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FRB金融緩和策のヤケクソ度
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/237.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 11 月 21 日 04:09:07: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 来年1月の風営法改正で半減?全国のラブホテルが存続の危機 投稿者 gikou89 日時 2010 年 11 月 21 日 04:07:47)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101118-00000302-newsweek-bus_all

FRBの追加緩和策は自暴自棄の危険な行為。崖っぷちの米経済を猛烈なインフレが襲う──

ロバート・サミュエルソン(本誌コラムニスト)

 市場では今、アメリカの中央銀行に当たるFRB(米連邦準備理事会)が11月早々にも追加金融緩和に動くという観測が支配的になりつつある。目標は長期の米国債や住宅ローン、社債などに適用される長期金利を少しずつ引き下げること、それによって景気を刺激することだ。

 追加緩和でどの程度金利が下がるか、またそれによってどれだけ生産や雇用が増えるかはっきりしない。はっきりしているのは、追加緩和はほとんど自暴自棄の危険な行為だということ。経済再生のためのアイデアが尽きた証拠だ。

 FRBは自身の存在意義を見失っているようだ。アラン・グリーンスパン前議長の下では繁栄の守護者としてあがめられたのに、今は当時の栄光を取り戻せずに四苦八苦している。

 金融危機が最も深刻だった08年後半から09年前半までの時期、FRBは貸し手に見捨てられた金融機関に信用を供与した。また、約2年間にわたって短期金利をほぼゼロに近い水準に保ち続けた。

■追加緩和は焼け石に水

 第2の世界恐慌が避けられたのはこうした政策のおかげという見方もできるが、それが力強い景気回復の起爆剤にならなかったことも明らかだ。

 現FRB議長ベン・バーナンキは講演のたび、ゼロ金利の現在でもなお経済を再生して失業率を下げる政策手段は山ほどあると主張する。現実は逆だ。FRBに残された手段は、古臭いか弱いか、その両方でしかない。

 FRBが11月にやろうとしているのはおそらく、長期国債を大量に追加購入して長期金利を引き下げることだ。FRBは金融危機を受けて08年秋以降、1兆7250億ドルもの住宅ローン担保証券や米国債などを購入している。バーナンキはこれが景気回復に「重要な貢献を果たした」と言ってきた。

 だが実のところ、これといった効果はなかった。FRBの試算でも、10年物米国債の利回りが0・6ポイント下がったかもしれない、という程度だ。

 11月に追加緩和を行った場合の金利引き下げ効果はさらに小さいかもしれない。期間30年の住宅ローン金利が年率約4・3%と、既にかなりの低水準になっているからだ。国債購入の規模も、前回よりは少ないだろう。5000億〜1兆ドル程度という予想が多い。

 バンク・オブ・アメリカのエコノミスト数人に聞くと、追加購入は「経済にはそこそこの影響しかないだろう」としつつも「何もしないよりはまし」と言う。

 最もありそうな政策を前提に調査会社ムーディーズ・アナリティックスが行った試算では、失業率を0・2ポイント下げる効果がありそうだという。株価も少し上がって人々は消費を増やし、ドル安のおかげで輸出も伸びるはずだ。
 
 だがその効果は危険と隣り合わせだ。FRBが国債を買うと、市場にはドルがあふれる。しかもこれまでのところ、カネが潤沢だからといって借り入れを増やして消費や投資に回そうという動きにはほとんどつながってこなかった。家計は将来不安に悩まされ、企業も慎重になっているからだ。消費者ローンの残高は08年夏から減り続けている。

 ある意味、追加緩和は焼け石に水だ。銀行は今でもざっと1兆ドルの余剰資金を持っている。だが、超低金利がひとたび経済成長を加速させ始めれば、これらの余剰資金の多くは貸し出しに回る。それまでダブついていたカネが一気に実体経済に流れ込むのだから、人々はインフレの亡霊に怯えるようになる。

■停滞経済に「薬」はない

 そのときFRBは、金利を上げて余分にばらまいたカネを吸い上げなければならない。もし11月に追加緩和をやって銀行の余剰資金をさらに増やしていたとすれば、金融引き締めはその分困難になる。

 また、失業率が高いのに利上げをすることに対する抵抗も強いはずだ。米カーネギー・メロン大学の経済学教授アラン・メルツァーは、FRBの引き締めが60年代や70年代のときと同じく手遅れになるのではないかと懸念する。「遅かれ早かれ、猛烈なインフレがやって来るだろう」と、彼は言う。

 経済学者の意見は2つに分かれているようだ。一方は、ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマンのように、経済は瀕死の状態にあるのでわずかでも経済の助けになりそうなことは財政赤字拡大であろうと量的緩和であろうと何でもすべきという一派。もう一方はメルツァーのように、急場しのぎの政策は将来により大きな禍根を残すことになると考える一派。

 だが両派に共通の前提がある。この停滞し切った経済に即効性のある薬はなく、現実のFRBは、神話化されたFRBよりずっと無力だったということだ。

(ニューズウィーク日本版10月27日号掲載)

 

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コメント
 
01. 2010年11月22日 15:08:59: cqRnZH2CUM
中銀の能力の限界は、当時者も理解しており、長期的なリスクにも注意しなくてはならないが、それを明確に言うこと自体が、市場に利用されてしまうというジレンマがある
また金融政策や財政政策の短期的な効果だけしか見えない愚かな政治家やマスコミが多い日本では、政治的に作られた過大評価によって、時間軸のずれた偏った圧力を受ける場合も多い

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バーナンキ議長の中国批判
2010/11/20 (土) 14:37

 バーナンキ議長が、中国の為替政策を間接的ながら批判したと伝えれらています。現在の国際通貨制度には欠陥があって、新しい制度を考案しなければいけないとも。

 どんなことを言ったのでしょうか?


Improving the International System

The current international monetary system is not working as well as it should. Currency  undervaluation by surplus countries is inhibiting needed international adjustment and creating spillover effects that would not exist if exchange rates better reflected market fundamentals.

「現在の国際通貨制度は、期待されているほどには上手く機能していない。経常黒字国の側における通貨の過小評価は、国際的な調整が必要であることを示しているし、また、もし、為替レートがマーケットのファンダメンタルズを十分反映するものであるとしたら起こり得ないような副作用の発生を示している」


In addition, differences in the degree of currency flexibility impose unequal burdens of adjustment, penalizing countries with relatively flexible exchange rates. What should be done?

「加えて、通貨価値の柔軟性の程度の差が、比較的に柔軟である通貨にとっては損になるような重荷を与えている」

The answers differ depending on whether one is talking about the long term or the short term. In the longer term, significantly greater flexibility in exchange rates to reflect market forces would be desirable and achievable. That flexibility would help facilitate global rebalancing and reduce the problems of policy spillovers that emerging market economies are confronting today.

「答えは、長期的な話であるのか或いは短期的な話であるかによって異なる。長期的には、為替レートがより市場の力を反映するように柔軟になることが望まれることでもあり、またそれは実現可能なことでもある。そうして柔軟性が増すようになれば、世界的な不均衡の是正に一役買うであろうし、また、新興市場国が今日直面している副作用を緩和することにもなろう」

The further liberalization of exchange rate and capital account regimes would be most effective if it were accompanied by complementary financial and structural policies to help achieve better global balance in trade and capital flows. For example, surplus countries could speed adjustment with policies that boost domestic spending, such as strengthening the social safety net, improving retail credit markets to encourage domestic consumption, or other structural reforms.

「もし、貿易や資本の流れの不均衡是正のために補完的な金融政策と構造調整政策が伴うのであれば、為替レートや資本取引の自由化は、最も効果的なものとなろう。例えば、経常黒字国は、社会的セーフティネットの強化や国内消費を促進するための個人ローン市場の改善、或いはそれ以外の構造改革など内需拡大策を用いて調整をスピードアップできるであろう」


For their part, deficit countries need to do more over time to narrow the gap between investment and national saving. In the United States, putting fiscal policy on a sustainable path is a critical step toward increasing national saving in the longer term. Higher private saving would also help.

「経常赤字国としては、時間をかけて投資と貯蓄の差を埋めるような努力をもっとする必要がある。米国においては、持続可能な財政政策を実現することが、長期的に国の貯蓄を増大させるために必要不可欠である。個人レベルで貯蓄率を高めることも役に立つ」

And resources will need to shift into the production of export- and import-competing goods. Some of these shifts in spending and production are already occurring; for example, China is taking steps to boost domestic demand and the U.S. personal saving rate has risen sharply since 2007.

「そして、輸出(輸入)競合商品の生産に資源をシフトされることが必要になろう。支出や生産におけるこうしたシフトは既に起きている。例えば、中国は、国内需要を増大させる努力をしている一方、米国は2007年以降、個人の貯蓄率が急増している」

In the near term, a shift of the international regime toward one in which exchange rates respond flexibly to market forces is, unfortunately, probably not practical for all economies. Some emerging market economies do not have the infrastructure to support a fully convertible, internationally traded currency and to allow unrestricted capital flows.

「短期的には、市場の力に対して為替レートが柔軟に反応するような国際的な通貨制度にシフトすることは、不幸なことながら全ての国にとっては現実的なことではないであろう。新興経済国のなかには、完全な交換可能性や自由な資本取引を認めるほどの土壌が整っていない国があるからである」

Moreover, the internal rebalancing associated with exchange rate appreciation--that is, the shifting of resources and productive capacity from production for external markets to production for the domestic market--takes time.

「さらに、為替の切り上げで不均衡を是正することは、海外向けの生産から国内向けの生産に資源をシフトされることになるので、時間がかかるのである」

That said, in the short term, rebalancing economic growth between the advanced and emerging market economies should remain a common objective, as a two-speed global recovery may not be sustainable.

「とはいうものの、異なった2つのスピードでの世界的な経済回復は持続可能ではないかもしれないの
で、短期的には先進国側と新興国側の成長率の均衡を取ることが共通の目標でなければならない」

Appropriately accommodative policies in the advanced economies help rather hinder this process. But the rebalancing of growth would also be facilitated if fast-growing countries, especially those with large current account surpluses, would take action to reduce their surpluses, while slow-growing countries, especially those with large current account deficits, take parallel actions to reduce those deficits.

「先進国経済における適度な緩和政策は、こうしたプロセスを阻害するのではなく助けるものである。しかし、成長率の不均衡是正は、もし、成長率の高い国々、特に巨額の経常黒字国が黒字削減の努力をするのであれば、一層促進されるであろう。一方、成長率の低い国々、特に巨額の経常赤字国は、赤字を減らす努力を並行して採ることになる」

Some shift of demand from surplus to deficit countries, which could be compensated for if necessary by actions to strengthen domestic demand in the surplus countries, would accomplish two objectives.

「経常黒字国から経常赤字国へ需要をシフトさせることは、それは、必要であれば黒字国の内需を強化することによって補完されることができるが、二つの目的を達成するであろう」

First, it would be a down payment toward global rebalancing of trade and current
accounts, an essential outcome for long-run economic and financial stability. Second, improving the trade balances of slow-growing countries would help them grow more quickly, perhaps reducing the need for accommodative policies in those countries while enhancing the sustainability of the global recovery.

「第一に、それは長期的な経済・金融の安定性確保にとって必要不可欠なものである、貿易収支及び経常収支の不均是正に向けての頭金となるであろう。第二に、低成長国の貿易収支を改善することは、それらの国の経済成長率を高めることの一助となり、そうした国において緩和的な政策を実施する必要性が減少することになり、その一方で、世界経済の回復の持続可能性を高めることになる」

Unfortunately, so long as exchange rate adjustment is incomplete and global growth prospects are markedly uneven, the problem of excessively strong capital inflows to emerging markets may persist.

「不幸なことに、為替レートの調整は不完全であり、そして世界経済の成長見通しが区々であるために、新興国市場への資本の流入という問題が今後も続く可能性がある」


Conclusion

As currently constituted, the international monetary system has a structural flaw: It lacks a mechanism, market based or otherwise, to induce needed adjustments by surplus countries, which can result in persistent imbalances. This problem is not new. For example, in the somewhat different context of the gold standard in the period prior to the Great Depression, the United States and France ran large current account surpluses, accompanied by large inflows of gold.

「現在の国際金融システムというのは、構造的欠陥を有している。黒字国による必要な調整が促されるという機能がない。その機能が市場の原理に基づくものであろうとも、或いはそうでなかろうともである。そして、その結果、不均衡が発生している。この問題は新しい問題ではない。例えば、大恐慌以前においても、金本位制度という違った意味合いにおいてであるが起った問題である。米国とフランスは、巨額の経常黒字を計上して、そして、金の巨額の流入が起っていた」

However, in defiance of the so-called rules of the game of the international gold standard, neither country allowed the higher gold reserves to feed through to their
domestic money supplies and price levels, with the result that the real exchange rate in each country remained persistently undervalued.

「しかし、如何なる国も所謂国際金本位というゲームに逆らって、その保有する多額の金(ゴールド)を国内の通貨供給に充て、そして物価に反映させることは許さなかったのである。その結果、実際の為替レートは一貫して過小評価されたままであったのである」

These policies created deflationary pressures in deficit countries that were losing gold, which helped bring on the Great Depression.The gold standard was meant to ensure economic and financial stability, but failures of international coordination undermined these very goals.

「こうした政策は、金が流失した赤字国に対しデフレ圧力をかけ、それが大恐慌をもたらすことにもなった。金本位制度というのは、経済・金融の安定を確保するものであったが、国際的な協調体制の失敗によってその目標を傷つけてしまった」

Although the parallels are certainly far from perfect, and I am certainly not predicting a new Depression, some of the lessons from that grim period are applicable today. In particular, for large, systemically important countries with persistent current account surpluses, the pursuit of export-led growth cannot ultimately succeed if the implications of that strategy for global growth and stability are not taken into account.

「類似の制度も全く完全ではないのであるが、そして、私が新しい恐慌というのを予言しているのでもないが、その時の苦い経験から学んだ教訓は今日にも役に立つのだ。特に、一貫して巨額の経常黒字である大国にとっては、輸出志向の成長の追及は、最終的には成功することがあり得ないのである。もし、その戦略が世界経済の成長と安定にとってどんなことを意味するのかということを考慮に入れないとすれば、である」

Thus, it would be desirable for the global community, over time, to devise an international monetary system that more consistently aligns the interests of individual countries with the interests of the global economy as a whole. In particular, such a system would provide more effective checks on the tendency for countries to run large and persistent external imbalances, whether surpluses or deficits.

「かくして、世界にとっては、時間をかけて、個々の国の利益と世界経済全体の利益をもっと調和させるような国際通貨制度を考案することが望まれるであろう。特に、そうした制度は、黒字であろうと赤字であろうと、巨額の対外不均衡を計上する国々に対する有効な歯止めを提供することになろう」

Changes to accomplish these goals will take considerable time, effort, and coordination to implement. In the meantime, without such a system in place, the countries of the world must recognize their collective responsibility for bringing about the rebalancing required to preserve global economic stability and prosperity. I hope that policymakers in all countries can work together cooperatively to achieve a stronger, more sustainable, and more balanced global economy.

「こうした目標を遂行するための変革には相当の時間や努力が必要となろう。一方、そのような制度がないのであれば、世界の国々は、世界経済の安定と繁栄にとって必要とされる不均衡是正実現にむけての集団としての責任を感じることが必要である。私は、全ての国の政治家が、より強固で、もっと持続可能でもっと均衡のとれた世界経済を実現するために一致して努力することを望む」


最後まで読んで下さってありがとうございます。 
* 柳田大臣の謎(11/21)
* バーナンキ議長の中国批判(11/20)
* 量的緩和策の本当の狙い(11/18)
* ドル高の理由(11/17)
* バーナンキ議長への公開書簡(11/16)
* 米中通貨戦争の裏側(11/13)
* 尖閣ビデオ(11/11)
* 金本位制(11/10)
* 金価格が1400ドルを突破(11/09)
* バーナンキ議長の言い分(11/08)


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