01. 2010年12月12日 13:58:14: mHY843J0vA
>▽輸出超過国は「輸出競争力」に比して人件費が低い ▽輸入超過国は「輸出競争力」に比して人件費が高い競争力はいろいろな要素からなり、そう単純でもないでしょう また重要なのは、様々な指標(技術、資本、人材供給、人口構成、税制、・・)等で見て日本の競争力が相対的に低下し続けていることであり、 それらが、これまでの日本の雇用や賃金、物価らに対して下押し圧力が継続している主因でしょう。 >法人税のみでなく人件費を含めた負担割合で判断 そのような短期的なコスト(税・人件費等負担)に加えて、長期的な市場縮小や高齢化負担の上昇などを、グローバル企業は、総合的に判断して投資と雇用を海外に移しているんでしょう http://www.iti.or.jp/kiho42/42narita.pdf 国際収支に見るサービス貿易競争力の国際比較
経済構造におけるサービス産業の拡大や企業活動の グローバル化は、国境を超えたサービスの取引(サー ビス貿易)の増大をもたらしている。WTOによれば、 世界のサービス貿易額(輸出ベース)は1999 年には1 兆3,390 憶ドルを記録し、その規模は財貿易額5 兆 6,110 憶ドル(同)の約4 分の1 に達している。また、 80 年から99 年にかけての年平均増加率を見ても、サ ービス貿易は7.1%と財貿易の5.5%を上回るペースで 拡大を続けている。 サービス貿易の大部分は輸出入とも先進諸国による 取引であり、財貿易では途上国が輸入や一次産品等の 輸出で大きな役割を担っているのと対照的である。サ ービス貿易額に占める先進国の比率は輸出で72.6%、 輸入で70.3%といずれも7 割を超えており、財におけ る輸出の同比率59.6%、輸入の同比率66.6%よりも高 くなっている。なかでもG7各国は輸出入両面におい てサービス貿易の主要な担い手となっており、サービ ス貿易額のうちG7による取引は輸出で49.7%、輸入 で49.8%を占めている(いずれも99 年)。 G7各国のサービス貿易における国際競争力の特徴 を見るために、部門別データが入手可能である98 年の 国際収支統計を用いて貿易特化指数を部門ごとに計測 したものが右図である(貿易特化指数=(輸出−輸 入)/(輸出+輸入) × 100)。ここで、貿易特化指数は その国の当該部門の貿易規模(輸出入計)に対し出超 幅が大きければ100、入超幅が大きければマイナス100 に近づく。 なお、サービス取引においては、サービスの提供者 自身または消費者自身が国境を超える場合があるにも かかわらず、それを定量的にとらえる代表的な統計で ある国際収支の上では、基本的に取引主体としての人 や企業の国籍によって輸出入が判別されることに留意 する必要がある。また、例えば、風光明媚な国は旅行 サービスの輸出に特化していると推量されるように、 労働や資本といった財貿易と同様の生産要素の投入量 のみがサービス生産の国際的な比較優位としての競争 力を決定しているとは限らない。このため、ここで示 す特化指数の特徴はあくまで国際間サービス取引と しての輸出入の結果が国際収支尻に表れた結果であ り、競争力という概念と結び付けて考察する場合に は、こうした前提をふまえた上で注意深く観察する必 要がある。 計測結果を見ると、G7全体としてはサービス貿易 全体で輸出入がほぼ均衡しているため特化指数は0 に 近い。金融や特許使用料、建設が輸出に特化しており、 反面で、通信、輸送、保険といった部門は輸入特化と なっている。なお、G7全体の輸出入のうちG7域内 取引が輸出ベースで47.1%(98 年)を占めるため、単 純にG7全体で輸出特化の部門が途上国に対する黒字 (逆に輸入特化部門が途上国に対する赤字)を計上し ているとは言えない(統計の制約上、現状では部門別 かつ地域別のクロス分析には限界がある)。 各国別には、米国、フランスおよび英国がサービス 貿易全体で輸出特化(特化指数プラス10 以上)、日本 とドイツが輸入特化(特化指数マイナス10 以上)、カ ナダとイタリアはほぼ輸出入が均衡(特化指数プラ ス・マイナス10 未満)していると見ることができよう。 各国の指数を部門別に見ると、輸出入の特化が著しい 国については、米国の通信と保険、ドイツの金融と公 的その他サービスなどを除いて、ほぼ全ての部門に、 その国のサービス輸出またはサービス輸入の特化と同 様の傾向が見られる。 国際収支に見るサービス貿易競争力の国際比較 成田 裕介Yusuke Narita (財)国際貿易投資研究所研究員 データ 検証 http://glovoicesjp.com/economy/日本・中国の技術進歩のメカニズムの比較―中国.html 日本は、世界二次大戦後、先進諸国のハード技術を導入し、それを分解して、その中の技術を消化・吸収してから再革新をはかり、自己技術力を形成してきた。 20世紀50〜70年代にかけて、日本の技術導入費用は14倍も増えている中で、消化・吸収、再革新に対する研究費用が73倍にも上っている。その後、日本は自主革新を推進して、数多の世界トップクラスの先端核心技術を活かし、自主ブランド、高品質かつ高付加価値製品を創り出し、世界第2位の輸出強国と第 2位の経済強国となったわけである。 一方、改革開放後、中国は先進諸国から複合設備、生產ライン等のハード技術を導入し、生産能力の重視という出発点から量的輸出をはかっていた。2001年 WTO加盟後でも、さらに量的輸出が拡大され、現在世界第3位の貿易大国となり、貿易黒字も急速に伸びてきており、2008年の中国貿易黒字総額は 2,981.3億ドルであった。しかし、導入技術を消化・吸収せず、労働集約型かつ低付加価値の製品輸出は、依然として国有企業を中心とした加工貿易とりわけOEM生産を通じて展開しており、国有企業は貿易利益がほとんどなく、近年では赤字が膨らみ、2008年には962.9億ドルまで拡大してきた。 2003〜07 年、国有企業の技術導入契約額と技術費は、増加趨勢にあるが、技術の高度を示す技術費が鈍化傾向にある。これは、国有企業のハード技術重視、ソフト技術軽視という1990年代からの「持病」が依然として変わっていないことは、国有企業が低水準技術生産を続けるしかないというわけである。導入技術は消化・吸収されて、はじめて自分の技術力が形成される。しかし、国有企業は、外国の先進技術設備を導入し、すでに導入─遅れ─再導入という悪循環に陥っている。このことは、技術の消化・吸収または再革新に悪影響を与え、さらに自主革新の意欲欠如につながってしまう。したがって、先進技術の消化・吸収は技術導入のキーポイントになる。 これに対し、WTO加盟後では、外資系企業は中国の技術導入中心軸となった。技術導入契約額と技術費は年々拡大趨勢にある。特に技術費の拡大と国有企業の技術費の低水準推移と明暗が分かれている。外資系企業は、ソフト技術を中心に導入し、自己支配企業內しか先端な技術移転を行わない。先端技術の独占優位をもって、比較的高付加価値製品の輸出を伸ばし、利潤の大半を占め、貿易黒字の主要の一角を占め、外資系企業の中国貿易総額に占める地位はますます上昇し、 2008年輸出と輸入の割合はそれぞれ55.25%、54.69%に上っており、2008年外資系企業の黒字は1,710.7億ドルに増えている。 また、中国のR&D投入額は日本に較べ少なく、技術の消化・吸収または再革新に対する意欲も乏しい。R&D投入額のGDPに占める割合を比較してみれば、中国は2007年1.44%にすぎず、日本は同年3.44%にも上っている。2001年、国有企業の消化・吸収または再革新に対する投入額は技術導入額のわずか10分の1にしかすぎなく、2008年国有企業の消化・吸収費用は技術導入額の17.01%にすぎない。 これをうけて、中国政府は、2006年に『国家中長期科学と技術発展規画綱要(2006〜2020)』を公表し、これに沿って、技術革新型国家を掲げ、これまでない国家科学技術振興の一連関連政策を打ち出し、自主革新や技術の消化・吸収または再革新に本腰を入れる姿勢を鮮明にしている。上述の「持病」を治し、技術進歩による輸出競争力の向上をはかる上で、比較的高付加価値製品の輸出を促進し、国際分業の末端から徐々に尖端にもっていくよう、という中国の戦略指向が窺えよう。2009年では、中国は世界最大の輸出国となり、2010年にはGDPも日本を超える見通しになるものの、日本のような輸出強国と肩並ぶには、国有企業の産業構造の質的向上をはかり、技術集約型かつより高い付加価値の製品輸出による成長にかなり力を注がなければならない。 https://www.dokkyo.ac.jp/joho/pdf/22/07.pdf 金融危機以降、ウォンの下落が海外市場での韓国製品の価格競争力を強めることが期待された。しかし、 韓国の対日本、対米国輸出は中国のそれほど伸びず、日本、米国の輸入市場における占有率のパフォーマン スも中国とは大きな違いがみられた。また、日本市場におけるMCA分析では韓国のその指数が下落したのに 対して、中国のそれは上昇している。米国市場では両国のMCA指数が上昇したが、中国の場合、その指数が 日本市場ほど上昇していないことが明らかになっている。したがって韓国の場合、金融危機以前に比べて価 格競争力の上昇効果が発揮できたとは言えない。日本市場でのESI分析では、アジア金融危機以前と比較し てみると、ESIの平均指数が減少している。米国市場では、殆どの製品において両国間の競合が深化してい ることが明らかである。日本市場と米国市場において韓国は一部の資本集約的製品と労働集約的製品が比較 優位を持っている。中国は大部分の労働集約的製品が比較優位を持ち、一部の資本集約的製品の価格優位も 改善されている。したがって両国間の競合関係はこれからさらに広範囲にわたり、その競争が激化していく ことが予想される。
|