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なぜ日本人は「生産性」が低いのか Re: 深刻さ増す中小企業 一方、 世界景気は好調
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/415.html
投稿者 tea 日時 2010 年 12 月 20 日 18:59:59: 1W1IXELjjF6i2
 

(回答先: 深刻さ増す中小企業 一方、 世界景気は好調 投稿者 tea 日時 2010 年 12 月 20 日 18:52:44)

日本の労働者、特に中高年ホワイトカラーの労働生産性は世界的にも極めて低い
そのツケは、国内投資の減少、新規雇用の抑制という形で、日本経済へ非常に悪い影響を与えているようだ

TOP>スキル・キャリア>石黒不二代の勝手に改革提言!ニッポン人の新しい働き方

【第2回】 2010年12月20日

石黒 不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]

城繁幸×石黒不二代 対談【後編】
なぜ日本人は「生産性」が低いのか
『終身雇用・年功序列』崩壊後も生き残る人材の条件

「日本の終身雇用・年功序列はもはや崩れ始めている――」

前回
http://diamond.jp/articles/-/10435
の連載でそう語った城繁幸氏とネットイヤーグループ石黒不二代社長。かつての“安定”を失い、さらに人口が減少し、グローバル企業との激しい競争下にある今、日本人が生き残るためには、各々が労働生産性を高めなければならない。しかし、日本人の労働生産性(社員1人当たりの付加価値創出額)は、主要先進 7ヵ国の中で最下位というのが現状だ(7ヵ国は米、英、仏、独、伊、加、日。社会経済生産性本部2009年調査)。

なぜ、日本人はこれほどまでに生産性が低いのだろうか。そして、社員の生産性を高めるために企業はどうすべきか。人事コンサルタントである城氏と経営者である石黒社長がその命題に挑む。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)
効率を追求したのは工場だけ?
生産性向上を意識してこなかった中高年

――日本の労働生産性は主要先進国の中で最下位だといわれています。かつては世界経済をリードしてきた日本が、世界的に見て「生産性が低い」のはなぜでしょうか。

石黒 生産性の高い・低いは、もちろん能力にもよるし、業務の得意不得意にもよります。しかし、日本が主要先進国で最下位と言われている生産性の低さは、能力の問題ではなく意識の低さが問題だと思います。生産性というのは、限られた時間で達成できる成果とか、時間当たりの効率という意味です。例えば、終身雇用、年功序列にどっぷりつかってきた方々は、「自分の生産性を上げる」という意識を持って仕事をしてきたかどうか疑問です。そして、それはある意味やむを得なかったともいえます。

 日本のグローバル企業の代表格といえばメーカーですが、その中で生産性を追求してきたのは工場だけ。工場は誤差や不良品率を下げるために、数値目標を持って生産プロセス改善の努力をしてきました。その一方で企画や営業といった工場以外のホワイトカラー部門は仕事は与えられるが、そのやり方に関してはずっと野放しにされてきました。つまり、そもそも企業が社内全体に「生産性」というメッセージや指標を出さなかったので、長い時間働くことが価値という間違った概念で会社が運営されてきたと思います。
じょう・しげゆき/人事コンサルティング会社「Joe's Labo」代表取締役。1973年山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通に入社。人事部門にて新人事制度導入直後からその運営に携わり、同社退社後 に刊行した『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』、『日本型「成果主義」の可能性』で話題に。『若者はなぜ3年で辞めるのか』では若者が職場で感じる閉塞感の原因を探り、大ベストセラーとなる。雇用問題 のスペシャリストとした各メディアで積極的な発言を続ける。最近の著書では『7割は課長にさえなれません―終身雇用の幻想』などがある。

城 そのせいか、私が企業の人事制度に関するお仕事をさせていただくときに、職務内容や数値目標、グレード設定などを定めた新しい制度の話をすると、必ず50代の方から「そんな事いきなり言われてもできませんよ」みたいな事を普通に言われたりしますね。

石黒 今までそんな指標なんて全くなかったのに、急に職務内容や責任を定めた「職務記述書」を渡され、「今日から生産性を重視する」なんて言われたらびっくりしますよね(笑)。「生産性って何ですか」みたいな。ただ、全くそれに接してこなかった50代の方は厳しいですけれど、40代の方は少し触れ始めていますし、30代の人はその制度に結構、揉まれています。ですから年代の差というものも生まれていると思います。

城 そうですね。今の35歳以下の社員はホワイトカラー層でも、多くが入社した時から「成果主義」が何らかの形で課されています。数値目標などが掲げられていて、上の世代より多少は意識が高いですよ。


ホワイトカラーの生産性が上がれば日本はどうなるのか

――実際にホワイトカラー層の生産性が上がったら、日本はどうなるのでしょうか。

城 2000年前後、多くの大手メーカーが数万人規模のリストラを行いましたが、そこでリストラされた人材のほぼ全てが工場で働くブルーカラー層なんですよ。リストラ=製造ラインをつぶす事でしたから。ホワイトカラー層は、ほとんどリストラされていないですね。早期退職を行っている企業はありますけど。

石黒 私があるメーカー企業を訪ねたら、製造ラインのあった場所に今はホワイトカラーの事務所を作っていたりしましたね。

 ですから、そこにメスを入れると同時に、社員の生産性を測る指標をしっかりと入れれば、大きく変わるはずです。しかも、業種・業態に関わらずメスが入っていないから、すべての業態で変革可能ということです。すべての企業の利益率があがる。日本全体でGDPが数パーセントは上がるということですよ。

城 絶対上がりますよ。

石黒 でしょ。だから生産性指標というのは入れたほうがいいです。とはいえ、生産性が低い人達が生産性を上げるのは、非常に難しいことです。

 経営者の方は成果主義を入れて、きちんと指標管理し、それが根付いていくように会社全体で取り組んでいただきたいですね。
成果主義を根付かせるための
企業が導入すべき正しい指標

――今まで日本企業では成果主義がうまく機能していない面がありましたが、それはなぜでしょうか。

城 今までの制度における賃金体系は、ピラミッドのような形になっています。それが現在の法律では、「賃下げ」をしてはいけないことになっているんですよ。

石黒 なぜ、賃下げは難しいんでしたっけ?

城 従業員と明確なルールを作った上であれば問題はありませんが、歴史が長い会社は、労働組合と積み上げてきた過去の内規などがあるので難しいんですよ。「労働条件の不利益変更の制限」というものがありまして。

 そのため、例えば目標管理を行うにしても、すでに上に上がっている人は、別に目標がクリアできなくても下がらないんです。でも全体に人件費を下げなきゃいけない。それで、新たな賃金体系がつくられ、若手社員は給料が上がらなくなります。つまり、賃金体系がダブルスタンダードになってしまうんです。

石黒 なるほど。ダブルスタンダードになって、新たなルールを作り始めたときの若手だけ賃金が下げられれば、相当文句が出ますね。

 それから、1つ思うことがあって。アメリカと日本との違いなんですけど、日本人ってなぜ人のお給料を気にするんですかね。

城 (笑)それはカルチャーかもしれない。


石黒 アメリカで気にされるのは「自分のお給料」なんですよ。自分のお給料、イコール自分の仕事や価値に対して、どう評価されているかを気にしていますね。一方で日本人は、「なぜあの人は○○円なのに、なぜ私が●●円なんですか」と議論しますよね。でも、そうした状況も成果主義をしっかりと入れていけば変わると思います。

城 結局、日本企業という“村”なんですよね、村だから、「皆こうなのになんで俺だけ…」。

石黒 「俺だけなんでこんな冷遇されるんだ」っていう。

城 それ、間違いないですね。ですから、流動性のある仕組みを作った上で、賃金は年俸交渉にすべきです。給料の基準は、突き詰めれば自分の能力、自尊心しかないわけですから。そうなって初めて、他者の給料という縛りから解放されると思うんですけどね。

石黒 そうですよね。“村”という議論はよくされますけど、社会が変わって“村”でなくなれば、変わるのかしら?

城 終身雇用はもう崩れ始めていますから、10年、20年のうちに“村意識”はなくなると思います。

 それにしても変ですよね。過去の経営責任の“ツケ”を新人に払わせるっていうのは。

石黒 本当に。今の年金制度みたいなものですよね。
単純化しつつも明確に
目標指標を設定していくことが必要

――ホワイトカラーの生産性向上のためには、適切に成果を測る指標を作る必要があります。企業はどのような仕組みで成果を測るべきでしょうか。

城 よく聞かれますが、絶対に正しい客観的な指標や基準はありません。あるとすれば100%の主観ですからね。

石黒 新しい成果の指標を作ってみると、社員がその指標に向って変わっていくことに驚いたことがあります。

 指標の作り方は、企業の業態や部門によってももちろん違います。例えば、営業と生産部門、それから人事や経理など管理部門はそれぞれ目標が違いますよね。業績連動型と業績連動型にできない部門がありますから。目標管理は、その部門の最適化が最終的に企業全体最適化につながるように設計しなければなりません。

 実際にうちの会社にもたくさん指標があります。ですが、指標がありすぎるとわからなくなるので、いかに単純化して企業が最も指標にしたいものを下に落としていけるかというのが、人事の腕の見せ所ですよ。


「生産性の高い人材」になるにはどうすればよいのか

城 私は、経理や人事、総務は基本的には定額でもいいのではないかと思います。定額といってももちろん多少上下しますけど。ただ、マネージャークラスだけは、年俸制で変動があるようにするだけでいいと思いますけどね。

石黒 とはいえ私としては、業績連動をゼロにしてしまうと、社員が一丸となってというものがなくなるので、ある程度は必要かなと思います。

 それに間接部門もこれからが活躍時だと思っていて、うちの会社のコアバリューの中に、「既成概念に縛られるな」(Challenge the Rule)というものがありますが、これは事業部だけに当てはまることではなく、人事などの間接部門こそ長年の制度に縛られず変わらないといけないと思います。

 私自身、今までの人事の方法では絶対に勝ち残れないという意識があるので、「人事も変わったことをやってくれ」と声をかけています。それから総務には、オフィススペースをどう使うか、もっとフリーアドレスを増やすとか、もっと在宅勤務を増やせとか、どうすればより生産性が上がるかを研究してもらわないといけないと思うんです。

 そういう意味で、間接部門も変革のときだと思います。どの形態だと一番生産性が高いのか。それを間接部門に考えてもらいたいですね。
「生産性の高い人材」になるには
どうすればよいのか

――日本人の個々人が自分の生産性を実際に上げていくためには、どう自己変革をしていくとよいのでしょうか。

城 (苦笑)それは難しいですよね。

石黒 実際、高度成長期にこの規則の中で過ごしてきた年代の方に、急に「変われ」とは言えないですよ。ただ、競争力をつけるために企業経営としては変わらなければいけないので、もう変革に対する引導を渡さなきゃいけないんですよね。

 個人に変革を任せるのではなく、社会全体で考えていく必要があります。自分の生産性を高くできるよう職を変えることもいいでしょう。アメリカには、学校に行くことでキャリアを変えることができる仕組みがあるんですよ。公認会計士の人が医学部に入学して医者になったりするんですよね。そんな大胆なチェンジは、日本にはないでしょ。ですから、学校や他の企業で学ぶことができるような、流動性を高めるインフラを整えることも一つの解決策かなと思います。

城 若い方はどんどん転職してみるべきだと思います。若い優秀な中国人留学生などが身近にいるはずですから、彼らを見て真似してみることも1つの方法ではないでしょうか。

 ある程度年齢を重ねたサラリーマンの方は、取りあえず、小さな事を変えてみるだけでいいんですよ。毎日同じ事をやっていたとしても、そのアプローチを変えて、違う方法を試みるなど。今の職場の範囲で結構ですから、そういう事をしてみてください。
次のページ>> 日本人が「虚構の終身雇用」から目覚める日は来るのか


石黒 私は若い人には、「仕事の中で大きな挑戦をしてほしい」とか、失敗体験は学ぶことが多く、とても重要なことなので、「成功体験なんていらない、失敗しなさい」と言っています。

 ただ、50代の方にはなかなか言いにくいんですよね。今失敗したらもう終わりじゃないか、みたいな(笑)。

城 (笑)なるほど。確かに言えないですよね。「会社を飛び出して、新たな挑戦をしろ」とは。ですから、先ほども言ったように、小さな変革をしてみていただければ、と思います。
日本人が「虚構の終身雇用」から
目覚める日は来るのか

――前回、日本人の多くが“虚構の終身雇用・年功序列”にまだ縛られて、まどろんでいる状況じゃないかとのお話がありました。この状況から目が覚める日は来るのでしょうか。

石黒 来ると思います。私が大学を卒業した当時は、「女性の求人がゼロ」という状況でした。あの頃、まさか今のような時代が来るなんて、本当にこれっぽっちも思っていませんでした。今はまだ夜明け前で、これから急激に変わるはずです。新たな波が来たときに、それに耐えられるように皆さんも変わる必要があるでしょう。

城 私はよく、今の終身雇用・年功序列は映画『マトリックス』の世界だと言っているんですよ。皆、仮想空間の中で甘い夢を見ているんだけど、実はその外の世界はすごく流動的で、競争が進んでいて…。でも、いつかそれに気がつく。その「いつか」はもうすぐそこまで来ています。目が覚めない人は仕方ありませんが、気づいた方や、この連載を読んでいただいている方だけは、その「いつか」のために、小さな事でかまいませんから自分を変え、その変化に対応して頂きたいと思います。

石黒 そのとおりですね。物理的にも閉ざされている日本は、他国の制度を知らなさすぎる。他国では全く違う制度があり、日本が異質であることに気づいていない。それがまさしく既成概念になっているが、その殻をやぶる努力を一人一人がすべきですね。

●「石黒不二代 今日のひとこと」〜城繁幸さんとの対談を終えて●
質問1 あなたの職場では、ホワイトカラーの生産性は高いですか?
描画中...
55.6%
とても低い
24.1%
やや低い
8.3%
普通
7.5%
わからない
3.3%
やや高い
1.2%
とても高い

 

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コメント
 
01. 2010年12月21日 03:16:42: nKWVhm2YOs
この石黒ってのも、たいした分析力がないね。工場と事務職の対比だけで全てが説明できると思ってんのか。

いいかい、日本の生産性運動は看板方式に見られるようかつてのソ連のスタハーノフ運動以上の厳しいものだ。最下層の派遣等の労働者は今も最低限の労働条件で酷使されている。一円、一秒を削るために血のにじむ労力を要求されているのだ。

しかし、かつてソ連の高生産運動が努力に反比例して落ちていったのも経済法則に反していたからだ。

日本の低生産性も同じ原因なんだよ。最下部の労働者に過酷な労働を押し付けるその構造が同時に経営・管理層の信じられない無能さ、無計画さ、反イノベーションともいえる進取性先進性の欠如と表意一体なんだ。

これは戦中の世界一敢闘する下士官兵を擁していたにもかかわらず、世界最低レベルの馬鹿参謀あほ司令官のために敗戦した旧軍と全く同じ構造なんだ。

日本の陸軍のエトスは戦後企業に移植されたと小室直樹が看破したが、まさに同じ轍を踏んでいるといわざるを得ない。

かんたんに言えば今の現場労働者にただで働かせて費用を削るってやり方が実は経済性から外れたかが続きしないシステムなんだ。今の日本の二十年不況も生産性の問題に全て帰納説明できるが、それだけ他国との生産管理、生産効率のありかたの違いの問題は根本的な日本の経済構造の問題を具現化してるんだ。

ー暴論太郎君ー


02. 2010年12月21日 09:38:07: uvpMSHVtJA
でもホワイトカラーと一口言っても千差万別だろう。
一括りにできないのではないか。
結局、昔でいう事務管理はほとんどがPCに置き換わり、人は激減している。
勤怠処理から、出張費の精算、会議室の予約まですべてはPCで本人がやっている。沢山いた事務員の女の子など殆どいなくなった。工場と同じようにルーチン
業務的なものは極限までそぎ落とされている。

工場も海外に出て、雇用を増やそうと思えば、創造性や付加価値を高める
ホワイト系の増員は寧ろ必要だろう。こうしたものが生産性などの指標では
判断できない。結局、そうした指標を当てはめる思想こそこうした創造性を
壊してしまう。いま日本での生産性の低さを指摘してるが、これはこうした
規格に当てはめた考え方そのものが障害となっているのではないだろうか。


勝手に改革を提言されても困るな。


03. 五月晴郎 2010年12月21日 17:57:01: ulZUCBWYQe7Lk : ZMbmXo037I
リーダーシップの欠如だと思う。言うは易しだけど。
あと、どうにも違和感があるんで敢えて言うが、要領だけを噛ます何時までも仕事の遂行能力がディペンデントなホワイトカラー予備軍。こういうのに限ってカツマー信奉者だったりしてインディペンデント!と騒ぐ。他のアジアの同じ層の子たちのほうが、インディペンデントな精神持ってるのが多いわ。もう知らん、と正直思ったりする。

=転載開始=

野田稔(著)『中堅崩壊』覚書

 野田稔(著)『中堅崩壊』(ダイヤモンド社)を読了しました。その覚書は以下の通りです。

 バブル崩壊以降、日本企業において、急速にOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング。就業を通じての訓練)の機会が奪われていった。「自分が直接的に成長するためのOJTの機会、さらに、人を育てる、人を教えることを通じて自分が学ぶという機会もなくなってしまった」(P38)。
 
 また、情報技術の発達に伴い、日本企業にも"組織階層のフラット化"の波が打ち寄せてきました。しかし、本書が指摘するように「フラット化の最大の弊害は、育成が滞ったことだ。横一線であるから、皆がプレイヤーであり、育成責任がなくなってしまったのだ」(P50)

 重ねて日本企業にとっては、「専門化」の定義と方法論を誤った。本来であれば、プロフェッショナルとしての専門家を育成するべきところを、単にひとつの部署に「塩漬け状態」にすることに終始してしまった。

 [引用開始]

 ヨーロッパにおいては、スペシャリストは褒め言葉ではない。(略)彼らにとってスペシャリストとは「一つのことしかできない人間」という印象だそうだ。まさに単能工を意味するといえよう。

 彼らが、人に言われて一番うれしい言葉が、プロフェッショナルだ。プロフェッショナルには「自立的、自己完結的に、価値を創造できる人」という意味がある。当然、多能工でなければならないし、その上にリーダーシップやマネジメントの才、企画力や人間力など、多数の能力が必要になる。(P55)

 [引用終了]

 ところが、日本では「OJTの弱体化」と言ってもピンとくる人は多くない。その理由は、多くの人がOJTを誤解しているからだと著者は主張します。

 [引用開始]

 仕事をこなすことで勝手に育つことが、OJTなのではない。[OJTとは]人を育てるために、その人にふさわしい仕事を与えることを指す。だから、そこには当然、リーダーの、あるいは組織の意図と覚悟がなければいけない。(P56)

 [引用終了]

 本書ではこのような現状認識のもと、どのようにミドルマネジメントを再生していくかについて、先進事例を紹介したり、提言を行ったりしている。

 詳細は本書を読んで頂きたいが、特に重要な点はやはり本来の意味での"OJTの復活"と"プロフェッショナルの育成"ではないかと思う。もっとも、そのためには"リーダーシップ"も欠かすことができない。

 付け加えて言えば、本書では"リーダーシップ"という言葉も誤解されることが多いだとされている。

 [引用開始]

 リーダーシップとは、部下に命令を与えて動かすことではない。リーダーシップの定義は、「他人に影響を及ぼして望ましい行動を起こさせること」だ。だとすれば、たとえ新人でも、同僚に影響を及ぼして正しい方向に導いたり、はたまた先輩に対して進言して正しい方向に導いたりすることは正当な行為である。(P251)

 [引用終了]

 OJTにせよ、プロフェッショナルにせよ、リーダーシップにせよ、言葉としてはありきたりである。その重要性を否定するビジネスパーソンもいないだろう。

 しかし、現状では正しく理解され、実行されているとは言い難い。著者が指摘する危機の本質は、実は「当たり前のことができていない」ということなのだ。

=転載終了=

転載元:「文筆劇場」ジョン・スミスへの手紙 サイバー・ラボ・ノート (2792)  野田稔(著)『中堅崩壊』覚書
http://hiroya.web.infoseek.co.jp/


04. 健奘 2010年12月22日 00:54:37: xbDm84QDmOFmc : rYd4I1Qido

高度成長期のときも、いわゆる生産性という観点からは、日本は低かったです。しかし、失業率は低かったのです。

結局は、人々が、どちらを選択するかです。生産性を高くして失業を増やすか、あるいは、生産性は低くても失業率を低くするか、です。

お隣の韓国は、生産性をあげて失業は高いです。したがって、多くの若者が、日本に職を求めてきます。私の周りにも多く来ます。日本も悪いのですが、韓国はもっと悪いですね。


さて、面白い例をあげましょう。
根尾川上流では、さざれ石がとれます。この石、5万円だと売れないのです。むしろ、30万円とか50万円だと売れます。
大理石も似たようなものです。

5時間かけて石を探し、5万円で売るときの生産性と、30万円で売るときの生産性はどうです?

生産性とは、人の心理の問題であることがよくわかる例ですね。

これからの時代、面白く、楽しく、感性に訴えるのがより大切なのでしょう。


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