http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/782.html
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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu225.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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外貨準備高が2900億ドルに迫り、経常収支黒字基調が続く
韓国ウォンはなぜ下落しているのか?インフレターゲット政策で
韓国ウォンを売りドルを買う動きが続いている為だ。
2010年10月6日 水曜日
外貨準備高が2900億ドルに迫り、経常収支黒字基調が続く韓国ウォン
◆9月の外貨準備高が最高値更新、ことし3度目 10月4日 連合ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101004-00000002-yonh-kr
【ソウル4日聯合ニュース】韓国銀行が4日に明らかにしたところによると、先月末現在の韓国の外貨準備高は、前月より44億2000万ドル多い2897億8000万ドル(約24兆1474億円)だった。7月末に記録した従来の最高値(2859億6000万ドル)を上回り、ことし4月、7月に続く3度目の過去最高記録更新となった。
外貨準備高増加の背景には、50億ドルを超える貿易収支黒字と外国人の証券市場投資資金の流入などに伴うウォン高の速度調整のため、当局が市場で米ドルを買い入れたことが、ある程度作用したものと推定される。
ただ韓国銀行は、こうした見方には言及せず、先月は外国換平衡基金債券の相当額が韓国投資公社に新規委託されたため外貨準備高集計から除外され、増加幅は予想ほどではなかったと述べている。外貨準備高増加理由についての公式見解としては、従来の外貨準備高を運用した収益発生と、ユーロと英ポンド高を受け、これら通貨建て資産の米ドル換算額が増えたためと説明した。
外貨準備高が2900億ドルに迫ったことで、年内3000億ドル超えとの見方が浮上している。ことしいっぱい経常収支黒字基調が続くと見込まれるなか、米国の量的金融緩和政策などで当面はドル安が続くとの見方が支配的なため。
8月末ベースの韓国の外貨準備高は、中国、日本、ロシア、台湾に続く5番目で、先月と変わらない。
◆韓国では3%のインフレターゲット政策でウォン安で韓国の輸出は快調で、日本はデフレターゲット政策で円高が定着して、日銀は韓国を見習え! 2010年3月22日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/dd16dc44112bc155e23b1df47172fe88
この頃の僕はこのウォン安を韓国危機の始まりかと考えていたのですが、今から考えるとこれは完全に間違いで、むしろウォン安は韓国の輸出企業を躍進させるきっかけになったのでしょう。
日本と韓国の通貨の強さの違いを見るために、両国の一人当たりGDPを為替レートでドル換算した値と、購買力平価でドル換算した値で比較してみます。*1
為替レートベース 購買力平価ベース (為替レート)/(購買力平価)
日本 38,559.11 34,100.07 1.13
韓国 19,504.55 27,646.70 0.71
つまり、日本は為替レートが購買力平価に比べて1.13倍割高なのに対して、韓国は0.71倍割安になっていることになります。さらにこの2つの比を取ると、日本は韓国に比べて1.59倍割高な為替レートになっていることが分かります。これだけの差があれば、韓国企業が日本企業に比べて、競争上優位なのは明らかでしょう。
また、これだけウォンが安ければ、韓国企業にとっては国内市場よりも海外市場に力を入れた方が、遙かに効率的に利益を得られることになります。だから、韓国企業には輸出に力を入れるインセンティブがあることになり、その結果、かんべえさんが指摘したような行動を取ることになったのでしょう。一方、日本は円高ですから輸出に力を入れるインセンティブが小さく、その結果、国内市場重視の体質になるわけですが、国内はずっとデフレですから、海外でも国内でも稼げなくてさっぱりダメということになってしまうのでしょう。
だから、「日本企業は韓国企業に学べ」と言うのであれば、まず「円安にして、日本企業が海外市場に力を入れるインセンティブを与えよ」と主張すべきだと思います。
さて、なぜ韓国は円安になり、日本は円高になっているのでしょうか?
もちろん為替市場の変化についてはいろんな要因があって一概には言えないのですが、インフレが続く国ではデフレが続く国に比べて通貨が割安になっていくのは間違いないでしょう。
そこで、日韓のインフレ率(消費者物価ベース)を比べてみます。*2
このように、日本よりも韓国の方が一貫してインフレ率が高いことが分かります。
さらに、日韓のマネーストック(M3)のデータをOECDのサイトから引用すると、このようになっっています。(2005年を100とした指数)*3
2005 2006 2007 2008 2009
日本 100 102.9953 106.3324 107.2436 107.4666
韓国 100 108.0289 119.1868 132.9998 143.8808
韓国はリーマンショックにも関わらずマネーストックをほぼ一定の割合で増やし続けているのに対して、日本は2007年以降、ほとんどマネーストックが変化していません。
これでは、外国為替レートに大きな差が出るのは当たり前だと思います。
ちなみに、韓国はインフレターゲット採用国で、ターゲットはコアCPI(日本で言うコアコアCPI)3%±0.5%です。そしてインフレターゲットを採用してからは、インフレ率は安定しています。*4
このような金融政策が、マネーストックの安定した増加に寄与しているのでしょう。その結果、安定したウォン安にも繋がっていると思います。
ここまでの議論をまとめると、韓国はインフレターゲットを軸とした金融政策により、マネーストックを安定して増大させることでインフレ率をマイルドインフレで安定させ、通貨は割安な水準で落ち着き、韓国企業はウォン安の恩恵で国際競争力を伸ばしました。
一方、日本は裁量的な金融政策の結果、マネーストックは増大せず、デフレも長期化して、通貨は割高な水準で固定してしまい、日本企業は円高で国際競争力を落としていると言えるでしょう。
日韓の企業を比較するときは、個別の企業の経営方針や行動だけを見るのではなく、その背後にある通貨レート、さらには通貨レートに大きな影響を与える金融政策も考えないといけないでしょう。でないと、日本企業を不当に批判しすぎることになりかねません。
(私のコメント)
日銀はゼロ金利政策に戻りましたが、どうしたらデフレが治るのかというと、いわゆるインフレターゲット政策を取る必要があるだろう。韓国では既にインフレターゲット政策をとっていますが、この事は3月22日の株式日記に書いたとおりです。韓国では3%を目標とするインフレターゲット政策が功を奏して、ウォン安で輸出が好調で30兆円近い外貨が貯まって来ています。にもかかわらず円高ウォン安が続いている。
株式日記ではいろいろと政策提言をしていますが、日銀もようやく株式日記が提言してきた政策を一部取り入れるようになって来ました。韓国ではインフレターゲット政策をとっていますから資金供給を続けていますが、日銀はデフレターゲット政策で資金供給を絞ってデフレにしている。そうとしか思えない政策をとっている。
日本の馬鹿なエコノミストたちは資金供給しても資金需要がない事をもって、資金供給しても無駄だと言っていますが、デフレだから資金需要が出てこないのだ。韓国のように3%のインフレにすると宣言すれば、日本の企業なども早めに資材調達などするようになるでしょう。そうなれば銀行から借り入れをして資材調達する。
韓国企業が元気なのもウォン安が続いている為であり、韓国は毎月50億ドルを越える貿易黒字なのにウォン安が続いているのは、韓国の金融政策のためだ。韓国の中央銀行はインフレターゲットを守らなければならないから、資金供給を続けてカネをだぶつかせている。銀行は現金を持っていても利息がつかないからドル債や円債を買って金利を稼いでいる。だからウォン安円高になるのだ。
日本も2007年ごろ1ドル=120円の円安になりましたが、その頃は福井日銀総裁が資金供給を続けて、ミセスワタナベが円を売ってドルを買っていたからだ。それが白井日銀総裁に代わってからは資金供給を絞ってしまったから82円までの円高になってしまった。この事は日銀の資金供給を見れば明らかだ。
つまり政府日銀が直接為替介入をしなくとも、資金供給をすれば銀行はインフレを見込んで円売りドル買いをするようになる。政府日銀はその仕組みが分からないから直接介入するような馬鹿な事をするのですが、白井総裁もようやく分かってきたようだ。だから日本もインフレターゲット政策に舵をきるようですが、株式日記を読んでもらえば何故円高デフレが続くかもっと早く分かっただろう。
日本もインフレターゲット政策をとるのならば2%から4%目標を立てるべきですが、日銀はそのことを嫌がっている。韓国で成功しているにもかかわらず、日本のエコノミストも経済学者もインフレターゲット政策は出来ないと断定してしまっている。日本が金融緩和してもゼロ金利だからマネーは海外に流出するだろう。それだけ円安が進むから輸出が好調になり経済も元気が出てくる。
◆日銀、4年ぶりゼロ金利=事実上のインフレ目標導入−経済・物価見通し引き下げへ 10月5日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&rel=j7&k=2010100500411&j1
日銀は5日の金融政策決定会合で、従来年0.1%の政策金利が0%に低下することを容認する実質ゼロ金利政策の導入を全員一致で決め、即日実施した。ゼロ金利政策は2006年7月の解除以来4年3カ月ぶり。物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまでゼロ金利を継続するとして、事実上の「インフレターゲット(物価目標)」政策に踏み切った。同時に、5兆円の資金供給拡大策も決めた。
白川方明総裁は会合後の記者会見で、一連の緩和策を「信用緩和と量的緩和の側面を併せ持つ『包括緩和』だ」と説明。さらに「インフレターゲットの長所を取り込み、短所にも目配りした」と、効果を強調した。
日銀は、海外経済の減速や円高による企業心理の悪化を受け、景気判断を「改善の動きが弱まっている」に下方修正。白川総裁は「物価安定の下での持続的成長経路に復帰する時期は後ずれする可能性が強まっている」と、先行きの経済見通しの悪化が政策変更につながったことを明らかにした。
このため、日銀は月末に発表する展望リポートで、経済・物価の見通しを引き下げることが必至となった。7月の中間評価では11年度の消費者物価指数は前年度比0.1%上昇と3年ぶりのプラス転換を見込んでいたが、こうした回復シナリオの実現は困難。日銀が望ましい水準としている1%の達成は遠のいている。
また資金供給拡大の具体策としては、合計5兆円の基金創設を決定。1年間で長短期の国債約3.5兆円、コマーシャルペーパー(CP)・社債約1兆円のほか、株価指数連動型上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J−REIT)も含めた多様な金融資産を買い入れる。これにより期間1〜2年など長めの金利の低下を促す。(2010/10/05-21:30)
(私のコメント)
日本の官僚たちは頭が頑固だから、教科書に書いていない事を理解するのは時間がかかるようだ。エコノミストや経済学者も官僚以上に頭が悪いからインフレターゲットの意味を理解する事ができない。私などは零細企業を経営しているから経済動向に敏感にならざるを得ませんが、官僚たちは所詮サラリーマンだから経済の動向を肌で知る事ができない。
アメリカもヨーロッパもカネをばら撒いて通貨安政策をとっていますが、日本だけが従来的な金融政策で円高デフレにしてしまった。日本の官僚は世界経済の情勢にも疎くてニクソンショックの時も世界が為替市場を閉じたのに日本だけは為替市場を開け続けて巨額の損失を出してしまった。いかに政府日銀が馬鹿であるかを証明した出来事だった。
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