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http://amesei.exblog.jp/12145202/ 「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」から下記を転載投稿します。
経済利権を得るための闘争を政治と云う、原則を経済の視点から見たい主旨で投稿いたします。
=転載開始=
2010年 10月 27日
華為技術の動きから見える:米中冷戦は日本に金を出させるための仕掛けとプロパガンダ
(投稿者記:http://amesei.exblog.jp/12145202/ に写真掲載)
アルルの男・ヒロシです。
今朝のヘラルド・トリビューンの一面に「米国での中国企業の新フロンティア」という題名のレポートがあった。これは米国における、中国のテクノロジー企業、華為技術(Huwei Technologies)をフィーチャーした記事。注目すべきは、この会社がワシントンのロビイストを大量に雇い、アメリカで「アメリンク・テレコム」という会社を設立する支援を行ったと言う点だ。この企業、中国人民解放軍系企業としてよく知られている。
Chinese Telecom Giant in Push for U.S. Market
http://www.nytimes.com/2010/10/26/technology/26telecom.html
IHTやWSJの記事によると、アメリンクの取締役会には、対日通商法301条発動を90年代にちらつかせて対日交渉を行った、リチャード・ゲッパート下院議員、ビルダーバーガーで世界銀行元総裁のジェイムズ・ウォルフェンソン、通信会社ノーテル・ネットワーク(チャプター11で破産して再建された)の元CEOだった、ウィリアム・オーウェンズらだ。
(投稿者記:http://amesei.exblog.jp/12145202/ に写真掲載)
重要なのは、オーウェンズである。かつてハイテク企業としては米国で最大規模を誇る会社の1つであるScience Applications International Corporation (SAIC) の社長・COO(最高執行責任者)・副会長を兼任していた点だ。このSAICというのはかなりアメリカの軍産複合体の中でも重要な企業だ。CIAやNSAとも深い繋がりがある。カリフォルニアでの発祥だが今はヴァージニアに移っている。また、オーウェンズは、SAICに入社する前は、米軍のナンバー2にあたる米統合参謀本部副議長として活躍し、湾岸戦争時の「砂漠の嵐」作戦では、米軍の第6艦隊の司令官を務めた。
またゲッパートにしても、今議員を務めていれば、彼は対中貿易制裁法案を立案しているはずの人物であり、チャールズ・シューマー上院議員らと並ぶ、対中強硬派の雄となっていたはずなのだ。
この新しいアメリリンクのボードメンバー人事は今年の9月21日にWSJなどで報じられている。
SEPTEMBER 21, 2010
Dignitaries Come on Board to Ease Huawei Into U.S.
http://bit.ly/deYeik
要するに、彼らは中国に雇われたロビイストである。オーウェンズのSAICは軍産複合体でアメリカの軍需ITの重要な部分を握った企業だといえる。その企業の元重役が中国企業に協力している。これはアメリカにおける中国の「アメリカ・ハンズ」ともいうべき現象であり、これに怒っているのが、かつて日本のワシントンでの代理人を務めたロビイストの面々を糾弾した、パット・チョートという言論人。
要するに、今、米中関係が緊張していると言われているが、一方で、アメリカは貴重な軍需テクノロジーを少しずつ以前から中国に譲り渡してきたのである。これはアメリカのエリート層が中国を次の覇権国に意図的に育てていたということを意味する。アメリカは敵がいなければ存在できない国であるから、こういう風にタネを仕込んでおくのだ。支援される側もそんなことは分かり切っているのだから両者は共犯関係にあるわけだ。
つまり、最近、日米のメディアで米中関係緊張という宣伝がなされ、それが武器輸出三原則の緩和やら尖閣諸島緊張問題に結びついているけれども、これは全部、米中合作の仕組まれた危機であると見た方がいい。狙いは軍需産業振興という「産業政策」(インダストリアル・ポリシー)である。このロジックを私はあまり歓迎しないが、各国の政財界にはそういう方法しかもはや産業振興ができないと考えている向きが結構いることは理解している。
だから一般人の観点で考えると、重要なことは「眼前の安全保障危機などというものは全てまやかしであろう」と割り切ってつきあうことで、冷静に構えているべきだということなのだ。どうせ金儲けの仕掛けだろうと割り切ればいい。こういうことはたぶん、日本の三菱重工などの軍需産業の皆さんには釈迦(しゃか)に説法な話なのかもしれない。
金の話だというと身もふたもないので、わざわざ政財界、メディア、シンクタンクは敵をつくりだし、立派な理論で武装する。その理論を宣伝していくうちに、双方がその理論に載せられてしまう。いわば自己実現の予言のような構図があると言うことだ。中には日本のメディアのようにその構図に気づかず、本気で危機を煽っている面もなくはないが。
尖閣諸島の問題にしたって、昔、田中角栄に周恩来が「尖閣諸島問題については、今回は話したくない。石油が出るから問題になった。石油が出なければ、台湾も米国も問題にしない」と述べたとされる。そういえばアメリカは以前、尖閣油田でユノカル(現・シェブロンに買収された)を中国の2社と組ませていたことがある。結局、この路線は頓挫するのだが、北方領土問題にしても、尖閣問題にしても、日本の「領土問題」の裏側にはある程度アメリカの影がちらつく。パイをどう切り分けるかということの主導権を持つことがパーティの主導権を握るということなのだ。
見せかけの米中対立がいずれ本当の米中対立になる日がくるかもしれない。それもまた、「金の切れ目が縁の切れ目」ということだが、華為技術を見ている限り、まだそれは先の話になりそうだ。結局、これらの影響力の代理人に引導を渡すのは議会である。アメリカの景気が更に行き詰まることで、中国に対する怒りを外に向ける可能性はあるわけだ。
(投稿者記:http://amesei.exblog.jp/12145202/ に写真掲載)
華為技術の創業者、Ren Zhengfei(任正非 b. 1944 in Guizhou, China (贵州))
=転載終了=
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