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法人税:5%引き下げ 菅首相指示
政府は13日、11年度税制改正の焦点となっていた法人税率の引き下げについて、国と地方を合わせた実効税率を現在の40.69%から5%引き下げる方針を決めた。菅直人首相がデフレ脱却や雇用拡大のためには引き下げが不可欠と判断し、野田佳彦財務相と玄葉光一郎国家戦略担当相に指示。国税での引き下げは99年の4.5%以来で、16日に閣議決定する11年度税制改正大綱に盛り込む。
野田、玄葉両氏が13日夜、首相公邸を訪れ、引き下げ幅が5%と3%の2案を提示。菅首相は5%案を採用した。会談終了後、首相は記者団に対し、「思い切って法人税を5%下げ、経済界がそのお金を国内投資や雇用拡大に使う。国内の景気を引き上げ、デフレ脱却をしていきたい」と述べ、引き下げの意義を強調した。
5%の内訳では、国税の法人税を4.5%程度、地方税の法人住民税を0.5%程度にする見通し。引き下げに伴う減収額は国税分だけで1.5兆円規模なのに対し、財源のめどがついたのは企業関連の税制優遇措置の見直しなどで6500億円程度。個人向け増税分などを加えても、5000億円規模の財源不足となる。減収分を補うには他の歳出を削減したり、増収措置をとる必要があり、11年度予算編成に影響を及ぼすのは必至だ。
法人実効税率は、欧州では30%前後、アジアは20%台が主流で、経済界は税率の高さが国内企業の競争力を阻害しているとして「早期に30%まで引き下げ、さらにアジア諸国と均衡する水準まで引き下げるべきだ」(日本経団連)と要請していた。
このため、政府は6月に閣議決定した新成長戦略に、企業の競争力強化と外資系企業の誘致のために、税率を主要国並みに引き下げる方針を明記。菅首相は9月、税率引き下げを検討して年内に結論を出すように関係閣僚に指示していた。【久田宏】
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