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日本の経済成長、上方修正(BBC)
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/361.html
投稿者 無段活用 日時 2010 年 12 月 11 日 22:02:47: 2iUYbJALJ4TtU
 

http://www.bbc.co.uk/news/business-11955927

2010年12月9日最終更新11:55GMT

日本の経済成長、上方修正

日本の7〜9月期の経済は、企業の支出が増大したおかげで、当初の予測より拡大していると、公的な統計は示している。

経済成長率は年率換算で4.5%となっており、先月発表された3.9%という当初の予測を上回った。

この上方修正にもかかわらず、エコノミストたちは、円高と物価の下落に苦しむ、日本経済の前途を注意深く見守っている。

先月、政府は610億ドル(390億ポンド)の景気刺激策を国会で通過させた。

これは、一連の景気刺激措置のうちで最新のものであり、雇用の創出によって日本の虚弱な経済を押し上げる目的で立案されている。


自動車の不振

エコノミストたちは、第3四半期の相対的に強い成長は、政府のエコカー補助金終了前の売上や、喫煙者による増税前のたばこ購入などの、一過性の要因によるものだと考えている。

彼らの大部分は、輸出が過去8カ月減少を続けていることなどから、第4四半期の成長は弱くなるだろうと予測している。

「日本の自動車生産台数の不振や、先進国や中国経済の減速から考えると、来年前半までは厳しい経済状況が続くだろう」と、農林中金総合研究所の南武志氏は語った。

日本経済研究所の松村秀樹氏も、これと同様の考えだ。「この弱い傾向は続くだろう。来年度の後半まで、回復は遅れそうだ。」

米国・欧州・中国での需要の落ち込みが輸出に打撃を与えている。円高のために、海外の消費者にとって輸出品はより割高となっており、これが輸出を押し下げる要因としてすでに働いている。

日本はまた、20カ月連続で物価が下落していることにも苦しんでいる。デフレとして知られる現象だが、これが消費者の需要を弱め、経済成長の重しとなっている。

---------------------------------------

(投稿者より)

7〜9月期の日本の経済成長率が上方修正されたことを伝える、イギリスBBCの記事です。発言部分は原文をそのまま日本語に直しています。誤訳があるかも知れません。ご容赦ください。

「景気刺激策」、つまりは、補正予算ですが、「経済対策の規模は、『1.円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策』48,513億円のほか、公共事業の契約の前倒し(ゼロ国庫債務負担行為)2,388億円(限度額ベース)を加えれば、5.1兆円程度。」と、財務省のサイトにありました。ただ、これの経済効果には疑わしいものがあると思います。

(平成22年度補正予算フレーム:財務省)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h22/sy221026/hosei221026a.pdf

(日本政府、新たな追加予算を承認する(RFI):阿修羅♪)
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/802.html

下記は、同じ内容を伝えた、共同通信配信の記事です。

-------------------------------------------------
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120901000167.html

GDP年率4.5%増に上方修正 7〜9月期改定値

内閣府が9日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)改定値は、物価変動を除いた実質で前期(4〜6月期)比1.1%増、年率換算で4.5%増となり、年率3.9%増だった速報値から0.6ポイント上方修正された。法人企業統計の結果を受け、設備投資を上方修正したことなどが寄与した。

エコカー補助金終了前の駆け込み需要やたばこ特需で、個人消費が実力以上にかさ上げされた構図は変わっていない。個人消費は1.2%増と、速報値から0.1ポイントの上方修正。設備投資は0.5ポイント高い1.3%増に引き上げられた。

内閣府の和田隆志政務官はエコカー補助金終了などで足元の個人消費は減速しているため、今後の動向を注視する考えを示した。

2010/12/09 11:37 【共同通信】  

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コメント
 
01. 無段活用 2010年12月11日 22:14:43: 2iUYbJALJ4TtU : PG1nqWSNAg
投稿者より訂正です。申し訳ありません。

(誤)日本経済研究所の松村秀樹氏
      ↓
(正)日本総合研究所の松村秀樹氏


02. 2010年12月11日 22:26:38: Pj82T22SRI
>松村秀樹

 日本総研 調査部 主任研究員 枩村秀樹 だ

(report@jri.co.jp、03-3288-4524)
No.2010-054
2010年12月9日
2010〜2011年度改訂見通し
〜 個人消費の反動減で2011年度は失速 〜
http://www.jri.co.jp
(1)2010年7〜9月期の二次QEを織り込んで、見通しをアップデート。先行きの見方に大きな変
  更はないものの、足元のGDP水準が上振れたため、2010年度の実質GDP成長率は+2.6%か
  ら+3.3%へ、2011年度は+0.2%から+0.3%へ、それぞれ上方修正。
(2)今後のわが国景気は、@輸出の回復が遅れること、A景気刺激策の反動減が現れること、B内
  需の回復力が脆弱にとどまること、の3点を背景に、「足踏み」状態が続く見通し。
   輸出は、欧米諸国での景気刺激策の効果一巡、アジア諸国での生産調整の動き、円高による輸
  出競争力の低下などから、当面は一進一退の動きに。これまで景気を下支えしてきた耐久財購入
  刺激策の効果もピークアウト。
   一方、国内民需も、大幅なGDPギャップが残るなか、回復感に乏しい状態が持続。とりわ
  け、企業部門の厳しさが長引く見通し。設備過剰感がなかなか解消されないため、設備投資の回
  復ペースは緩慢。所得環境の回復も遅れるため、個人消費や住宅投資の本格回復も期待薄。
(3)さらに、2011年入り後は、耐久財購入刺激策の効果剥落によるマイナス影響が実質GDPを大
  きく下押し。家電エコポイントの制度変更、地デジ切り替え前の駆け込み需要の反動減が現れる
  1〜3月期、7〜9月期には、個人消費の減少を主因に、大きめのマイナス成長となると予想。
(4)結局、これまでの景気回復は、内外の政策効果に依存していたところが大部分。2011年度は、
  耐久財購入刺激策などのプラス効果が剥落し、日本経済の脆弱さが浮き彫りになる局面。
(資料)日本総合研究所作成
わが国の成長率・物価見通し
(前期比年率、%)
2010年2011年2012年
1〜3 4〜6 7〜9 10〜12 1〜3 4〜6 7〜9 10〜12 1〜3
(実績) (予測) (実績) (予測)
実質GDP 6.8 3.0 4.5 0.8 ▲ 1.2 0.8 ▲ 0.7 ▲ 0.2 1.0 ▲ 2.4 3.3 0.3
個人消費2.4 1.2 4.8 2.4 ▲ 4.2 1.2 ▲ 5.6 ▲ 1.5 1.0 0.0 2.0 ▲ 1.1
住宅投資7.5 ▲ 3.1 5.0 3.8 8.2 3.9 2.6 2.7 1.5 ▲ 18.2 ▲ 1.4 4.2
設備投資3.5 11.1 5.3 3.1 2.4 2.9 3.9 4.2 4.3 ▲ 13.6 5.2 3.4
在庫投資(寄与度) (  2.5) (▲ 0.4) (  0.9) (▲ 0.8) (  0.5) (▲ 0.8) (  1.5) (▲ 0.2) (▲ 0.3) (▲ 1.1) (  0.4) (  0.1)
政府消費▲ 1.3 4.1 0.9 1.8 0.9 0.7 1.2 1.1 0.9 3.4 2.0 1.0
公共投資▲ 4.7 ▲ 11.4 ▲ 4.0 ▲ 4.4 ▲ 1.7 3.5 1.8 ▲ 6.3 ▲ 10.5 14.2 ▲ 5.3 ▲ 1.4
公的在庫(寄与度) (  0.1) (▲ 0.0) (▲ 0.1) (▲ 0.0) (  0.1) (  0.0) (▲ 0.0) (  0.0) (  0.0) (▲ 0.0) (▲ 0.0) (  0.0)
輸出32.0 24.6 10.2 ▲ 4.2 1.7 2.8 3.9 4.5 4.9 ▲ 9.6 17.8 2.7
輸入13.5 18.0 12.5 ▲ 1.8 2.1 3.0 4.5 4.6 4.4 ▲ 10.9 10.9 3.4
国内民需(寄与度) (  4.8) (  1.7) (  4.7) (  1.1) (▲ 1.5) (  0.4) (▲ 1.0) (▲ 0.4) (  1.0) (▲ 3.7) (  2.2) (  0.0)
官公需(寄与度) (▲ 0.4) (  0.3) (▲ 0.1) (  0.2) (  0.2) (  0.3) (  0.3) (▲ 0.0) (▲ 0.2) (  1.2) (  0.2) (  0.2)
純輸出(寄与度) (  2.7) (  1.2) (▲ 0.2) (▲ 0.4) (▲ 0.0) (▲ 0.0) (▲ 0.1) (  0.0) (  0.1) (  0.3) (  1.0) (▲ 0.1)
(前年同期比、%)
名目GDP 2.7 1.2 2.7 1.2 ▲ 0.6 ▲ 0.5 ▲ 1.2 ▲ 0.4 0.1 ▲ 3.7 1.1 ▲ 0.5
GDPデフレーター▲ 3.0 ▲ 2.3 ▲ 2.4 ▲ 1.7 ▲ 2.1 ▲ 1.5 ▲ 1.1 ▲ 0.4 ▲ 0.4 ▲ 1.3 ▲ 2.1 ▲ 0.8
消費者物価 (除く生鮮) ▲ 1.2 ▲ 1.2 ▲ 1.0 ▲ 0.6 ▲ 0.6 ▲ 0.3 ▲ 0.2 ▲ 0.2 ▲ 0.1 ▲ 1.6 ▲ 0.9 ▲ 0.2
GDPギャップ(%) ▲ 4.5 ▲ 4.3 ▲ 3.5 ▲ 3.2 ▲ 3.9 ▲ 3.9 ▲ 4.6 ▲ 4.9 ▲ 4.8 ▲ 5.8 ▲ 3.6 ▲ 4.6
失業率4.9 5.2 5.1 5.0 4.8 4.7 4.7 4.6 4.5 5.1 5.0 4.6
円ドル相場(円/ドル) 91 92 86 82 83 84 85 86 87 93 86 86
原油輸入価格(ドル/バレル) 78 82 76 83 86 86 86 86 86 69 82 86
2009年度2010年度2011年度
− 1 −


03. 2010年12月11日 23:11:42: Pj82T22SRI

大前研一バーゼルIIIの適用で「失われた20年」の再来か
2010年12月9日
 国際的な金融機関には「バーゼルII」というルールが適用されている。これは国際的に業務を展開する銀行が万が一の事態を想定し、一定の自己資本を確保 しておくための規制である。現在、このバーゼルIIの規制内容をさらに強化した新自己資本比率規制「バーゼルIII」が議論されている。今回はこの話題を 取り上げたい。
バーゼルIIIの趣旨が正しいことは間違いない。だが…
 ロイターが9月13日に報じた今回の合意は、次の通りである。
*コアTier1相当の最低所要自己資本比率は3倍以上の7%に*国際的銀行規制に関する数十年ぶりの大幅変更*銀行業界の反対押し切り、カウンターシクリカル(景気連動抑制的)な資本バッファーが導入される*規制全面適用までには長期の経過措置期間を設定
 いずれも1990年代以降の不安定な金融市場を考えれば妥当なルール変更と思われるが、銀行の現状から見れば大きな影響が出ることは避けられない。
 イギリスのバークレイズ・キャピタルがまとめた調査によると、バーゼルIIIが適用された場合、アメリカの上位35行で合計1500億ドル(約12兆 5000億円)もの資本不足に陥ることが明らかになった。この資本不足を賄うとすれば、とても大きな負担になる。はたして米国の金融機関には、それに耐え られる体力がどれだけ残っているだろうか。
信用不安がアメリカから他国へ飛び火する可能性も
 私自身はバーゼルIIIの方向性は正しいものであると理解している。日本ではバブル崩壊以降、米国で言えばリーマンショックで明らかになったように、政 府は国内の銀行が破綻しそうになると多額のお金を投入してこれを助ける。救済の原資は国民の税金である。私企業の経営失敗のツケを国民が払うのは道義的に おかしいわけで、そうした事態に陥るのを避けるためにもバーゼルIIIの早期適用が求められる。
 だがその一方で、私は次のようにも思う。バーゼルIIIは、扱いや適用のタイミング一つで世界経済に甚大な影響を及ぼしかねない、と。
 バーゼルIIIの適用によって、米国の上位35行が約12兆5000億円もの資本不足に陥るというが、この不足額の90%は6大銀行に集中する。そうす ると信用不安などの問題がアメリカから他国に飛び火し、世界経済全体に大きな影響を与える可能性が高くなる。万一、銀行が自行のサバイバルを優先した場 合、当然資金の貸し出しは大幅に減ることになる。自己資本規律が2倍になるということは単純に言えば、貸し出し可能額が半分になるということで、銀行自身 の生き残りのために経済の潤滑油としての銀行の貸し出し機能に支障が出ることになる。
 バーゼルIIIの適用時期は当初、「2011年から」ということになっていた。それが現在では「2013年から段階的に導入し、2019年1月から全面 的に適用」とトーンダウンしている。2〜8年も先送りされたのは、やはり「本当に2011年から適用すれば世界を揺るがしかねない」という懸念があるため だろう。
銀行はいざというときに資本を取り崩すことができる
 では、バーゼルIIがバーゼルIIIになることで、銀行にとってはどれだけの負担増になるのか。主な項目について下の表にまとめた。

 まず目に付くのは自己資本比率の引き上げである。Tier1(中核的自己資本)比率が4%から6%へ、コアTier1(狭義中核的自己資本)が2%から 4.5%へと、それぞれ引き上げられる。中核的自己資本とは普通株や内部留保などのことだ。これらは(リスク承知の資本家を除いては)返済不要のものであ るから、銀行が破綻危機に陥っても預金者に迷惑をかけることがない。すべての資金を一般の預金者に頼っていれば、破綻しかけたときに穴埋めもできないが、 中核的自己資本を十分に持っておけば安心というわけだ。
 さらに2.5%の資本保全バッファーも導入される。これは規制値を割り込んだときに、配当や自社株買い、報酬などによる資本の社外流出が制限されること だ。そのうえ、景気連動抑制的な資本バッファーも導入される。これは「将来的な貸し倒れの引き金につながる信用状況が起こっている」と当局が認識したとき に、銀行にバッファーを積み増しさせるものだ。しかもこの積み増しは強制できる。
 バーゼルIIの規制下では機械的に8%の最低所要自己資本比率を担保していればよかったが、バーゼルIIIではそうはいかなくなる。これによって銀行は、いざというときに新規増資をせずに、資本を取り崩すことで乗り切ることができるようになるわけだ。
日本の銀行にとっても厳しいものになる
 銀行が安定することは歓迎すべきことではあるが、変動可能な目標値が銀行を悩ませている。銀行自身は「これだけの自己資本を持っていれば大丈夫」と判断 していても、当局が「いやいや、この経済状況ではもっと多く自己資本を持っていないと駄目だ」と判断すれば、自己資本を高めなければならないからだ。
 もはや銀行も「○×%の資本を確保しているから安心だ」とは言えなくなる時代が到来しつつある。
 もう一つ日本の銀行にとって厳しいのは、中核的自己資本比率に劣後債や優先株を含められなくなることだ。従来はそれらの一定割合も自己資本比率に含めて よかったのだが、普通株のように、純粋に返済不要な資産だけしか認められない。日本の銀行も劣後債などを混ぜて自己資本比率を高めてきたが、それらができ なくなるのだ。先に紹介した調査結果はアメリカの銀行が対象だったが、バーゼルIIIの適用は日本の銀行にとっても非常に厳しいものになる。
 もちろん他の国々でも厳しいことに変わりはない。特に、国家の予算規模より大きな預金額を保有する銀行があるスイスや、いざとなったときに銀行を支える 経済規模がないリヒテンシュタインのような小国などはなおさら厳しい。規制の事情も変わってくるからだ。こうした問題に対処するためにスイスは自国の銀行 に関しては、8%ではなく10数%という高い自己資本比率を独自に設けることを発表している。

一国の銀行破綻が世界に与える脅威は大きくなっている
 アイスランドやアイルランドで見たように国と銀行の規模のバランスが合っていないと、国すなわち納税者が銀行を救うことは難しく、その分だけ強い自主規制が必要になる。
 大国であってもイギリスのように巨大銀行を複数抱えているところでも同じ問題が発生すると考えられている。今回もアイルランドの危機でイギリスが欧州連 合(EU)とは別枠で独自に1兆円くらいの救済策を即座に申し出たのは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)やロイズ・バンクがアイルラン ドへの貸し出しのトップ2行であることが判明したからだ。アイルランドがデフォルト(債務不履行)になれば、自国の主要銀行がただちに影響を受けることを 勘案したからである。
 予算をぎりぎりまで切りつめているデイビッド・キャメロン首相が議会でこの辺の説明をしたときにほとんど異論が出なかったのも、同国議員たちがその事情 を良く知っているからであろう。つまり別の言い方をすれば、一国の銀行破綻が世界に与える脅威はそれだけ大きくなっており、国民も、議会も、そうした理解 のもとで瞬時に判断を迫られるケースが増えているのである。

4000兆円のホームレスマネーにどう向き合うべきか
 ところで、このバーゼルIIIは本当に適用されるのだろうか。あるいは予定通りに進むのだろうか。私は「しばらくは様子見するだろう」と考えている。な ぜなら、現状でバーゼルIIIを適用するとなると、銀行の負担、およびそれがもたらす経済への影響があまりにも大きくなるからだ。
 アメリカの銀行は、新しく積み上げなくてはいけない資本が多すぎて、相当なダメージを受けるだろう。コアTier1の比率を高めるために、資本市場で普 通株を調達したら他のところにお金が回らなくなる。するとどうなるか。当然、貸し渋りが起きる。例えばゼネラル・モーターズ(GM)が再び破綻しそうに なったとしたら、もはや銀行は資金を貸し出すことはできなくなるだろう。
 アメリカの銀行が貸し渋りを始めたら、バブル崩壊後の日本の「失われた20年」が再来することになる。当時の日本の銀行は、自分たちが生き残るために国 民へのお金の貸し出しを平気で渋った。金利を0.1%しか払わないのに貸出金利は高止まりしていた。さらに高利貸しみたいな消費者金融を買収してそちらに 傾斜していった。国民の税金で破綻を免れたという恩があるにもかかわらず、国民や企業のことを考えることはなかった。それと同じ状況がアメリカの銀行でも 起こっており、「日本の轍(てつ)」を見事に踏んでいる。
 新自己資本比率規制「バーゼルIII」の適用は、銀行の生存力を強化し、世界経済を健全化するために必要ではあるが、世界中を徘徊(はいかい)する 4000兆円以上のホームレスマネーを相手にしている現状では、危機が起これば津波となる。その場合には自己資本比率などという考え方そのものが健全性の 担保にはならないことをバーゼルにある国際決済銀行(BIS)もそろそろ理解すべき時に来ている。
■コラム中の図表は作成元であるBBT総合研究所(BBT総研)の許諾を得て掲載しております■図表、文章等の無断転載を禁じます■コラム中の図表及び記載されている各種データは、BBT総研が信頼できると判断した各種情報源から入手したものですが、BBT総研がそれらのデータの正確性、完全性を保証するものではありません■コラム中に掲載された見解、予測等は資料作成時点の判断であり、今後予告なしに変更されることがあります■【図表・データに関する問合せ】 BBT総合研究所, http://www.bbt757.com/bbtri/


04. 2010年12月12日 00:12:03: Pj82T22SRI
「新興国インフレ」vs.「先進国デフレ」−
レポート 316.83KB
2010年12月9日 

(1)経済見通しを改訂:2010年7-9月期GDP二次速報を受け、2010-11年度の成長率見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は10年度が前年比+3.0%(前回+2.3%)、11年度が同+1.0%(同+0.9%)である。今回のGDP統計では、確報発表に伴い2009年度の実質GDP成長率が下方修正(一次速報:前年比▲1.8%→二次速報:同▲2.4%)されるなど大幅な遡及改訂が行われた。こうした遡及改訂の影響等を勘案し2010年度の成長率見通しを中心に上方修正したが、今後の景気に対する当社の基本的な見方に変化はない。なお、2011年度の経済成長率が2010年度を下回るのは所謂「成長のゲタ」が低下することによる影響が大きく(2010年度:前年比+1.9%→2011年度:同 ▲0.2%)、「ゲタ」を除いた成長率は、2010年度、2011年度共に前年比+1.1%と底堅い成長が続く公算である。

(2)日本経済は「踊り場」が継続するものの「景気二番底」は回避〜日本経済に5つの明るい兆候:当社は、メインシナリオとして、日本経済は2011年前半まで「踊り場」が継続するものの「景気二番底」は回避されると見ている。現在の日本経済には、(1)輸出に下げ止まりの兆し、(2)生産計画予測修正率の下振れ幅が縮小傾向、(3)設備のストック調整が着実に進展、(4)所得・雇用環境が最悪期を脱出、(5)不動産市場では空室率・オフィス賃料が底入れ、という5つの明るい兆候が見られる。

(3)中国経済・米国経済は大丈夫か?:今後の日本経済の鍵を握るのは、中国経済・米国経済の動向である。2012年の政治指導者交代を控え、2011年以降中国経済が持ち直すと見られることは、日本経済を下支えする大きな要因となろう。米国経済に関しても、(1)米連銀の量的緩和第2弾(所謂“QE2”)が実施されたこと、(2)中間選挙での敗北を受けオバマ政権の政策転換が見込まれるなか、「大統領就任3年目=株高」というジンクスの実現性が高まっていること、(3)米住宅価格の調整は終盤に入った可能性があること等の材料は前向きに評価できる。また、当社は、米国が「デフレスパイラル」を伴う様な「長期構造不況」(所謂”Japanization”)に陥る可能性は限定的と見ている。

(4)リスク要因:「新興国インフレ」VS.「先進国デフレ」:今後の最大の懸念材料は、グローバル経済が、先進国ではデフレ懸念、新興国では先進国における過度な金融緩和の副作用等からインフレ懸念が燻るという極めて不安定な構図になっている点である。具体的なリスク要因として、新興国では、(1)先進国からの過度な資金流入を受けた「バブル」の発生、(2)商品価格の上昇、の2点が懸念される。他方、先進国では、(3)わが国で「円高→賃金抑制→内需低迷→デフレ→円高・・」という悪循環が発生、(4)米国経済のデフレ化(所謂”Japanization”の懸念)、(5)欧州の「ソブリンリスク」、(6)世界的な財政引き締め等に留意が必要である。当社は、上記6つのリスクを受け、日本経済が下振れする可能性を注意深く見極めていきたいと考えている。

(5)日銀の金融政策:グローバルなリスク要因が山積するなか、日本銀行は極めて緩和的な金融政策を継続する見通しである。日銀の利上げは2012年末頃までは行われないと見られる。円高や株安が進行する場合には、日銀が5兆円の基金を積み増すなど、追加的な金融緩和に踏み切る可能性が強まろう。

【主な前提条件】

(1)公共投資は2010年度▲5.1%、2011年度▲5.4%と想定。予測期間内で消費税率引き上げは想定せず。

(2)為替レートは2010年度85.0円/ドル、2011年度80.0円/ドルとした。

(3)米国実質GDP成長率(暦年)は2010年+2.8%、2011年+2.4%とした。

* 2010〜2012年度日本経済見通し(2010年7-9月期GDP2次速報後改定):E...−10-12-11
* 第167回日本経済予測(改訂版)〜「新興国インフレ」vs.「先進国デフレ」−10-12-11
* 日本経済見通し(2次QE後改定)〜10年度の実質GDP成長率+3.2%、11年度+1...−10-12-11
* 2010/2011年度経済見通し(2010年12月)(2次QE反映後)〜2010年度...−10-12-11
* 2010〜2012年度経済見通し〜10年7-9月期GDP2次速報後改定、実質成長率:...−10-12-11
* 2010年度・2011年度の景気予測(2010年7〜9月期2次QE後改訂)〜実質GD...−10-12-11
* 2010年7-9月期2次QE後「内外景気見通し」改定値−10-12-10
* 2010・11年度 内外経済見通し(2010年7〜9月期GDP2次速報後改訂)〜日本...−10-12-10
* 2010〜2011年度改訂見通し〜個人消費の反動減で2011年度は失速:リサーチ・ア...−10-12-10
* 2010・2011年度経済見通し(2010年12月改訂)〜実質成長率:2010年度 ...−10-12-10


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