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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu224.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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GDP世界第二位の中国ほど巨大な国がルール違反を犯した例はない。
小国がルールを破っても、世界経済全体を脅かすことはないのだ。
2010年9月29日 水曜日
◆中国の戦術は裏目に出る危険性も 9月28日 フィナンシャル・タイムズ
http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20100928-01.html
中国の漁船船長逮捕をめぐり日に日に緊張の高まる外交紛争で、最初にまばたきしたのは日本だったかもしれない。船長は24日に釈放され帰国する予定なのだから(訳注・24日に釈放・帰国)。
おかげで日本政府は、高まる中国の圧力に屈したと、国内でたちまち非難された。
しかし今回の強硬姿勢は中国政府にとって裏目に出る恐れもある。世界第2位の経済大国として日本を追い抜いたばかりの中国は、アジアで影響力を増している。その中国に対してアジア各国の懸念はただでさえ高まりつつあるのだ。
日中が揉めているのと同時に、中国とアジア各国の関係もほころび始めている。温家宝首相はこのほど、日本と領有権を争っている尖閣諸島(中国名・釣魚島)は中国の「神聖な領土」だと発言し、領土権をますます強気で主張する意図を示唆した。
「中国が強硬姿勢を強めており、なかなか交渉や譲歩をしようとしない。アジアではそう懸念する声が多い」 米シンクタンク「ニクソン・センター」の中国専門家、ドリュー・トンプソン氏はこう言う。「なのでそういう国々は、今まで以上に頻繁に、アメリカの方を見るようになっている」
南シナ海では、中国、ベトナム、マレーシア、台湾、フィリピン、ブルネイの各国がそれぞれ、全部か一部の領有権を主張する島々がある。そして東南アジア諸国の間では、中国に態度に不安が増しつつあるのだ。
アジア諸国が中国に対して不満を募らせる現状は、アジアの外交と安全保障でアメリカが存在感を取り戻す、恰好の機会となった。
ヒラリー・クリントン米国務長官はベトナム・ハノイで7月に開かれた地域会合を利用して、中国との紛争でアメリカが仲介役を務める用意があると表明。これに中国当局は多いに気色ばんだ。バラク・オバマ米大統領も24日、南シナ海についてアジア各国首脳と話し合う予定だ(訳注・米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は24日、首脳会談を開いた)。
中国は過去18カ月間にわたりインドとも、外交上の小規模な揉め事を繰り返してきた。加えて今年3月に北朝鮮が韓国の哨戒艦を撃沈した際には、中国が北朝鮮を非難しなかったため、韓国の怒りを買った。
中国の強硬姿勢が強まっているのは、共産党指導部に大幅な人事異動が予想される2012年の党大会に向けての動きだと見るアナリストもいる。他方で、経済力を政治や外交上の影響力に利用したいと中国指導層が考えていることの表れではないかと見る人たちもいる。
アジアにおける政治の潮流が変化している。日本はその典型だ。民主党が昨年政権をとって以来、日本は中国との関係改善に努めてきた。慣例を破って習近平国家副主席に天皇会見を認めたほどだ。
しかし漁船船長の逮捕に対する中国のきつい反応はむしろ、新しく外相となった前原誠司氏をはじめとする民主党関係者たちの主張に勢いを与えるだろう。日本は自国利益防衛のための軍事力を今まで以上に発揮できるよう、その能力を獲得しつつ、アメリカとの同盟関係を深化させていくべきだというのが、前原氏たちの考えだ。
一方で、日本はアジア情勢において比較的受け身で、かなりの経済力があるにもかかわらず、外交力はそれをはるかに下回り、安全保障はアメリカとの同盟に頼り切りだというのが、従来の日本のイメージだが、◆(簷の竹かんむりを取る)其雄(ジャン・キション)船長を釈放するという日本の検察の判断は、このイメージをさらに補強してしまいかねない。
「今回のことが、圧力に弱い日本というイメージを作り出してしまうのは、間違いない」。安全保障問題に詳しい岡本行夫氏はそう話している。
◆米中「貿易戦争」を覚悟せよ 9月28日 ニューズウィーク
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2010/09/post-1657.php?page=1
スムート・ホーリー法の歴史を知っている人なら、間もなく米中貿易戦争が勃発すると聞いて平常心ではいられないだろう。1930年、米フーバー政権は国内農業を守るため、外国からの輸入品の関税を記録的な水準に引き上げるスムート・ホーリー法を施行。諸外国が報復措置としてアメリカの輸出品に高い関税をかけたため、世界経済は停滞した。
米中は今、当時のような貿易戦争に向かって突き進んでいる。しかも、貿易戦争が勃発したほうがプラスになる可能性が高い。
スムート・ホーリー法は世界大恐慌を引き起こした直接の原因ではないが、世界的な報復合戦を招き、大恐慌をさらに深刻化させたのは確かだ。グローバル経済の回復が完全でないなか、人民元の切り上げを拒む中国に対してアメリカが対抗措置を取れば、かつてと同じ報復合戦を招くかもしれない。そして不幸なことに、アメリカはこのリスクを冒す必要がある。
この10年間で中国は広大な貧困国から経済大国に変貌を遂げた。一人当たりの国民所得は(2009年は6600ドル)はアメリカ(4万6400ドル)の7分の1だが、その経済規模がグローバル経済に与える影響は増す一方だ。今年のGDP(国内総生産)は、日本を抜いて世界2位。09年には輸出額でドイツを抜いて世界一になり、世界最大のエネルギー消費国でもある。
問題は、中国が世界経済の基本原則を本気で受け入れる気がないこと。国益にかなう場合には世界共通ルールに従うが、国益に反するときはルールを拒んだり、変更したり、無視したりする。アメリカを含むすべての国が中国のように振舞いたいし、実際にルール違反を試みた国も多い。ただし、そうした国が中国と違うのは、自国の短期的な利益を犠牲にする必要がある共通ルールの正当性を認めていること。しかも、中国ほど巨大な国がルール違反を犯した例はない。小国がルールを破っても、世界経済全体を脅かすことはないのだ。
中国の為替政策で350万人の雇用が消えた?
中国の身勝手な振る舞いの最たる例は、人民元の価値を過小評価し、輸出主導の経済成長を促進していることだ。とばっちりを受けているのはアメリカだけではない。安値で輸出し、高値で輸入する中国は、ブラジルからインドまで多くの国の経済を傷つけている。06、10年にかけて、世界の輸出額における中国の割合は7%から10%に急増した。
アメリカの歴代大統領は長年、人民元相場を見直して輸出競争力を低下させるよう中国に求めてきた。だが中国は、国内消費の強化の必要性は認めつつも、輸出に影響を及ぼさない範囲でしか人民元相場を上昇させないつもりのようだ。
中国は05年半ばから08年半ばにかけて人民元相場を約20%上昇させる為替レート改革を行ったが、その大部分は生産性向上によるコスト削減によって埋め合わせ可能だった。しかも、経済危機が勃発すると、この改革さえ中止。最近になってようやく人民元の上昇を再び認めたが、為替レートはほとんど動いていない。
人民元がどれほど過少評価され、それによって何人のアメリカ人が職を失ったかを示す明確な数字はない。だがピーターソン国際経済研究所によれば、人民元相場が20%上昇すれば、2、3年で30〜70万人のアメリカ人の雇用が創出されるという。
リベラル系シンクタンクの経済政策研究所のエコノミスト、ロバート・スコットは、アメリカが対中貿易を行ってきたせいで350万人の雇用が失われたと推定する。この数字は大げさすぎるかもしれない。中国製品の輸入を止めれば代わりにアメリカ国産品が消費されるという前提に立っているが、実際には他国からの輸入品に取って代わられる可能性があるからだ。それでも、経済危機で職を失った総計840万人より小さな数字ではある。
中国が人民元の切り上げに応じなければ、報復という選択肢が浮上する。中国もボーイングやエアバスの購入を控え、アメリカ産大豆の代わりにブラジル産を輸入するようになるだろうから、いよいよ貿易戦争が勃発するかもしれない。
ティム・リアン下院議員(民主党)とティム・マーフィー下院議員(共和党)は、中国の為替操作は事実上の輸出補助金に相当するとして「報復関税」の課税を認める法案を提出した。経済学的にはもっともな主張だが、WTO(世界貿易機関)に不当と退けられる可能性はある。
米下院歳入委員会は9月24日、報復関税を含む対中制裁法案を可決した。今週にも下院本議会を通過するかもしれない。
(私のコメント)
NHKの「クローズアップ現代」が尖閣諸島問題を取り上げないのは、例によって例のごとくなのですが、日曜日の日曜討論やNHKスペシャルでも尖閣の問題はやらなかった。NHKではたいした問題ではないと思っているのでしょうが、中国に対する国際社会の見方が大きく変わってきました。それに対して中国が今までのやり方を変えようとしていない。
中国が途上国である内はルール破りも多めに見られてきましたが、GDP世界第二位の経済大国になればルール破りは許されない。中国自身も経済規模が大きくなればなるほど世界との関わりが大きくなって来ているから自分勝手な行動が許されない。尖閣諸島でも自分勝手な行動が繰り返されましたが、これは自分で自分の首を絞める事になるだろう。
今まで中国が人民元をドルに固定できていたのも、アメリカ政府がそれを容認してきたからですが、弊害がアメリカにも及んでくるにつれて、アメリカ政府も相殺関税などで対抗するかもしれない。アメリカは既に10%近い失業者を抱えて政府への不満が高まって来ている。中国政府はその流れを読むことが出来ないのだろう。
中国は高度成長を維持している内はいいが、経済が不調になってくると、その影響は政治にも及んでくるだろう。中国は軍が経済でも大きく関与している為に経済が不調になれば軍が黙ってはいない。国営企業の多くは軍が経営しているだけに押さえる事が難しいだろう。
アメリカにしても中国に負けず劣らず自分勝手な国であり、中国が自分に都合がいい国であるうちは手を組むし、悪くなれば手のひらを返して来る。中国政府が柔軟にアメリカに対処して人民元を少しづつでも上げていけば先送りは出来るのでしょうが、それが出来ないのは、輸出依存体質を変えられないからだ。
中国のような国土が大きく人口も大きな国は内需主導の経済にして、元も切り上げて輸入物価を安くすることが国益なのですが、それができない。だから国内ではインフレと賃金の引き上げで経済競争力を失っていますが、中国のエコノミストはそれが分からないから人民元の安値固定に固執する。
アメリカにしても中国にしても、経済で行き詰れば軍事で局面を打開しようとするだろう。だからイラク戦争やアフガニスタン戦争で梃入れしようとしていますが、ゲリラが相手ではミサイルや戦闘機を消費しない。だから新たに戦争場所を求めて来ているのでしょうが、朝鮮半島と台湾海峡になるかもしれない。そこで代理戦争が行なわれるかもしれない。
朝鮮半島ならば韓国と北朝鮮の戦争になりますが、台湾海峡でも台湾と中国が戦争するかもしれない。アメリカと中国の代理戦争になりますが、日本も関与させられるだろう。もちろん限定的な戦争になるのでしょうが、ミサイルや戦闘機や軍艦が大量に消費されてアメリカの軍需産業は息を吹き返すかもしれない。
FT紙やニューズウィーク誌に書かれているように、経済報復合戦が拡大していけば軍事衝突にも繋がるかもしれない。尖閣諸島における日中の対立はそれを予感させられるものですが、日本政府や国民にその気構えがあるだろうか? 韓国の哨戒艦沈没事件は解決されていないし、尖閣でも日中の衝突がこれから激化するだろう。
韓国や台湾にとっては米中の思惑は迷惑な事ですが、日本もそれに巻き込まれる可能性が高い。日本の外交と防衛はアメリカに丸投げ状態であり、尖閣問題でもそれが分かった。いずれ中国は軍艦を出してくるでしょうが日本政府はどうするだろうか? 中国は以前の中国ではなく最新の近代兵器で武装しているから日本も対抗できる武装が必要になる。
現在の極東アジアの情勢は明治維新の頃に良く似ている。アメリカは南北戦争の後遺症で動けず、イギリスもボーア戦争などで極東にまで手が出せない。ロシアが南下政策で極東に手を出し始めていた。そこで朝鮮半島をめぐって清とロシアと日本の三つ巴になった。
韓国や台湾は、単独では中国に対抗できないから中国に併合されるかアメリカに頼るしかない。台湾が中国に落ちれば中国は自由に太平洋に進出してくるだろう。それを抑止しているのが在日米軍だ。しかしオバマ・クリントン政権ではG2などといって中国をアジアの覇権国と認める姿勢も見せていた。しかし日本で民主党政権が出来てアメリカ離れを模索する動きが出てきてアメリカは慌てた。
中国が洗練された民主国になることが不可能な事は、今回の尖閣問題でも明らかだ。中国は国際ルールも守らず無視すれば世界から孤立する。インドやブラジルなども中国の人民元に対して抗議していますが、中国のひとり勝ちは許されない。貿易は相手国があって出来る事なのだから、国際ルールを無視すれば世界から非難されることになる。
人民元が引き上げられて中国の工場のメリットが無くなればグローバル企業はインドやアジア諸国に移転していくだろう。中国はそれに耐えられるだろうか。技術革新競争はますます激しくなり、単に安いだけでは他のアジア諸国に負けるだろう。人民元は引き上げられないのは中国の経済競争力の弱さを中国自身が認める事になる。
◆温家宝首相、人民元の大幅切り上げの可能性を否定―米紙 9月25日 レコードチャイナ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100925-00000018-rcdc-cn
2010年9月22日、国連総会に出席するためニューヨークを訪問している中国の温家宝(ウェン・ジアバオ)首相は、米国の友好団体が主催したパーティーに出席した際、「人民元はまだ大幅に切り上げできる条件を備えておらず、大幅に切り上げれば中国社会に大きな混乱を引き起こす可能性がある」と語り、人民元の大幅な切り上げの可能性を否定した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道を24日付で財経網が伝えた。
温首相は「米国政府が要求するように人民元を20〜40%切り上げれば、中国の企業がどれだけ倒産するか、どれだけの労働者が失業し農村へ戻らねばならないか想像がつかない。そうなれば、中国社会に大きな混乱が起こるだろう」と指摘した。
さらに「人民元レートの問題は経済問題であり、政治問題化すべきではない」とした上で、「たとえ人民元レート問題が解決したとしても、貿易不均衡は解決できない。その問題については両国で協力して解決していく必要がある」と述べた。
また、中国経済については「中国は発展途上国であり、多くの構造的な問題に直面している。中でも最大の問題は発展の不均衡であり、持続可能な発展性に欠けている」とし、「中国は引き続き改革開放政策を堅持していく」と語った。(翻訳・編集/HA)
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