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第3905回
人民元と円の切り上げレースです
しばらく株式市場をお留守にしていましたが、
株価から目を離していたわけではありません。
オリンピック、万博が終ったら、
中国の経済はどんな方向に向うかは私の最大の関心事で、
日本国内で商売の難しくなった企業が
大挙して中国に目を向けた場合、
どんなところに焦点を合わせたらいいか、
そのことにばかり気をとられていたのです。
というのも、どこの国もオリンピックや万博のような
国をあげてのお祭りを終ったあとは、
不景気に見舞われて政治も経済も沈滞することが多く、
はたして中国も同じピンチに見舞われるのか、
よく検討して見る必要があると思ったからです。
世界的な金融不安に見舞われた直後でもあり、
アメリカもヨーロッパも完全に立ち直るところまでは
まだ戻っておらず、
そのために中国の輸出が不振におち入ったら、
ジンクスは破れないおそれがあるからです。
ところが、その後の動向を見ていると、
世界的に不景気であればあるだけ
どこの先進国も高級品より安直な日用品ですませますから、
輸出が減らないばかりでなく、
アフリカやインドに対する輸出が思いのほか伸びて、
中国の外貨はふえにふえ続けて
何と2兆7千億ドルに手の届く勢いです。
そうなると当局の嬉しさは悲鳴に変わって
過剰流動性の増大にストップをかけることができなくなることは
目に見えています。
かつて日本にも起ったことですが、さすがの中国も、
外国の干渉は受けないという舌の根も乾かないうちに、
毎日毎日、人民元の切り上げに走り続けるようになりました。
毎月100万を越える人たちに
海外に行って外貨をバラまいてもらわないと、
国内が大へんなバブルに見舞われるところまで
追い込まれてしまったのです。
景気が後退するどころか、死物狂いで外貨を押し出さないと、
かつての日本の二の舞をくりかえす瀬戸際まで
追い詰められているのです。
これから毎日毎日、
土曜日曜を除いて人民元高が続くかどうか皆さん、
ごらんになって下さい。
円高とどちらが先頭に立つか、
お互いに真っ青になるレースがはじまったのです。
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