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アイルランド危機の根は根深い。GDPの約8倍と言う資金をかき集め、これをディリバティブや不動産投資につぎ込んだ。
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/210.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 11 月 17 日 16:47:29: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu228.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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アイルランド危機の根は根深い。政府・民間をあわせてGDPの約8倍と
言う資金をかき集め、これをディリバティブや不動産投資につぎ込んだ。

2010年11月17日 水曜日

◆アイルランド、支援要請を近く判断=1000億ユーロとの観測も 11月17日時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010111700159

【ブリュッセル時事】ユーロ圏財務相会合が16日開かれ、アイルランド政府は同国銀行部門の再建に向け、欧州連合(EU)に緊急融資を要請するかどうか集中的に検討することを決めた。早ければ数日内に結論を出す。ユーロ圏諸国は同国から支援要請があれば、ユーロ圏の安定のため速やかに対応することを確認した。

 アイルランド政府は金融危機の影響で経営難に陥った銀行の国有化などに乗り出し、財政が悪化している。必要となる支援規模は不明だが、融資額は1000億ユーロ(約11兆2000億円)との観測も出ている。今春のギリシャ支援は1100億ユーロだった。

 今後アイルランドは、銀行部門の再編をめぐるEU欧州委員会や欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)との協議を加速。近く詳細を固める健全化計画に、支援要請の必要性を盛り込むか決断する。


◆ケルトの猫が泣き出した アイルランドの財政危機 11月16日 おゆみ野四季の道
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/221116-b6bb.html

リーマンショック前までIT産業と金融業でわが世の春を謳歌していたアイルランドが悲鳴をあげている。
かつては「ケルトの虎」とまで言われヨーロッパ中の羨望の的だったが、今は「ケルトの猫」とさげすまれている。

 ヨーロッパでは昨年来のギリシャ危機が小康状態になっていたら、今度はアイルランドが火を噴き始めた。
EUに対し金融支援措置による600億ユーロから800億ユーロ(7兆円から9兆円)規模の融資を要望したからだ。

 市場はびっくりして国債利回りが急騰し一時は9%を越えてしまった。これより上はギリシャの11%台だから、ギリシャの次はアイルランドと見られている。

 アイルランド危機の根は根深い。政府・民間をあわせてGDPの約8倍と言う資金をかき集めたといわれ、これをディリバティブや不動産投資につぎ込んできたが、リーマンショックでいっぺんに焦げ付いてしまった。

注)アイルランドのGDPは約20兆円で、その規模で海外から約160兆円の資金をかき集めた。延滞率は不明だがアメリカのサブプライムローンの延滞率約50%、プライムローンの延滞率10%から推定すると最低で16兆円、最大で80兆円の不良債権を抱えていることになる。

 リーマンショックが起こると政府は6大金融機関をすばやく国有化し、預金の全額保護措置を発表し、さらに政府資金をつぎ込んできたのに、ここに来て再び政府資金をつぎ込まざる得なくなった。
アングロ・アイリッシュ・バンクに約1兆円の資金の投入が必要になったからである。
しかもこの金融機関だけでなく他の金融機関にも資金投入が必要だ。
「どうやらアイルランドの資金ショートは近いらしい」市場から見抜かれている。

注)アングロ・アイリッシュ・バンクには過去に3兆円近くの公的資金が投入されている。アイルランド版長銀だと思うとイメージがわく。

 アイルランドの経済危機がリーマンショックから2年たって発覚してきたのは借り入れに長期資金が多く、しかもその返済期限がせまって来たからだ。
「不動産価格が上がって、何とか不良資産を隠せるかと思っていたが、もうだめだ・・・・・」

 日本のバブル崩壊後の金融機関と同じで、いつまでたっても不良資産の処理をしきれない。
一方で政府はEUの緊縮財政に呼応して、年金保険料徴求の強化や教育費を含めた政府支出の削減に取り組んでいるので財政支援はできない。

 EUの中ではユーロ安によってドイツだけが経済が好調でドイツに支援要請が殺到し始めたので、ドイツは逃げ腰になった。
「欧州版IMFを設立するとしても投資家にも相応の負担を求めるべきだ」
欧州版IMFの創設には時間がかかりそうだ。

 残された道はECB(欧州中央銀行)によるユーロの印刷だけになってしまい、またユーロ安が始まった。
結局欧州も日本の失われた20年と同じで、不良資産問題で経済が失速し、完全な低成長時代に入ったと思ったほうがよい。

 残された対応策としてアメリカも日本もEUもお金のたたき売りを始め、通貨価値引下げの競争をしている。
結局は世界的なインフレーションが起こり、それが借金の棒引きにつながるのだろう。

「160兆円の借入、それが何ですか。私の給与はインフレで1兆円です」そうした時代が近づきつつある。

注)今朝(16日)のNHKのニュースでギリシャの財政赤字に改ざんがあり(当初13%台といっていたが、実際は15%台)、またポルトガルがアイルランドと同様にECBに対し融資を依頼したと報じていた。


(私のコメント)
不動産バブルの崩壊は、日本の例をあげるまでも無く、少しぐらいの景気対策で収まるものではない。昨日もアメリカの金融政策を述べましたが、ドルをばら撒けばインフレが発生して借金が軽くなると思うのは間違いだろう。日本の金融当局もまた景気が良くなれば不動産市況も回復して元に戻れると楽観していた。

しかし不動産市場は、いったん頂点を打つとズルズルと10年20年と下げ相場が続く。住宅ローンなどは30年以上の長期ローンが主力であり、再び不動産ブームが起きるにはそれだけ長い期間がいる。だから数年もすれば住宅市況が持ち直して銀行も一息つけると言う事は無く、年数が経てば経つほど不良債権の額が大きくなっていく。

アメリカはそれに対してFRBが50兆円の国債の買いオペでインフレにしようと言う事ですが、商品相場の高騰や金利の高騰などの副作用がある。それで住宅市況がバブルの水準にまで戻るかというと無理だ。銀行も不良債権の増大で苦しんでおり、新たに住宅ローンを拡大しようとは出来ないだろう。

アイルランドの金融危機は、アイスランドやギリシャの金融危機で想像はできましたが、国の規模がだんだんと大きくなり金融破綻の規模も大きくなりEUだけで支えきれるのだろうか? アイルランドはGDPの8倍もの資金をかき集めて、デリバティブなどの金融商品に資金をつぎ込んだ。それがサブプライムローンなどの焦げ付きやリーマンショックで一気に焦げ付いてしまった。

数年も経てば、それらの債券の償還期限が次々やってくるからデフォルト騒ぎが起きる。ECBなどからの融資で先送りにする事は出来るが、借金の中身が変わるだけだ。アイルランドもこれといった産業が無く、金融立国もいったん破綻してしまうと借金返済の目処が立たない。

金融立国とは、カネを借りてそれをまた貸しして利ざやを稼ぐ事を国の産業政策にすることですが、国家的な規模でそんな事が出来るはずもない。シンガポールや香港などの規模の国家でも中継貿易や精密加工品などの非金融業も無ければ成り立たない。

アイルランドばかりで無くポルトガルも金融危機が表面化するかもしれませんが、ドミノ倒しのように金融危機は規模が大きくなり、それらの国に資金を貸し込んだ国も焦げ付きで足元にも火がつくようになるだろう。ドイツだけがEUの中では経済力がありますが、ドイツなどで支えきれなくなればユーロはどうなるのだろうか?

解決方法としては意図的にインフレを起こして借金を軽くしていく方法ですが、その前に金利の高騰が起きて国債がパンクしてしまう。日本でも国債の残高が1000兆円だとして1%も金利が上がれば10兆円の財政負担が増える。アメリカやヨーロッパでも同じであり通貨のばら撒きでインフレを起こしても金利が高騰してやられるからそれも無理だろう。

日本は20年間もゼロ成長を続けているのも、金利をゼロにして銀行に金利分を資金援助して体力の回復を待っているのですが、20年経っても不良債権の処理の後始末はまだ克服できていない。企業も借金減らしに邁進して内部留保を大きく溜め込んでいる状況であり、200兆円も溜まっている。

日本の場合は金融がガタガタになっても国内産業は強力であり、中国やアジアとの貿易で経済は堅調であり、金融も国内だけで処理することが出来た。経済学者やエコノミストの中には物作りは止めて金融立国を目指せと言う無責任な意見もありましたが、実物経済がなければ金融だけで稼ぐ事がいかに危険かはアイルランドやアイスランドを見れば良く分かる。

金融で稼げなければ輸出で稼ぐしか方法はありませんが、アイルランドに輸出できるものは農産物と人間しかない。国内には産業らしい産業が無く、仕事の出来る優秀な人は海外に移民して行った。イギリスやアメリカとの関係が深く英語を話す国民であるにもかかわらず、これといった産業が育たないのはなぜなのだろうか?

アイルランドは人口が360万人ほどで、北海道くらいの国土面積で土地は貧しく、第二次大戦後の1949年になってイギリスから独立した。EUとユーロに加盟する事は一躍巨大経済圏の一員となることであり、無理を重ねた事が今回の金融危機の元になっているのだろう。つまりアイルランドはヨーロッパにある新興国とも言える。

 

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コメント
 
01. 2010年11月17日 17:52:52: ibwFfuuFfU
世の中にはあぶく銭が似合う国民と似合わない国民が存在する。アイルランド人は後者だ。物質的な貧しさが精神的な豊かさを産んできたのがアイルランドである(ビートルズの音楽もリバプールのアイルランド移民の末裔だからこそ生み出さしえたものだ。これは日本の中で沖縄出身のミュージシャンが際だって高い音楽性を誇っているのに類似している)。

それが住宅バクチに舞い上がった結果がこの様なのだ。


02. 2010年11月17日 21:25:27: ibwFfuuFfU
といってもこの後中国で不可避的に発生するバブルの大爆発に比べれば、アイルランドの問題など初春のそよ風みたいなものだろうね。

03. 2010年11月18日 03:35:58: IOzibbQO0w
>ドイツだけがEUの中では経済力がありますが、ドイツなどで支えきれなくなればユーロはどうなるのだろうか?

特に問題はない

貸した人間の責任も問うべきだから、問題国家の
払えない債務はデフォルトORカットするのが妥当だろう

どうせ既に金利は上昇しているのだから、今後は、ダメな国家は
安易に借金に頼れなくなって良いことだ

デフォルトがデフォルトになると、ドイツ金融機関が損をするし、
ユーロは急上昇するから、逆にドイツは、そちらが心配だろうw


04. 2010年11月18日 14:26:29: cCmVUlYkyI
ユーロの危機。繰り返し叫ばれる この言葉。
隠蔽され続けてきた不良債権の膨大な山はアルプス山脈だけの特殊事情では無い筈です。

[ヨーロッパ通貨危機:盲目的に1931年の事態に向かっている]
【2010年11月16日 by Ambrose Evant-Pritchard】
http://www.telegraph.co.uk/finance/comment/ambroseevans_pritchard/8132689/Europe-stumbles-blindly-towards-its-1931-moment.html

 アメリカの連邦準備銀行ではなく ヨーロッパ中央銀行こそが
 政府負債を買い上げるために 紙幣の大量印刷を必要としている。
 ヨーロッパ中央銀行(ECB)が すばやい劇的な動きをしなければ、通貨の崩壊の危険があり、
 それは政治的な災害をヨーロッパで引き起こすことになる。
 もし失敗すれば、アイルランドは いとも簡単に[クレジットアンスタルト銀行]の国家版になりうるだろう。
 このオーストリアの銀行は1931年にヨーロッパの金融システムを崩壊させた。

 「ヨーロッパ中央銀行は伝染という概念を理解しているのだろうか?」と
 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の主席ヨーロッパ・エコノミストの
 ジャック・カイユ(Jacques Cailloux)は疑問を呈する。
 経済通貨統合(EMU)の三つの国は資本市場から締め出されている。
 また外国人債権者らは、スペイン、ポルトガル、ギリシャの債券を 2兆ドル抱えている。
 「もしもそれでは金融危機の伝染を心配するには不十分だと言うのだろうか?ECBの動きが足りないので、
 金融の安定を図るという使命をこなしているのかという疑問を呼び起こす」とカイユは語る。
 これは控えめな言い方だ。

 ユーロ圏の財政基金(欧州金融安定ファシリティー)には致命的な欠陥がある。
 アルピニストがロープでお互いを結び合っているように、
 数が減少し続けている支払い能力のある核となる国々が、
 増え続ける支払い能力のない国々の重みを支えねばならないのだ。
 これでは政治的な信頼性に欠けるし、どうもそうなりそうなのだが、
 アイルランドが支援を要請させられたら、破綻するものかどうか試されるだろう。
 その時は、本当にイベリア半島から連鎖反応が始まる。

 ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が、
 この微妙な時期に、国家破綻の幽霊と債券所有者のヘアカット(担保の掛け目)に言及したことは重大な間違いだ。 
 そのような話は高負債国家から投資家が逃げ出すようにさせてしまうという、
 ECBのジャン・クロード・トゥリシェット会長の警告を無視するものだ。
 EUの指導者らはそれ以降、ダメージを払拭しようとして
 政策の変更は現行の債券には「なんら影響はない」と主張して下手な工作をした。
 それは新しい救済メカニズムの下で2013年中期後に実施されるものだ。
 誰もそのような区別で騙されはしない。 

 「これはとんでもない自殺的無責任と こっけいな思考錯乱のごった煮だ」と
 ユニクレジット銀行のマルコ・アヌンツィアータは語った。
 「2013年までに、もしもギリシャやアイルランド、ポルトガルなどの国が、未だに不安定な状態にあれば、
 どんな債券も法外な利回りを背負うことになるだろう。
 そうなればEUは充分で際限のない救済措置を施すか、既存の債務は再編されないという約束を破る、という
 両者の間で選択しなければならなくなるだろう。
 ドイツ人有権者は放蕩息子のような隣人らを助ける為に高い税金を甘んじて認めるだろうか?」と彼は語った。

 5月、EUにとってはヨーロ圏の債務者のためにIMFと共に7,500億ユーロのセフティ・ネットを宣言すれば充分だった。
 ボンドのスプレッドは縮小した。
 ドイツの第2四半期9%の成長による経済生産高の急上昇は
 EUのエリートたちに通貨統合は火責めの中を生き残った、と嬉しがらせた。
 実際はそうではなかったのだ。今回は実際の資金を出さねばならない。

 アイルランドにとっては残念だが、事態はコントロールできなくなりつつある。
 アイルランドの輸出産業の、医薬、医療機器、IT、そして裏工作などが
 急降下する経済状況から国を救い出す時間があった以前から、信頼は喪失していた。
 今年GDPの32%となる赤字をやりくりしたブライアン・コーウェン首相は まだ救済は必要ないと主張している。
 「我々は7月までは充分な資金がある」と言っていた。
 コーウェン氏は、それでは充分ではない、ということを知らねばならない。
 アイルランドの銀行の資金は なくなってしまい、それと共にアイルランドの会社の資金もなくなった。

 EU救済措置についての「テクニカル」な話が水面下で進んでいるという、リークされた話から知るように、
 これはアイルランドが 800億から850億ユーロの救済をEFSF(欧州金融安定ファシリティー)に要請せざるを得なくなるのは、
 数日から数週間の話かもしれないのだ、とバークレイズ・キャピタルは言っている。

 ポルトガルはアイルランドより更に悪い状況だ。
 負債総額はGDPの330%である。現在の赤字はGDPの12%(アイルランドは黒字になりつつある)。
 ポルトガル銀行は外国のホールセールファンディングでアセットの40%をカバーしようとしている。
 ポルトガルは ここ10年ほど、その過大評価されている通貨によって恒久的スランプ状態に陥っている。
 継続的な緊縮政策を行っても、財政赤字を恒常的に減らすことに失敗し、
 社会主義勢力の権威を削ぎ、極左勢力を復活させるには充分であった。
 元大臣らは既に[EU-IMF]の救済の必要性を自由に語っている。
 アイルランドと一緒になって破綻の渦の中に引き込まれることを避けるのは困難であろうと見られている。
 そうなるとヨーロッパとIMFは累積する2,000億ユーロの救済資金の請求書に直面することになる。
 これはEFSFの能力の限界だ。

 この問題は即座にスペインにシフトするだろう。
 スペインでは経済成長は第3四半期でゼロ成長のままだ。
 10月の車販売数は38%下落し、公務員給与の5%カットが必要で、
 不動産市場では売れ残った住宅が約100万件ある。
 問題は、スペインという国家ではない:
 アキレス腱はGDPの137%になる企業債務であり、四半期ごとに繰り越される外国債務者に対する負債である。

 危機であることははっきりしている。核となる経済通貨同盟(EMU)諸国が、
 救済資金の担保を支えるための新規の資金を集めることをしなければ、
 市場はEFSFがスペインを支える力を持っているとは見ないだろう。
 ドイツの連邦議会は更なる資金援助に賛成票を投じるだろうか? 
 右派のゲールト・ヴィルダーズがポリティカル・バランスを保持しているオランダの議会は、
 そのような支援に反対しているし、そのような危機を権力の拡大に利用するかもしれない。

 もしイタリアがアイルランドとポルトガル、スペイン支援の3分の1を請け負うよう迫られたら何が起きるか分からない。
 イタリアの公的債務は危険領域に迫るGDPの115%である。
 これは日本、アメリカに次ぐ世界で3番目に大きい額である。
 フランスの銀行もイタリアの負債に対し 4,760億ドルのエクスポージャーを抱えている。
 イタリアは支出に対し厳しい姿勢で臨んできたが、状態は良くない。
 成長は止まったままだ:工業生産高は9月2.1%下落し、
 ベルスコニ政権は崩壊しつつある。4人の閣僚は22日に辞職する予定だ。

 今となっては、IMFスタイルの緊縮財政とデットデフレーションは
 ヨーロッパ周辺国の高負債国家にとっては効果的ではない政策であることははっきりしている。
 それは平価切下げによるIMFの救済によっては相殺されないからである。
 税収の崩壊は財政赤字が高めに留まる原因となっている。実際の負債額は高まっている。

 ヨーロッパ中央銀行(ECB)は最後の防衛ラインだ。
 アイルランド債を購入することでいつでもアイルランドの危機を阻止することができる。
 しかし、通貨同盟を守る為になんでもする代わりに、銀行は緊急オペレーションをやらわげ資金を回収している。
 2008年7月の危機の際、金利を上げることで失敗した政策を繰り返す過ちを冒している。
 ECBは既にアイルランドと地中海クラブを、地方銀行への際限のない貸し出しで支えている。
 その資金は内部の「キャリートレード」で彼らの政府負債に向けられる。
 それにECBは当然のことながら、財政赤字に資金提供することで、
 通貨政策が財政政策になる決定的なラインを超えることには慎重である。

 ドイツ連邦銀行のアクセル・ウェーバー会長は、
 この状態ではドイツと大債務者とが和解することは不可能だと堂々と結論づけるかもしれない。
 もしもECBが南方の負債国を支える為に必要とされる通貨を印刷すれば、
 ドイツのインフレを相殺するかもしれないし、
 通貨同盟に対するドイツの信頼を損なうことになるかもしれない。
 そしておそらくはドイツの憲法裁判所と衝突するかもしれない。
 もしも経済通貨同盟が分裂するとなると、それはゲルマン方式でなされるのだろう。
 こういった全ては理解できるが、
 メルケル首相はECBの職員らにドイツの半世紀にわたるヨーロッパの戦後秩序への投資を無に帰さしめ、
 神々のたそがれの国を危機に追いやるだろうか?

【参照】ROCKWAY EXPRESS / 2010.11.18
 http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/459/


05. 2010年11月18日 15:30:42: IOzibbQO0w
救済VS破綻派 救済派が優位だが。。


WSJ【社説】アイルランドの救済はユーロ圏破綻への道 英財務相、アイルランド支援の用意=具体策は不透明

2010年 11月 17日 15:13 JST
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 ユーロ圏16カ国の財務相は今、ブリュッセルに会し、今年春のギリシャ危機後に設立された財政安定化基金の活用による救済策をアイルランドに受け入れさせようと必死に説得を試みている。
 今週欧州の至る所で繰り返し耳にするのが、市場の安定化と危機の飛び火の回避には救済が必要だ、との通説だ。
 だが、ユーロ圏にとっての大きな問題は「危機の飛び火」ではない。支払い能力だ。アイルランドを救済したからといって、ポルトガルやスペイン、フランス の支払い能力が今後向上する公算が大きくなるわけではない。また、アイルランドの債権者を救済することで、その他ユーロ圏諸国の支払い能力が向上するわけ でもない。
 それどころか、それら国々の問題を悪化させる可能性がある。救済費用は、ユーロ圏加盟各国が負担しなければならないからだ。
 アイルランドに関する重要な問題は、長期的に見て、アイルランド政府にとって銀行再建コストが債務償還能力を圧倒するかどうか、ということだ。
 たとえアイルランドがEUからの支援を受け入れても、この疑問の答えが得られるわけではない。EUに対する債務返済期限が到来するまで、回答を単に先送りすることになるだけだ。あるいは、ポルトガルの財政状態が持続可能であるかどうかが、明らかになるわけでもない。
 現在のところ、アイルランド政府は債券市場の活用は必要としていない。10年物アイルランド国債は薄商いが続いており、利回りは8%超の高水準に達して いるが、これは流通市場でのことだ。アイルランドの実際の債務コストを表しているわけではない。少なくとも、現在のところはそうだ。

 それら利回りが示しているのは、アイルランド国債の市場価値の落ち込み具合だ。すなわち、アイルランド国債を保有する欧州各国の銀行にとって、それを売却せざるを得なくなった場合、バランスシートに大きく影響する可能性があるということだ。
 となると、提示されている救済策は、アイルランドの貸し手、すなわちドイツをはじめとするアイルランド国債を抱えるその他欧州諸国の銀行利益の保護を、意図しているようにみえる。
 「モラルハザード」という言葉が意味するのは、それら債権者がヘアカット(担保価値削減)の受け入れを免れるようにすることだ。しかも、EU自身も気を付けなければ、現在のアイルランドと同じような状況に陥る可能性がある。
 アイルランド政府が現在の苦境に陥った原因は、2008年9月の金融危機のさなかに、アイルランドの全大手金融機関の債務について、預金者だけでなく、優先債権者や劣後債権者にまで保証を供与するという無謀な策を取ったことにある。
 愚かなことにEUも、全ユーロ圏ソブリン債の保有者に対して、暗示的にではあるが、同様の保証を与えてしまっているようだ。
 ギリシャ救済を受けて今年5月に7500億ユーロの財政安定化基金を設立したことが、ある意味そうだ。これは、市場を沈静化させ、政府が市場を通じて資金を調達できるようにすることを意図していた。
 だが、アイルランドとポルトガル国債の動きが示すとおり、それは奏功しなかった。なぜなら、欧州の債務問題の根本原因である、過剰歳出と成長鈍化の解決にはなっていなかったからだ。
 アイルランドは、少なくとも過剰歳出の問題については真剣に受け止めている。銀行債権者に対する無制限の保証さえなければ、事態はこれほど深刻になって いなかっただろう。アイルランドの過ちを大陸規模で繰り返すことは、ユーロ圏を救済するどころか、悪影響を与えかねない。
 ドイツのメルケル首相は今週、「ユーロ圏が破綻(はたん)すれば、欧州全体が破綻する」と発言した。だが、ユーロ圏は通貨同盟であり、債務同盟ではない。少なくとも、5月まではそうだった。
 メルケル首相の発言は矛盾している。ユーロ圏が、その協定に違反して事実上全加盟国の債務を引き受けることになれば、ユーロ圏への信認は大きく損なわれることになる。それは債権者にヘアカットを受け入れさせるよりも深刻だ。
 アイルランドが、ギリシャのように債務を返済できなければ、債務再編をせざるを得ない。それなら、なるべく早い方がいい。

英財務相、アイルランド支援の用意=具体策は不透明
2010年 11月 18日 7:54 JST
記事
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 【ブリュッセル】英国のオズボーン財務相は17日、アイルランドの債務問題への対応にあたり、同国が支援する用意があると言明した。同相は「アイルラン ド経済がうまくいき、われわれの金融システムが安定することは英国の国益だ」と述べ、「したがって、英国はこうした安定のために必要な措置を講じるアイル ランドを支援する用意がある」と語った。
 同相はこの日の欧州連合(EU)財務相理事会に出席するためブリュッセルに到着したあと発言した。これより先、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担 当)は、アイルランド金融支援の一環として英国の支援が求められていることを確認し、「英国の支援が議論になるのは、同国の銀行がアイルランドに極めて多 額のエクスポージャー(債権)を抱えているからだ」と述べた。
 ただしオズボーン財務相は、英国政府はアイルランドに対する英銀のエクスポージャーを懸念していることはなく、金融支援を供与するとしてもそれが動機ではないと語った。
 消息筋によると、英国はアイルランド支援で一連のオプション(選択肢)を検討しており、二国間融資の可能性も排除していない。しかし、不透明要因も少な くないため、英国が支援するとすれば、どんな形態になるのか現時点で言うのが難しいという。アイルランドがまだ正式に支援を要請しておらず、国際通貨基金 (IMF)がどんな支援を実施するのかも不透明という事情もある。
 前日夜のユーロ圏財務相会合(英国は非ユーロ圏で参加していない)では、欧州委員会、IMF、そして欧州中央銀行(ECB)の調査団がアイルランドを訪問してアイルランドと同国銀行に対する金融支援策を準備すべきだとの認識で一致した。
 救済策は1000億ユーロ(約11兆2000億円)にも達する可能性もあるが、ユーロ圏各国政府が英国にどの程度寄与してほしいと考えているかもまだ不 透明。スウェーデンやポーランドはユーロ圏に参加していないにもかかわらず、欧州金融安定制度(EFSF)に参加しているが、英国は参加していない。
 一方、アイルランドのレニハン財務相は17日、地元ラジオ局とのインタビューで、「銀行の安定化に向け他のEU諸国と集中的な作業を18日開始する」と 強調、「われわれが合意したのは、最近の市場の圧力にかんがみ、構造上の問題に対処することで、何が必要かを見極めることだ」と語った。また、ユーロ圏の 財務相は必要となるどんな行動にも着手する決意だと指摘した。ただ、支援協議の期限については「締め切りはない」と語った。 
記者: Matthew Dalton


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