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ベストバイ】、モバイルで大幅増益Ｑ２！３代目ＣＥＯのコネクテッド・ワールド戦略とは？
■ベスト・バイが14日に発表した第２四半期（６月〜８月期）決算は、モバイルのコネクティビティ（接続性）を軸とした戦略「コネクテッド・ワールド（The Connected World）」が功を奏し、純利益が予想を上回る結果となった。
純利益は2.54億ドルと前年同期（1.58億ドル）から60.8％と大幅の増加となった。利益率の高いモバイルにシフトしていることで粗利益率が前年同期の24.4％から25.7％に改善したことが増益の要因となっている。総売上高は113.4億ドルと前年同期（110.2億ドル）から2.9％増加した。既存店・売上高前年同期比では、前年同期とほぼ横ばいとなる0.1％減となった。国内はモバイルやアプライアンスが好調だったものの、テレビゲームや音楽・映画ソフトなどエンターティメントが不調で既存店ベースは1.0％減となった。昨年６月の地デジ完全移行でテレビの買い替えが進んだことも既存店が下回った原因となっている。また、カナダやヨーロッパ、中国、メキシコなどの海外店の既存店ベースは4.0％の増加だった。
同社のＣＥＯブライアン・ダン氏は「消費支出が伸び悩んでいる中、営業利益や純利益が大幅に改善されていることで、『コネクテッド・ワールド』戦略の成長に自信を深めています」と強調した。
ベストバイ第２四半期（６月〜８月期）
総売上・前年同期比： 2.9％増
純利益・前年同期比： 60.8％増
既存店・売上高前年同期比： 0.1％減
⇒こんにちは！アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。商品カテゴリー別売上構成比をみてみましょう。ベストバイでは、テレビなどを含む「コンシューマーエレクトロニクス（ＣＥ）」、パソコンやノートブック、携帯などの「ホームオフィス」、ゲームや映画・音楽ソフトの「エンターティメントソフト」、白物家電の「アプライアンス」、そして「サービス」、「そのほか」の６つのカテゴリーに分けられています。第２四半期（６月〜８月期）の各カテゴリーの売上構成比は、ＣＥが36％、ホームオフィスが39％、ソフトが12％、白物が６％、サービスが６％、その他が１％となっています。四半期ごとにならべてもいいのですが、季節要因（例えば12月を含む第４四半期ではソフトの比率が高まり、ホームオフィスが下がる傾向）がありますので、過去２年の第２四半期と比べます。
⇒08年と09年、10年の６月〜８月期でみると、ＣＥが38％→38％→36％と下降、ホームオフィスが34％→37％→39％と大きく上昇、ソフトが16％→13％→12％と大きく下降、白物家電が５％→５％→６％と小さく上昇、サービスは７％→６％→６％とやや下降、その他はほぼ変わらず１％前後で推移しています。目立っているのがＣＥの下降とホームオフィスの上昇でしょう。ＣＥが下降しているのは、テレビの販売価格の下落や、数量も落ちているのではと思われます。昨年は地デジ完全移行がありましたから、買い替えも落ち着いているのではと推測されます。で、ホームオフィスが２年前に比べて５％も増加しています。ひとつはモバイル部門とモバイルストアの拡大によるところが大きいと思います。それから昨年６月からＣＥＯになったブライアン・ダン氏が提唱する「コネクテッド・ワールド（The Connected World）」戦略により、ホームオフィス・カテゴリー全体を押し上げているのだと思います。
「コネクテッド・ワールド（The Connected World）」戦略を語るブライアン・ダン氏。接続性の事例としては地球の裏側の人とも格安で話ができるスカイプや、他国の人と対戦できるテレビゲームなどを挙げている。「コネクテッド・ワールド」戦略では、スマートフォンでの繋がりが要になるのだろう。
⇒ちなみＣＥＯの戦略の軸を振り返ると面白いです。ベストバイの創業者で初代ＣＥＯのリチャード・シュルツ氏はオーディオビデオストアからノンコミッション制で倉庫型スーパーストア店舗の移行、さらに「コンセプト?」までフォーマットを進化させました。02年からＣＥＯとなったブラッド・アンダーソン氏は地域住民の特性に合わせたストア展開の「カスタマー・セントリシティ（顧客中心）」戦略とギークスクワッドやマグノリア等の買収に続く「部門ブランド化」戦略をおこないました。ダン氏の「コネクテッド・ワールド」戦略は、製品と製品、人と人とのネットワーク化を訴求するものです。ベストバイは新技術の製品を販売するのではなく、製品どうしを結びつけることで人と人を結ぶ役目を果たすというものです。したがってスマートフォンなどのモバイルデバイスが戦略の重要な要になるわけで、ホームオフィスの売上高に占める割合を高めているのです。
スタッフとお客をつなげた「トゥエルプフォース」、最近では「ショップキック」などもこの戦略の一環なのです。
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