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いままでのような成長と、1人の時間を考えたいと思います。成長戦略は、根底から見直す必要があると思われるのですが、皆さんの考えを教えてください。
70年前、国民の5割は農業に従事していました。おおよそ毎日仕事をしていたのですが、農繁期以外は、半日は仕事をしなくてもいいというように、時間的な余裕はありました。町人というか商人も同じです。
そして、いわゆるイノベーションによって、農業に費やした時間と余裕の時間は、他の目的に使えるようになります。農業から製造業やサービス業に主力が移り、成長を継続できたのは、
1)時間を何に使うかを変え
2)一日当たり、一年当たり、より多くのことを行えるように
してきたからです。
いわゆる分業の進展を、総時間とやることの関係で見ただけですが、そうなります。
ところが、21世紀現代、10代から60代まで、おおよその人は忙しいのです。新しい産業をおこすというか、置き換えでなく、新しく需要をつくるというのは、
1)1日24時間のうち、やりくりして、どれだけかの時間を、新しい産業が提供する物あるいはサービスのために使ってもらう、
2)何かをすでに行っていますが、同時に並行して新しく提供する物(あるいは機能)を使ってもらう、
あるいは、
3)今時間をかけていることを短時間で行えるようにする物あるいはサービスを購入してもらう
ということになります。(ウオークマンは、2、を実現したすごい発明のひとつでした。新幹線は、3の典型例です。)
最終消費から、1、2、3、のどれが可能か観察してみると、非常に難しいことが分ります。家事ロボット、介護ロボットなどが現れても、もう、かなり難しいのではないでしょうか。
たとえ、パリ往復が3万円になって、"今度の週末は、パリでオペラと食事だ"と楽しむことになっても、おおよそは、置き換えの消費になるだけです。
すでに他の何かで消費しているのですが、それを置き換えるだけになります。たとえば、すでに、ゴルフで使っていた時間を、パリに出かける時間に変えただけかもしれません。携帯ゲームで費やした時間だったかもしれません。
総消費を増やすことが難しいのであれば、いくら、公共投資をやっても、いくら、金融緩和をしても、企業は、いままでのようには投資はできません。
(地球環境を維持するという観点からも、いままでのような成長戦略は、むずかしでしょう。)
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日本では、おおよそ総枠が抑えられても、その中で、今とは違う成長をやったことがあります。たとえば、文化文政のやり方です。
北斎が現れるような、目を見張るような芸子の髪飾りを作る職人が現れるような。(北斎は、幕府に御用絵師になることを求められたこともありましたが、断っています。)
そして、日常的な物やサービスは、なんとかなるのですが、国債を発行して公共事業をやるのではない方法を、それを支える考え方とともに、編み出せばいいのでしょう。
地域的なものは、グローバルなものという信念を持って。
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- 『ごみ問題ってなあに』嘉田由紀子さん、(国語五上 銀河 光村図書)を通じて将来の経済のあり方を考える。 めむめむ 2010/10/17 12:53:23
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