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(BBC NEWS ASIA-PACIFIC)
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-11677802
2010年11月10日最終更新01:07GMT
日本はレアアースの新たな選択肢を探している
ローランド・バーク
BBCニュース・東京
東京中心部のオフィスの机に向かって座り、中村繁夫氏は5年前に書いた『レアメタル・パニック』の本を叩いた。
「これが来るのはわかっていました」と、中村氏は語る。
同氏の会社であるアドバンスト・マテリアル・ジャパンは、レアアース資源の専門輸入商社だ。
レアアースは中国が供給をほぼ独占し、中村氏は長年、出荷を絞られることを心配していた。
日本の海上保安庁が9月に、東シナ海の係争中の島々の近くで中国漁船船長を逮捕し、領土紛争を引き起こしてから、事態は悪化した。
「おそらく、レアアース情勢の変化が最初に来るのは我が社です。」と同氏は語る。「しかし、現時点では、我が社は先月の原料を受け取っていません。」
そして、これは日本にとって、自動車製造業から電子機器生産までの幅広い分野で大問題となっている。
多くのハイテク製品はレアアースなしに作ることができず、日本が今後の経済成長を進めるために、レアアースに依存している。
「日本の工業すべてがこの影響を受けるでしょう。デジタル電子部品、テレビ、エアコン。デジカメにもレアアースがたくさん使われています。だから、ほとんど全てですね」と中村氏は語る。
中国はいかなる禁輸措置も実施していないと言う。しかし、レアアースの中国依存を減らす競争が、いま日本で進行中だ。
「至急に」
第一の選択肢は供給の多角化だ。レアアース(希土類金属:投稿者注)は実はそれほどレア(希少:投稿者注)ではない。精錬と加工が大変なので、その仕事が中国に残っただけのことだ。
科学がより早く答えを出してくれるかもしれない。つくば市の物質・材料研究機構(NIMS)では、電動機に不可欠な高級磁石の表面を、レーザーを使って原子単位で切削している。
これは、レアアースの消費を減らせるような、新たな生産方法の開発を目標としている。
「私達がこのプロジェクトを提案したとき、これが潜在的に重要だとは考えていましたが、これほど急を要する問題になるとは思わなかったんです」と、ステンレス製の圧力シリンダーと金属線が絡み合った機械に寄りかかりながら、宝野和博博士は語る。
「7年間この分野に取り組んでますが、私達の活動に注意を払う人は誰もいませんでした。でも今は、本当に多くの人達がやってきて、どうすればレアアース材料を減らせるのか聞いてきます。状況が急に変わったことを感じます。」
リサイクルという選択肢
日本は天然資源には恵まれないかもしれないが、価値の高い金属や鉱物は、都市に豊富にある−古いコンピューター、携帯電話、電子機器の中にだ。そういったものを抽出することを、都市鉱業と呼ぶ人もいる。
ヤコ・トシカズ氏は自動車リサイクルを専門に行う。同氏の解体場はテニスコート2面より少し大きい程度だが、半ば分解された自動車と部品−バネ、エンジンブロック、タイヤなど−であふれている。
同氏は、レアアースを含む部品を専門の会社に売っている。
「日本はリサイクル業に多額の投資をした最初の国のひとつです。鉄鋼などですね。」と、古い自動車用ヘッドライトが並ぶ棚に囲まれた中で、缶コーヒーを飲みながら話してくれた。
「私達は製造物の90%をリサイクルして他の製品にする。結構やっているんですよ。それでもレアアースは金属としては希少です。完全リサイクルを目指したいところですが、ロスはどうしても出ると思うんです。80〜90%が現実的だと思います。」
自分の商社で話をしてくれた中村繁夫氏は、創意工夫する日本人の能力を信頼している。同氏が語るには、日本は1970年代の石油危機を生き延びた。今度も切り抜けられる。
「今回の危機をきっかけに、新たな発明品や代替品が出るでしょうね」と、同氏は語る。「もちろん、短期的には心配ですが、来年か再来年には新たな発明品が出回り始めると思っています。」
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(BBC NEWS ASIA-PACIFIC)
http://www.bbc.co.uk/news/business-11727224
日中レアアース紛争
2010年11月10日最終更新12:29GMT
日本はレアアース金属の中国依存を減らそうとしている。この物質はハイテク製品の製造に不可欠だ−しかし、その供給は中国がほぼ独占している。
東京の専門商社によると、東シナ海の係争中の島々の近くで中国漁船の船長が逮捕されてから、レアアースの出荷は止まっている。一方、中国はいかなる禁輸措置も実施していないと言う。
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(投稿者より)
レアアースの問題をレポートした、イギリスBBCの記事をいくつかつなげてみました。誤訳があるかもしれません。ご容赦ください。
この記事では3つの選択肢があげられていました。調達先の多角化・代替技術の開発・リサイクルの推進です。これらを、もう少しだけ見てみます。
調達先の多角化については、先月末、日本はベトナムとレアアースの共同開発を進める協定を結びました。最近の報道では、レアアースの確保を視野に入れた、モンゴルとのEPA(経済連携協定)交渉を始めるとのことです。
(日本、ベトナムの原発2基受注へ レアアースも共同開発:47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010103101000154.html
(政府、モンゴルとEPA交渉へ レアアース獲得など狙い:47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010111201000475.html
レアアースを使わない代替技術の開発については、この記事ではNIMS・宝野博士の研究が紹介されていましたが、ネットを検索すると下記のNEDOの例などや、いくつかの事例を見ることができます。
(NEDO、レアアース代替技術を開発:SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100917/bsc1009170505006-n1.htm
リサイクルの推進については、いわゆる「都市鉱山」の採掘が話題になっています。「都市鉱山」について、ウィキペディアに次のような説明があります。
(都市鉱山:ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82%E9%89%B1%E5%B1%B1
「都市鉱山とは、都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てたものである。そこから資源を再生し、有効活用しようというリサイクルの一環となる。地上資源の一つでもある。」
「近年の産業界では、レアメタル価格の暴騰などにより、廃棄された携帯電話やパソコンの部品から希少資源を回収するなどの対策が進められており、都市鉱山という概念が再評価されている。」
「都市鉱山という観点から見ると、日本は世界有数の資源大国である。…日本の都市鉱山に存在する金の総量は6,800トンで、これは全世界の現有埋蔵量の約16%にあたる。銀は60,000トンで、これは世界の埋蔵量の22%にもおよぶ。同様にインジウムは世界の61%、錫は11%、タンタルは10%と、日本の都市鉱山には全世界埋蔵量の一割を超える金属が多数存在する。」
ネットでは、下記のリンクにあるような、携帯電話や家電製品の回収・リサイクルを推進する動き、さらに、その動きをかつての鉱山、ひいては地域の再生につなげていく試みなど、さまざまな事例が紹介されています。
(不用携帯は都市鉱山:YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20100423-OYT8T00508.htm
(天皇陛下が感嘆した「都市鉱山」DOWA、町と一体で環境事業を推進 :JB PRESS)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/254
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