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中国の混乱に世界、特に日本が振り回されている
既得権益を守るために、金利引き上げや為替アップを渋る中国は、かっての日本とも重なるが
ODA強化などという中国と商事会社が喜びそうな提案をする日本の大使も異常だ。
経済的な最適と、再分配による福祉を達成することは、どこの国家にとっても難しいことが明らかになっている
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丹羽大使が対中ODAを要請
2010/12/19 (日) 11:11
ネットサーフィンをしていたら、驚くべきニュースを発見しました。
その前に‥ 内閣府が外交に関する世論調査の結果を発表したとあります。で、日中関係について聞いたところ、「良好だと思わない」との回答が昨年の前回調査よりも33.4%ポイントも上がり88.6%になったのだとか。つまり、10人に9人が日中関係が良好ではないと思っている訳です。さらに、中国に親しみを感じるかという問いに対しては、77.8%が「親しみを感じない」と。
まあ、当然でしょう。その理由は、私が一々説明する必要もありません。
ただ、その一方で、中国の経済がどんどん成長していることについては日本の国民もよく承知している訳です。2ケタ前後の経済成長を続け、今では中国の旅行者は日本にとってのお得意さんであるわけです。
今年の中国の自動車の生産台数は1800万台に及ぶ見込みで、世界で生産された車の4台に1台が中国で作られたことになるわけです。
まあ、そんなに高度成長を続けている中国であるのに‥、そして、今やアフリカ諸国にお金をばら撒いている国であるのに‥、それだけでなく南欧の財政危機に陥っている国の国債を引き受けてもいいと言っている国であるのに‥
あの伊藤忠出身の丹羽大使は、今月上旬、中国へのODA強化を意見具申したのだとか。
「中国への円借款は止めたのでは?」
中国への円借款は、確か北京オリンピック開催までで打ち切られたのではないか、と多くの人が思う訳ですが、ただ、人道的支援などの無償資金協力は継続しているのだとか。
でも、丹羽大使は、何故そんなことを外務省本省に意見具申したのでしょうか?
中国と言えば、今は米国債を世界一保有している国でもある訳です。そんな国に何故、ODAを供与せよというのか?
丹羽大使によれば、日中間の経済、交流関係を強化する外交手段として有効なのだとか。また、環境技術協力や中国国内の法整備、労使紛争解決のメカニズム構築などにODA予算を重点配分することを主張した、とも。
ということで、話の内容をチェックすると、今さら円借款を再開すべしと言っているようには思えないのですが‥環境技術協力とか言っていることからすれば、今でも行っている無償資金協力や技術協力を強化せよとの意見のようです。
ただ、無償資金協力と言えば、無償の、つまり返済する必要がないということですから‥、考えようによっては円借款以上に援助の色彩が濃い、と。
はっきり言って、何を考えているのか、と言いたくなってしまいます。
今でも尖閣は中国のものだと主張し、そして、ノーベル平和賞の授賞式には他国に対しても出席してくれるな、と言い‥、そして、冒頭の世論調査のように国民の88%が日中関係が良好ではないと感じているのに‥
結局、商売優先ということなのでしょうか?
或いは、深夜に何度も中国当局から呼び出しを受けたのが利いているのでしょうか?
それにしても、中国自身が、今さら日本からの無償資金協力を受けることに戸惑いを感じることがないのか、と思ってしまいます。
表現の自由も認められない中国に対し日本がODAを供与するということは、そうした中国の政策を日本が認めていると海外から受け止められる恐れもある訳です。
以上
中国の精神的混乱(クルーグマンの説)
2010/12/18 (土) 12:23
皆さん、クルーグマン教授をどう思いますか?
そう、今連銀がやっているような量的緩和など生温いと言っている、ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン氏です。
もっともっと目標とすべきインフレ率を引き上げ、そして、インフレになってもすぐに金融を引き締めるようなことをしないとはっきり言え、と言っている人です。
そのクルーグマン教授が、今、中国は精神的混乱を来たしているのではないか、と言っています。
何故?
というのも、人民元の切り上げを行うことなくして、中国は、物価の高騰を抑え込むことはできないからだ、と言うのです。
These days, China seems to play the same role in much of our discourse that Japan did two decades ago. We look at our own follies -- which are immense -- and then look at the Chinese, and ascribe to them all the virtues of foresight and determination we lack.
「日本が20年ほど前に演じた役割を、最近中国が演じているように見える。我々は、我々自身の途方もない愚行を目の当たりにし、それから中国人を見る。そして我々は、我々には欠けている先見性や決断力という美徳は、中国人が発明したものだと考える」
But just like the Japanese, the Chinese are human, and their policy makers are subject to the same kinds of confusion and inability to make hard choices that are part of the human condition. And Chinese macroeconomic policy is in the process of becoming a cautionary tale.
「しかし、日本人と同じように中国人も人間であり、中国の政治家は同じような混乱や能力のなさから逃れることはできない。つまり、困難な選択を行えないということであり、まただからこそ人間と言えるわけだ。中国のマクロ政策は、今教訓になろうとしている」
Basic economics says that by deciding to keep the renminbi undervalued, the Chinese put themselves under inflationary pressure; and sure enough, inflation is rapidly becoming a serious problem.
「経済学の基礎理論によれば、人民元のレートを安くしようとすれば、中国はインフレ圧力に晒されることになる。なるほど、インフレが深刻な問題になりつつあるのだ」
But political considerations seem to be ruling out all the reasonable responses. They won't revalue, because that would hurt politically influential exporters. They're reluctant to raise interest rates, because that would hurt politically influential real estate developers. They're trying to impose quantitative limits on credit, but are finding that borrowers have enough influence to circumvent the limits. And now they're trying price controls -- which will inevitably come apart at the seams unless they do something about the underlying pressures.
「しかし、政治的な配慮によって合理的な選択肢が排除されているように見える。人民元の切り上げは行わないのだ。人民元の切り上げは政治的発言権を有する輸出業者を傷つけてりまうからだ。金利の引き上げにも消極的だ。金利の引き上げは、政治的発言権を有する不動産開発業者を傷つけてしまうからだ。彼らは、融資の量的規制をしようとしている。しかし、お金の借り手は、そうした規制の網をくぐりぬける力があることが分かりつつある。彼らは、今度は物価のコントロールをしようとしている。しかし、その根底にあるインフレ圧力に対して何かの措置を施さなければ、それも破綻を来たしてしまうであろう」
It's an edifying spectacle.
「いろいろなことを教えてくれる見世物なのだ」
Now, schadenfreude should not lead to any complaceny on our part; China may be corrupt and unable to make sensible short-run choices, but in terms of fundamental inability to deal with long-term problems, we still have them beat hands down. Still, it's worth remembering that all giants have feet of clay.
「他人の不幸は蜜の味ということで、我々は自惚れてはいけない。中国は汚職が横行し、合理的な短期的選択をすることができないかもしれない。しかし、長期的な問題に対処できないという根本的な無能力さに関しては、我々の方が勝っているのだ。ただ、それでもなお、全ての巨人は意外な弱点があるということを忘れないことも重要だ」
ところで、最近の人民元相場を見ると‥、最近また人民元の切り上げがとまったような状況になっています。
中国は、もっともっと酷いインフレにならないと、人民元の切り上げを認めない方針なのでしょうか?
いずれにしても、年を明けると国家主席とオバマ大統領の首脳会談が予定されているので、その時に何らかの動きが出るかもしれません。或いは、 12月に中国が大量の輸入を行い、そして貿易黒字を小さく見せることによって「ほら、人民元レートと貿易収支は関係がないことが証明された」と言うのつもりなのでしょうか。
以上
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