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デフレの正体」(藻谷浩介)が提言する生産人口減少社会の処方箋
(転載同前)
権威ある学説や金融・経済学の常識に背を向け、独自性のある理論を展開する
のは容易なことではない。
「目からうろこが落ちる」と、評価されることはあるが、時間が経つと色褪せ
るのが一般的で、「奇をてらった意見」として忘れ去られる。
藻谷浩介氏の『デフレの正体』は、ここ10数年、日本を覆う不況の閉塞感を、
「政・財・官・学・マスコミの各界は、『万事は景気の波次第だ』と、検証な
く信じています」と、切り捨てる。
そのうえで、閉塞経済の根本原因は、「景気の波を打ち消すほど大きい人口の
波が、日本経済を洗っている」ことだと断定する。
その「人口の波」とは、日本中で進行している15歳から64歳までの生産年
齢人口(現役世代)の減少である。
確かに、GDPの伸び悩みやデフレの進行といった事態に対して、学者や経済
マスコミが提言するのは、通貨供給量の増大や政府支出の出動による成長戦略
である。
だが、マクロ、ミクロの戦略をいくら実行しようと、「生産年齢人口の減少、
高齢者の激増」という、現実のうえに立つ戦略でなければ効果はないという。
購買力のある生産年齢人口が減少すれば、内需は冷え込む。例えば、車が売れ
ない。
自動車メーカーや経済学者の中には、「若者の車離れ」で説明、「魅力ある商
品開発」を提言する人もいるが、落ち込んだ内需の原因(現役世代の減少)を
知ることなしに、どんな戦略も意味はないと断定する。
ただ、藻谷氏は奇をてらっているわけではない。
すべては政府機関などで公表された数字をもとに打ち立てたもので、本人も東
大法学部を卒業後、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)に入行、米国コロン
ビア大学ビジネススクールに留学、日本経済研究所に出向、現在、同行の地域
企画部地域振興グループ参事役を務めるなど、エコノミストとしての道を着実
に歩んできた。
異色なのは、数字と格闘、エコノミスト同士の論議に明け暮れるのではなく、
全国3200市町村のほとんどを回り、海外59カ国を尋ねるなど、「現場主
義」を徹底させていることだろう。
生産年齢人口の減少が、どれだけ社会を痛めるかを、身を以って体験しており、
だからこそ描ける処方箋がある。
第一の対策は、富裕層から若者への所得移転である。
生産人口が減るペースを少しでも弱め、生産年齢人口に該当する世代の個人所
得と個人消費の総額を増やす。
具体的には、企業は利益を内部留保することなく、団塊世代の引退で浮く人件
費を若者の給与に廻す。また、生前贈与を促進する政策で、一気に老人から若
者への資産の移転を図る。
第二は、女性の就労と経営参加を当たり前にすること。
生産年齢人口にいながら、女性の労働力が生かされていない現実がある。保育
施設や出産休暇など働く環境を改善、優秀な女性労働者の育成は、購買層の増
加となって内需振興に貢献する。
このほか、「外国人観光客・短期定住客の受け入れを」といった、具体的提言
がなされている。
外国人観光客を増やし、国内でできるだけおカネを使ってもらうことが、輸出
による経済活性化が行き詰った日本経済のためになる、というわけである。
15歳から64歳までの生産年齢人口の減少がもたらす閉塞感であり、低成長
でありデフレなら、その生産年齢人口を増やし、収入を増やし、購買力をあげ、
働く環境を改善すればいいではないかという発想。
その前提の置き方と論理展開が、無理なく説得力をもって受け入れられる好著
である。>>
(私のコメント)
社内留保や外資にくれてやる金があれば現役世代、特に若者が結婚して子育てがで
きる給料を出すべきである。政府がしっかりした政策を取らないと民間任せではどう
しようもない。アメリカユダヤ金融に対抗できるとしたら国家単位である。
愛国を考えない政府は異常なのだ。
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