http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/885.html
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以下の記事にあるように銀行株の下落が止まらない。現実の株価は2006年年初あたりにみずほは1000円だったが今は110円、UFJは同じく2000円が500円だ。三井住友は同じく14000円が2000円ほどになっている。
背景にあるのは日本の国債バブルではないだろうか?メガバンクはどこも数十兆円ほどの日本国債を保有している。それ以外に日本国債と比べるとかなり少ないはずだが、外国の債券も持っている。それらが、近年中にリスク資産化されることを見越して、今銀行株が売られているように思う。
記事では、「銀行の自己資本はまだ不足している」ことが銀行株下落の理由とされているが、何も、単に自己資本の積み増しが要求されるわけではないだろう。銀行が破たんする可能性が高いので、破たんすることがないように自己資本の積み増しを求めているのだ。
ではなぜ銀行が破たんするか?理由は二つあると思う。一つはソブリンリスクだ。国債などは、今までリスク0として評価されてきたが、現実には国債発行があまりに巨額になり、実質的に返済ができない国がすでに幾つか出てきてしまっている。そのため、近年中に、国債をリスク資産化する可能性が高い。もう一つの理由は、銀行が、かってのアメリカの投資銀行のように明らかに将来破たんすると分かっているサブプライムローンを、複雑に他の商品と組み合わせてリスク評価ができないようにして世界中に売りまくるというような詐欺商法をしないように罰則規定を設ける動きが出てきていて、その場合は、銀行による賠償金額というか罰金が跳ね上がるので、それに備えて自己資本を多くしろという動きだ。
銀行の株価は、金融業界が最も政治的な動きを反映するため、今後もかなり普通の経済理論とは異なった動きをするはずだ。
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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20101012/ecn1010121546000-n1.htm
銀行株下落の背景 「資本サーチャージ」議論が死活問題にも2010.10.12
銀行株の下落が著しい。4日には3メガバンクが揃って年初来安値を更新するなど、鋭角な落ち込みを演じている。背景には国際的な自己資本比率規制の強化と、それに伴う追加増資懸念がある。「銀行の自己資本はまだ不足している」というのが世界的な共通認識ということなのか。
国際的に展開する銀行の自己資本比率規制の強化について、9月中旬にスイス・バーゼル銀行監督委員会で、求められる水準等の大枠が決定された。バーゼルIIIといわれるもので、狭義のコアTier1(普通株式と内部留保)キャピタルを現在の2%から、「資本保全バッファー」と呼ばれる景気循環の変動に対応したのりしろ部分を含め7%に引き上げなければならなくなった。2019年1月1日までに段階的に引き上げる移行期間が設定されているものの、「一挙に3倍以上に高められるわけで、大変厳しい内容」(奥正之・全銀協会長)といえる。
だが、懸念材料はこれだけではない。金融システム上重要な大手金融機関については「資本サーチャージ」と呼ばれる資本の上乗せが求められる可能性があり、11月のソウルサミットまでに最終合意される見通しになっている。狭義のコアTier1キャピタル7%でも厳しいところに、さらに資本の積み増しを求められることになれば増資は不可避。メガバンクの株価はソウルサミットまで軟調に推移することは避けられないであろう。
かつ、この懸念はすでに顕在化しつつある。スイス政府は4日、国内の2大銀行であるUBSとクレディ・スイスに対し、狭義のコアTier1キャピタルをバーゼルIIIで決まった7%を上回る10%まで引き上げるよう要請した。いわばソウルサミットまでに決定する「資本サーチャージ」を先取りする動きと言っていい。この10%の水準が議論の目安になれば邦銀にとっては死活問題となりかねない事態だ。
昨年末、G20(20カ国・地域)の金融当局で組織する金融安定理事会(FSB)は、国際的に監視を強化する世界の金融機関30社を選定している。「破綻が金融システム全体に重大な影響を及ぼす金融機関」と位置付けられるもので、日本からは、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループのメガ3行と、野村ホールディングスが選ばれた。
この4金融機関は、金融システムの重大な影響を及ぼす、いわば大きすぎて潰せない「Too Big To Fail」な金融機関として国際的に認識されたといえる。破綻すれば社会的なコストが大きいことから、日本政府は公的資金を注入しても支えなければならない金融機関ということになろう。
その一方で、「大きすぎて潰せないといえども、実際は、大きすぎて助けられないという事態も想定される」(有力エコノミスト)との指摘もある。あまりに救済コストが膨大なために、一国の財政規模では対応が難しいケースも予想されるためである。この実質的に潰せない「グローバル30」の延長線上にあるのが、今回の「資本サーチャージ」という資本の上乗せ議論である。リーマン・ショックから2年、メガバンクの憂鬱はいまだ解消されていない。 =火曜掲載
もりおか・ひでき 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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