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http://hiroya.web.infoseek.co.jp/「文筆劇場 ジョン・スミスへの手紙 サイバー・ラボ・ノート」から下記を転載投稿します。
=転載開始=
ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (2800)
NHKスペシャル「ランドラッシュ 世界農地争奪戦」覚書
NHKスペシャル「ランドラッシュ 世界農地争奪戦」(2010年2月11日放送)を視聴しました。その覚書は以下の通りです。
将来予想される食糧不足を見越し、限りある農地を巡る争いが激化している。国外に農地を囲い込む争奪戦は、かつての「ゴールドラッシュ」にちなんで「ランドラッシュ」と呼ばれている。
国連の試算では、2050年に世界人口は90億人になる。それに伴い必要となる食糧生産量は現在の年間の21億トンから30億トンになる。穀物が25%不足すると言われている。
2007年から2008年にかけて、穀物の価格が暴騰し、世界を食糧危機が襲った。穀物メジャーの流れがマヒした。これをキッカケに各国の政府・企業は、直接、海外で農地を獲得しようとしている。
小麦やトウモロコシの畑が広げるウクライナ。その農地は各国企業の競争の的となっている。具体的にはアルプコットアグロ社(スウェーデン)、アグロインベスト・ウクライン社(セルビア)、キシチェンツィ社(オランダ企業)など。
ウクライナにはインドの実業家たちも来ていた。インドでは、急激な人口増加にもかかわらず、農地が減って大変なことになっている。今は食糧を自給しているが、近い将来、食糧が不足する恐れがある。
ウクライナとならんで注目されているのがロシア沿海地方である。ここは韓国が官民一体となって積極的に進出している。韓国では「2030年までに穀物の1/4を海外農場で確保」という目標を掲げている。
韓国農林水産食品部課長ホン・ソンジュ氏曰く「韓国は穀物を国際市場からの輸入に全面的に頼ってきました。しかし、2年前のような食糧危機が再び起きた時、市場を動かす穀物メジャーは、当てになるのでしょうか。とてもそうは思えません。だから、我々が直接、海外の農地で生産したいのです。」
さらに、アフリカでの農地獲得競争は、新たなる"植民地戦争"の様相をも呈している。
世界で最も貧しい国のひとつタンザニア。ランドラッシュにより、1万人が住みなれた土地から強制退去させられることになった。すべての土地が国有地であるため、進出企業は政府の許可さえあれば、農地を獲得できる。追い出された住民たちに行く宛てはない。
マダガスカルでも、ランドラッシュがのどかな島国を一変させた。韓国企業が国の農地の半分を99年間借りるという計画が持ち上がり、地元住民たちが暴動を起こした。計画は頓挫したが、今度はその農地をインドが狙っている。
毎度のことながら、動きが鈍いのが日本だった。農林水産省には、"関係者"から海外での農地獲得に反対する意見が寄せられていた。曰く「自国の自給率を上げるのが先」だと。
木村慎一さん。世界規模の農業に挑戦するため、3年前にウクライナにやってきた。50ヘクタールの農地を借り大豆の生産を行っている。大手商社と連携しながら、農業地を広げようとしている。
その木村さんに農地拡大のビジネスチャンスが持ちかけられた。その資金を調達するため、日本に一時帰国した。
しかし、木村さんは、商社や政府の支援を得られなかった。木村さんが狙っていた土地は、セルビア企業の手に渡っていった。
木村慎一さん曰く「ついこの間まで食糧危機だと騒がれていたのに、今また余り気味だと。そうすると日本の悪い癖で、"のど元過ぎれば熱さ忘れる"。将来に向けての投資ができない。」
予見される"食糧危機の時代"に向けて、日本の食糧戦略は定まらないままだ。
=転載終了=
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