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(回答先: NHKスペシャル 灼熱アジア「タイ“脱日入亜”日本企業の試練」覚書(文筆劇場) 投稿者 五月晴郎 日時 2010 年 12 月 20 日 06:57:20)
http://hiroya.web.infoseek.co.jp/「文筆劇場 ジョン・スミスへの手紙 サイバー・ラボ・ノート」(2679)及び(2760)から下記を転載投稿します。
=転載開始=
NHKスペシャル「中東 砂漠の富の争奪戦」覚書
NHKスペシャルで放送されている"灼熱アジア"シリーズの「中東 砂漠の富の争奪戦」(2010年8月29日放送)を視聴しました。少なくとも私にとっては、"既存の中東観"を覆す内容となっていたので、内容を紹介致します。
中東のオイルマネーは200兆円規模だと言われています。率直に言えば、「産油国であることの上に胡坐をかいている」と思ってきました。
しかし、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーンなどは、いまや「石油依存からの脱却」を志向しています。そして、急速に市場を広げつつあるクリーン・エネルギー分野(3年後には50兆円市場になると予測されている)に肩入れしつつあります。
このような取り組みの中心人物のひとりがマスダールCEOのスルタン・ジャベル氏(36歳)です。若手のエリートでアメリカでMBAを取得したとのことです。
この番組の柱のひとつは、このジャベル氏の活動への密着取材です。
スルタン・ジャベルは、UAE(アブダビ)の砂漠の真中に、環境未来都市である"マスダール・シティ"を建設中です。総事業費は2兆円にのぼります。
さて、砂漠は太陽光発電に最適な環境です。サウジアラビアからサハラ砂漠にかけてのサンベルト地帯に降り注ぐ太陽光6時間分で、世界中の電力消費量の1年分を賄えるという試算もあるようです。
"砂漠の富"とは、「地下資源」ではなく、「太陽光」なのです。中東がこのことに自覚的になったことの意味は大きい。
カタール経済も、LNG(液化天然ガス)によって躍進が続いています。いまや、カタールの国民ひとりあたりのGDPは世界3位にのぼります。
カタールでは現在、世界最大規模のLNGプラント建設が行われています。世界80ヶ国からやって来た約7万5,000人が働いているようです。
このプラントの設計等を担当しているのが、日本の千代田化工建設です。千代田化工建設への密着取材が、この番組のもうひとつの大きな柱となっています。
背景を説明すると、カタールは豊富なLNGを埋蔵しながら、政府が自力で採掘するのは困難でした。そのため千代田化工建設と共存共栄の関係にありました。
しかし、ここに来て両者の力関係に変化があり、カタール側が優位になりつつあるとのことでした。
番組では、千代田化工の社長が月に1度のカタール詣を欠かなかったり、新人がカタールで外国人に混じっての3ヶ月の現地研修に参加する場面が紹介されていました。
そして、仮に今回の企画と取材の意図が「"新しい中東像"を提示する」ことにあるとすれば、その試みは成功したと思います。
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NHKスペシャル「インドネシア 巨大イスラム市場をねらえ」覚書
NHKスペシャル 灼熱アジア「インドネシア 巨大イスラム市場をねらえ」(11/13放送)を視聴しました。以下、その覚書です。
インドネシアの人口は約2億3000万人で世界4位。自動車は豊かさの象徴であるが、年収が40万円を超える中間層が購入するようになっている。
豊かさの成長である自動車を購入しているのは、年収が40万円を超える中間層。続々と貧困層から抜け出している。金融が未発達だったため、リーマンショックの影響を最小限に抑えることができた。
イスラム教では金利を禁止している。さすがに現在では金利を取る金融機関が主流だが、一般の人の大半は、まだ銀行口座も持っていない。
だからこそ、インドネシア人2億人の意識を変えれば、巨大な市場になる。
1989年に進出したみずほコーポレート銀行。日系企業の後を追って来たが、現地企業への融資が急増し、日系企業との割合が逆転しようとしている。
インドネシア人として初めて課長になったダスワル・アルパウンさん。ヘッドハントでみずほに来た。人脈に強く、曰く「インドネシアの顧客に対して上手く立ち回ろうとしてはいけません。彼らに『ずるいやつだ』と思われたら関係が終わります。」
みずほには、インドネシア進出を検討する日本企業からの問い合わせが殺到している。例えば、住友建機はみずほの後押しでインドネシア進出。リスクを可視化する上で、銀行の情報が有効と考えている。
スタンダード・チャタード銀行CEOのトム・アーカー氏曰く「インドネシア経済は極めてエキサイティングな状況です。生活水準が上がれば消費が増え、クレジット・カードや個人向けローンを欲しがるようになります。銀行口座も必要になりますし、いずれはネットバンキングも広がるでしょう」
インドネシア最大の地場銀行であるBRI(インドネシア庶民銀行)も検討している。小口融資の拡大に力を入れ、インドネシア全土で3,000万人の顧客がいる。「借金こそ豊かさへの近道」という"意識改革"が実現しようとしている。
BRI副社長ウィンディアルトノ氏曰く「これまで大企業重視だった外資銀行も小規模・小口融資を始めました。ライバルの登場は望むところ、我々はその上をいきます。我々は小さな田舎町にも支店を持っています。それどころか山間部にまで進出しています」
日系金融機関のBAF(ブッサンオートファイナンス)。三井物産が株主。オートバイ専門のファイナンスを行っている。インドネシアでは、豊かさを勝ち取った人が真っ先に手に入れるのがオートバイ。去年の販売は580万台。日本の15倍の売上になる。
BAFでは、徹底した現地化と日本流のきめ細かさの導入が奏功。11,000人の社員のうち、日本人はわずかに3人に過ぎない。
インドネシアには、未だ金利の何たるを理解していない人が多い。だから、手元にお金がなくても、モノが買えることを教えることから始める。
2億人のイスラム教徒と10年で3倍の経済成長。このインドネシア市場を巡って、世界的な競争が既に始まっている。
=転載終了=
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