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法人税減税の馬鹿馬鹿しさ
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/425.html
投稿者 一言主 日時 2010 年 12 月 22 日 11:52:28: AlXu/i8.H/.Es
 

法人税の減税という愚かさ。

景気に竿差す行為である。この菅政権であきれるのは、法人税減税を他の財源を削ってでもしようというところにある。それが特に消費者への負担である場合、デフレをより一層促進させるだけである。

ここまでの愚かな首相は、橋本、村山政権以下、史上最低であろう。橋本は消費税を増税し、デフレを深刻化させた。そして村山は統治能力なく何もせず総て先送りであった。

この首相は、統治能力なく、経済的に無感覚である。無能であるなら何もしなけりゃ良いのだが、しかしこの菅氏は、悪さをするからたまらない。自分の能力がわかっていないようだ。

菅首相が記者団に「思い切って5%下げて企業には国内に投資し、雇用を拡大し、給料を増やしてもらう。そして景気を引き上げ、成長を促しデフレ脱却につなげたい」(日経新聞12月14日)語ったそうである。
正気で言ってるとは思えない。企業は経済的に動くものであり、願望が通用するものではない。株主がその5%を配当に回すよう株主総会で議決すれば終わりだ。
経済政策は願望や希望ではなく、経済的な必然性がなければ役に立たない。

国内に投資をしないのは、国内の消費が衰退しているため有効な投資先がないからである。

現在、有力企業で内部留保が増えているのは、日本の企業はデフレというものを良く理解しており、お金で持っている方が得である事を知っているからである。

国内のあらゆる資産は崩壊した。国内の内需は減退し投資先がない。欧米の資産も崩壊中である。新興国の資産は上昇しているが、その国本来の適切な資産価格であるかは疑問である。すなわちバブルの崩壊の危険性がある。

それ故、資産や設備に変えず、目減りしない逆に価値が増えるお金で持っているのである。それは経済的合理性故である。

法人税の減税は有力企業では、内部留保に回る公算が高いだろう。あるいは輸出産業では海外移転要の資金とするか、円高に対するヘッジ資金として活用するであろう。(円高差損に対する引き当て金のような使い方である。)私なら躊躇なく後者を選ぶだろう。

企業が内部留保するのは、ヘタレでも、臆病でもなんでもない。デフレにおける正しい経営判断なのである。(デフレは物の墓場、インフレはお金の墓場2千9年2月26日参照http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html

給料が増える条件は、労働が逼迫し労働不足が顕著になる場合である。今のような大学卒の6割が未就職では、給料が上がる分けがない。

しかも雇用促進という名目で企業に補助金やリベートを与えるやり方では、製品の低価格化を促進しているようなものであり、生産物の付加価値をより減少させるため、労働賃金が増える分けがない。

新卒に対する企業へのリベートは、このような結果を招くのである。

賃金が上がらなければ、消費が増えず、商品価格が上がることもない。デフレが解消するはずがない。


「デフレは、消費が生産量に比べて著しく減少した市場です。その結果低価格競争を余儀無くされ、付加価値が減少し、市場から資金が漸次減少することにより、経済が循環的に縮小する現象です。」
(デフレ・インフレの一般理論より)

このため生産量をこれ以上増大させるような対策は、無意味であり、借金を増やすばらまきに過ぎない。
法人税減税は、生産者に対する補助金に過ぎず、生産量刺激策です。消費額が変わらず生産量が増えれば、付加価値がより減少し経済は縮小するのです。

デフレ解消策としての法人税減税は理論的に意味がないのです。しかも企業は専門家よりデフレを良く知っており、内部留保することになるのです。

今現在法人税の減税の恩恵を受ける企業の多くは大企業の輸出部門です。彼らの卓越した企業力がデフレで覆われた世界にもかかわらず大きな利益を上げ続けています。

しかしそれ以外の国内企業はほとんど利益の上がらない赤字企業が大半です。今年行われた金融モラトリアムを利用した企業の数は30万件とか言われていたように思います。ほとんどが赤字企業です。それ以外の利用しなかった企業も黒字かどうかは疑問です。

法人税減税は最も回ってほしい内需産業には何の恩恵もないのです。それどころか来年度は国内で、環境税を作って無理やり生産活動を押さえ込むようなことをするらしい。年金も物価に合わせてスライドさせるらしい。年金保険料は毎年上がっていく。

この政権はほんのわずかなと思っているらしいが、長く続いているデフレの低所得化は、わずかであっても大きく反応し、消費額を減らすのである。それはより大きな生産量の減退となる。それがデフレの資金減少の結果である。原因は政府が市場から税金として資金を民間から奪い取ったからである。

それ故国内の大半の企業は法人税減税の恩恵を受けない。このようなほとんど意味の無い政策をしかも、消費を減らす方向への負担増で補うようでは、ますますデフレを促進することになる。

今現在、法人税減税の恩恵を受ける企業は黒字の企業だけです。その多くは輸出関連産業が占めているのです。輸出関連産業は2割程度です。残の8割が恩恵をうけません。

法人税減税は2割の儲かっている企業を優遇し、8割の企業をないがしろにする政策です。

内需産業の減退が、国内の失業率を上げ、賃金を低下させているのです。輸出産業は、その安くなった労働力を使い大きな利益を上げています。国内は消費税がかかるが、輸出した分には掛かってきません。

その結果莫大な利益を上げました。しかし海外からの莫大な還流資金は、日本の市場に回ったでしょうか。
ほとんど回っていません。これは輸出企業が悪いのではなく経済の仕組みからくるものです。

輸出製品は、国内をほとんど還流しません。原料が工場に入り、完成品が港まで運ばれるだけです。そのため国内の卸業者、小売業者、運送業者、ローン会社などが素通りされるため、輸出業者の売上が大きくても、資金が国内に回りません。

そして外需で儲かった企業の還流資金は、内需が減退しているため、国内に消費されず、外貨や、外国の資産に向かっているのです。あるいは大きな内部留保になっています。

実際大企業の労働者は、全体の2割もいっていないでしょう。大半の民間労働者は赤字企業で働いているのです。輸出で儲けている企業は、いずれ現地生産や適正な生産基地を見つけ海外移転で出ることになります。いくら法人税の減税をしても海外移転の流れは止まりません。

為替の変動相場制が続く限り、貿易収支の黒字が大きくなれば、円高に振れるのは当たり前のことです。
法人税減税で、経営者や専門家が言うように輸出競争力が増すのであるなら、貿易収支の黒字がさらに増加し、円高になっていくだろう。

そうなれば当然海外移転せざる負えなくなります。
ばかばかしい政策です。矛盾した政策です。

しかも今回は高所得者だけを対象にしているが、このような考え方を持つ首脳であれば、直ぐに国民負担をさらに増やす増税を何かにつけやることだろう。

効果のない法人税減税を敢行し、その財源を消費者に求め、市場から資金を奪うような馬鹿げた政策は即刻やめるべきです。デフレの時にする政策ではない。

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/


 

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コメント
 
01. 2010年12月22日 12:31:36: AP0bX8u7y2
法人税減税が全くナンセンスな政策であるとのご意見に全面的に賛成します。

企業経営の現場にいましたが、いかに競争力をつけるかが最大の関心事であり、その際法人税減税の話題、発想がでたことはありません。

経団連も、本音はないよりあった方が良いという感覚だと推察されます。

留保された減税分は株主に帰属するのであって、投資や雇用増にむかうとは全く考えられません。経団連会長も否定しているように、菅がでまかせの国民だましです。

皮肉なことに法人税減税を閣議決定した記事が一面トップの日経12月14日の、
株式欄のコラム「まちかど」には次の記事が載っております。

日本株に再評価の機運

○ドイツ証券は企業が潤沢な手元資金で株主への利益配分を増やす可能性があるとみる。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチも世界の機関投資家がユーロ圏を避け、日本株への投資を計画していると発表した。

株主への利益配分を増やす可能性があるとみられているのに、さらに減税する意味があるのでしょうか。また、減税分は株主に還元されるのが当然でもあります。


02. 2010年12月22日 14:44:17: AP0bX8u7y2
01です。
すみません、訂正です。。

日経12月14日→日経12月17日


03. 2010年12月22日 15:44:10: AQqyLULhMc
ちょっと気になったのですけど、「竿差す」に押し留めるとか逆らうとか
いう意味はないと思います。

http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/86165/m0u/%E3%81%95%E3%81%8A%E3%81%95%E3%81%99/

「流れに棹さす」を逆の意味に思っている人は多いそうですね。

http://d.hatena.ne.jp/hiiragi-june/20080312


04. 2010年12月22日 16:05:49: B5offegeiY
阿修羅さんへ
週刊ポスト?に掲載されていたはずですが、貿易関連企業は法人税を実質的には40%も払っていないらしいです。
自動車産業などは消費税の戻し分があって実質30%程度、輸出入を手がける総合商社に至っては、たったの8%程度しか実質払っていないというのです。
その輸出できる大企業の内部留保は、いかほどでしょう?

貧乏人を苦しめれば、市場が小さくなり、さらに輪をかけて不景気になります。
(わざわざ不景気にして、戦争へ向かわせたい意図が丸見えですけどね。)
それで最後まで儲けられる企業があるならいいのですけど、そんなことはありません。
(共存の生き方が競争の生き方に駆逐されると人類が滅亡するといった釈迦の考え方と同じで、不景気で儲けようとする考えが蔓延すればその企業も潰れます。全て因果=事実でしかありません。まあ企業が潰れたところで人類が滅亡しなければいいとしておきますけど。)

私自身、以前は企業の目的を「営利」であると勘違いしていたのですが、現在は「幸せになる」ことであるのだとわかりました。
ですから、皆様が幸せになるように向かわなければ(=誰かを不幸に陥れるならば)、いずれその不幸が自分の身に降りかかってくることになるのです。
これもまた因果論=事実ですから、それに従わなければ不幸になることを拒めません。

生きとし生けるものが幸せでありますように。
心より願っております。


05. 2010年12月22日 18:43:05: ibwFfuuFfU
大前研一辺りが無税国家とか言い出したけど、本音は法人税の無税化なんだろうねえ。ようは週刊現代もいってるように、米英欧州全域に加えて中国もバブル崩壊で行き場のなくなった資金は最終的に日本に回帰する可能性が高いちゅうわけだけど、かなり蓋然性の高いシナリオだ。そのときに欧米の金融資本・プライベートエクイティなんかの取り分を増やすための布石を今打ってるんじゃないのか?

06. 2010年12月23日 11:39:38: 2uOv2R3MRs
法人というのは個人ではない別人格だから本来は所得税と同じで累進で高率課税したほうが国家運営としてはいいはず。

欧米資本は国家からの脱却を常にはかってるから当然に減税しろっていうだろうね
減税どころかエコポイントやら資本注入やらなんでもかんでもだよ

で利益をあげたら国家ごとポイッと捨ててしまうのにな
国家滅びて企業栄えるのは近未来で想像される一番の悪夢じゃないのかね


07. 2010年12月23日 14:49:59: W5qngzNrA6
絶対菅を倒し、大企業は増税すべきだ。
消費税は下げるべき(特に食品・医療品・生活必需品などは)
消費税ではなく、大企業の増税分を社会福祉費に回すべきだ。
そうして初めて国の景気もよくなる。

08. 2010年12月23日 20:33:47: GRgujptFKM
飢餓輸出(きがゆしゅつ)とは、国内で必要な物資の消費を規制し、輸出に回して外貨を獲得すること。最終的には、国内の食糧消費が不足するほどの量を輸出し、飢餓を招く事態に陥ることから名付けられた。
発生原因 [編集]

* 国家財政が破綻するなど経済情勢が極端に追いつめられた局面で発生する。
* 宗主国が植民地(国)に対して行う強要。
* 外貨獲得のための単一作物の一辺倒な作付けによる、主食となる食糧生産量の減少。
* 20世紀、一部の計画経済の国では、国力の限界を超過した重工業化が行われ、その為の手段として、外貨獲得の為にその国の食料需要を無視した食料輸出が頻繁に行われ、発生した。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%A2%E9%A4%93%E8%BC%B8%E5%87%BA

その手前までいってますね。


09. 2010年12月23日 21:51:14: cqRnZH2CUM
>法人というのは個人ではない別人格だから本来は所得税と同じで累進で高率課税したほうが国家運営としてはいいはず。

そんなことをしたら単に法人分割するだけだろう

理想的には、法人税と消費税は0にして、所得税と資産課税で賄うか、100%国債発行によって賄う(無税国家)のが、最も経済効率は高まる。

ただし、そのためには法人・個人間の資金移動を完全に国家が把握し、
財政政策と国債発行と金利を高度に制御する必要がある。
つまり高機能な次世代の政治行政システムが必要になるが、まあ現状では夢物語だ。


10. 2010年12月23日 22:07:37: cqRnZH2CUM
>いくら法人税の減税をしても海外移転の流れは止まりません。

国ごとの最適投資水準を決める重要な要因は、市場の成長性、コスト構造、インフラ、労働者の品質などがあるが、その一つに税制もある。

現在の日本は、第一に人口要因、第2に競合する低コスト新興国への生産力の移動、第3にリーマン後の先進国外需激減、それと長期デフレ心理のせいで、長期的な投資減少、生産力と需要不足に陥っているから、
差し引き実質2%程度の僅かな減税では、空洞化の激流を止めることは無理であり、流れを少し緩めるかどうかの話だろう。

為替介入で、円高を緩やかにしたと、誰かが言っていたがwそれと同レベルの話だ。

ただし長期的に見て、他の要因が消えていった後では、競合国との税制の違いが、国内投資水準(雇用、景気)に影響してくることになる。


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