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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=avfFEV39L.2s
9月15日(ブルームバーグ):日本が2004年以来で初の為替介入に踏み切ったことから、今は円安を見込んだ取引の好機だと思うかもしれないが、よく考えてみてほしい。
ジョージ・ソロス氏や同類の投資家たちが円高を見込むべき理由が2つある。1.日本の円売り介入は単独行動で、主要7カ国(G7)による協調介入ではなかった。2.日本の高官が介入の引き金となる水準を投機家に教えるという失敗をしてしまった。
単独介入も水準への言及も、あまり賢い動きとは思われない。米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の協力のない円売り介入は成功しない。世界中のソロスたちに円の高値試しを考え直させるのは協調介入への警戒だけだ。また、政府は何がおころうと決して、防衛ラインの水準をトレーダーに教えてはいけなかった。
この鉄則を破った仙谷由人官房長官に眉をひそめた人は多かった。仙谷氏は財務省は1ドル=82円を攻撃に出るべき水準と考えていると発言したばかりか、政府は介入について米欧の理解を得ようとしているとまで喋ってしまった。
つまり、FRBとECBが協力していないばかりでなく、米欧当局は介入が必要とも、奏功するとも確信していないということだ。円投機のシーズン解禁だ。
絶好のタイミングであったとしても、介入が成果を上げるかどうかは議論の余地があるところだ。日本はかなり無理をしている。円が15年ぶり高値になったのはドルとユーロが下落しているからで、下落には十分正当な理由がある。
ダブルパンチ
確かに、日本は為替の動きで不当に重い負担を背負わされている。円高は日本にとって最重要の輸出産業に対する最悪のニュースだ。トヨタ自動車や日立製作所の経営陣は、過小評価されている人民元のおかげで絶好調の中国の傍らで自分たちの競争力が殺がれていくのを快く思いはしない。
しかし、現実はこういうことだ。混乱の尽きない世界では、貿易黒字国の通貨が上昇する。日本はこの10年、経済ゲームでの戦闘能力強化を怠ってきたので、今は競争力のない産業が円高への対応を迫られるというダブルパンチに見舞われている。
このため株価は押し下げられ、10年国債の利回りは1%程度にとどまっている。国内総生産(GDP)のほぼ2倍の公的債務を抱える国にしては驚異的に低い利回りだ。この低利回りのおかげで、より高い利回りを提供する商品、例えばサムライ債(外国の発行体が日本で発行する円建て債)などの需要が急拡大した。
シュワルツェネッガー知事
さらに、日本への悲観が海外での投資機会を探る動きを促す。日本を訪れたシュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事に、日本の新幹線を売り込むことになったのはそういうわけだ。カリフォルニア州はロサンゼルスとサンフランシスコを結ぶ高速鉄道を建設したい。日本の鉄道技術は世界のトップクラスだし、日本には金がある。カリフォルニア州は191億ドル(約1兆6350億円)の財政赤字に直面している。
日本は400億ドル余りのプロジェクトのために、カリフォルニア州に金を貸そうと申し出た。ぴったりの組み合わせに見える。
金利の安い円で借りて、その資金をより高リスクの資産に投資するのは、投資家のお気に入りのゲームだ。こうして、シュワルツェネッガー知事は正式に円キャリートレードの仲間に入った。
中国と韓国もカリフォルニア州のプロジェクトで受注を目指している。シュワルツェネッガー知事は今週、両国も訪れたが、知事は東京で、日本は天才的と語って日本勢を喜ばせた。
ソロス氏とイングランド銀行
日本の指導者たちが「天才」らしく行動してくれたらよかったのだが。与党民主党の代表再選を果たした翌日に菅直人首相は、金融業界知能テストに落第するような大胆な行動に出た。円が今後数週にわたって高いままなら、同首相は間抜けな指導者のように見えるだろう。そして、円が高止まりする確率は高い。
日本の前回の為替介入は不毛だった。日本は2004年3月までの1年3カ月にわたって介入を続け、円相場を押し下げるために、スウェーデンのGDPを超えるほどの金額を投じた。円相場は以来、22%上昇している。
ソロス氏がこの機会を利用しないとしたら、ついに焼きが回ったとしか思えない。同氏は1992年に、ポンド防衛を図るイングランド銀行(英中央銀行)を相手に売り勝ち、10億ドルをもうけた。日銀に買い向かえば今回も恐らく、巨額利益を上げられるだろう。日本の当局者らは無意識に、投機家たちに招待状を送ったも同然だ。(ウィリアム・ペセック)
(ウィリアム・ペセック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
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コメント
財務省の官僚が、よく考え、金融音痴の野田財務大臣に決断させたのですから、それなりに次の先手、予測をしているとは感じますが、菅政権の支持率も大手マスコミによると上昇しているようであり、また、財界からも単独の市場介入については、好意的であり、今のところは財務官僚の思惑通りなのかもしれません。
また、野田財務大臣が、介入したことをわざわざ表明し、それに輪をかけて財務官僚も今後も介入すると語り、仙石官房長官にいたっては、82円という防衛ラインまで発言するというなんともリップサービスが行き届いているようです。
すでに介入資金が、今までの所二兆円ともいわれており、これまた、介入限度額までもが約39円程度あるような情報までもが紙上に流されています。
その上、売り出した円は、市場に滞留させ、購入したドルの行き先がこれまた話題となりつつあるようです。
つまりは、今の菅政権は、早急に日本円で四十兆円程ドルを買うとも宣言しているかのようです。
介入資金にしても政府短期証券という三カ月満期の証券という国債で資金調達しているのであり、これまた、短期証券の買い先は、中国という報道もでており、なんともサービスがゆきとどいた政権とみえます。
それだけの外貨を買うということを宣言しているのですから、外国にとってよだれがでるほどのこととも感じますが。
問題は、政府の次の予算ですが、埋蔵金と称して外為特金をあてにしているとの情報もあり、一体菅民主党政権は、本当に民意の支持を本当に得ているのかなとも感じます。
官僚主導の政治でこれだけの借金を作り、デフレが継続し、そして雇用までもがおかしくなっているということをあまり感じない国民なのかもしれません。
ある人が、前回の民主党の政権交代で国民が本当に病んでいたと感じたそうですが、今回の小沢氏と官氏との争いの結果から、多くの国民は、まだ病んでいないと感じたそうです。
病気が進行していても本人が病んでいることにきづいていない、或いは、きづいていても軽い症状だと感じているうちは、変化、改革などまだ先かもしれないとこぼしていましたが、そうかもしれず、その先は、突然死ということもありえます。
このコメントにしても小沢信者とかいわれていますが、信者とはいえませんが、今の状況では、小沢支持にならざるおえないのかなとも感じます。
また、私は、小沢議員の最終日の演説を聞いてはいないのですが、多くの投資家のプロに聞いてみますと、小沢議員の演説と菅総理の演説を聴き比べても、多くの民主党議員が小沢議員に賛同するのが本来だとも話していましたが、民主党各議員は、本当はどう感じていたのでしょうか。
円売り介入は、ソロスなどヘッジファンドへの招待状らいいですが、ヘッジファンドといえども日本政府と戦おうとはしないでしょう。
ただ、40兆円という動く現資金に群がるハイエナにはなるのかもしれません。ミセスワタナベもそうです。
市場関係者から見れば、なんとかこの40兆円を市場に入れたいと考えますし、この外貨をなんとかとりにいこうとする国もでてくるかもしれません。つまりは、40兆円市場に行くように仕組まれる可能性すらあります。たぶん、財務省は、それを見込んでいるのかもしれません。
今回の財務省、日銀による介入は、いたしかたないともいえる介入ではありますが、そこまで日本の手の内を見せる必要があるのかなとも感じますが。
資金40兆円の他に、菅総理は断固として円高を阻止するとも発言しているかぎり、それ以上の資金が必要となるかもしれず、そうなると国会がねじれの場合、どこまで突き進む予定なのでしょうか。
優秀な財務官僚が、次何を考えているか考えることも必要なのかもしれません。ひょっとして何も考えていなかったりして。
通貨安競争の口火を切った菅政権と財務官僚、それを歓迎した大手マスコミと多くの民主党支持者、吉と出るか凶とでるか賭博のような世界へと日本は巻き込まれたのかもしれません。
やはり金持ち国家日本の金は狙われているのでしょうか。
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