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法人税の減税という愚かさ。
景気に竿差す行為である。この菅政権であきれるのは、法人税減税を他の財源を削ってでもしようというところにある。それが特に消費者への負担である場合、デフレをより一層促進させるだけである。
ここまでの愚かな首相は、橋本、村山政権以下、史上最低であろう。橋本は消費税を増税し、デフレを深刻化させた。そして村山は統治能力なく何もせず総て先送りであった。
この首相は、統治能力なく、経済的に無感覚である。無能であるなら何もしなけりゃ良いのだが、しかしこの菅氏は、悪さをするからたまらない。自分の能力がわかっていないようだ。
菅首相が記者団に「思い切って5%下げて企業には国内に投資し、雇用を拡大し、給料を増やしてもらう。そして景気を引き上げ、成長を促しデフレ脱却につなげたい」(日経新聞12月14日)語ったそうである。
正気で言ってるとは思えない。企業は経済的に動くものであり、願望が通用するものではない。株主がその5%を配当に回すよう株主総会で議決すれば終わりだ。
経済政策は願望や希望ではなく、経済的な必然性がなければ役に立たない。
国内に投資をしないのは、国内の消費が衰退しているため有効な投資先がないからである。
現在、有力企業で内部留保が増えているのは、日本の企業はデフレというものを良く理解しており、お金で持っている方が得である事を知っているからである。
国内のあらゆる資産は崩壊した。国内の内需は減退し投資先がない。欧米の資産も崩壊中である。新興国の資産は上昇しているが、その国本来の適切な資産価格であるかは疑問である。すなわちバブルの崩壊の危険性がある。
それ故、資産や設備に変えず、目減りしない逆に価値が増えるお金で持っているのである。それは経済的合理性故である。
法人税の減税は有力企業では、内部留保に回る公算が高いだろう。あるいは輸出産業では海外移転要の資金とするか、円高に対するヘッジ資金として活用するであろう。(円高差損に対する引き当て金のような使い方である。)私なら躊躇なく後者を選ぶだろう。
企業が内部留保するのは、ヘタレでも、臆病でもなんでもない。デフレにおける正しい経営判断なのである。(デフレは物の墓場、インフレはお金の墓場2千9年2月26日参照http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html)
給料が増える条件は、労働が逼迫し労働不足が顕著になる場合である。今のような大学卒の6割が未就職では、給料が上がる分けがない。
しかも雇用促進という名目で企業に補助金やリベートを与えるやり方では、製品の低価格化を促進しているようなものであり、生産物の付加価値をより減少させるため、労働賃金が増える分けがない。
新卒に対する企業へのリベートは、このような結果を招くのである。
賃金が上がらなければ、消費が増えず、商品価格が上がることもない。デフレが解消するはずがない。
「デフレは、消費が生産量に比べて著しく減少した市場です。その結果低価格競争を余儀無くされ、付加価値が減少し、市場から資金が漸次減少することにより、経済が循環的に縮小する現象です。」
(デフレ・インフレの一般理論より)
このため生産量をこれ以上増大させるような対策は、無意味であり、借金を増やすばらまきに過ぎない。
法人税減税は、生産者に対する補助金に過ぎず、生産量刺激策です。消費額が変わらず生産量が増えれば、付加価値がより減少し経済は縮小するのです。
デフレ解消策としての法人税減税は理論的に意味がないのです。しかも企業は専門家よりデフレを良く知っており、内部留保することになるのです。
今現在法人税の減税の恩恵を受ける企業の多くは大企業の輸出部門です。彼らの卓越した企業力がデフレで覆われた世界にもかかわらず大きな利益を上げ続けています。
しかしそれ以外の国内企業はほとんど利益の上がらない赤字企業が大半です。今年行われた金融モラトリアムを利用した企業の数は30万件とか言われていたように思います。ほとんどが赤字企業です。それ以外の利用しなかった企業も黒字かどうかは疑問です。
法人税減税は最も回ってほしい内需産業には何の恩恵もないのです。それどころか来年度は国内で、環境税を作って無理やり生産活動を押さえ込むようなことをするらしい。年金も物価に合わせてスライドさせるらしい。年金保険料は毎年上がっていく。
この政権はほんのわずかなと思っているらしいが、長く続いているデフレの低所得化は、わずかであっても大きく反応し、消費額を減らすのである。それはより大きな生産量の減退となる。それがデフレの資金減少の結果である。原因は政府が市場から税金として資金を民間から奪い取ったからである。
それ故国内の大半の企業は法人税減税の恩恵を受けない。このようなほとんど意味の無い政策をしかも、消費を減らす方向への負担増で補うようでは、ますますデフレを促進することになる。
今現在、法人税減税の恩恵を受ける企業は黒字の企業だけです。その多くは輸出関連産業が占めているのです。輸出関連産業は2割程度です。残の8割が恩恵をうけません。
法人税減税は2割の儲かっている企業を優遇し、8割の企業をないがしろにする政策です。
内需産業の減退が、国内の失業率を上げ、賃金を低下させているのです。輸出産業は、その安くなった労働力を使い大きな利益を上げています。国内は消費税がかかるが、輸出した分には掛かってきません。
その結果莫大な利益を上げました。しかし海外からの莫大な還流資金は、日本の市場に回ったでしょうか。
ほとんど回っていません。これは輸出企業が悪いのではなく経済の仕組みからくるものです。
輸出製品は、国内をほとんど還流しません。原料が工場に入り、完成品が港まで運ばれるだけです。そのため国内の卸業者、小売業者、運送業者、ローン会社などが素通りされるため、輸出業者の売上が大きくても、資金が国内に回りません。
そして外需で儲かった企業の還流資金は、内需が減退しているため、国内に消費されず、外貨や、外国の資産に向かっているのです。あるいは大きな内部留保になっています。
実際大企業の労働者は、全体の2割もいっていないでしょう。大半の民間労働者は赤字企業で働いているのです。輸出で儲けている企業は、いずれ現地生産や適正な生産基地を見つけ海外移転で出ることになります。いくら法人税の減税をしても海外移転の流れは止まりません。
為替の変動相場制が続く限り、貿易収支の黒字が大きくなれば、円高に振れるのは当たり前のことです。
法人税減税で、経営者や専門家が言うように輸出競争力が増すのであるなら、貿易収支の黒字がさらに増加し、円高になっていくだろう。
そうなれば当然海外移転せざる負えなくなります。
ばかばかしい政策です。矛盾した政策です。
しかも今回は高所得者だけを対象にしているが、このような考え方を持つ首脳であれば、直ぐに国民負担をさらに増やす増税を何かにつけやることだろう。
効果のない法人税減税を敢行し、その財源を消費者に求め、市場から資金を奪うような馬鹿げた政策は即刻やめるべきです。デフレの時にする政策ではない。
一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
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