月以来の高水準を付け、9.8%まで拡大し てきた。

求職者のうち1500万人以上が職に就いていない状況を示しており、さらに6カ月以上の長期失業者が占める割合は41.9%で、その数は630万人に達しているという 内容だ。とくに最も失業率が高いミシガン州のデトロイト市は完全失業率は30%まで達しており、まさに “死の街”と化しつつあるようである。

このため、デトロイト市は、人口そのものも減ってきており、かつて200万人いたのが、今では80万人まで減少している。悪化しているのは失業率だけではないようで、治安や市民の心までも悪化して きており、殺人以外の事件が起きても、翌日にならなければ警察は駆けつけないというから恐ろしくなってくる。

テレビや新聞では、GMやクライスラーの復活劇が大々的に報じられているが、従業員を大量解雇し(55%)、何兆円という膨大な借金を国や株主に引き取ってもらって の再建であることを考えると、首を切られた本体や関連企業、下請け企業の従業員は再建の恩恵は被(こうむ)っていないことがわかる。だからこそ、ミシガン州自体の失業率も23%に達しているのだ。

前回の記事で、年末から年初にかけてアメリカの失業率は10%の大台に乗ることになるだろうと記しておいたが、その通りの動きになってきており、来年の今頃には、’83年の10.8%を大きく上回り、ミシガン州並みの数値が紙面を賑わすことになっているかもしれない。

FRBのバーナキン議長の「2008年当時の失業率が金融危機以前の状態に戻るには、4〜5年はかかるかもしれない」と言う発言は、大変控え目な発言であると考えておいた方がよさそうである。
 

【株価維持のための奇策】

*ブル相場(株価上昇相場)を象徴する牛の像

こんな状況下であるにも関わらず、ニューヨークの株式は1万1500ドルとリーマンショック以来の高値を抜いてきている。しかし、これは完全に政府の意図的介入によるもので、こんな株価を基準にアメリカの景気回復論を信じたらとんでもないことになる。

あからさまな政府の介入は、不動産資産が激減し一向に回復の兆しが見えない現状で、さらに株価が暴落したら中間層の唯一の頼みの持ち株資産が激減し、社会不安を巻き起こすことを恐れているためである。

先日、FRB(米連邦準備制度理事会)が発表した数兆円規模の債券の買い取り策も株価の維持のため以外の何者でもない。FRB自身が株式を購入するわけにはいかないので、銀行が所有している 不良債券を買い取り、そこで産まれた資金を使って銀行に株式を購入させようとするの施策である。

ゼロ金利施策の下での不況に対して、もはや他に打つ手がなくなった上での最後の荒療法である。さらに、先日下院を通過した減税法案では、8580億ドル( 72兆円) 達する巨額の景気対策、(@勤労者の給与税の2%減税、A失業保険の13ヶ月延長 B子育て世帯向けの控除) を打ち出しており、09年の7870億ドルと合わせると150兆円に達する規模となる。

こうした財政出動でアメリカの財政赤字はさらに拡大し、JPモルガン銀行の予測では、2011年度の財政赤字は従来の1・2兆ドルから1・5兆ドル(125兆円)へと引き上げられている。先のG20ヶの合意に沿って、現在、各国が財政再建に必至に取り組んでいる最中であることを考えると、違和感を感ぜずにはおれない。

こうしたなりふり構わぬ手段によって、しばらくは株価は高値を維持するものと思われるが、いつまでもそうした作り物相場が続くことはあり得ない。ヨーロッパの金融危機の再来や中国のバブル崩壊による経済破綻、あるいはウィキリークスによる暴露によって引き起こされる大手金融機関の倒産劇 ・・・・・ それらがきっかけとなって 管理相場が維持出来なくなった時にはその反動は大きく 、一気に下落に向かうと考えておいた方がよさそうだ。

株価には手心を加えられるが、金額が大きすぎてそれが出来ないのが為替と国債である。折から、ファイナンシャルタイムズ紙は一面トップで「アメリカ国債がリーマンショック後、最大の売りに見舞われ、資本コストが急上昇」と報じている。 売られると言うことは金利が上昇するということである。

10月8日から約2ヶ月間の上昇率は、アメリカが2.55%から3.525%へ38%上昇、日本が0.95%から1.255%へ 32%上昇、ドイツもまた2.392%から3.032%へ27%上昇。 どうやらFRBや日銀等の「資金ばらまき」のツケが回ってきたようである。金利の上昇は各国政府に利払いの高騰を余儀なくさせるだけでなく、インフレ や株価の暴落のへもつながるだけに要注意である。
 

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コメント
 
01. 2010年12月22日 18:28:21: ibwFfuuFfU
一方で宮殿みたいな邸宅に住んでプライベートジェットで旅行するような連中は20年前の5倍も6倍もリッチになってんだろうねえ。アメリカンドリームとかほざいて基本的人権を売り渡したアホな国民の末路だ。

02. 2010年12月22日 19:23:12: DLNiucZaiU
20年以上前、アメリカでは成人しても親と一緒にいる人間は恥ずかしいものであると教えられたが、そのアメリカがここまで崩壊している。
もうアメリカに未来はない、確信した。
日本も例外ではない!

03. 2010年12月22日 20:18:48: 4QyvM7j0v2
簡単なねずみ講ですよね。全員を勧誘してしまえば、会員を追い出して利益を得なければ行けなくなる。追い出された会員は金が無いのでまたさらに追い出していく。結果誰もお金がなくなりましたとさ。

04. 2010年12月22日 22:26:45: wIcpB1Tc7I

・・・・
http://digimaga.net/uploads/2010/12/24-animals-sitting-like-humans09.jpg
親を食いつぶす 中国の「すねかじり族」 成人の3割超、親子関係で心の病
http://www.epochtimes.jp/jp/2010/10/html/d55154.html
【お金の話】第5回:米ドルが紙切れになった日
http://rocketnews24.com/?p=62422
買う前に一考したい、児童労働や強制労働によって作られている可能性の高い13品
http://gigazine.net/news/20101221_child_labour/

05. 2010年12月23日 10:26:08: oPXZ19qY9w
米国で一般に学生ローンというのは「有利子奨学金」のことで、日本でよくある遊興費のための学生ローンとは異なる。

現在の米国の場合、有利子奨学金の主流は民間の金融会社によるもので、何故か自己破産しても帳消しにはできないという恐ろしい仕組みになってしまっている。

こうした学生は、高等教育を受けるためにやむなく有利子奨学金を借りたもので、「借金で消費を謳歌(おうか)するアメリカ人の風潮が若者にも行き渡っていたようである」との指摘はピントがずれている。


06. 2010年12月23日 20:09:45: 5OSV8Up776
>借金で消費を謳歌(おうか)するアメリカ人の風潮が若者にも行き渡っていたようである。

だめだね、この投稿は。
憶測だけで実際にはアメリカを見ていないことがわかる。

05
>米国で一般に学生ローンというのは「有利子奨学金」のことで、日本でよくある遊興費のための学生ローンとは異なる。

05が正しい。05はアメリカをよくわかっている。
アメリカは奨学制度が非常によく整っていた。
一時はアイビーの大学生の1/3が事実上授業料を払っていなかった。
それが今では、給付奨学金を受け取れる者は学業やスポーツなどで「総合的に」最優秀な一部だけで、多くは有利子の貸与だ。
それでも好景気のうちは就職先の企業でえる高収入で楽々返済出来た。
有利子の貸与が増えたのは最近のことだ。これはニューエコノミーで永遠の好景気がつづくと言う前提があったからだ。
それが崩れた今では雇用が限られている。
親元に帰れる者はまだ良い、アメリカの多くの過程は複雑な家族関係を抱えている。親元に帰ろうとしても両親は離婚していてそれぞれ別のパートナーと暮らしており、更に自分と同様の失業者だったりすることも珍しくない。
アメリカでは次の段階が始まっている。
大学を出た高学歴の青年が国外の企業に就職してアメリカを去るのである。


07. 2010年12月23日 23:37:43: btReXE1j3Y
投稿もコメントもまるで他人事のように書いているが、
日本でも同様に、有利子学費融資を払えず滞納しているケースが
増大している。
いい加減、新自由主義など捨ててしまえ。

08. 2010年12月24日 01:36:52: eHuZn3DyBU
アメリカは少子化では無いという点で希望がある。
若い奴の数は多いのだ。
いまの仕事や街で生きていけないなら、頑張って新しいフロンティアを
探さないといけないと思う。
辛いことだが、西部劇で幌馬車隊が西部を開拓していったようにである。
奇麗事を並べて「私が大統領になったあかつきには、みなさんにこんなに
福祉をさしあげます」と演説する政治家がいたとしても、大半は口先三寸の
ペテン政治家だから、それを信じて待っていたら乞食になりかねない。


09. 2010年12月24日 09:11:36: vJ8mMwdf0s
あるアメリカ人から聞きました。
アメリカでは州立大学でも自州の生徒は安いが、他州から来ると年間の学費が100万円近くになると聞きました。これに生活費を足すと相当な金額になります。学生も親からの仕送りに頼るのではなく、アルバイトなどで学費を稼ぎ足らずはローンを組むそうです。アメリカで医者にかかると目が飛び出るほどの治療費を請求されますが、これも医学部の学費がむちゃくちゃ高く、学費を回収するためには高額の医療費を請求する必要があるのではないでしょうか。保険会社と大学が手を組んでいるのかな?

10. 2010年12月24日 12:34:21: vRygzUl0IU
アメリカは下層階級でも食いすぎでデブになってる人間が多く、
ダイエットグッズが売れまくる国だから現時点で餓死が続出するほど
飢餓が蔓延っているということは無い。
またアメリカは少子化ではなく若者の数は増えているし、伝統的に
フロンティア精神も強い国である。
アメリカを先進国ではなく、後進国だと考えれば食料、資源、土地の広さ、
若者や子供の数などで恵まれている点も多い。
そうした潜在力を活かせれば、リーマンショックが起きる以前の過去の成功体験
に捉われることなくフロンティアを創生して早期に立ち上がることも可能な国
だとは思うんだがね。

11. 2010年12月24日 18:58:37: KnAJ48bhn6
日本では、中国人留学生に返還義務の無い月額14万円、授業料も無料で計年262万円の金を貸与。

なんとリッチな国だ!


12. 2010年12月24日 23:32:45: 5OSV8Up776
>現時点で餓死が続出するほど飢餓が蔓延っているということは無い。

アメリカには飢餓線上の国民が何十万人もいるよ。
それからデブなのは貧しくてジャンクばかり食べてるからさ。デブってのはまともなものを食えなくて栄養バランスが壊れている状態なのよ。あれはあれで貧困病のひとつなんだぜ。

>フロンティアを創生して早期に立ち上がることも可能な国

知ってると思うけどアメリカ憲法は政府の通貨発行権を明記している。(現行のFRBドルは憲法違反なんだよ。笑えるよな。)この「政府」は連邦政府とは限らない。
いざとなったら有力な州や市が独自通貨を発行して切り抜けるだろうね。過去に事例もある。

いろんな面でリセット可能なのがアメリカの強みだよね。


13. 2010年12月25日 11:33:40: Q8hgNFVEOQ
>>12
「潜在力」だよね。
金融がリーマンショックで縮小し、IT産業も頭打ち。
ならば過去の成功体験に捉われずに、そこで「潜在力」を活かして
次のフロンティアを創生できるかどうかでしょう。


14. あっぷる 2011年3月21日 17:30:10: 9nVURphiZ90yo : CJFgB2tHuw
 本当に一般国民(市民)のことを考えるなら、生活保護の対象者を増やせば良いのに。『株価が暴落したら中間層の唯一の頼みの持ち株資産が激減し、社会不安を巻き起こすことを恐れているためである。』なんて大ウソである。ただ単に、大量に株を持っている、裕福層のためである。結局、今のアメリカは、いかに金持ちに富を与え、中間層を貧困層にし、貧困層を最貧困層にさせるかということしか考えていない。
 アメリカで飢餓線上にいる人達が多数存在するらしい。それでも、見かけだけ、大統領の演説だけ、口だけは、正義づらする。日本の原発事故で、「半径50km以内には米軍は入らないように」と言ったが、イラクのアメリカ従軍兵が、自国の軍隊がばらまいた劣化ウランのせいで、大勢白血病になっているという事実については、言わない。中国で、グーグル検索が自由に出来ないというが、アメリカでも、政府にとって不都合なインターネットの情報が多数消されているらしい。
 中国の方が、正直な分だけかわいげがある。

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