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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20101118/ecn1011181558003-n1.htm
大手銀行は続々好決算を発表。国債を購入して得た利益が後押ししているからだ。市場低迷で銀行には黙っていても金が入ってくる。企業が借りないから国債に頼るしかないと大手銀幹部は言うが、そんな戦略は長く続かない。
12日に発表した三井住友フィナンシャルグループ(FG)とみずほFGでは、業務純益がいずれも4000億円超と、前年同期に比べて30%以上増えた。業務純益は、融資で稼いだ利ザヤや手数料収入、国債や外貨の売買などで得た利益から、経費を引いた純益の合計のこと。報道では「銀行の本業の儲けを示す」という枕詞がつく。
今年度は中小企業金融円滑化法のもとで融資が実行され、不良債権発生に備えた引当金が少なくて済んだことも好業績の一因になった。
ただ、最大の黒字要因は国債の売却・償還益だ。金利が下がれば債券価格は上昇する。金融緩和で市場にはお金がジャブジャブと入ってきて低金利に拍車がかかり、投資家は国債購入に走る。国債の最大の保有者は銀行・保険で、値上がりした国債を売れば儲けが出る算段だ。
4年前の好調時に戻ったとは言うものの、金融円滑化法で焦げ付き費用が減り、金利低下による国債売却で過去最高益を出したのが効いた。銀行が知恵を絞り汗を流して利益を上げたわけでもない。
金融円滑化法は来年末までの時限立法だが、延長される公算が大きい。しかし融資の条件変更は、長い目で見れば不良債権処理発生のリスクがつきまとうし、国債で儲け続けるのも限度がある。
ギリシャ危機は欧州各地域に広がっており、国債価格は下がりつつ、長期金利は上昇している。国債保有に頼るゆうちょ銀行を散々非難しておいて、メガバンクも同じ収益構造では、日本郵政を批判できる資格はあるのか。
それに、いつまでも預金者がコツコツとお金を預けてくれると考えているなら、お門違い。時は少子高齢化。銀行に高額預金している人の多くは中高年齢層だ。
彼らが将来、子供に財産を分与するようになれば、預金は分散する。その孫の世代には少子化が一層進行し、預金者の数さえも減る。
安心・安全の銀行預金は、次世代の資産形成に対する考え方で、大きく変わる可能性がある。巨大銀行グループは規模のメリットを享受しているが、銀行「百年の計」の将来像を描ききれていない。
国債ばかり買って目先の利益に汲々としていては、未来の預金者に逃げられかねない。すでに遅れ気味の海外進出を含めたシビアな銀行戦略を立てないと、内憂外患の苦しみを味わうことになる。(直江英知)
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