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労働者・国民の懐が暖まらない限り内需は拡大しないし、経済は上向かない。自分たちの儲けを増やすことばかり考えていると結局、自分たちの儲けも増やせなくなる、そのことに財界はもっと早く気付くべきだ。 「しんぶん赤旗」が言及している西岡幸一氏のコラム記事は日経ヴェリタスを購読申し込みしないと読めないが、「気になるニュース速報+」に全文が採録されている。 -------------------------------------- (西岡幸一)「法人減税要求の前に企業がすべきこと…代替財源もないのに、敢えて韓国などと税率争いをするのは、そもそも賢明なのか?」 法人税率の引き下げ要求が産業界や経産省などから声高に上がっている。 事実として法人税率が企業の活力をそぎ、日本企業の海外脱出を促進し、海外企業の国内立地などを妨げているか。 税率が下がって手元に留保分が増えると設備投資など業容拡大に踏み出すか、といえばこれも即座に首肯できない。 さすがに韓国などとの15%ポイントにもなる税率格差は競争力に影響するだろう。 いったいに足もとの法人税引き下げ論議は、円高の高進による競争力劣化もあって前のめりになっていないか。 ソース
法人税減税/家計を踏み台にするな/日経コラムニスト
「しんぶん赤旗」2010年9月15日付・6面
1 :諸君、私はニュースが好きだφφ ★:2010/09/13(月) 22:51:38 ID:???
凋落(ちょうらく)した日本経済を立て直すには企業の競争力回復が重要であり、
国際的に見て高い法人税率を引き下げるべき、と言う。
日本約40%、韓国25%などと数字を示されるとサムスン恐怖症にかかっている折から、何とかせねばなるまい、という気になる。
ただ、最終的に日本列島の誰かが負担しなければならない税の話だ。
企業に強くなってほしいが、家計が踏み台になり続けないよう、正確な事実の下の納得できる議論がいる。
本当に企業の税負担が国際的に見て過大なのか。
よく指摘されるように研究開発費などの税額控除をはじめとした租税特別措置を勘案したら本当の実効税率はどうなるか。
上場有力企業の納税額を見る限り、様々な減税措置を活用しており、表面税率とはかなり異なるのが実態だ。
国と折半する社会保障負担などを加味した公的負担の尺度で見ると、スウェーデンやフランスの方が日本より大きい。
当たり前だが、税率が立地選択の第1基準になることは、ペーパーカンパニーでもない限りあり得ない。
成長市場である、労力・資材の調達コストが安い、優れた人材と高度な技術がある、などが優先する。
足もとの企業は手元の資金が空前のレベルまで積み上がっているが、投資に動意は見られない。
従業員の賃金引き上げなどに回すかといえば、これも2002〜2007年にかけての、「いざなぎ」を超えた景気における分配構造を見ればそうでもない。
しかし、韓国と今後も同じ事業分野で真っ向から競争するつもりなら対処せざるを得ないが、それで展望が開けるかといえば疑問だ。
日本はサービス化やソフト化を進め、より高次の産業構造に移ることが、韓国・台湾やその後ろに控えている新興国との折り合いを付ける道ではないか。
代替財源もなくあえて韓国などと税率争いをするのは賢明ではない。
法人減税で円高打撃分をカバーできるかのような錯覚がある。
競争力劣化の要因の一部が税問題なのであって、本質は企業がリスクを取らない経営に終始し、経済環境が激変したのにビジネスモデルの転換に二の足を踏んできたからではないのか。
経済を成長させる、つまり付加価値を増大させることが先決であって、付加価値から従業員への賃金、社会保障負担などを差し引いて、残りの税引き前利益を国が取るか企業が取るかの配分方法が税率だ。
むろん税率が低く、増えた留保分を拡大再生産に仕向ければ成長への好循環につながる。
仮に法人税を大幅に下げ、一時的に家計の税負担が増えても経済成長で結果的に税収が大きくプラスサムになるなら異を唱えない。
産業界が疑問を一掃した上で、家計の負託を受けてプラスサムにする意欲を見せて欲しい。
(日経ヴェリタス 9/12号 68ページ「わかったようでわからないモヤモヤ経済学」客員コラムニスト・西岡幸一氏)
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