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株式日記と経済展望
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リーマンショック以来、イギリスポンドが売られ続けていることにお気
づきだろうか。「ギリシャの次はイギリスだ!」と、私は考えている。
2010年10月26日 火曜日
ギリシャの次はイギリスだと予言する松藤民輔氏
◆欧州委:英国、スペイン、アイルランドの財政赤字に「重大な懸念」 10月14日 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=agXG47baALtU
10月14日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、経済危機対策のための巨額の財政出動に伴い、英国とスペイン、アイルランド、ギリシャ、ラトビアで財政赤字が拡大し、「重大な懸念」が生じていると警告した。
欧州委は14日公表した報告書で、「経済危機が財政状況や中期的な成長に継続的に影響を及ぼす可能性は重大な懸念だ」と指摘。これら5カ国にとって、「債務の急激な拡大の回避が既に中期的な政策課題となっている」との見方を示した。
欧州委の試算によれば、アイルランドの財政赤字は来年、国内総生産(GDP)比15%を上回り、EU加盟国で最大となる見通し。英国が13.8%でこれに続くと予想される。EUの財政規律を定める安定・成長協定は、財政赤字をGDP比3%以内に抑えることを加盟国に義務付けている。
報告書はその上で、国家財政の立て直しには「向こう数年で公的債務残高と財政赤字を圧縮する大掛かりな財政再建計画、徹底的な社会保障改革の両方が求められる」としている。
◆2011年ユーロ大炎上!日本経済復活の始まり 松藤民輔:著
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062165821.html
◆イキリスはすでに破綻同然……
ヨーロッパの金融機関では、その量(規模)と質(の悪さ)においても、イギリスが他を圧倒している。
ところが、イギリスの危機は、まだ先のCDSのデフォルトリスクのランキングには現れていない。しかし、これも時間の問題である。不良債権9パーセントのイギリスをウォッチしていれば、アメリカの州並みの危機に瀕していることがわかるだろう。
201O年5月末、ドイツがわずか7700億円の国債調達ができずに札割れとなった。これは10年物、30年物という長期債ではなく、5年債という短期債券だ。それが調達できなかったということは、「5年以内にドイツは破綻する!」と市場が判断した、というに等しい。
ドイツは、短期債務がGDP比45・4パーセント、長期債務95・2パーセントである。低い短期金利で借りて長期金利で回すところまでは行っていない。だが、長期債務がGDPとほぼ同額というレベルは”危険水域"である。
ユーロ圏でもっとも健全な国はどこかといえば、100人が100人、「ドイツ」と答えるはずだ。わたしもそう思う。そのドイツが札割れせざるをえなかった。
ということは、フランス、イタリア、そしてイギリスの実態は、はるかにひどいはずなのだ。「まともな産業のないギリシャと、落ちぶれたとはいえ、7つの海を支配した大英帝国をいっしょにしないでくれ」と、イギリスの金融機関トップは主張するけれども、それでは、上の表のイギリスの数値に注目していただきたい。
イギリスの官民両部門が海外債権者から借りているマネーがいくらあるか? なんとGDPの3、4倍という膨大な額である。イギリスの対外債務の長短比率はGDP比240パーセントが短期債務、102パーセントが長期債務である。そしてイギリスの場合、金融機関の対外債務が突出して多い。ということは、短期で低金利マネーを借り、長期で高金利運用をする。すなわち、キャリートレードで儲ける構造になっていることがわかる。
一方、ギリシャの対外債務はどのくらいか? 同じくGDP比58パーセントが短期債務、105パーセントが長期債務だ。キャリートレードで高金利を払っている、という債務構造になっている。、
結論PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)や東欧、南欧諸国が債務不履行を起こしたら最後、もっとも被害を出すのはイギリスにほかならない。これは、「いつ破綻してもおかしくないレベル」といっていいだろう。
アイルランドは国内に産業がなく、金利のサヤ取りだけで生きていた国だから、債務内容もそれなりの数字になっているが、イギリスは自動車、電気、流通など、曲がりなりにもひと揃えの産業がある。にもかかわらず、これだけ対外債務が膨らんでいる:…。明らかに実態は、ギリシャよりもイギリスのほうがはるかに悪い。
◆イギリスがユーロに、加入できなかった。本当の理由
「イギリスはポンドを守って成功した」
「ギリシャ危機でも、ユー口圏に属さないイギリスはうまくやっている」ギリシャ危機勃発後、イギリスを高く評価するエコノミストが少なくないけれども、これはとんでもない勘違いである。
イギリスはユー口に加入したかったのである。しかし、入れてもらえなかった。これが真実なのだ。
1992年、いまだ基軸通貨時代の思い出が忘れられないのか、イギリスはヨーロッパ諸国となんの交渉もすることなく一方的にERM(単一通貨ユー口導入のための欧州為替相場メカニズム)参加を表明した。そして、1ポンド=2・95円という為替レートを、これまた一方的に設定するのである。
このとき、ヨーロツパの経済大国ドイツ(1990年10月に東西ドイツ続一)の首脳はどう思ったか?
「ポンドは実態よりも高すぎて、現実離れしている」
イギリスのインフレ率はドイツの3倍、金利は15パーセント。ERMでは、ポンドの為替変動は上下2・25パーセントという狭い幅しかない。これを超えるとイングランド銀行が変動幅を再調整するか、準備金による市場介入を強いられる。すなわち、ポンドを買うか、マルクを売るかしなければならなくなるわけだ。
ポンドはマルクに対して高すぎるーー機を見るに敏な投機家、ジョージ・ソロスに狙い打ちされたのはこのタイミングである。
「相場は必ず間違っている。高止まりしているポンドがこのままであるわけがない(再調整するはずだ)」
ソロスは即、15億ポンドの空売りを仕掛け、その後も総額150億ドルを市場に投入して、ポンドを売り浴びせるのである。結局、イングランド銀行は、ポンド暴落を阻止するために240億ドルもの外貨準備金を投じたが、すべて市場に吸収されてしまう。この「ポンド危機」でソロスだけでも10億〜20億ドルもの儲けを手にした、という。
こうして、ポンドは、正式にERMを脱退して変動相場制へと移行することになるわけだが、ポンドがこのままユー口に加入すれば、新通貨ユー口までもがヘッジファンドの餌食にされかねない、というドイツの強硬な主張もあって、イギリスはユー口加入を断念せざるをえなかったのである。
イギリスの戦勝国呆けは手ひどいしっぺ返しとなった。もちろん、政府の失態はすべてイギリス国民が負わされた。政府にできることはせいぜい、首相であったジョン・メイジャーのクビを差し出すことだけだった。
皮肉なことだが、ERM脱退後、ポンドは下落(…ポンド安)輸出競争力がついて、イギリスは景気回復するのである。
◆水面下で悪魔の取引が行われている?
「ユー口の下落が止まらない」と大騒ぎするエコノミスト、アナリストがいるけれども、ユー口以上に、世界中のありとあらゆる通貨に対して下がり続けている通貨がある。
ポンドである。
LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は銀行間の金融市場で互いの信用に不安が生じると金利が上昇する。リーマンショックが少し落ち着いた2009年夏以降、0・25パーセント程度で安定していたLIBOR(ドル、3ヵ月物)も2010年3月半ばからじわじわ上昇し、5月に入るといきなりピツチを加速して、7日には0・40パーセントを超えた。
現在、市場の相互不信はどの程度なのか? どの通貨が信用性がないのか…危ないのか? このLIBORこそ、推測する手掛かりのーつである。
そして、もうーつ。それは各国国債の金利差だ。
英国債と、比較的安全な資産とされる米国債(米財務省証券)の利回りの差(スプレッド)をチェックする。たとえば5月6日、2009年8月以来の高水準O・25パーセント強を記録したけれども、これだけ急激に拡大するのは同年3月以来、久しぶりのことである。幸い、スプレッドはリーマンショック直後の4パーセント超よりも小さい、ということは、市場はリーマンショックほどの大地震は今後は来ない、と予測しているのかもしれない。
しかし、はたしてそうだろうか?
リーマンショック以来、イギリスポンドが売られ続けていることにお気づきだろうか。この動きをどう読むか?
「ギリシャの次はイギリスだ!」
という市場のサイン、とわたしは考えている。
じつは、こんな情報が飛び込んできた。ギリシャと某金融機関がLIBOR+2・5パーセントのスワツプを組んだ。そして、このスワツプ取引で叩き出した現金を担保に、債券が発行されたーー。もちろん、この取引については、ギリシャ国債の発行目論見書にはいっさい記載されていない。
ギリシャのような小さな取引ならかわいいものだ。しかし信頼すべき市場通は、こんな怖ろしいことを囁いた。
「ギリシャとの取引と同じ仕組みで、英国債を発行しているのではないか……。市場にサインが出ている」
この金融機関は、ギリシャとの小さな取引ですら1000億円もの利益を出している。これが英国債なら、とんでもない利益を得ているはずだ。これについては、ギリシャより大きな規模の国が破綻でもすれば事実が明らかになるだろう。(P66〜P73)
(私のコメント)
アイルランドの経済が酷い状態になっている事は既にニュースになっていますが、松藤氏が書いているように、アイルランドにはこれといった産業がなく金融で利ざやを稼いできた。国民が汗して働く事がなく金融でカネを稼ぐ癖がつくと立ち直るのはかなり厳しいだろう。ヨーロッパは西と東からドミノ倒しが始まっている。
西はアイスランドが金融で破綻してしまいましたが、それがアイルランドへと広がり始めている。アイルランドが危ないとなればアイルランドにカネを貸していたイギリスが危ない。東からはギリシャ危機で騒がれましたがスペインやイタリアへと広がり始めている。これらの国へもイギリスが大量にカネを貸している。
アイスランドも日本などの安い金利の国から金を短期で調達して長期で貸し出して利ざやを稼いできた。コンピューターによるプログラム取引で国債で運用しているから安全だ。アイスランドもギリシャもアイルランドもみんな金利の利ざやでカネを稼いできた。これほど楽な事はなく真面目に働く事などバカバカしくなる。
それらの事をもっと大掛かりにやってきたのがイギリスだ。日本においてもバブルの頃は財テクと称して、本業よりも金融に走った企業がありましたがバブル崩壊でみんなやられた。銀行からカネを借りて博打をしていたようなものだから、バブルが弾けては逃げようもなかった。
それと同じような事が世界的規模で起きているわけであり、しばらくは先送りに出来たとしても、限界が来れば銀行は信用不安を噂されるようになる。国家にしても同じでありギリシャもECBからの緊急的な手当てで何年かは持っても、状況が改善しなければドミノは倒れ始める。一番貸し込んできたのがシティーの銀行だ。
やがてはドバイもダメ、ハンガリーもダメ、となりのアイルランドもダメとなれば貸し込んだイギリスの銀行がアウトだ。銀行がダメとなれば国債も買うところが無くなる。そうなれば国家財政もアウトになり、イギリスは破産する。2012年のロンドンオリンピックは開かれるのだろうか?
2012年は地峡が滅亡しないでしょうが、金融が持ち堪えられなくなって金融大崩壊が起きる可能性がある。天変地異が起きてそれが引き金になるのかもしれない。引き金を引くのはアメリカではなくてユーロ体制が大崩壊する年かもしれない。経済がまともなのはドイツぐらいですが、ドイツ一国ではヨーロッパを支えきれない。
金融立国は香港やシンガポールなどでは可能なのでしょうが、ある程度の以上の国家体制を支えるような産業にはなり得ない。イギリスは一通りの産業はあるからポンド安が輸出などに好影響を与えますが、金融や不動産に傾きすぎた産業構造は急には元には戻らない。日本も20年も経っても金融業のダメージはいまだに回復していない。
日本は低金利政策で銀行などの営業を助けていますが、リスクに過敏にならざるを得ず国債ばかり買っている。欧米の銀行も信用不安などに備えて直ぐに現金化出来る国債に頼らざるを得ないだろう。住宅ローンなどは利ざやを稼げるドル箱だったのですが、不動産バブルが弾けては稼げない。
アメリカにしてもヨーロッパにしても、最終的に稼げるのは輸出しかなくドル安やユーロ安合戦が行なわれている。しかしイギリスのポンドを見れば分かるように、通貨安に頼った輸出では製造業の復活は難しい。製造業を復活させようにも既に技術者も熟練工も居なくなっている。
イギリスでは金融も不動産もお荷物産業になり、それに代わるような産業がないから税収もかなり落ち込むだろう。だからイギリスは消費税を2,5%引き上げて、大胆な歳出カットを行ないますが、そのような方法はアイルランドで失敗している。かえって財政赤字が酷くなってしまう。気が付いた頃は手遅れになっているだろう。
イギリスはなぜ日本の経験に学ばないのだろうか? 消費税を上げて歳出を絞れば消費が落ち込んで税収も落ち込んでしまう。ポンドが暴落すれば輸入インフレになり不況下の物価上昇で最悪の状況になるだろう。イギリスのポンドはユーロにも加われない落第生であり、だからポンド売りが続いている。
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