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写真 「神州の泉」より転載
※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第213弾です
日銀は10月5日の金融政策決定会合で、政策金利を現在の年0.1%から「0〜0.1%」に引き下げると共に、国債や社債やETFなどを買い取ることを決定した。この程度の金利引き下げであれば、景気浮揚効果はほとんど無いし、これがほぼ限界であると言える。しかし、資産買い取りは我々が約10年前から強く主張していることであり、やっと実現するのかと感慨深い。こちらは、景気浮揚効果は間違いなくあるし、その規模は際限無く拡大できる。
しかも今回は、この金融緩和策を気まぐれでは中断しないと確約した。すなわち、「消費者物価上昇率でみて1%程度が中心」の中長期的な物価の安定展望が出来る情勢になるまで続けるとある。期待したいのは資産買い取りである。買い取る資産としては国債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)などがある。過去に行った日銀による量的緩和と大差ないように思うかもしれない。しかし、これは違う。今回は資産購入は5兆円とあるので、確かにこれだけなら効果は限定的だが、これだけで足りないと思えば、際限なく購入額を増やすことができるのだから、その場合は間違いなく効果はでてくる。
慶応大学教授で日本経済研究センター理事長の深尾光洋氏はダイヤモンド2002年4月13日号に次のような提案した。
「もしも私が日銀総裁ならば、第一にインフレ目標を明確に打ち出す。具体的には、「毎年の物価上昇率目標を3%とし、プラスマイナス1%の幅の中で達成させる」と宣言する。インフレ目標達成を裏付けるために、ETF(株価連動型の上場投資信託)を毎月5兆円から10兆円ずつ買っていく。その際、総額で300兆円買い続けることをあらかじめコミットメントしておくのだ。」
その少し前、MITのドーンブッシュも日本のテレビに出演し、日銀に徹底的に株を買わせれば景気がよくなると主張した。10月6日現在の東証の時価総額は約290兆円である。日銀がETFを30兆円程度買っただけで、日経平均は2倍程度になり時価総額が300兆円程度増加するだろう。これだけの利益が日本の至る所に分配される。日銀の儲けは一部国庫に入る。株の取引に関連する税金、取引で生じた利益の一部は税金として国に入る。もちろん個人金融資産1400兆円は大幅に増加する。年金の一部は株で運用しており、年金積立金が大幅増加し、社会保険料の値上げが不要となる。企業年金も運用利回りが大幅アップだ。株が上がり始めると地価にも影響が出てくる。株で儲かると何か買いたくなるものだから消費も上向く。そうすると輸入も増え、経常黒字が減り円安に向かい企業に追い風が吹く。
日銀は為替介入で2兆円ほど米国債を買ったが、一瞬だけ対ドル円相場は2円程度円安に振れただけで、今は元に戻っている。正確に言うと米国債は実は日銀が買ったのでなく財務省が国債を売った金で日銀に委託して買ってもらったのだから国の借金として残っている。しかし、今回日銀がETFを買うということは、新しく作られたお金で買っているわけで借金として残らない。借金を増やすことなく際限無く買える。日本経済が正常と言える状態になるまで思い切って買って欲しい。
更に喜ばしいのは今回35兆円の基金を創設し、資産を買い取るのだが、その際長期国債の買い取りは「銀行券ルール」の対象外とするということだ。「銀行券ルール」とは、日銀が長期国債保有額を日銀券発行額の限度内に収めるという自主規制である。このルールは2001年3月の量的緩和導入時に日銀が勝手に定めたものであり、何ら経済学的な根拠はない。しかし、今までこのルールによって日銀が長期国債を十分買えなかった。そうなれば、政府も売れ残るのではないかと心配し、恐くて国債を十分発行できなかった。この「銀行券ルール」の対象外の基金ができたことにより、政府は安心して国債発行ができるだろう。
今後我々がやるべきことは、国債を財源とした景気対策をもっと大胆にやれと政府二要求することと、日銀はETF購入額をもっと増やせと要求することである。
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