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デフレに完全に陥ったアメリカとG20
このG20が始まって2年になるが今回も何の成果もなく終わってしまった。
リーマンショック後各国が取った財政出動による成長戦略が効果を上げず、かえってデフレを助長したと言えよう。
それは低金利政策による生産刺激策、輸出促進のための自国の通貨安政策、に代表される経済政策にデフレを助長する効果があるからである。
2年前からG20の動向を注視してきたが、ない方がましだろう。なぜならG20がなければ、バラバラにどの国も経済対策を取るためその中から瓢箪から駒も出ることがあっただろうからだ。
しかしG20があるからどの国も一丸となって、同じデフレ促進策を取ることになり余計に始末に負えなくなっている。現状ではデフレが速く進行しているのである。逆に正しい判断が行われれば立ち直りも早いということだが。
G20という世界の経済の主要国が一斉に同じ行動を取ったことが、より早く世界をデフレに陥いれているのである。特にその主犯は米国であろう。その脇で強力にサポートしているのが日本である。
アメリカの経済悪化は、市場の消費能力の減退にある。人々の借金が消費を少なくせざる負えないのである。それが国内産業の不活性を招き、株式市場が冴えない状態になっている。
また消費の減退が国内市場の縮小を招いており、その挽回策として、低金利が維持され、輸出による生産量拡大を図るため通貨安にするのである。
冴えない市場を嫌気して、余剰資金が新興国の株式や債券市場に向かっている。新興国は、自国の経済力以上の債権や金融資産の価格上昇に見舞われている。
通貨安競争は、輸出産業の奨励、促進という意味と、ドルキャリーや、円キャリーなどの値打ちのある通貨で、より多くの新興国の債権や資産が買われることになる。
今回のデフレは資産価格の崩壊による借金の増加が消費を減少させて起こっているものだ。
にもかかわらず相も変わらず、生産量を増やして所得の増大を図ろうとしている。ここに根本的な過ちがある。
借金があるということは、買えなかった生産物が市場に不良在庫として残っているということだ。さらにその上に生産物を増やしても、1単位辺りの付加価値はより減少するだけなのである。
アメリカは1929年の世界恐慌がなぜ解消されたのかを理解していない。第2次世界大戦により、アメリカの不良在庫を敗戦国や戦傷国へ押し付け、一掃したからである。
ニューディール政策が失敗であったことを認識していない。それが馬鹿げたグリーンニューディール政策を取らせている。オバマ政権も、経済スタッフに恵まれずせっかくの黒人政権が、大きな成果を上げずに終わろうとしている。
今また取ろうとしている政策も、間違った方向への投資であり、消費者への還元や預金金利の引き上げなどの消費者優遇策を取ろうとはしていない。恐らくこれから2年も成長することはないだろう。
ただ日本の場合と違うのは、アメリカの為政者は正直者であり、編に取り繕うことがない点である。自分たちの政策が失敗していることを素直に認めている。
既に私達はデフレに対する解消方法を知っている。彼らにそれを伝授する方法がないのが残念だ。先ず始めに日本がその政策を取り見本を示すべきなのだが、菅政権により全くその兆候が見えなくなっている。
世界の悪い見本とされ嘲笑されている日本経済をこの政権はなおも同じ政策をとり続け潰し続けているのである。後世、物笑いの種になるであろう。残念ながら彼だけでなく、民主党を選んだ日本人全体がお笑いを世界に届けることになる。
後10年も経てば、世界の主要な新聞に、(斯くも隆盛を誇った日本経済も、デフレに対し生産を助長し、消費を減退させる政策をとり続けたため、わずか30年で崩壊してしまった。)と掲載されるであろう。
気の毒なことにヨーロッパでは激しい財政削減の嵐だ。これにより捻出できた財源を成長させる方向に投資すれば良いが、今のところ、財政再生や均衡を目指しているようでは、さらなるデフレの罠に引っ掛かろう。
ヨーロッパを見ていると、なる程果敢に、5%、10%あるいは20%など大幅に大ナタを振るっている。見ていても気持ちが良いほどだ。しかしその余剰金を間違った方向へ投資をすればもとも子もなくなるのである。現在、その可能性がとても高い。
最近のアイルランド危機を見ても、取る政策は、消費を減少させる政策ばかりである。さらなる地獄を味わうことになろう。
アイルランドの為政者は、援助する国の意見を聞くべきではない。日本の現状をよく見て、違う政策を取るべきなのである。日本のようになりたくなければ、消費者の借金を消す方向に投資をしなければならない。
しかし発表された政策は、付加価値税のアップ、所得税、資産課税の増税であり、社会保障給付の低減、水道などの公共料金の値上げであった。
民間負担を増加させる政策ばかりでデフレ解消とは無縁のものだ。
アイルランドの人々はさらなる破綻の憂き目を見続けるであろう。気の毒なことだ。経済の無知が、また経済学の間違いが、不幸を増やしていくのである。
デフレにおいて緊縮財政を取ることは、さらなる不況を招くことであり、これにより今年から来年に掛け、ヨーロッパは当然大不況になるであろう。
危機の連鎖はポルトガル、イタリアなどと続くのであろうか。
特に不気味なのは来年初頭のイギリスの消費税の増税である。
イギリスの来年再来年の苦境は既に予想できることだ。それが大きな世界恐慌に繋がる恐れがある。
世界は、これからいよいよ危機に入ろうとしている。リーマンショックは、序章に過ぎない。新興国市場の金融資産と実体経済との差が大きくなりつつある。いつ、どこでそれが崩壊するか誰も分からない。しかし確実やってくるだろう。
ヨーロッパは不況に入りつつある。世界のどの国もデフレの国とバブルの国の2極に別れつつある。
一つのほころびが大きなドミノを引き起こす可能性が高まっている。
あまり注目されていない国が思わぬことから破綻するかもしれないのだ。
このような緊縮財政と、間違った方向への財政出動の連続がデフレを悪化させていくのである。デフレの罠とはこのことである。これはアメリカも同じである。同じように間違った金融緩和と低金利や、生産刺激による成長政策により、余計に窮乏していくであろう。
世界全体がこのような蟻地獄に陥って行く原因は、今までの経済学がデフレやバブルに対してその処方箋を書いていないことにある。
現在の経済学は正常な経済状態の分析をしているのであり、バブルやデフレを研究していないのである。それが経済政策を間違う根本原因である。
私達は高らかに、消費者優遇策を取ることを推奨しなければならない。生産より消費を直接増やすことがだいじであり、預金金利を引き上げ、消費税の引き下げ
、ガソリン税の引き下げ、ローン破綻者に対する金利の延長や、償還期限の延長、雇用保険の満額支給。
などを通して借金の返済などにより市場から奪われる資金以上に消費を増やす算段をすることが拡大再生産に繋がることを教えていかなければなりません。
一言主
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ブログhttp://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
デフレの世界像参照
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